ウマ娘ストーリー・ブラックテイル   作:扶桑畝傍

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優しい周り

くつくつ煮えるホルモン煮

 

「ほれ、良い具合だぞ。」

「ありがと、おっちゃん。」

 

今日も学園を抜け出し

 

橋の下のおっちゃんとホルモン煮をつっつく

 

「はふっ、はふっ、うま。」

「どうした?なんかあったか?」

「べつに。」

「『塩を追加されちゃ困るからな』」

「い、いいだろ、塩なんだから。」

そっと、ハンカチで拭ってくれるおっちゃん

「良かったな、

 悔しいって、わかったじゃねぇか。」

「う゛ん゛、ぐやじぃ。」

「ほれ、今日はハラミも、モツもある、

 食え食え、食って力着けろ。」

「う˝ん˝、おっちゃん、こんどばまげない。」

「ったく、フェスタよぉ、

 お前さんは早くトレーナーを捕まえろって、

 こんなおっちゃんに構ってる暇なんてないだろうに。」

おっちゃんに抱きついて泣きじゃくるナカヤマフェスタ

 

(やれやれ、

 もう見ているだけに留めるつもりだったのにな)

がばっ!!

「おっはよーマーベラス!!」

「あ、おはよ~。」

「うわ、ナイスネイチャが髪とかしてる。」

「はぁ?普通でしょ?

 それに今日はオフだから出かけるのよ。」

「へ~、マーベラスなお相手でも居るのですか?」

「へっ!?べっ、べつにそんなんじゃないし!!」

「だったら、何時もの二つに分ければいいのに、

 なんで『一つに緩く纏めてるの?』」

何時もは見えるうなじを隠し、

背中の中央まで降ろした髪型は

明らかにおめかししている

「これが目印なのよ、

 ウマ娘がウロウロしてると、

 『その場がサイン・握手会場になるからって』」

「へ~。」

「興味あるのか無いのかはっきりしなさいよ、

 あ、やば、時間ないじゃない!!」

バタバタと着替えだす

「ねぇ?マベも着いてっていいですか?」

「えぇ!?でも着替えは?約束の時間

 あと十分ないのよっ!?

 行くなら急いでよ!!」

「ひゃうっ!?マーベラスな時間ですね!!

 行きます!!行きますよ!!」

「んん?ナイスネイチャはいいとして、

 マーベラスサンデー?キミは?」

「気になって来ちゃいました!!」

あの髪留め?を外し、そのまま流したスタイルは

『某黙っていれば美人』といい勝負だ

だが、マーベラスサンデーだ、黙る訳が無い

「そうか、ナイスネイチャ、

 ターボも見てた店で良いのか?」

「そうね、南坂トレーナーって、

 ほんとスーツばっかりだからねぇ~、

 私もネクタイか、ワイシャツとかかな~って。」

「おぅ、トレーナーへのお返しですか!!

 マーベラスですね!!」

「はいはい、アンタは少し静かにね~、

 って、手遅れ間半端ないけどね。」

既に後ろには、『ファンの行列が出来つつあった』

「はぁ、今日は車にして正解だったな。」

真っ黒い『センチュリー』がそこに鎮座している

「こ、これで行くの?」

「おや、ナイスネイチャ様、

 マーベラスサンデー様、おはようございます。」

「あ、あれ?マックイーンさんのじいやさん?」

「はい、本日はマックイーンお嬢様からのご依頼で、

 黒尾トレーナー様のドライバーを頼まれまして。」

「へ~、そうなんだ、あれ?」

(ナイスネイチャ、言うなよ?)

(ちょっ!?)

(俺の左足はな、筋肉硬化症って病気でな、

 もぅ、クラッチを踏み込めないんだ、

 だからマックイーンに頼んで

 じいやさんを借りたんだ)

(なるほど、って、

 タキオンと同じ様に脚に病気抱えてるの?)

(そうなる、言うなよ?)

「ほら、マーベラスサンデー?

 乗っちゃって?

 今日はじいやさんの運転で行くんだって。」

「うひょ~!!

 高級車でお出かけですか!!

 マーベラス!!マーベラスですね!!」

ナイスネイチャが

グイグイとマーベラスサンデーを押し込み、

俺も助手席に入る

「それじゃ、じいやさん、

 ナビでこのお店に。」

「あぁ、このお店はよく存じておりますよ、

 わたくしのスーツもここで新調していますから。」

「お、そうだったんですか、

 それじゃぁ話が速い、お願いします。」

「はい、お嬢様方、シートベルトを御着用願いますか?」

「は、はい。」

「マーベラスサンデー、いつでもいいですよ!」

「はい、確認致しました、

 それでは、出発致します。」

途中、じいやさんが『追跡車』を確認し

「巻きますか?」

「お願いします。」

と、若干カーチェイスをしてたのは

ナイスネイチャとマーベラスサンデーの秘密だ

「ふふっ、腕は鈍っておりませぬ。」

「くぅ、足が万全ならじいやさんと峠を攻めたいぜ!」

とか言っていた

ナイスネイチャが色々選んでいる間

 

「ねぇ。」

「なんだ?マーベラスサンデー?」

「『みしっ』って音、

 ベットの軋む音とかだよね?」

「『何時からだ?』」

「・・・きのう、よる。」

「相談所の身体が怠いのがその前からだったな。」

「うん、

 去年の有馬記念からちょっとずつ。」

「帰り、家のチームに寄ってけ、

 そこで話す。」

「え?」

「ほれ、ナイスネイチャが変な目で見てるぞ?」

「うぇっ?!」

「へ~、興味ないとか言って、

 『既婚者』にべったり話かけるなんて、

 NTR希望ですか?ソウナンデスカ?」

「ちちちがうですよ!!

 マーベラスサンデーは

 マーベラスになれるように

 アドバイスを貰ってたのですよ!!」

「どーだか、はい、黒尾トレーナー、

 これに決めたわ、本当に良いの御会計。」

「あぁ、こう言う出費は必要経費だ、

 遠慮すんな、それと、

 帰りは商店街に寄ってくから

 おばちゃん達に顔だししてくといいさ。」

「え?あの車で?」

「ん?嫌か?近くで降ろして、

 荷物はタキオンにでも届けさせるけど。」

「だ、大丈夫よ、自分で渡すわ、

 ちょっとだけ、待ってて貰える?」

「大丈夫、じいやさんそう言うトコ上手いから。」

「え?」

「センチュリーで通れるギリギリの道を

 知ってるんだと、しかも一方通行で

 裏道駐車場も知ってると来たもんだ、

 いや~、地元の『走り屋』は

 色々知ってるわ。」

まぁ、商店街に向かう道中も『追跡車』が居たが、

流石に『警察の力を借りた』

6台もカメラマスゴミが居たのは色々不味かったので

黒尾とタキオンの『へや』

「お、おじゃまします。」

「おう、来たか、マーベラスサンデー。」

「今度はこの子か、

 お前はどれだけ手を出せば気が済むんだ?」

「出してねぇよ、このクソ医者、

 彼女の『右脚』を診てくれ。」

「・・・はぁ、わかった、

 お前は出てろ、この子と、タキオンで充分だ。」

「え˝?」

ばたん

「あ、締め出された。」

「さ、マーベラスサンデー君、

 靴下ぐらいは脱いでくれないと

 彼も診察出来ないよ?」

「あ、はい。」

 

 

「同じだな、

 アグネスタキオン、

 マチカネフクキタル、

 そして、マーベラスサンデー、

 お前さんも『屈腱炎』だろうよ。」

 

え?

 

「タキオンの脚を触ってみろ、

 走らずともこの熱量と違和感を感じるだろうよ。」

「ほれ、触って見たまえ、サービスだぞ?」

触ろうとしない

「なんだね、つれないねぇ。」

「タキオン、お前さんは受け入れて

 『黒尾と言う支えがあるが』

 マーベラスサンデーに居るのか?」

「すまないね、

 マーベラスサンデー、

 受け入れがたいだろうが、

 この医者はね?

 『トウカイテイオー』

 『ライスシャワー』の脚を手術し、

 マチカネフクキタル、

 この私、アグネスタキオンの脚を

 診て来ている本物の医者だ、

 辛いだろうが、

 『キミの脚も『屈腱炎』を患っている』」

「気絶、したか。」

「はっ、予想はしてただろうに。」

「お前なぁ、またがっつり言ったんだろ?」

「当たり前だ、

 下手に『軽い症状』なんて言えるか、

 ダメな物は駄目と言う、

 それが医者だと俺は思うがね?」

「お前は出来るだろうよ、

 俺は出来なかったからな。」

「・・・どうする?

 マーベラスサンデーに支えは居るのか?」

「トレーナーはごく普通だからな、

 無理だろうよ、

 ナイスネイチャはどうだ?

 ルームメイトだろ?」

「どうかね、

 彼女はカノープスの戦績稼ぎ頭、

 自身の事は兎も角、

 おバカなツインターボの面倒に、

 南坂トレーナーのサポートもこなしている、

 ブロンズコレクターは伊達じゃ無いからね。」

「かと言ってなぁ~・・・。」

 

がちゃ

 

3人「え?」

今、入って来て欲しくないウマ娘が入って来た

「マーベラスサンデー、

 屈腱炎なんだって?」

「な、ナイスネイチャ、何時から聞いていた?」

「黒尾トレーナー、

 アンタ気づいてたでしょ?

 ここ、監視カメラだらけなんだから。」

 

「全く、お医者さんもお医者さんだよ?」

「なんだ?」

「ド直球に言い過ぎ、

 少しはクッション置きなさいよ。」

「むぅ。」

「タキオン、アンタの脚はみんな知ってる、

 だから触れないの、わかるでしょ?

 『下手をすれば自分にもその違和感』が

 あるかも知れないんだから。」

「め、面目ない。」

「ルームメイトが辛そうにしてるの、

 『この私が気づかないとでも?』」

「ナイスネイチャ。」

「黒尾トレーナー、

 この件は私が預かります、

 それに、

 『マーベラスサンデー』

 アンタ、もう起きてるでしょ?」

 

 

「ネイチャ。」

「ほら、帰るわよ、門限近いし。」

「で、でも。」

「でもも、へちまもないわ!!

 アンタはどうしたいの?

 『もう走るの辞めたいの?』

 『走り続けたいの?』

 一晩悩みなさい!!

 一晩だけよ!!

 明日からは私が支えてあげるから、

 覚悟しなさい!!

 南坂トレーナーにもメールしたから、

 『明日からチーム・カノープス』だからね!!」

 

「すげぇな、ナイスネイチャ。」

「あのウマ娘、家の助手に欲しいな。」

「いや、南坂トレーナーから

 剥がれるのかい?あの子は?」

3「・・・無理だな。」

南坂トレーナーの私室

「さて、

 どうやって隠しながら続けられるか

 考えないといけませんね、

 全く、ナイスネイチャさんにも困った物です。」

「でも、トレーナー?

 ターボ、走れない辛さ、わかるよ?」

「そうですね、

 みんなで、マーベラスサンデーを支えてあげましょう。」

「うん!!ターボ、マーベラスサンデーを支える!!」

 

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