心してお進み下さい。
「さぁ、遂に来ました宝塚記念!!
今シーズンは出走変更が相次ぐ波乱のGⅠでしたが、
この宝塚記念はまさに
混沌を表すかのような布陣が勢ぞろいしています!!」
1、 メジロマックイーン
2、 メジロパーマー
3、 メジロライアン
4、 タマモクロス
5、 イナリワン
6、 マヤノトップガン
7、 マーベラスサンデー
8、 サイレンススズカ
9、 グラスワンダー
10、ゴールドシップ
11、____
13、アグネスタキオン
・・・18、___と、なっております
▽
「ひぇ~、短距離、中距離メンバー勢ぞろいだぁ。」
「ほれ、何時ものマシマシ。」
「わ~い!さんきゅ~トレーナー!」
「うわぁ、出なくて良かったかも。」
「フクキタル?いずれはお前もここに立つんだからな?」
「ひぇ~。」
「凄い、です。」
「ウララ、良く見て自分なりの攻略法を考えて見な?」
「と、言うかお兄様?どうしてタキオンは出れるのですか?」
「いや、それはファンに言ってくれ。」
▽
ちょっと戻って前日のトレーナールーム
「ちょ、ちょっと待て、
なんで家のタキオンが出れるんだ?」
「あぁ、私にも思い当たる節がないのだが?」
「当然、キミのファンからのたっての希望だ、
それにJ〇Aの推薦もある、出て見ないかね?」
「ど、どうする、タキオン?」
「い、いやぁ、出れるのはありがたいが、
調子は今一つなのだぞ?」
「疑問、どれを取って今一つなのだ?
練習場中距離レコードブレイカーのタキオン君?
私としては、十分戦える状態だと思えるがね?」
「そ、それは・・・。」
「理事長、出走に関してはトレーナーに権限がある筈なのですが?」
「不満、メジロ家からも是非にと言われててな、
サイレンススズカも、戦って見たいと、
挑戦状を叩きつけられてな、その、断れなくて。」
二人「はぁ~・・・焚きつけ過ぎたか。」
「疑問、それはどう言う事かね?」
(不安だが・・・黒尾君?)
(そうだな、ここまで御膳立てされちゃぁ、断れないか)
「わかりました、せめて、
やや外側から出走させて下さい、内回りは少し問題なので。」
「感激!!それぐらいはお安い御用だ!!直ぐに取り掛かる!!」
▽
「って事もあったんだ。」
「・・・脚、大丈夫なの?」
「だから不安なんだよ、
本当ならもう少し空けてから走って欲しかったんだけど、
あれだけ外堀が埋められてちゃ断れなくてな。」
「うわぁ・・・。」
▽
「さぁ、ゲートインは順調に進んで行きます、
そして、最後の一人が入りました!」
「今、スタート!!
先頭はメジロパーマー!!
その後ろをメジロマックイーン、
メジロライアン、イナリワン、マヤノトップガン、
タマモクロスはやや出遅れたか、6番手!
サイレンススズカ、ゴールドシップ、グラスワンダー、
アグネスタキオンと続いて行きます!!」
▽
(くっ、想定してないレースとは言え、
身体は動いてくれている、頼む、私の脚よ、耐えてくれ)
▽
「アグネスタキオンはやや中段に位置したまま前に出ません、
先頭のメジロパーマーは逃げまくるが
直ぐ後ろに並んでマックイーン、
ライアンが今か今かと抜き去るタイミングを探っている!!」
▽
(うぉ~っ!?こえぇ~!!でも)
「逃げるが勝ちぃいいっ!!」
▽
「メジロパーマーが更に速度を上げるがこの先は上り坂、
その加速力を落とさず上り切れるのかぁっ!!」
▽
「へ、甘い、甘いでぇ!!
たこ焼きソースよりもあまいでぇっ!!」
▽
「おぉっと!?ここでタマモクロスが先頭集団に追いついたぁ!!
そのまま3コーナーを駆け抜けて行く!!
そしてその後ろには
虎視眈々とストレートを待ち受けるウマ娘達が並んでいる!!」
▽
(よし)
(う~し)
二人「ここっ!!」
▽
「第4コーナー立ち上がりから攻め立てるのは、
誰にも先頭は譲らない
サイレンススズカがメジロパーマーと並んだぁ!!
しかし、その脇にはゴールドシップも並んでいるぅうっ!!」
▽
(速いっ!?)
(へ、スズカ、このやる気を出したゴルシ様を
なめんじゃねぇ、ぞっ!!)
「か、かわしたぁっ!?ゴールドシップが先頭に躍り出たぁっ!?」
(まけるかぁ~っ!!)
「そのゴールドシップに張り付くように
マヤノトップガンと、イナリワン!!
マーベラスサンデー、グラスワンダーが張り付いている!!」
(げげっ、流石に4体1は酷くねぇか?)
「う、内側からマックイーン!!
メジロマックイーンが抜け出して来たぁっ!!」
(なに~っ!?)
(ふっ、ゴールドシップ!!負けませんわ!!)
「マックイーンが抜け出す!!しかし負けじと
メジロライアンも抜け出そうと必死だぁっ!!」
(こぉぬぉおおおっ!!)
(流石ライアン、パーマー、でも、譲りません!!)
「なっ?!メインストレートをご覧ください!!
ほぼウマ娘達が一直線に並んで坂を駆け上がって行きます!!」
(ギリギリ外側に空いてるわね、行きます!!)
「大外からグラスワンダーが突っ込んで来る!!
コレは狭いが外側に入る以外ない!!
それでも加速は緩めない!!」
(これなら!!)
「さぁ、『道を空けろ!!この鈍足共がっ!!』」
▽
「なんと?!混戦の中央から、
アグネスタキオン!!
アグネスタキオンが押しのけて突き進んでいくっ!!」
全員「なっ!?」
「この私を怒らせた事、後悔させてあげるよ!!」
「アグネスタキオンが抜け出して行く!!
一馬身、二馬身、三馬身!!
どんどん先頭集団を引き離して行く!!」
「これが『アグネスタキオンの10割だぁっ!!』」
「ゴール!!アグネスタキオン!!
先頭集団に5馬身さでゴール!!
次いで、メジロマックイーン、ゴールドシップが入りました!!」
▽
ウィニングライブ後
控室
「た、ひゅぅ、ただ、いま。」
「タキオンっ!!」
すかさず酸素スプレーを押しあて、無理やりにでも吸い込ませる
「ひゅぅ、ひゅぅ、しん、どい、ねぇ。」
「喋るな、兎に角深呼吸しろ、無茶しすぎだよ、タキオン。」
「タキオンさん、脚、失礼します!」
「っ!?ひゅぅ、たす、かる、よ、らいす。」
両足首を氷嚢で抑える
「テイオー!次の酸素スプレーを。」
「はい、これだよ!!タキオン、しっかり息すって、吐いて!!」
「ひゅぅ、ふふ、ひゅぅ、
あり、が、とう、テイオー、せわ、かけるね。」
10分?20分?ようやくタキオンは落ち着いてきた
「あ、ありが、とぅ、流石に、自分でもて、るよ。」
その手はしっかりと俺の手を握る
「ゆっくりな?ゆっくりだぞ?」
「あぁ、わかってる、大丈夫、大丈夫だ。」
「はぁ、どうして『10割』を?」
「・・・はは、柄にもなく怒ってしまってな、
誰も私を見ようとしなかったからね、
つい、頭に来てしまったよ。」
「・・・タキオン。」
「ぉ、ぉお、すまないね、黒尾君。」
(あぁ、抱きしめられると凄く落ち着ける・・・
もしかして、黒尾君からそう言う成分でも出ているのだろうか?)
「氷嚢、変えてきますね。」
「あぁ、ありがとう、ライス、
『君から見て私の脚は、後どれくらい持ちそうかね?』」
二人「っ!?」
「・・・。」
「いいんだ、客観的な意見が欲しい。」
「・・・2かい。」
「あはは・・・そぅ、か。」
「でも!!きちんとアフターケアをすれば!!」
「ライシャワー、君もわかってるだろう?」
「ねぇ、トレーナー?タキオンって、本当に病気なの?
一時噂になったけど・・・。」
「・・・テイオー、コレが現実だ、
アグネスタキオンは、『屈腱炎』を抱えている。」
「そんな・・・だって!?」
「テイオー、ほんとは、明日、話す予定だったんだ、
君の復帰戦が決まったからね、
そのオマケで話す筈だったんだ。」
「ずるいよ・・・ボクには、
我慢しろって、散々注意する癖に・・・。」
「小倉のGⅢ『CBC賞』函館GⅡ『エルムステークス』
小倉GⅡ『テレビ西日本賞北九州記念』
中京のGⅡ『経産賞セントウルステークス』
そして、GⅠ『天皇賞(秋)』が、
お前の駆け上がるテイオー伝説だ、
それをタキオンに見せつけてくれるな?」
「でも、その間にタキオンは?
あと二回無理しちゃったら
『走れなくなるんだよっ!?』」
「テイオー、キミは優しくていい子だ、
だからとは言わない、
『勝利に貪欲になれ』これが、
私から君に引き継いで欲しい事だ、
それに、これは私のわがままなんだ、
『実はね、学園に入る時に
少し医者から注意されてたんだ。』」
「おい、タキオン?それは俺も初耳だぞ?」
「言って無かったからねぇ、
ライシャワー、トウカイテイオー、
キミ達に私の夢を託したい、
『GⅠ無敗を掲げ続けてくれるか?』」
「・・・む、むり、だよ、
それに、まだ全速力で走って練習してないし、
抜糸もしたばかりだし・・・。」
「長距離なら任せて!!」ふんす!!
「そこは中距離もと言って欲しいのだがね、
テイオー、出来るだけ私も無理はしない、
なんせ『大抵8割で勝てるのだから』」
「え?」
「テイオー、練習場のレコードタイム見てるのか?」
「ぁ~、最近見て無い。」
「タキオンが中距離を更新し続けてるからな?
それが『タキオンの8割』の基準だ。」
「マジでッ!?ボクが出したレコードはっ!?」
「あぁ、三回目のトライアルで超えたよww」
「むき~っ!!絶対ボクの名前で埋めてやるんだから!!」
「アハハハ、良かった、
やはり『それが一番キミらしい、トウカイテイオー』」
「ふぇ?」
ぎゅっと抱きしめる
「お姉さんの我儘と夢を引き継いでくれるかい?
トウカイテイオー?」
「・・・わかったよ、
ちゃんと見ててよね?必ず!!
テイオー伝説を実現して見せるから!!」
「うむ、これこそトウカイテイオー!!
『親父のシンボリルドルフ』を超えるのも
そう遠くは無いね!」
「あっ!!」
「え?」
「シンボリルドルフ会長が?」
二人「ボクのっ!?『トウカイテイオーのっ?!』
お父さん~っ!?」
「あ、しまった。」
「ぁ~・・・不味い、ルナちゃんが暴走しかねない。」
コンコンコン
「失礼するぞ?
タキオン、見事な走りだったな・・・おろ?
なんだ?この空気は?」
二人「ぎゃ~っ!?ルナちゃ~んっ!?」
「かいちょ~っ!?」
「シンボリルドルフさんっ!?」
「だから、ルナちゃん言うなぁ~っ!!」
「そうなんだ、タキオン。」
「フクキタル。」
「なんだい?ゴールドシップ?」
「タキオンは。」
「・・・キミの予想通り、良くて後二回だって。」
「っ~・・・会長は?」
「今、中でごまかしてる最中。」
「あん?」
「これ?ホントなの?」
「なにがだよ?」
「シンボリルドルフ会長が、
トウカイテイオーのお父さんって。」
「無言は本当って答えで良いんだね?」
「フクキタル、これ以上は。」
「突っ込まないよ、
私は私、自分が走りたいから走るの。」
「・・・すまん。」
「なんで、ゴールドシップが謝るのさ?」
「来い、そんな『泣き顔』は隠してやるから。」
「卑怯だよ、ごるしぃ。」
ゴルシはイケメンでもある!!