ウマ娘ストーリー・ブラックテイル   作:扶桑畝傍

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マチカネフクキタル

 

痛い

 

痛い

 

痛い

 

「っ!?

 はっ、はっ、はっ、はぁ~。」

 

また、この夢

ここ最近、『脚が痛い夢ばかり』

眠れていない

 

「~っ、酷い顔。」

 

隈が酷く汗も酷く搔いている

 

「シャワー浴びよ。」

 

 

さ~

(夢にしちゃ酷く現実身があるんだもんな)

さ~

(それに、身体も最近だるい)

 

コンコンコン

 

ぉ~ぃ、フクキタル~、いるか~

 

「え?黒尾さん?ちょっと待ってて~。」

「うわっ!?せめて服着て来いよ!!」

タオルを巻いただけのフクキタルが出迎えてくれた

「あ、いや、黒尾さんだし、いいかなって。」

(あぶなっ、咄嗟に目元だけ隠したけど、

 バレてないよね?)

流石に制服に着替えた

「びっくりしたぞ、フクキタル。」

「あはは、寝汗掻いちゃってそれでね。」

「・・・フクキタル。」

「なぁに?黒尾さん?」

 

脚、痛くないか?

 

「え?」

「フクキタル、正直に答えて欲しい。」

 

やだ

 

「『歩き方ぐらい見てわかる』」

 

やだよ

 

「それに、目元をきつめに化粧してるだろ?」

 

いやだよ

 

「いつからだ?」

 

いやぁ

 

「フクキタル、教えてくれ、いつからだ?」

 

「答えなきゃ駄目だろうフクキタル君?」

「タキオン。」

「いつの間に復帰したんだ?」

「あのねぇ、アレだけ説明しても

 朝からお盛んな黒尾君の相手をしてたら、

 嫌でも慣れてしまう物だよ?」

「ぁ~。」

「って、毎日朝からシテルの?」

二人「それがなにか?」

「呆れた。」

「フクキタル、私と同じ

 『屈腱炎』なのではないか?右脚。」

 

「敵わないな、タキオン。」

「いつからだね?」

「『宝塚記念』の後から、少しずつ。」

「ライスを気にして言わなかったんだな?」

「~っ、ほんと、黒尾さんには、筒抜けだね。」

ぽたぽたと流れる

「私、最近、寝れないんだ、

 『痛い、痛い』って、夢がね、

 でも起きるとそれは収まるけど、

 宝塚記念から

 少しずつ、『走れなくなって来たの』

 やだよ、私、まだ走りたいのに、

 なんで?」

 

なんで、こんなめにあうの?

 

シラオキ様の声も聞こえなくて

 

占いも当たらなくなって来た

 

どうして?どうして?ねぇ?黒尾さん

 

「たす、けて、ください、

 タキオン、私、まだ、走りたいよぉ~。」

 

「隠す事はできる。」

「え?」

「しかし、黒尾君?それは・・・。」

「激痛との戦いになる、間違いなくな。」

「わかってる。」

 

ある衣装を入れた袋を差し出す

「これは?」

「新、勝負服だ、俺のデザインと、

 シラオキ様チューンだ。」

 

タキオンがフクキタルをサポートし着せる

 

「うわっ、なんだか力が湧いて来る。」

「全体を暖色黄色系統で纏めて、

 花柄でアクセント、

 それと胸元のコレで顔を明るく見せる。」

そして

「後はコレだ。」

帽子をかぶせる

「自分の限界まで走れ、マチカネフクキタル、

 激痛の試練が待っていようとも、

 『お前が思うままに』」

 

「ありがと、黒尾さん、タキオン、

 ごめんね?私の我儘に付き合ってくれる?」

「勿論、散々私の我儘を聞いて貰ったのだ、

 今度はお返しする番さ。」

「出るとしたら、来月の『青葉賞』か?」

「そうだね、4月は調整に専念して、

 一日(ついたち)に、出走、

 うん、やろう、黒尾さん!」

「では、これを飲んでおきたまえ。」

闇黒色なのにブドウの香りがする試薬

「こ、これは?」

「ドーピング検査に引っ掛からない

 『ブドウ味の減痛薬だよ』

 私も実は飲んでいるのだよ。」

そう言って、別の同じ色の試薬を飲み干す

「どう言う訳か、

 『ブドウ味』にしか出来なくてね、

 未だ改良中なのだ。」

「あはは、なんでブドウ味限定なのよ。」

「それがわからないから研究を続けるのさ。」

「その反動で、

 『ウマ娘の耳と尻尾が生える試薬』が

 パワーアップしやがってな、

 『2週間は消えなくなったんだ』」

「え゛?

 つまり、黒尾さんの発情期間が二週間続くの?」

「全く、黒尾君の相性が良いのかわからないから、

 『黒沼トレーナーに飲ませたんだ』」

「おぃいっ!?」

「そしたら、なぁ?」

「あぁ、ミホノブルボンが二週間後。」

二人「滅茶苦茶ツヤツヤしてたのが目撃されたんだ、

   しかも『絶好調状態で』」

「やっちゃってるよねそれっ!!

 やっちゃダメな事、バリバリやらかしてるよねっ!?」

二人「安心しろ、二人は婚約者だし、

   18になってないからまだ出来ない。」

「色々駄目だよね!?公にしちゃいけない案件だよねっ!?」

「大丈夫、大丈夫。」

「うむ、私も『モルモット』が増えるからウハウハなのだよ。」

「え?」

 

マスゴミに人権なんてナイナイww

 

「うわぁ、マッドサイエンティスト共め。」

二人「うむ、褒め言葉だ!!」

「・・・ふぅ、ありがとね?

 すこし、元気出た。」

「それは何よりだ、マチカネフクキタル。」

「うむ、やはりウマ娘は元気なのが一番良いモノだ。」

「はぁ、

 マチカネフクキタル、

 これから自分の限界と戦います、

 これからも、不束者でありますが、

 よろしくお願いいたします、黒尾さん。」

「おう、よろしく。」

「おいおい、私もだろ?」

「タキオンは奥さんなんだから黒尾さんのサポートでしょ?

 私はまだ『現役なんだからね?』」

「ま、減痛薬は二日が良い所だ、

 レース前日に飲めば、『レース中は大丈夫』だろう、

 しかし、キミの脚の限度もある、

 試薬の効力を上回る事があれば

 『レース中だろうが、激痛が襲って来る』

 それだけは周知しててくれ。」

「わかってる、でも

 『走り続けたいから』私は走るよ!!」

二人「いよっ、マチカネフクキタル!!」

「今日も私は大吉ですから!!」

 




フルアーマーフクキタル・・・

どうやらあの姿は現役最後の方らしいですね。
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