ウマ娘ストーリー・ブラックテイル   作:扶桑畝傍

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まだまだ4月

黒尾トレーナー相談所

 

ピコ

 

「あん?誰だ?このアドレス?」

〔は~い、黒尾トレーナー相談所、どちら様~?〕

 

〔ぅお~い、ちゃんと画面見てるか~?〕

〔えふぁmkkp〕

〔は?〕

〔すみません、ひさしぶりにパソコンにさわったから〕

〔ぇ~、お名前は?〕

〔アドマイヤベガ〕

〔アドマイヤベガ?なんでまた?〕

〔相談所なんでしょ?〕

〔そりゃぁ、そうだけど〕

〔聞きたいの〕

〔はいよ?〕

〔一人で戦って、勝ちたい〕

〔・・・理由は?〕

〔夢〕

〔夢かぁ、

 『誰かの贖罪の為なら辞めろ』〕

〔なぜ?〕

〔お前は誰だ?〕

〔だからさっきも言った、アドマイヤベガって〕

〔んで?アドちゃんは

 『誰の為に一人で勝ちたいんだ?』〕

 

〔あのなぁ、俺はトレーナーだ、

 ウマ娘の過去もいくらか把握している、

 だから、あえて言うぞ?〕

 

〔『生まれる事が出来なかった

  姉妹の為に戦うのは辞めろ』〕

〔どうしてっ!?〕

〔お前さんの心の中に

 『その姉妹は生きてるんじゃねぇのか?』〕

 

〔母親の名前を二人で貰いたかったんだろ?

 なら、『アドマイヤ・ベガ』と、分ければいい〕

 

〔『一人で』なんて、

 その子が願うか?『二人で一緒に戦いたい』って

 言うんじゃねぇのか?〕

 

〔後、『胃の検査を念入りにして貰え』〕

 

〔おい〕

 

〔おい!!〕

 

「ぁ、切られた、

 ったく、どうしてこうして、

 『ウマ娘は抱え込んじまうのかね』」

ドドドド

「どどど?」

「黒尾トレーナーぁああっ!!」

殴りかかられるが

 

ぐるん

「へ?」

 

ずどん

「あぐっ!?」

 

「あほう、人間に殴りかかるんじゃねぇよ、

 アドマイヤベガ。」

「謝れ!!私の姉妹に謝れ!!」

抑え込んでいるが、まぁすげぇ声だわな

「どうした!!

 自分が悪いから黙ってるんでしょう!!」

 

「なんで!!」

 

「なん、で。」

 

「そんな。」

 

「そんな顔するのよぉっ!!黒尾トレーナー!!」

手紙を押し付ける

「な・・・これ。」

「お前の母親からだ、

 『こう言う時に渡せと言われている』」

「なんで母さんの事!?」

 

いけ、その内容は、お前だけで読むのが条件だ

 

「それと、さっき書いた

 『胃と、左脚を念入りに見て貰え』

 これぐらいしか、お前には出来ない。」

 

くしゃりと握った手紙を手に、部屋から出て行った

 

「はぁ~・・・『まだ、身体は動くか』」

「全く、キミはつくづく

 ウマ娘トラブルに巻き込まれ易いのだね?」

「言うなよ、タキオン。」

「して、彼女に待ち受けるであろう

 『未来は?』」

「11月の菊花賞がターニングポイントで、

 『記憶が合ってれば、左脚繫靱帯炎』

 そして、『偶発性胃破裂』で突然死がありうる。」

「なんだってっ!?」

「俺だって診てやりたい、

 だがな、アイツは誰とも寄り添わない、

 それも『結果』を出してしまっているから、

 あれこれ言えないんだ。」

「ちらっと聞こえたが、

 『彼女に姉妹は居なかった筈では?』」

「『馬の双子はな、片方を殺す事が良くあるんだ』」

「な˝っ・・・冗談だろう?」

「事実だ、

 そして『トレセン学園の親族面談』の時にな、

 『アドマイヤベガの母親を俺が担当した』」

「~っ、そこで?」

「あぁ、『娘はいつも、

     いない筈の姉妹に話しかけている』と、

 『そして、その子が居ないのは

  自分の責任だと強く思ってしまっている事』

 その時に渡されたのが、さっき

 アドマイヤベガに押し付けた手紙だ。」

「内容は?」

「知らん、

 そこまでは俺も深くは入り込めねぇよ。」

「しかし、コレがきっかけで『引退』を選ぶとは

 考えて無かったのかね?」

「どうだろうな、

 俺はアイツを『支えられるほど器用じゃねぇからな』

 それに、5人も抱えてるんだぞ?

 これ以上は真面目にキャパオーバーだ。」

「ふふっ、キミは噓つきだよ、

 『気にも留めないなら』そんな対応すらしない癖に。」

「うっせ。」

「そうやって、頭を掻く癖は治らないのだね?」

 

「私は、彼女を救うべきと思うがね?」

「出来るなら自力で立ち直って欲しいんだけど?」

「つれないねぇ~。」

ピコ

「あ?今度は誰だよ?」

〔おね~さん、相談したいんだけどな?〕

「露骨に嫌な顔するのだねキミは。」

「あぁ、シーキングザパールだからな。」

「国内外のレースに出ている、あの?」

「あぁ、今日こそはまともな内容だと良いんだけどな。」

〔はいよ、なんだ?〕

〔あら、今日は早いわね〕

〔別件での受け答えが今、終わったからな〕

〔そうなの〕

〔んで?〕

〔もぅ、少しは雰囲気づくりをねぇ?〕

〔切るぞ~〕

〔待ちなさいよ!!〕

〔はよ言え、こっちは忙しいんだ、主に書類仕事がな〕

〔・・・レース中、息苦しくて、辛いのよ〕

〔だろうな〕

〔って、なにか知ってるのっ!?教えて頂戴!!〕

〔・・・多分、呼吸器内科でわかる筈だ〕

 

〔ショックだろうが、

 お前さんの走る時、

 『妙な呼吸音』が聞こえる時があるんだ、

 恐らく、喉、そのあたりの異常だと思うが、

 詳しくは医者に聞いてくれ〕

〔貴方が診てくれないの?〕

〔なんで?〕

〔元はお医者様なんでしょ?〕

〔どこから?〕

〔理事長〕

〔いや、嘘だな、『誰から聞いた?』〕

〔いやよ、貴方が診てくれないなら教えないわ〕

〔じゃぁ、お前は二度と勝てないだろうな〕

〔ちょっ〕

〔言っただろ?忙しいと〕

〔はぁ、たづなさんよ、

 理事長が雇ってた探偵さんから直接聞いたみたいなのよ〕

みし

「ちょ~っ!?黒尾君!!

 キーボードが壊れるから!!

 そんな曲げないでぇえっ!!」

〔すまん、取り乱してた〕

〔ぇ、えぇ、謎の文字羅列が

 延々と来たからびっくりしたけど〕

〔たづなは、後で絶対シメル〕

〔そ、それで、どうして貴方に診て貰えないのよ?〕

〔あ?医者じゃねぇからだよ、

 医師免許も『返納したからな』〕

〔え?〕

〔ちょいと病気を持っちまってな、

 もぅ出来ねえんだ、

 トレーナー一本が良いトコなんだよ〕

〔ご、ごめんなさい、知らなかったわ〕

〔そう言う事だ、諦めてちゃんと医者行け、

 そこで言う事聞いて治して来い〕

〔はぁ、残念ね、そうするわ、

 それと、この苦しいのが解決したら、

 海外に行きたいのだけど、私、勝てるかしら?〕

〔ばーか〕

〔ば、バカとはなによっ?!〕

〔ウマ娘なんだ、

 『誰よりも速くゴールを超える』

 それだけを考えて走れってんだ、アホ〕

〔お姉さん、怒るわよ?〕

〔怒れる気力があるならまだ走れるな〕

〔~っ、貴方ねぇ〕

〔わり、割と真面目に忙しい〕

〔はぁ、わかったわ、

 また今度、ゆっくりお茶でもいかが?〕

〔タキオンセットでなきゃ行かねぇから〕

〔もぅ、妬けちゃうわ、またね?〕

「はぁ。」

「お疲れ様、黒尾君。」

「聞かねぇのか?」

「いや、『ウマ娘界隈の喉や、

     呼吸器の病気はありきたりだからね』

 それが彼女の?」

「まぁ、『喉頭蓋エントラップメント』つー、

 症状なんだろうよ?

 俺も実際診てる訳じゃないからな、

 『ノド鳴り』の方が聞いた事あるだろ?」

「これまたウマ娘の宿命だねぇ、

 しかし、骨折とかの故障は?」

「さぁ?海外に行ってからの記録は

 あんま見てねぇからな、はっきり言ってわからん。」

「そうか。」

「あ。」

「どうしたのだね?」

「牧場事件あるあるでな?」

「ふむ。」

「外傷はなくてな、

 牧草地で亡くなってたらしい。」

「え?」

「推測らしいんだけど、

 落雷で亡くなったのが一番有力らしい。」

「なんとも不運な子だね。」

「だな。」

 




「さ、たづなさん、
 何か遺言はありますか?」
「いやいやいや!?
 おかしいですよねっ!?」
「いや、何もおかしくは無いのだよ?たづな君、
 キミは『彼の過去を広めた罪がある』」
「あ。」
「はい、判決。」
二人『語尾が可笑しくなる試薬の刑に処する』
「いやぁ~っ!?」



「あれ?なんともなってないっしゅ。」
しゅ?
「え?私、なんて言ったっしゅ?
 しゅ~っ!?」

二人「なんだ、『でしゅ』語尾かぁ、つまらん。」
「詰まらないとかじゃありませんでしゅ!!
 早く治して欲しいでしゅ!!」
二人「2週間は治らないから。」
「そ、そんな、あんまでしゅ~。」
二人「自業自得だろうに。」
(た、たづなが、しゅ?!
 しゅ?!くはははっ!?)
二人(理事長のツボは、たづなの語尾変換っと)メモメモ
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