ウマ娘ストーリー・ブラックテイル   作:扶桑畝傍

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有馬記念

「さぁ、待ちに待った今日!!

 この中山競馬場で行われるのは

 『有馬記念』!!

 ウマ娘達の最高峰!!

 その栄冠は誰の手に入るのか!!

 間も無く開幕です!!」

 

▽

控室

「なぁ、黒尾君、

 今のライスシャワーは非常に不味い、

 どうにか止められないか?」

「『わかった』と言って、『止められるとも?』」

「それは・・・。」

コンコンコン

「はい、どうぞ。」

「はぁい?マルゼンスキーよ~。」

二人「なんで、マルゼンスキー?」

「マルゼンスキーさん、なにか御用ですか?」

「ん~、えい。」

 

は?マルゼンスキーがライスシャワーを抱きしめてる?

 

「むむむむむっ!?」

「ちょ、マルゼンスキーさん、

 ライスシャワーが窒息しちゃいますから。」

「は~い。」

「ぷぁっ!?なにするんですか!!」

「だって『孫が走るのに心配にならないとでも?』」

3人「はぁっ!?」

「昨日ねぇ~、

 『夢で見ちゃったのよ』

 ライスシャワーは、私の孫に当たる子なんだって、

 だから来ちゃった☆」

(おいおい、俺ですら言うの渋ってたのに、

 なにしてくれてんだ『年齢詐欺師!!』)

「アラ?ナニカ失礼ナ事考エテ無イ?」

「イエ、ナニモ。」

「アラソウ。」

「あの、マルゼンスキーさん?」

「それに、『その帽子と青いバラ』似合ってるわよ?」

「ぁ、ありがとうございます。」

「でも不思議ね~、

 ウマ娘としては別々の家族から産まれたのに、

 『馬では叔父、孫』の関係なんですから~、

 どうして『短距離の私』から

 『中・長距離』になっちゃうのかしらね~?」

「あの、孫って、なんなんですか?」

「あら?黒尾トレーナー?話してないんですか?」

「あのねぇ、マルゼンスキー?

 キミは家の関係を崩したいのかい?

 ライスシャワーはライスシャワーの『時期』がある、

 その時にと、『約束しているからね?』」

「そう言えば。」

「あら、そうでしたの、ごめんなさいね~。」

コンコンコン  そろそろお願いしま~す

「あらあら、時間ね。」

「マルゼンスキーさん、今後は近寄らないで貰えますか?」

「残念、嫌われちゃった。」ソレジャァネ

 

「ライスシャワー。」

「お兄様、大丈夫、こんな事で

 ライス、負けないから。」

「そう、だな、行って来い!!ライスシャワー!!」

「はい!お兄様!」

 

 

「いいのかい?黒尾君。」

「良くねぇよ、レース後、話す。」

「キミに関わるウマ娘に増えて良くねぇ。」

「あぁ、『夢で知ってしまう関係性』か、困った物だね。」

「っ!?大変だ、黒尾君!!」

「なんだ?」

「みろ!!このメールをっ!?」

 

《ハルウララが病室から居なくなった》

 

「なっ!?どうしてっ!?」

「デジタル君に監視させてたのだが、

 一瞬の隙でやられたらしい。」

「探すにも、今からじゃ・・・。」

「たづなさんも探してくれるそうだ、

 私達は『ライスシャワー』を。」

「っ、そうだな、行こう。」

▽

「ライスシャワー。」

「ミホノブルボン。」

「今日は『蒼く無いのですね?』」

「え?」

「いえ、そう感じたので。」

「でも。」

「はい。」

二人「負けません。」

「なら、大丈夫です。」

「ブルボンさんも。」

「ふふっ。」

「?どうしました?」

「いえ、なんだかこうして話せるのが嬉しくて。」

「あはは、そうですね、『ライス』もそう思います。」

「っ、やっと、『ライス』と言って貰えました。」

「え?そうでしたっけ?」

「そうですよ、さ、ゲートインです。」

「行きましょう!」

▽

中山競馬場 芝 2500 右回り バ場 重

 

1、 ミホノブルボン

2、 メジロパーマー

3、 イナリワン

4、 グラスワンダー

5、 マンハッタンカフェ

6、 ゼンノロブロイ

7、 ライスシャワー

8、 ダイワスカーレット

9、 ゴールドシップ

10、セイウンスカイ

11、ナリタブライアン

12、スペシャルウィーク

13、ウォッカ

14、マヤノトップガン

15、ウイニングチケット

16、ナイスネイチャ

          以上で出走致します。

 

▽

「ウマ娘のゲートインが進んで行きます、

 『細江さんは』どの子が有利と見ますか?」

「そうですね、

 この癖のある中山競馬場を攻めるにあたり、

 出走位置はさほどの問題は無いかと思います、

 恐らく、先行逃げ切りで御馴染みの

 マヤノトップガンが攻略のカギとなるでしょう。」

「なるほど、

 私としては、ナリタブライアンの

 『差し』もかなりの難敵と思えますが。」

「そうですね、

 ナリタブライアンの先行、差しは

 マヤノトップガンが苦戦し

 差し負けた事もあります、

 きっと『差し返し勝負が見られますね』」

「はい!!

 さぁ、ゲートインが完了しました、

 間も無く、スタートです!!」

▽

「スタートしました、馬順はっ!?

 イナリワン!!イナリワンが先頭!!

 後ろにメジロパーマー、グラスワンダーが続く!!」

「これは予想外の展開ですね!」

(べらぼうめ!!

 こちとら江戸っ子でぃ!!

 有馬記念を逃がすなんてできるかってんだい!!)

(くっそうっ、芝が重い!!前に出にくい!!)

(くっ、スタミナに注意しないと、

 後半が持たない)

「中団は、

 マンハッタンカフェを先頭に

 ダイワスカーレット、ウォッカ、

 セイウンスカイ、ナイスネイチャ

 ゼンノロブロイが続きます。

(ライスシャワーが来ない?ミホノブルボンも?)

(ライスが後ろ?何考えてんの?)

(スカーレット、気にするな!!走れっ!!)

(スぺちゃんが後ろか、

 それにしてもブルボンもライスも後ろ?

 なに考えてたんだろ?)

(ライスちゃん、私が止めてあげる!!)

「後団はウイニングチケットを先頭に

 スペシャルウィーク、マヤノトップガン、

 ナリタブライアン、ゴールドシップ、

 なんと、ここにミホノブルボンと、

 ライスシャワーがいるぞぉ!?」

(うぅ~、走り辛い)

(うわちゃぁ、足が滑る、

 スピードに乗せようにも外には・・・)

(へっへ~、このゴルシちゃんがいるぜ~

 っても、走りづれぇ、マジでスタミナが持ってかれる)

(ふっ、先頭組は後半は持たない

 なら、中盤までは抑える)

(想定通り、前半は抑える、

 でも、ライスシャワー?なぜアナタはここに?)

 

ドクン

(うん)

ドクン

(わかってる)

ドクン

(もって後二回か一回、でも)

ドクン

(誰にも)「負けたくないっ!!」

▽

「おぉっとレースはまだ序盤にも関わらず、

 後方に沈んでいたライスシャワーが

 『外側をめい一杯使って』どんどん加速して行く~っ!!」

全体(なにぃっ!?)

「まさか、もぅ決めに?早すぎます、

 この先には連続して高低差のある坂が控えているのに。」

▽

(いけない!!追いつかなきゃ!!)

「ここで中団からゼンノロブロイが

 ライスシャワーを追走し始めた!!

 しかし、それを物ともせず

 加速をやめないライスシャワー!!

 既に先頭集団に追いついたぁあっ!!」

(だめっ、迂闊に足に力が入れられない!!)

「おっと、グラスワンダーが

 姿勢を崩しかけたがなんとか持ちこたえる!!

 その隙をついてセイウンスカイが先頭集団に割り込んだ!!」

▽

「不味い。」

「あぁ、見えるよ、私にも。」

二人「蒼く燃えている。」

「タキオン、ラインの後ろに行くぞ。」

「まさか、『止める気か?』」

「ゴールしたら直ぐにな。」

 

一か所だけ、誰も居なかった

 

「なっ。」

「なんで・・・『ハルウララが』」

▽

「重バ場を物ともせず爆走を続けるライスシャワーが

 最終4コーナーに差し掛かります!!

 それを追いかけるゼンノロブロイは苦しそうだ!!

 そして後続ウマ娘達は団子状態で大接戦を繰り広げている!!」

(くっ、仕掛け所を誤ったか、抜け出せない)

「ナリタブライアンが相当苛ついている!!

 右に左にと揺さぶりをかけても『前が開かない!!』」

(行かせません!!)

「それを脇目にグラスワンダー!!

 グラスワンダーが抜け出した!!

 なんとっ!?その後ろにスペシャルウィーク!!

 スペシャルウィークが猛追して来たぁっ!!」

(なっ!?スぺちゃん?!)

(うぁあああっ!!今度こそ負けません!!)

「スペシャルウィーク加速する!!加速する!!

 しかしその反動で『集団が横ばいに広がって行く!!』」

(好機!!)

(うぉりゃぁ~っ!!)

「ナリタブライアン!!ナリタブライアンが漸く解放された!!

 しかし併走するのはセイウンスカイ!!

 セイウンスカイが追い上げて来た~っ!!」

(見えた!!マヤならいけるスキマ!!)

「ウイニングチケット、ナイスネイチャの間から

 抜け出して来たのは

 マヤノトップガン!!マヤノトップガンが

 先頭に食らいついて行く!!」

(江戸っ子は負けない~っ!!)

「イナリワンが苦しそうだが加速をやめない!!

 しかしその後ろから

 ミホノブルボン!!ミホノブルボンが一瞬の隙をついて

 先頭に襲い掛かる!!」

(てっ、てやんでぇ~っ!!)

「っ!?イン側ギリギリで

 ゴールドシップ!!ゴールドシップが猛烈な加速!!

 瞬く間に先頭に追い付いた!!」

▽

「先頭にライスシャワーが

 張り付いてゼンノロブロイ、

 ミホノブルボンが続行する!!

 僅か一馬身差でゴールドシップ!!

 ナリタブライアン!!更に一馬身差で

 スペシャルウィークとセイウンスカイが張り付いてる!!」

「大混戦ですね!!」

▽

(いいよね?)

 

(行くよ)

 

「ライスは・・・超えて見せる!!」

 

▽

「くっ?!黒い炎がっ!?」

「よせっ!!ライス!!『戻って来れなくなるぞ!!』」

 

大丈夫だよ

 

「ウララ?」

 

「『ハルウララが止めてあげるから』」

▽

「ゴール!!先頭はライスシャワー!!ライスシャワーだ!!

 おっと、ライスシャワー?

 どうしたんだ!?加速をやめない!!

 このままでは『追突してしまうぞ!!』」

「だめぇっ!!ライスちゃぁんっ!!」

「ゼンノロブロイが追いかけるが、

 なお加速をやめないライスシャワー!!

 誰かっ!?誰か止めて下さい!!」

 

 

「見て下さい、場外から誰か入りましたよ!」

「あ、あれはっ!?

 ハルウララ!!ハルウララが、

 いっ!?一瞬でライスシャワーに追いついたっ!?」

▽

「ライスシャワー、もぅ終わったよ?」

 

「はぁ、しかたない、せ~のぉ~っ!!」

 

スパーン「ぶっ!?」

 

「は、ハリセンで顔面を強打!!」

「ぁ、アレは痛そうですね・・・。」

 

「・・・いたい。」

「まったく、ゆっくりお昼寝も出来ないじゃん。」

「え?」

「ほら、起きれる?ライスシャワー?」

「な・・・なんで?」

「なんで?って、

 『呼び戻してくれたのライス達でしょ?』

 ならそのお礼、

 ライスシャワー?貴女はまだ走るの、

 だから、戻って来れない先に『逝っちゃダメ』だよ?」

「うらぁらぁ~・・・。」

「あらら、泣いちゃった、

 ほら、みんなに『大丈夫だよって』伝えてあげなきゃ。」

「ぅん。」

「ライスちゃん!!」

「ぜんちゃん、ごめんなさい。」

「ライスちゃん!ライスちゃん!」

カシャ

二人「かしゃ?」

「にへへ~、アッツイ抱擁の激写、いっただき~ww」

二人「にゃぁ~///」

 

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