「ん゛ん゛っ、
それでだ、デビュー戦は決まったのか?」
「そうだな、
タンホイザ、行っとくか。」
「は?」
全員「え?」
「阪神だ、3200で登録してる
調整だけに留めるから留意するように。」
全員「えぇえええっ!?」
「ちょっとまってよ!?
次のGⅢって、あと二週間無いじゃない!!
そんなの無茶にきまってるでしょうっ!!」
「大丈夫だって、イケるイケる。」
「タンホイザをか、黒尾トレーナー勝算はあるのかい?」
「あぁ、タンホイザなら十分戦える距離だ、
調整しつつ、
全員で『ほら、逃げるなウララ』
ハルウララを鍛える、
デビューはちょい伸ばし気味になるが、
スタミナが無いんじゃ
『ダート』で出しても負けるだけだ、
せめて3着を狙える様に鍛える。」
「トレーナー。」
「はい、ライスシャワー。」
「ライス達はどこでデビュー戦しますか?」
「まだだ、この4月は『ハルウララ強化』と、
『マチカネタンホイザのデビュー戦』で止める、
来月の5月までには効果が出るだろうから
デビューは5月以降と考えてくれ。」
「・・・わかりました。」
「うし、今日は解散、
明日0600に朝練するから馬場に集合、
ジャージな?まだ朝寒いから。」
「え?明日からもう?」
「フクキタル、お前さん朝が苦手なのはわかるが
模擬レースもする、実戦形式でだ、
各々に合わせたトレーニングを組む材料が足りない、
スタートの練習にもなる、遅れるな?0600だぞ?」
「うぅ~。」
「ちなみに遅刻一回に付き、『人参1本没収ね』」
全員「鬼ぃいいっ!!」
「通算10本になると罰ゲームをして貰います。」
「ば、罰ゲーム?」
「オグリキャップ君は講師だから、
人参は取り上げないから、大丈夫だから、
そんな泣きそうにならんで下さい。」
「そ、そうか、良かった。」
「タキオン。」
「な、なんだね?」
「後で話があるから残ってくれ。」
「えぇっ!?」
「いや、普通にミーティングだよ、
研究に関する事だ。」
「え?あ、あぁ、そうなのか?」
「なに考えたんだ?」
「なんでもない!!」
▽
「でだ。」
「ふむふむ。」
ほんとに研究に関する事ばかりだ
寮長に言ってあり、『外泊』の許可を取ったとか
しかし、なぜだ?コイツは
走る事が嫌いな事を知らない筈だ
今日が初対面、なぜだ?
「・・・タキオン?」
「ん?なんだね?」
「いや、可愛いなって。」
は?コイツはウマ娘に蹴られて壊れたのか?
「よ、よしてくれ。」
ぁ~///耳がぁ///尻尾がぁ~///
「俺が最悪からお前を護って見せる、
コレは本音だ、この『骨折に負けないX』は、
本当に完成して欲しいモノなんだ、
わかってくれるな?」
「ぁ、あぁ、わかったよ、
ちゃんと研究するさ、ただ。」
「ただ?」
「嫌に骨折にこだわるな?なにかあったのかい?」
ここまで執着するのだ、理由は一体・・・
「お前を失いたくない、それだけだ。」
・・・あ、だめだ、しこうがうまくはたらかない
「しいてはウマ娘全体に抱える『骨折問題』の
解決の糸口になるかもしれない、
お前を失わない、失いたくない、
『アグネスタキオン』」
なんだこれは?かんじょうがあふれる
あたまがあつい かんがえがぐちゃぐちゃだ
むり ことばがみつからない だめぇ~
「タキオンっ?!」
「はぅ~///」
「・・・ぁ~、可愛い過ぎ。」
熱暴走で倒れたタキオンをベットに寝かせ
予備のベットに俺は寝転がる
「なにやってんだ・・・俺は。」
アグネスタキオン
彼女の運命は・・・
解るだろう?知っているだろう?
生涯成績4戦4勝で引退
左前足における病気で引退したのだ
理事長達にはこの病気を治せないか、
様々な機関に調べて貰っている
一度起き上がり、タキオンの様子を見る
「ふぅ、寝たか。」
顔に掛かる髪を直してあげる
「俺が、お前を・・・。」
助けてやるなんて言えなかった
確証も、情報も、明日もわからない
『何時、俺がこの世界から居なくなるかもしれない』
その懸念もある
「でも、俺が居る間、絶対にお前を見捨てない、
絶対にその先へ向かわせてやる、
アグネスタキオン、
あの粒子の名前から来た名前だ、
俺はお前と一緒にその先を見て見たいんだ。」
掛け布団をかけ直し、予備のベットに戻る
「お休み、タキオン。」
▽
は、恥ずかしい
こんな事初めてだ
しかし、なぜだ?悲しい顔をしていた
何を知っているのだろう?
そう言えば私の出走に関して
なにも言わなかったな?
・・・私に何があるのだろう?
身体は万全だ、確かに普段は走らない分、
鈍いだろうが、少し走れば元に戻せる自負はある
なぜなんだ?
仕切りに足を気にしていた様な・・・
まさか、太股フェチ?
いや、違うな、そんな目じゃない、
なにか『怪我を見るような目だった』
怪我なんて一度もしていないのに
私の足に何があるんだ?
だめだだめだ、纏まらん
寝よう
さて、どうやってトレーナーに
試験薬を飲ませようか・・・楽しみだ
▽
0430
「習慣ェ~・・・。」
ふとタキオンを見る
「お前なぁ。」
ややはだけた服を直し、かけ布団を直す
「うし、仕度するか。」
0500
「ん~・・・おろ?ここは?」
「お、起きたか、メシ出来てるぞ?」
まぁ、人間の量で言えば普通の量だな
「おいおい、これでは足りないぞ?」
「お代わりはある、
『一升焚き』だ、気にするな。」
「なにっ?!」
そこには大型のご飯ジャーが
『喰える物なら喰い尽くして見よ』と
言っているように見えた
「悪いね、モルモット君。」
「今日からお前も大変だな?」
「ん?」
「『うまぴょい』したんですかって、聞かれるだろうな。」
・・・はぁうぁ?!
「あ、気づいてなかった?」
「・・・わ、私の落ち度だ~、あぅ~///」
「ほれ、米付いてる。」
ひょいぱく
「な゛っ///」
「着替えて来い、朝練だ。」
「た・・・たすけ。」
「逝って来い♪」
いやぁ~っ!!