「お待たせしました、
本日『6月27日』
この阪神競馬場に置きまして、
『ウマ娘重賞の一つ』」
『宝塚記念、開幕致します!!』
▽
控室
「なぁ、黒尾君。」
「なんだ、タキオン?」
「みんなに声をかけなくて良いのかね?」
「先に済ませたよ。」
「『その脚の事を言わなくて良いのかね?』」
「それな、多分、バレてる。」
「おや、みな知っていて黙っていると?」
「おいおい、俺はトレーナー何だぞ?
ウマ娘の『視線の先が脚に行くのは気づくさ。』」
「あはは、そうだったね、黒尾君はトレーナーだったね。」
「それに、お前の旦那だ。」
「あぁ、私は奥さんだ。」
「こわいよ。」
「だろうな。」
「居なくならないでくれ。」
「俺だって離れたくない。」
(安心しろ、もう『コッチには俺がいるから』)
「っ!?」
「どうしたのだね?黒尾君?」
(お、マジで聞こえやがった、
一方通行だから返事出来ねぇぞ?)
「お、俺の声が聞こえる。」
「なんだって?私には聞こえないんだが?」
(かぁ~、やっぱアグネスタキオンかぁ、だよなぁ~ww
流石俺ww)
「ぁ、なんだか言われたくない事を言われた用だね。」
「あぁ、『向こうの俺をぶん殴りたくなって来た。』」
(ま、さくっと言えば、
俺は『こっち』が気に入った、
だから『変わる必要が無くなったから』そっちは頼んだ、
そんだけだ)
「タキオン、俺、この世界に居続けられる。」
「本当かねっ!?」
(それと、『ハナ』って奴と結婚したから)
「え?」
「ん?どうしたのだね?」
(東条トレーナーに似てんだわコレがww
ま、流石に『仕事』は違ったけどなww
つ~事で、お前はそっちで人生を謳歌してくれww
脚は・・・俺も無理だ)
「そぅか。」
「やはり、脚はダメなのだな?」
(それと、そっちでやらかしたんだろ?
コッチでも『解決した』だから後腐れ無く
そっちでやってくれ)
「黒尾君?」
(え?もう終わり?マジか、
んじゃぁ、
『その先へ』行って来い、俺)
「・・・終わったよ。」
「なんだって?」
「『先の事は頼んだってさ』」
「ふははは、やはりキミはキミなんだね。」
「そうらしい。」
「でだ、コース入りで『やらかして良いのだね?』」
「おう、俺もそこについてくよ。」
「それはダメだ、何時もの位置に居てくれ。」
「わかったよ『行って来い、アグネスタキオン』」
「おぅ、任された!!」
▽
「さぁ、各ウマ娘達が続々とコースに入って来ます、
おっと、ここで情報が入りました・・・えぇっ!?」
▽
既に、私以外のウマ娘達はコース入りをした
「さぁ、私の『最後のレースの役者たちよ、とくとご覧あれ』」
▽
「大変な情報が公開されました!!
このレースをもって『アグネスタキオン』が、
『引退』を宣言しました!!」
▽
どよめく会場
ふふっ
「さぁさぁ、皆々様、
渦中のウマ娘、『アグネスタキオン』だよ~。」
嘘だろ、とか、引退しないで、とか
ま~、私も好かれた物だね
「先ずは残念ながら引退は本当だ、
少々『屈腱炎』を患ってしまってね、
そろそろ限界なのだよ。」
静まり返る会場
「それに伴ってね、
学園の方における特待生制度を利用させて貰ってね、
『本日付で卒業の資格も正式に受理、施行されたよ』」
「すまんな、みんな、一足先に卒業させて貰うよ。」
あぁ、そんな目で見るな
「まぁ、卒業したからと言って、
学園から去る訳では無い、
『羽佐間・黒尾トレーナーの妻として、
サブトレーナーを就任、それを私も受諾したのだよ』」
うむ、我がスターダストからの視線が痛い
「そして、今日まで黙っている筈だったのに、
『マスコミ』にタレ込みしようと画策したアホが居たのだ、
ウマ娘にとって、『マスゴミ』は最大の敵だ、
黒尾トレーナーの仲間達によって、
その『マスゴミの掃除は順調らしい』
ウマ娘ファンの皆も、
『ウマ娘を悪く言う、復帰は絶望的』などと、
ほいほい言われ、いい気分ではなかっただろう?
なぁ?みんな?」
「そして、ここであえて言おう、
『トウカイテイオー』」
「え?なんでボク?」
「君はスピカとスターダストを兼任して欲しい、
どうやら、
『キミのライバルであり、ファンが壊れそうだからね』」
ファンの後ろの方に、ポツンと
メジロマックイーンが立っていた
「マックイーンっ!!来てくれたんだ!!」
「っ・・・テイオー。」
ファンが道を空け、コースギリギリまで近寄る
「マックイーン、こんなボクでも走るよ、
そして、アグネスタキオンに勝ちたいんだ、
『勝ったらマックイーンが兼任してね?』
ボク、スターダストが大好きなんだ、
勿論『男性として、黒尾も大好きなんだけどね。』」
再び会場がどよめく
そして、さりげなく、スターダストの全員が、
『婚約指輪を着けた手を掲げる』
「まぁ、私は『結婚指輪に先ほど交換したのだがね』」
再び視線が私に集まる
「メジロマックイーン、
我らスターダストメンバーは
羽佐間・黒尾と婚約し、私は結婚となった、
こんな中から
『どうやってトウカイテイオー』を奪うつもりだね?」
「ふふっ、ふふふふっ、
上等ですわ!!
今!!ここに宣言致しますわ!!
『繋靱帯炎』を克服し、
必ず、貴女を奪い返しますわ!!
トウカイテイオー!!」
はぅっ///
「そう!!それ!!
マックイーンからソレを聞きたかった!!
ぁんっ///
カ・イ・カ・ン///」
「ライスシャワー。」
「この状況で私っ!?」
「キミの脚だ、限界なんだろう?」
「それでも、貴女を超える!!」
「大丈夫、例え折れても、
黒尾君が治してくれる、
限界と言う制限をぶち壊してくれたまえ、
ライスシャワー。」
「絶対、勝ちます!!」
「フクキタル君。」
「う゛っ、やっぱ私も?」
「勿論だとも、
『我がスターダストで
最初に黒尾君を好きになったウマ娘君』」
「ヘェ、ドコデ聞イタノカシラ?」
「いや?
『チームの初顔合わせで気づいて居たぞ?』」
「えぇっ?!そんな最初からぁっ!?」
「なんせ、キミの表情は解りやすいからね、
それに、『高揚もしていただろう?』
顔がほんのり赤かったしね。」
ばっ、と、フクキタルは黒尾君を見る
頭をポリポリする黒尾君は後で叱られろ
「ハルウララ。」
「な~に~?」
「正直、キミのポテンシャルが一番怖い。」
「へ~。」
「羨ましいよ、どれだけ無茶をしても
『壊れない脚』を持っているのだから。」
「でも、タキオンよりは遅いんだよ?」
「かつてはそうだっね、
だが、『今のハルウララは違うのだろう?』」
「うん、負けない、
『毛量の多いビワハヤヒデ』にも負けない。」
「な゛っ!?なんでこっちに飛び火してくるのよっ?!」
「そうそう、私から見ても見目麗しい女性なのだがね、
『頭でっかち』と言われるのが嫌なんだって?
バランスの取れた女性にしか見えないのだがね?」
「言ったね!!頭でっかちって!!」
「あぁ、だが、
それで選べるほど男性側に甲斐性があるのかね?
ビワハヤヒデほどの女性を養える男性でも無い
『有象無象の○○○○』な男は気にするでないよww」
ウマ娘全員「放送禁止用語をさらりと言うなぁああっ!!」
「おっとすまん、すまん、
ナリタブライアン、
キミの姉をこうして弄っている私を
『どうしたいかね?』」
「ぶっ潰す。」
「うむ、受けて立つ、
どうにも君は『一人で戦って居るようだが』
『周りにはキミを負したいウマ娘だらけなのだよ』
勿論、『キミの姉上もね』」
「え?」
「~っ、どこで知ったのやら。」
「姉貴?本当なのか?」
「本当よ、貴女には、負けたくないわ。」
「姉貴。」
「アグネスタキオンに言われたのは癪だけど、
『このレース、貴女には絶対負けないわ』」
「ちげぞー。」
「え?この流れでなんか言うの?」
「勿論、
BNWの一人だし、
『マルゼンスキーの運命を感じる相手でもある訳だ』
思い当たる節はあるのだろう?」
ギクッ
「え?マルゼンスキーに?
と、特になんか感じる物はないんだけど・・・。」
「えぇっ?!ないの!?」
「いや、とくに、てか、
そのそも、
マルゼンスキーや、シンボリルドルフ会長が出れてる時点で、
正直、どうやって勝ちゃぁ良いんだ?
全力出し切って追いつけるかぐらいしか。」
「なら、キミはそれまでだ。」
「あ?」
「そこで限界を作る、つまりキミはそれが一杯だと
『諦めたんだろう?』
それとも、
『前線を離れたウマ娘にすらキミは勝てないのかい?』」
「・・・上等だ、アグネスタキオン!!
てめぇだけは真っ先に抜き去ってやるから覚悟しろ!!」
「うむ、よろしい、やって見たまえ、
『お花大好きむっつりスケベ副会長』
君はいい加減猫を被るのは辞めたまえ、
美人が台無しだぞ?」
プチッ
「ほう、それだけの覇気が出せるなら
最初から出したまえ、
『ただのウマ娘に興味は無いからね』」
うむ、ゴゴゴゴゴと言う効果音がまさに合うね
「会長、こんな形だが、『全力勝負をしよう』
ま、これっきりなのだがね。」
「残念だ、屈腱炎が無ければ、
レコードブレイカーを思うがままだったろうに。」
「いや?この病気が無ければ
『全身全霊を懸ける』なんて思いもしなかったよ、
『所詮、8割で勝てるのだからね』
会長も例外じゃないのだよ。」
「ほぅ、
『シンボリルドルフには、絶対がある』
これを知らぬとも?」
「知っているさ、『ルナちゃん』
この『母の名前で弄られたくなければ』
私に勝つ事だね。」
おや、これは焚きつけ過ぎたかね?
「エルコンドルパサー。」
「ひゃいっ!?」
「そんなに驚かなくても。」
「あ、あははは。」
「君は『お腹の調子に要注意だ』」
「へ?お腹の調子?」
「あぁ、海外遠征もしているからね、
半年に一回は、必ず医者に診てもらうと良い、
気づいて無いだろうが、
『無意識にお腹を押さえているのだよ?』」
「~っ、ほんとだ、
今まで全然気付かなかったデース、
やっぱりお腹を冷やすのは良く無いデースね。」
「もぅ、エルちゃん?またお腹を出して寝てましたね?」
「グラスワンダー。」
「なんですか?」
「何度か細かい骨折を繰り返してるそうだね?」
「~っ、どこでソレを?」
「いや、
『食生活で改善しようとは思わなかったのかね?』」
「それは。」
「東条トレーナーからも言われていたのだろう?
『それなりに好き嫌い』があるそうじゃないか、
良く無いぞ?
骨に良いモノなら、
『私特性のスムージー』でも飲むかい?
味の保障は出来かねるがねww」
「遠慮します。」
「残念だ、エルコンドルパサー、
調合レシピを後で渡すから、
グラスワンダー君に飲ませてあげると良い。」
「ほんとデスか!?」
「え~る~ちゃ~ん?」
「ツインターボ君。」
「なんだ?タキオン?」
「カノープスは良いチームかい?」
「うん♪さいこーに楽しいチームだぞ!!」
「流石『ツインターボ師匠だ』
これからも『カノープスを牽引し続けてくれるな?』」
「ん?よくわからんがわかった!!
タキオン、良い奴だな!!」
「あはは、どちらかと言うと、悪役をやりたいのだがね、
ナイスネイチャ、キミにはトラウマ物だよね、
『ブロンズコレクター』は。」
「うぐっ、痛い所を。」
「だが、見ている角度が違えばそれは
『誰にも譲らない3着ではないか?』」
「え?」
「考えても見たまえ、
キミが出走したレースの相手は、
『名だたるウマ娘達が居る中で
必ず3着を取っているではないか』
これは私には出来ない事だぞ?」
「ぁ~・・・言われて見れば、
そうか、周りがヤバいのばっかだったね。」
「ブロンズコレクター、
これを維持し続ける事はキミしか無しえていない、
なら、その殻を後は破るだけだ、
このレースの為にしっかり調整して来たのだろう?
ならば、私と競り合い、
3着以上を取り給え、それが私への礼となる。」
「わかった、アグネスタキオン、
必ず追い抜くからね?」
「先頭で待っているよ、
タンホイザ、キミのポテンシャルは
私も驚愕に値するけど、
『このレースの副賞は私の物だ』」
「なんですとっ!?
『試作甘味試食券半年パス』を
貴女も狙っていると!?」
「あぁ、勿論、
誰にも譲るつもりはないよ?」
「ぜ~ったい!!負けませんからね!!」
「その意気だ、
イクノディクタス。」
「私ですか。」
「あぁ、アレから続けてくれているかね?」
「えぇ、貴女のお陰で
入賞と、2、3着を、安定して取れるようになった、
感謝しているよ。」
「では、このレースで狙って見たまえ、『一着を』」
「ふっ、出来るならそうしたいが、
『お前も譲る気は無いのだろう?』」
「っ、くはははっ!!
コイツは一本取られたねww
全力で私に喰らいつくがいいさ、
『先頭に私は居るのだからね』」
既に開始予定時刻は過ぎているがそんなの構わない
「さて、時間を取らせたね、
『私の最後』
一着と言う姿で華々しく『散って見せよう』
『アグネスタキオンと言う、粒子に習って』
それと。」
ひと息入れる
「ウマ娘は、慢性的に『脚に爆弾を抱えて生きている』
そして、キミ達『モルモット君達は』
その走る姿を見にここに来ている、
更に、
『始まりも、終わりも見て来ている』
しかし、これからは
『この行く先も見て行って欲しい』
『確約しよう』
これからもURAは発展し、
ウマ娘達は走り続ける、
それを『どうか傍観者では無く』
『支える一人として』
私達、ウマ娘を
宜しくお願い致します。」
深々と頭を下げる
はち切れんばかりの弩轟(どごう)が響き渡る
「さぁ、時間が押している、
ウマ娘達よ、
『スタートへ行こうか、これから為に』」
いよいよ、宝塚記念が始まる