ウマ娘ストーリー・ブラックテイル   作:扶桑畝傍

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誰が二回目が無いと言った?


天皇賞(秋)

「この東京競馬場は晴天に恵まれ、

 ウマ娘達が掲げる唯一無二の目標!!

 『天皇賞(秋)』開幕致します!!」

 

控室

「テイオー。」

「黒尾さん、いよいよだね。」

「あぁ、来たな。」

「ふふ、『今回はキミに譲るよ、トウカイテイオー』」

あの後、調子が戻らず、今回の天皇賞は出走を取りやめた

「あはは、ホントは一緒に走りたかったけどね、

 『アグネスタキオン』」

「すまんねぇ、お姉ちゃんの夢の一つを託すよ?」

「うん♪」

「テイオーさん、きっと大丈夫です!」フンス!!

「ライスシャワーも、

 『今回はボクが貰うけど、次は一緒に走ろうね!!』」

「はい、反省してます、追試に時間を取られちゃったのは

 自分のせいなので、ごめんなさい、テイオーさん。」

「ほら、そろそろ時間だよ?」

「ね、ねぇ、フクキタル?」ソレ、ナニ?

クタクタになったゴルシが担がれていた

「え?私の愛玩動物///

 この後も『しっかり調教するからね~』」

ヒヌ~タシケテクリェ~

「うん、無理、

 みんな、悪いけど、テイオーと二人きりにしてくれないか?」

「・・・わかったよ、ほら、でたでた、

 フクキタル、隣の部屋が『空いてる』から、使うと良い。」

「りょ~かい///」

イ~ヤ~・・・

 

「・・・二人、きりだね。」

「テイオー。」

「な~に~?」

「『折れても構わない、勝利を掴みとれ』」

「・・・え?」

「お前の手術をしてくれた医者を覚えてるだろ?」

「ぅ、ぅん、覚えてるよ。」

《アイツも医者の端くれだった》

「折れても治してやるって言ってたからな、安心しろ!」

「それって、不安しか無いんだけど?」

「あはは、そうだな、でも、

 『トウカイテイオー』なら大丈夫だ。」

「勿論♪ボクのテイオー伝説はここからが本番なんでしょ?」

「そうだ、勝って、伝説をモノにして来い!!

 『トウカイテイオー!!』」

 

「ねぇ、きす、してくれる?」

「本番前だぞ?」

「いいの、きっと、それが一番支えに出来るから。」

「・・・テイオー。」

「くろおさん。」

 

 

「さぁ!!今回の

 『一番人気!!トウカイテイオーの登場だ~っ!!』」

 

(すごい、バ場が揺れてる歓声なんて初めて)

「でも、ボクの伝説はここからだ!!」

 

「お~っと!!勝利のVサインでは無い!!

 3本っ!?『コレは三冠を宣言しているのか~っ!?』」

フジビュースタンド内

 

「あら、テイオーちゃん三本なんて大胆ね。」

「あぁ、トウカイテイオーなら、きっと。」

「もぅ、妬けちゃうわね。」

芝 2000 バ場 良

 

1、 トウカイテイオー

2、 メジロマックイーン

3、 エルコンドルパサー

4、 セイウンスカイ

5、 テイエムオペラオー

6、 サイレンススズカ

7、 ビワハヤヒデ

8、 ナリタタイシン

9、 ナリタブライアン

10、ゴールドシチー

11、フジキセキ

12、ヒシアマゾン

13、エアグルーヴ

14、マヤノトップガン

15、サクラバクシンオー

16、メジロライアン

17、キングヘイロー

18、ウイニングチケット

 

で、出走致します!!

「テイオー。」

「なぁに?マックイーン?」

「貴女を奪い返します。」

「へぇ、そう簡単に行くかな?」

「はい、必ず。」

「・・・マックイーン?」

「なんですか?」

(折れてもごめんね?)

「え?」

「さ、ゲートインだ!!」

「待ちなさい!!テイオー!!」

(わかってる、

 ボクの脚は結構限界なのも

 でも、走りたいんだ!

 あの『黒毛栗ウマ娘』にも言われたし、

 黒尾さんの為にも走りたい!!

 だから、ボクの脚、『今回は無茶に付き合ってね?』)

「テイオーっ!?」

「さぁ、ゲートに。」

「くっ、仕方ありません、

 勝って聞き出して見せますわ!!」

「さぁ、ゲートインが終わりました!!」

 

「一斉にスタート!!」

 

全員「なっ!?」

 

「なんと!!トウカイテイオー!!

 トウカイテイオーが華麗なスタートを決めて先頭だぁっ!!」

(なんてこったい、

 テイオーちゃん、何時の間に逃げを覚えたんだい?)

「追いかける先頭はセイウンスカイ!!セイウンスカイが

 ぴったり後ろに張り付いて行く!!

 な・・・なんと言う展開でしょうかっ!?

 完全にトウカイテイオーが引っ張り、

 僅かなスキマで全体が団子状態!!

 大混戦のスタートだぁっ!!」

(くっ、このボクがこんな集団の中から出られないだって?

 ふざけないでよね!!)

「テイエムオペラオーが

 もがきながらもなんとか外側に脱出を図るが、

 それを良しとしない、

 ナリタブライアン!!ナリタタイシンが外側から被せて行く!!」

(ふっ、簡単には行かせない!!)

(ざっけんじゃねぇぞ!!)

(くぅっ!?)

「集団の後ろでも激しい接戦が繰り広げられている!!

 ウイニングチケットが外に膨らむも

 その空いたスペースにキングヘイローが捻じ込んで来る!!」

(うぉおおおっ!!まけるかぁ~っ!!)

(このぉっ!!キングヘイローの道を空けなさい~っ!!)

「集団が3コーナーに差し掛かる!!

 ビワハヤヒデが苦しそうだ!!

 外に抜け出さないと前に出れない!!

 ゴールドシチーが覆いかぶさり外に出れない!!」

(くっ、こんなモデルウマ娘が速いなんてぇっ!!)

(モデルでも!!ウマ娘でも!!

 私が一番になるんだ~っ!!)

「さぁ、ここから4コーナー立ち上がり!!

 来た来た来た!!サイレンススズカ!!

 サイレンススズカが強引に外側へ脱出!!

 見せるのか!!異次元の逃亡者はここから

 トウカイテイオーを追い越せるのかーっ!!」

(行きます!!)

(ふっ、させないよ!)

(このヒシアマ姉さんの前を行くんじゃないよ!!)

(逃がしはしない!!

 我、エアグルーヴはここからが本領発揮だ!!)

「ご覧ください!!

 サイレンススズカが囲まれています!!

 ヒシアマゾン!!フジキセキ!!エアグルーヴが

 サイレンススズカをマークし続けている!!」

(いっくよ~っ!!ここだぁ~っ!!)

「なっ!?大混戦の内側からマヤノトップガンが突き抜けて行く!!

 その後ろからメジロマックイーン!!

 メジロライアンが追従していく!!」

(にゃに~っ!?)

(どきなさい!!わたくしは!!

 トウカイテイオーに聞かねばならない事があるんですの!!)

(なっ!?マックイーンが伸びるっ!?)

「大変な事になって来ました!!

 全ウマ娘が並走状態になっております!!

 しかし、その2馬身先にトウカイテイオーが逃げ続ける!!」

(テイオーっ!!絶対逃がさないネーっ!!)

「ゴールまであと300!!

 エルコンドルパサー!!エルコンドルパサーが

 トウカイテイオーに食らいつく~っ!!」

(つ、か、ま、え、た!!)

「更にメジロマックイーンが並走!!

 並んだ!!並んでいる!!

 トウカイテイオー!!

 メジロマックイーン!!

 エルコンドルパサーが並んでいる!!

 あと100!!一体どうなるのかっ!!」

(テイオーっ!!)

(え?テイオー?)

 

「ゴール!!ゴールし・・・大変ですっ!?

 トウカイテイオー!!

 トウカイテイオーがその勢いのまま転倒!!

 起き上がません!!」

 

 

「・・・ここ、あ、こんにちわ、

 お医者さん。」

「あぁ、そうだ。」

「・・・あはは、言われてた通り、『折れちゃったね』」

「あぁ、骨は直した。」

「そう。」

「なんだ?聞かないのか?」

「『お医者さんとしては止めたいんでしょ?』」

「よくわかってるな、その通りだ。」

「うん、黒尾さんから言われてたから、ちょっとは覚悟してたよ?」

「・・・そうか。」

「でもね?テイオー伝説はここから、

 何度も怪我しても復帰して走るよ?」

「苦しい道だぞ?」

「うん、『ディープインパクト』にも言われたよ。」

「『会えたのか?』」

「あれ?もしかして?

 好きだけど、『ウマ娘に居ないから残念?』

「このマセガキ、んな事言うな。」

「苦しい道のりだよって、

 でも、走るのは止めないでくれって。」

「アイツらしいな。」

「ねぇ?『後二回、折れても直してくれる?』」

「知ってたのか。」

「うぅん、実はね?

 『レース中、ボクが走ってたのはね?

  誰も居ない天皇賞だったんだ』」

「おい。」

「『隣にね?馬のボクが走っていたんだ』」

 

「『ちらって、見られた気がしたんだ』」

 

「『ついて来いって、言われた気がしてね』」

 

「『ついてくなんて、甘い、

  追い越してやるって走ったんだ』」

 

「気が付いたら、『馬の記憶が流れて来たんだ』」

「それでか。」

「うん、『馬のボクが心配して来てくれてたんだ』

 そして、『勝ったんだ』」

「で、折れた、と?」

「えへへ、実はほとんど覚えて無いんだ。」

 

コンコンコン

「テイオー、起きたか?」

「黒尾さん!!」

「・・・その顔、『知ったんだな?』」

「うん、でも、

 『ボクを傷物にしたんだから責任、ちゃんと取ってよね?』」

「当たり前だ、また、歩く練習からだ、

 テイオー伝説のスタートだぞ?

 しっかりついて来い!!『トウカイテイオー!!』」

こぶしをくっつけ合う

「うん!ちゃんと引っ張ってよね?黒尾!!」

「おやおや、これは抜け駆けかね?」

「あっ!?アグネスタキオン!?」

「お兄様?ガチぴょいはまだダメですよ?」

「ライスシャワーっ!?」

「へぇ~、髪を降ろしたテイオーちゃん、

 『結構、私の好みね?』」

「ふっ!?フクキタル!?

 怖いからねその手つきっ!?」

「それだけ元気そうなら、

 復帰も早そうですね、トウカイテイオー。」

「ハルウララ、やっぱ変だよその話し方ww」

「フクキタル、脚に負担をかけなければ、

 『襲ってもいいのでは?』」

「え?ホント!?いいの!?」

「いやいやいや何言ってんのウララっ!?

 フクキタルもダメだからねっ!?

 まだ『手術したばっかりなんだからねっ!?』」

「その通りだ、マチカネフクキタル、

 医者として、現状のトウカイテイオーは動かすな、

 お前はゴールドシップでも愛でて来い。」

「はぁ、残念そうしてくるわ~。」

「テイオー、結果だが、

 『写真判定で一着が確定したぞ!!』」

「や、やった~・・・あだだだ。」

「ほれ、無理すんな、今はゆっくり休め、

 『俺達がついてるから』」

「うん、ちょっとの間、お休みさせてね?」

 

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