あの後、マックイーンの脚も折れてたなんて
トレーナールーム
「え?いま、テレビ、なんて言ったの?」
「・・・テイオー。」
地図と、IC乗車券を渡す
「黒尾、どう言う事?」
「流石に手術直後には言えなかった、
お前も、『メジロマックイーン』も、
『天皇賞(春)』には出れない。」
「見舞いぐらいは行ってやれ、
それと、主治医さんには
『注射器を出さない様に言ってあるから大丈夫だ』」
「そうでなくても『ウマ娘用って針が太いんだからね!!』
痛いんだからね!!」
「知ってるさ、
それに、お前の脚はまだ動かせない、
『致し方無く、シンボリルドルフ』に頼んである。」
「え?なんで『お父さんに?』」
「明日はハルウララの、『GⅠエリザベス女王杯』だ、
俺達はそっちに行く。」
「は?ハルウララ、そんなに強くなってたの?」
「そりゃぁ、お前の入院中だってレースはあるんだ、
『シルバーコレクター化したけど』」
「ちょっとまって?
それ、ネイチャに言って無いよね?」
「『ブロンズコレクターか?』もう身をもって経験中だよ。」
「うわぁ・・・まって?
それって・・・ネイチャも一緒に?」
「よくわかったな?
俺も良くわからんが
『ナイスネイチャとハルウララ』で、
2、3着を良く取るんだ。」
「うげぇ~、トラウマも良いトコじゃんそれ。」
「それと、ゴールドシップがな。」
「そう言えば、フクキタルの生贄に捧げたけど、
あれからどうなったの?」
「・・・受け入れちゃった。」
「マジかっ!?」
「チーム練習は戻って来るんだけど、
『それ以外はべったり張り付いてる』」
「ボク、学園行きたくないなぁ~。」
「いや、お前の休みは明日までだ、
リハビリもスタートするからな?」
「え゛っ!?もぅ始めるのっ!?
ギプスも外してないのにっ!?」
「アイツ曰く『血が噴き出さなきゃ平気だろ?』ってな。」
「いや、おかしいでしょそれっ!?
お医者さんとして絶対おかしいでしょそれ!!」
「大丈夫、大丈夫、テイオーなら平気だって。」
「もぅ!!しんじらんない!!」
「うるさいよぉ、
眠れないじゃないかぁ。」
「あ、ごめん、タキオン、
大丈夫?最近寝れてないんだって?」
「あぁ、どうにもね、
長く寝れないんだ、黒尾君、こうちゃ~。」
「はいよ、そこで座ってな。」
「ぅ~ぃ。」
「タキオン、ホントに大丈夫なの?」
「ぅ~・・・ん?なんだね?テイオー?
ごめんねぇ、こんなおねえさんでぇ。」
(ダメだ、話しかけても気づいてない、
一体どうしちゃったんだろ、タキオン、
目元の隈も酷いし・・・あれ?一回り小さくなってる?)
「ねぇ?黒尾。」
「ほれ、紅茶・・・寝たか。」
「タキオン、『食べれてないの?』」
「・・・毎晩、夢を見て起きるそうだ。」
「夢?」
「『レース中に足が
持たなくてそのまま走れなくなる夢』だそうだ。」
「それって・・・。」
「タキオンじゃないんだ、『その夢の対象が。』」
「・・・誰、なの?」
「『ライスシャワー』だ。」
「言ってあるの?」
「アイツが言う事聞くと思うか?」
「ぁ~、無いね、練習に違和感は?」
「あぁ、アグネスデジタルに監視カメラの増設を頼んで
『死角は無くなったよ』
抜け出してもいなから、そこは大丈夫だが、
練習の熱の入り具合が『明らかに一段階上なんだ』」
「それ、不味くない?」
「わかってる、わかってるからこそ、
『止められないんだ』」
「どうするの?」
「最悪、出走取り消しを考えている。」
「納得しないよ、ライスシャワー。」
「だろうな。」
「黒尾、手、震えてる。」
「・・・あはは、俺もあんま寝てない、
テイオー?幻滅したか?」
「うぅん、黒尾も、怖い事あるんだなって、
なんか安心したよ。」
「安心?」
「『ボクが居るからね?黒尾?
例え脚が弱くても、ボクが居る、
一緒に支えてあげるからね?』」
「とうかい、ていおー・・・。」
「今だけ、隠してあげる、ほら?
泣き止んで?じゃないと、
タキオンがぐっすり寝れないよ?」
「ありがとう、トウカイテイオー。」
がちゃ
二人「え?」
「心配になってな、タキオン?
だい・・じょう、ぶ、かぁっ!?」
二人「なんでノックしないの
『ルナちゃんっ!!めっ!!でしょっ!!』」
「だからルナちゃん言うなぁ~っ!!」
(ふふ、騒がしい、
けど、私には過ぎた幸せで満ち溢れている、
ライスシャワー、この夢は
『天皇賞では無い』
恐らく・・・『6月の宝塚記念』
キミの最後のレースだ
それを越えてくれ、
その為に『骨折に負けないX』を
飲み続けて貰っているのだから)
「騒がしいぞ?3人とも、
これでは眠れないでは無いか。」
「だって、ふたりが『ルナちゃん』いうの
やめないんだもん、
わたしがいやだっていってるのに
やめてくれないんだもん・・・うぅ、うぇ~ん!?」
「ぶはっ!?
か、会長、それは破壊力抜群、だぞ。」カハッ///
二人「た、タキオンが『幼児化ルフ』にやられたぞっ!?」
「うぇ~んっ!?」
(あ、やっぱり、この人がお父さんと思うのは止めよう、
他人の空似だね、絶対そう!!
ボク、こんな泣き方しないもん!!)
(ルナちゃんモードの『語尾の〈もん〉』が、
そっくりなのは黙って置こう)