ウマ娘ストーリー・ブラックテイル   作:扶桑畝傍

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有馬記念

「さぁ、待ちに待った今日!!

 この中山競馬場で行われるのは

 『有馬記念』!!

 ウマ娘達の最高峰!!

 その栄冠は誰の手に入るのか!!

 間も無く開幕です!!」

 

控室

「なぁ、黒尾君、

 今のライスシャワーは非常に不味い、

 どうにか止められないか?」

「『わかった』と言って、『止められるとも?』」

「それは・・・。」

コンコンコン

「はい、どうぞ。」

「はぁい?マルゼンスキーよ~。」

二人「なんで、マルゼンスキー?」

「マルゼンスキーさん、なにか御用ですか?」

「ん~、えい。」

 

は?マルゼンスキーがライスシャワーを抱きしめてる?

 

「むむむむむっ!?」

「ちょ、マルゼンスキーさん、

 ライスシャワーが窒息しちゃいますから。」

「は~い。」

「ぷぁっ!?なにするんですか!!」

「だって『孫が走るのに心配にならないとでも?』」

3人「はぁっ!?」

「昨日ねぇ~、

 『夢で見ちゃったのよ』

 ライスシャワーは、私の孫に当たる子なんだって、

 だから来ちゃった☆」

(おいおい、俺ですら言うの渋ってたのに、

 なにしてくれてんだ『年齢詐欺師!!』)

「アラ?ナニカ失礼ナ事考エテ無イ?」

「イエ、ナニモ。」

「アラソウ。」

「あの、マルゼンスキーさん?」

「それに、『その帽子と青いバラ』似合ってるわよ?」

「ぁ、ありがとうございます。」

「でも不思議ね~、

 ウマ娘としては別々の家族から産まれたのに、

 『馬では叔父、孫』の関係なんですから~、

 どうして『短距離の私』から

 『中・長距離』になっちゃうのかしらね~?」

「あの、孫って、なんなんですか?」

「あら?黒尾トレーナー?話してないんですか?」

「あのねぇ、マルゼンスキー?

 キミは家の関係を崩したいのかい?

 ライスシャワーはライスシャワーの『時期』がある、

 その時にと、『約束しているからね?』」

「そう言えば。」

「あら、そうでしたの、ごめんなさいね~。」

コンコンコン  そろそろお願いしま~す

「あらあら、時間ね。」

「マルゼンスキーさん、今後は近寄らないで貰えますか?」

「残念、嫌われちゃった。」ソレジャァネ

 

「ライスシャワー。」

「お兄様、大丈夫、こんな事で

 ライス、負けないから。」

「そう、だな、行って来い!!ライスシャワー!!」

「はい!お兄様!」

 

 

「いいのかい?黒尾君。」

「良くねぇよ、レース後、話す。」

「キミに関わるウマ娘に増えて良くねぇ。」

「あぁ、『夢で知ってしまう関係性』か、困った物だね。」

「っ!?大変だ、黒尾君!!」

「なんだ?」

「みろ!!このメールをっ!?」

 

《ハルウララが病室から居なくなった》

 

「なっ!?どうしてっ!?」

「デジタル君に監視させてたのだが、

 一瞬の隙でやられたらしい。」

「探すにも、今からじゃ・・・。」

「たづなさんも探してくれるそうだ、

 私達は『ライスシャワー』を。」

「っ、そうだな、行こう。」

「ライスシャワー。」

「ミホノブルボン。」

「今日は『蒼く無いのですね?』」

「え?」

「いえ、そう感じたので。」

「でも。」

「はい。」

二人「負けません。」

「なら、大丈夫です。」

「ブルボンさんも。」

「ふふっ。」

「?どうしました?」

「いえ、なんだかこうして話せるのが嬉しくて。」

「あはは、そうですね、『ライス』もそう思います。」

「っ、やっと、『ライス』と言って貰えました。」

「え?そうでしたっけ?」

「そうですよ、さ、ゲートインです。」

「行きましょう!」

中山競馬場 芝 2500 右回り バ場 重

 

1、 ミホノブルボン

2、 メジロパーマー

3、 イナリワン

4、 グラスワンダー

5、 マンハッタンカフェ

6、 ゼンノロブロイ

7、 ライスシャワー

8、 ダイワスカーレット

9、 ゴールドシップ

10、セイウンスカイ

11、ナリタブライアン

12、スペシャルウィーク

13、ウォッカ

14、マヤノトップガン

15、ウイニングチケット

16、ナイスネイチャ

          以上で出走致します。

 

「ウマ娘のゲートインが進んで行きます、

 『細江さんは』どの子が有利と見ますか?」

「そうですね、

 この癖のある中山競馬場を攻めるにあたり、

 出走位置はさほどの問題は無いかと思います、

 恐らく、先行逃げ切りで御馴染みの

 マヤノトップガンが攻略のカギとなるでしょう。」

「なるほど、

 私としては、ナリタブライアンの

 『差し』もかなりの難敵と思えますが。」

「そうですね、

 ナリタブライアンの先行、差しは

 マヤノトップガンが苦戦し

 差し負けた事もあります、

 きっと『差し返し勝負が見られますね』」

「はい!!

 さぁ、ゲートインが完了しました、

 間も無く、スタートです!!」

「スタートしました、馬順はっ!?

 イナリワン!!イナリワンが先頭!!

 後ろにメジロパーマー、グラスワンダーが続く!!」

「これは予想外の展開ですね!」

(べらぼうめ!!

 こちとら江戸っ子でぃ!!

 有馬記念を逃がすなんてできるかってんだい!!)

(くっそうっ、芝が重い!!前に出にくい!!)

(くっ、スタミナに注意しないと、

 後半が持たない)

「中団は、

 マンハッタンカフェを先頭に

 ダイワスカーレット、ウォッカ、

 セイウンスカイ、ナイスネイチャ

 ゼンノロブロイが続きます。

(ライスシャワーが来ない?ミホノブルボンも?)

(ライスが後ろ?何考えてんの?)

(スカーレット、気にするな!!走れっ!!)

(スぺちゃんが後ろか、

 それにしてもブルボンもライスも後ろ?

 なに考えてたんだろ?)

(ライスちゃん、私が止めてあげる!!)

「後団はウイニングチケットを先頭に

 スペシャルウィーク、マヤノトップガン、

 ナリタブライアン、ゴールドシップ、

 なんと、ここにミホノブルボンと、

 ライスシャワーがいるぞぉ!?」

(うぅ~、走り辛い)

(うわちゃぁ、足が滑る、

 スピードに乗せようにも外には・・・)

(へっへ~、このゴルシちゃんがいるぜ~

 っても、走りづれぇ、マジでスタミナが持ってかれる)

(ふっ、先頭組は後半は持たない

 なら、中盤までは抑える)

(想定通り、前半は抑える、

 でも、ライスシャワー?なぜアナタはここに?)

 

ドクン

(うん)

ドクン

(わかってる)

ドクン

(もって後二回か一回、でも)

ドクン

(誰にも)「負けたくないっ!!」

「おぉっとレースはまだ序盤にも関わらず、

 後方に沈んでいたライスシャワーが

 『外側をめい一杯使って』どんどん加速して行く~っ!!」

全体(なにぃっ!?)

「まさか、もぅ決めに?早すぎます、

 この先には連続して高低差のある坂が控えているのに。」

(いけない!!追いつかなきゃ!!)

「ここで中団からゼンノロブロイが

 ライスシャワーを追走し始めた!!

 しかし、それを物ともせず

 加速をやめないライスシャワー!!

 既に先頭集団に追いついたぁあっ!!」

(だめっ、迂闊に足に力が入れられない!!)

「おっと、グラスワンダーが

 姿勢を崩しかけたがなんとか持ちこたえる!!

 その隙をついてセイウンスカイが先頭集団に割り込んだ!!」

「不味い。」

「あぁ、見えるよ、私にも。」

二人「蒼く燃えている。」

「タキオン、ラインの後ろに行くぞ。」

「まさか、『止める気か?』」

「ゴールしたら直ぐにな。」

 

一か所だけ、誰も居なかった

 

「なっ。」

「なんで・・・『ハルウララが』」

「重バ場を物ともせず爆走を続けるライスシャワーが

 最終4コーナーに差し掛かります!!

 それを追いかけるゼンノロブロイは苦しそうだ!!

 そして後続ウマ娘達は団子状態で大接戦を繰り広げている!!」

(くっ、仕掛け所を誤ったか、抜け出せない)

「ナリタブライアンが相当苛ついている!!

 右に左にと揺さぶりをかけても『前が開かない!!』」

(行かせません!!)

「それを脇目にグラスワンダー!!

 グラスワンダーが抜け出した!!

 なんとっ!?その後ろにスペシャルウィーク!!

 スペシャルウィークが猛追して来たぁっ!!」

(なっ!?スぺちゃん?!)

(うぁあああっ!!今度こそ負けません!!)

「スペシャルウィーク加速する!!加速する!!

 しかしその反動で『集団が横ばいに広がって行く!!』」

(好機!!)

(うぉりゃぁ~っ!!)

「ナリタブライアン!!ナリタブライアンが漸く解放された!!

 しかし併走するのはセイウンスカイ!!

 セイウンスカイが追い上げて来た~っ!!」

(見えた!!マヤならいけるスキマ!!)

「ウイニングチケット、ナイスネイチャの間から

 抜け出して来たのは

 マヤノトップガン!!マヤノトップガンが

 先頭に食らいついて行く!!」

(江戸っ子は負けない~っ!!)

「イナリワンが苦しそうだが加速をやめない!!

 しかしその後ろから

 ミホノブルボン!!ミホノブルボンが一瞬の隙をついて

 先頭に襲い掛かる!!」

(てっ、てやんでぇ~っ!!)

「っ!?イン側ギリギリで

 ゴールドシップ!!ゴールドシップが猛烈な加速!!

 瞬く間に先頭に追い付いた!!」

「先頭にライスシャワーが

 張り付いてゼンノロブロイ、

 ミホノブルボンが続行する!!

 僅か一馬身差でゴールドシップ!!

 ナリタブライアン!!更に一馬身差で

 スペシャルウィークとセイウンスカイが張り付いてる!!」

「大混戦ですね!!」

(いいよね?)

 

(行くよ)

 

「ライスは・・・超えて見せる!!」

 

「くっ?!黒い炎がっ!?」

「よせっ!!ライス!!『戻って来れなくなるぞ!!』」

 

大丈夫だよ

 

「ウララ?」

 

「『ハルウララが止めてあげるから』」

「ゴール!!先頭はライスシャワー!!ライスシャワーだ!!

 おっと、ライスシャワー?

 どうしたんだ!?加速をやめない!!

 このままでは『追突してしまうぞ!!』」

「だめぇっ!!ライスちゃぁんっ!!」

「ゼンノロブロイが追いかけるが、

 なお加速をやめないライスシャワー!!

 誰かっ!?誰か止めて下さい!!」

 

 

「見て下さい、場外から誰か入りましたよ!」

「あ、あれはっ!?

 ハルウララ!!ハルウララが、

 いっ!?一瞬でライスシャワーに追いついたっ!?」

「ライスシャワー、もぅ終わったよ?」

 

「はぁ、しかたない、せ~のぉ~っ!!」

 

スパーン「ぶっ!?」

 

「は、ハリセンで顔面を強打!!」

「ぁ、アレは痛そうですね・・・。」

 

「・・・いたい。」

「まったく、ゆっくりお昼寝も出来ないじゃん。」

「え?」

「ほら、起きれる?ライスシャワー?」

「な・・・なんで?」

「なんで?って、

 『呼び戻してくれたのライス達でしょ?』

 ならそのお礼、

 ライスシャワー?貴女はまだ走るの、

 だから、戻って来れない先に『逝っちゃダメ』だよ?」

「うらぁらぁ~・・・。」

「あらら、泣いちゃった、

 ほら、みんなに『大丈夫だよって』伝えてあげなきゃ。」

「ぅん。」

「ライスちゃん!!」

「ぜんちゃん、ごめんなさい。」

「ライスちゃん!ライスちゃん!」

カシャ

二人「かしゃ?」

「にへへ~、アッツイ抱擁の激写、いっただき~ww」

二人「にゃぁ~///」

 

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