「ふぁ・・・おはよ~、黒尾く~ん。」
「おう、おはよ~タキオン。」
うむ、今朝の紅茶も美味いねぇ~
「そうだ、タキオン。」
「はいよ?」
「今日、俺は出張なんだ。」
「・・・なんだって?」
「半日居ない。」
「ぁ~、阪神競馬場の芝確認だったね。」
「あぁ、それで行って来る。」
「やはり固いのかね?」
「最近の雨の少なさもあるからな、
芝が水分欲しさに根を伸ばし過ぎて土が固くなるからな。」
「乾燥はお肌の天敵だよ、まったく。」
「とか言う割には。」
「もぅ///このキス魔め///」
「半日会えないんだ、
この熟れた唇を味わってからでも良いだろ?」
「まったく、
あ、そうそう、これも『済んだよ』」
「・・・マジで通ったのか、ソレ。」
飛び級制度の応用で、入学も出来るなら?
「あぁ、論文も一定の評価も得たし、
『宝塚記念』で一足早く卒業出来るよ、
7月からは『正式に君の妻だ』
よろしく頼むよ?旦那様?」
「あぁ、任せろ。」
「そ、それとだな?」
「なんだ?タキオン?」
(初夜とはどんなモノなのだ?)
(ぁ~・・・当日で)
(ぇ~)
(ホレ、そこで聞き耳立ててるウマ娘がいるだろ?)
監視カメラの画像をiPadに映す
がちゃ
「サテ、キミタチ?ドコカラワイテキタノカネ?」
有象無象なウマ娘達
「ぴゃぁ~っ!?」
流石に20数名のウマ娘達は追いかけられない
「まったく、
油断の隙もあった物じゃない。」
「タキオン、今日は『充電の日』なんだろ?」
「うむ、宝塚記念には『満タン』になる、
生涯最高な走りを期待しててくれ。」
「それじゃ、もう一度。」
「ちょっ!?」
深く、長く、離さない
「んぁ///ばぁかぁ、こ、こひがぬけるって、
いたらりょぉ~。」
(初夜は、もっとヤバイから、覚悟しといてくれ?)
「・・・ばか。」
「ばかですよ~。」
▽
ぅ~、まだ腰に力が入りにくい~
全く、黒尾君には困った物だ
しかし、アレよりヤバイとは・・・
いかん、今日は『充電』せねば
学園屋上に『勝手に作ったドームに入る』
「これでセッティングよし。」
この部屋には、ベッドが一つだけ
(ほぼ半分まで溜め込めた、
宝塚記念にギリギリ間に合う、かもしれない)
「我ながら、リスキーな事をしているな。」
充電とは言うが、『一日中寝る事だ』
正直、黒尾君のマッサージのお陰で何とか
『日常生活に支障は無いが』それだけなのだ
兎に角、身体を休めるしか解決策が無かった
「ふぅ。」
あと、何日、ここで眠れるのだろう?
後、何日、『黒尾君と一緒に居れるのだろう?』
「これだけ、『後悔』を残してくれたんだ、
きちんと責任を取って貰わねばな。」
▽
阪神競馬場
「・・・酷いな。」
「えぇ、刈り取りは問題無いのですが、
『土』が、固くなりつつあります。」
担当者と現状の確認をしているが
『固い』
「ウマ娘に影響は?」
「現在、芝レースは他の競馬場に割り振っており、
行っていません、
土は、明日(あす)、芝は、明後日には到着します。」
「入れ替えで一日作業、植え直しで二日、
根付くまで3カ月か、ギリギリだな。」
「はい、宝塚記念までには何とかなるかと言った状態です。」
「ウチの奴らにも声は掛けてます、
当日、多少ガラの悪い野郎が来るでしょうが、
『腕は一流です』そこは信用してもらいたい。」
「大丈夫です、『芝整備に彼の名前は聞かない事は無い』
彼が来てくれるなら百人力です、必ず間に合わせます。」
「お願いします。」
▽
学園内
「んお?」
何やらウマ娘が集まっている
「何事だい?」
「あ、黒尾さん、見て下さい。」
「ハルウララ?見ろって・・・おい。」
その写真には
アグネスタキオンが
『椅子に縛り付けられた姿が写っていた』
▽
っ、ここは?
あぁ、誰かが何かを言っているが
ぼやけて聞こえるから、なんだかわからない
▽
「よぅ、久しぶり。」
友人に連絡する
〈・・・聞いてる、今、場所を洗い出してる〉
「助かる。」
〈お前は動くな、
『その足でそれ以上無茶するな、死ぬぞ?』〉
「わかってる、『例えそれでも』
『俺の嫁に手を出したんだ、
キッチリ清算して貰わなきゃな』」
〈はぁ、場所は今メールした、
『処理班』も時期到着する〉
「わりぃな、『もうやらないって決めたのにな』」
〈ば~か、
お前と付き合ってる時点で切れね~っての、
『今度は助けるぞ』〉
「当たり前だ。」
「はい、これでいいんでしょ?」
ハルウララが、オールバックモードに整えてくれる
「・・・ありがと、ハルウララ。」
「愛されてるな~、タキオン。」
「なんだ?お前は『俺以外の男性』じゃなかったのか?」
「その筈だったんだけどね~。」
「はい、これがアタシの覚悟、
タキオン、取り返してきて?」
「行って来るぜ、ハルウララ。」
「いってらっしゃい、『浅間・黒尾』」
▽
あぁ、これじゃぁ、充電が間に合うかどうか、
本当に瀬戸際になってしまう
おや?
なにか騒がしくなって来たね?
〔俺のタキオンに何してくれてんだゴラァッ!!〕
あぁ、扉越しの声だったのか、通りで聞こえ辛い訳だ
〔だいたい、
お前が多喜代ちゃんと付き合うからいけないんだ!!〕
おや、相手は学生時代の誰かかい?
〔てめぇ如きが抱えられる問題じゃねえんだよ!!〕
〔俺なら!!弁護士の親父が居たんだ!!
きっとそれで解決出来たんだ!!〕
あ~ぁ~、どこかのお坊ちゃんかい、
てか、多喜代さんの『大鳳会』は、
弁護士が頭を下げる方だろうに
〔おぅ、来てやったぜ?〕
〔___コイツ、『社会的死刑を頼んだ』〕
〔あぁ、コイツの親父さんはさっき辞職したよ、
それと、コイツの
『不法侵入及び、器物破損、拉致誘拐、暴行の罪で』
起訴、___署のおっさんの機動隊もそろそろ来るぞ。〕
〔な、なんでっ?!〕
〔あ?お坊ちゃまはな〕
〔あぁ、コイツ、本気でわかって無いわ〕
〔〔本州・愚連隊の総長の女に手を出したんだ〕
生きてても『死んだ方がマシな生き方にさせてやるよ』〕
▽
「こらこら、黒尾くん、
扉は『手で開ける物だよ?』」
蹴破られた扉は、そのまま外れて倒れる
「っ!?」
「ぉお?くろおくん?この頭のカバーを外してくれないか?」
(見るな)
「どうして?」
(一旦、寝むっててくれ。)
「え?・・どぅ、し・・て。」
▽
あれ?ここは、トレセン学園の保健室?
「起きたか、タキオン。」
「あぁ・・・そう言う事か。」
両手に巻かれた包帯はそれを物語る
「筋弛緩薬、投与から10分は経っていた。」
「そうか、薬抜きに三日かね?」
「・・・それに、
『注射の技術不足における複数回の刺し傷』
あれだけ無衛生な場所でやられた、
今、抗生物質で緩和を急いでる。」
「・・・なぁ、黒尾。」
「なんだ?」
___くれ
「駄目だ。」
「いつまで君が居るんだ?
もはや確証も無い、そんな消えてしまう希望に、
私は耐えられない、
人間如きに後れを取った私が言える事じゃないが、
おねがいだ、
私は・・・キミと繋がりたいのだ。」
「それと、『キミの脚の病気も調べたよ?』」
「おま・・・。」
「筋肉硬化症とか言う難病だね?」
「っ~、何時の間に?」
「墓参りの時さ、
署長さんが『脚の歩き方がおかしい』って、
言ってくれてね、
『例の夫婦に問い詰めたのさ』牛の子を人質にしてね。」
「・・・それじゃぁ、ヤツラを怒れねぇじゃねぇか。」
「そうとも、
保険は何重にもかけて置く物だよ?」
ゆっくりと起き上がる
「っ!?どうして、その『髪飾りを』」
「結城さんに貰ったんだ、
『黒尾君をよろしくな』と、
『山火事で家族全員を失っているから』と。」
「・・・タキオン。」
「私にも背負わせてくれ、
最も、脆い脚の私だがね、
キミの、『浅間・黒尾』も、
『羽佐間・黒尾』も、私が一緒に背負ってやる、
これが、『アグネスタキオン』たる私の覚悟だ。」
「・・・理事長に2週間の休暇届け出して来る。」
「なぜだい?」
「言ったろ?」
覚悟しろと
「ぇ?」
▽
二週間の間、誰もアグネスタキオンと
黒尾トレーナーを見ておらず、
メールでの受け答えのみ
その後
どう見ても
『深い関係になった二人がトレーニングに復帰した』
すまん、こらえる気力が足りなかった