ウマ娘ストーリー・ブラックテイル   作:扶桑畝傍

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全休

「なんか、久し振りだな。」

丁寧な運転の『普通のリムジンバス』

「正直、黒尾君がここまで大人しく運転するとは

 思ってもみなかったよ。」

「あのな?タキオン、

 『力を入れられない左脚』で

 どうやってMTを運転しろと?」

「そぅ、だったね。」

正直、『天皇賞』に出れる状態では無かったため、

スターダストメンバーは完全休養とした

 

そして、ここ数日、左脚の動きが鈍く、

ヤツに診察してもらった所

 

『膝まで進んでいる』

 

まぁ、『今は小康状態で止まっている』

 

何時、また硬化が進むかわからないが

 

「そんな顔すんなよタキオン、ほれ、お前らも。」

「お兄様?

 今まで黙ってた分、許しませんから!」ふんす!!

「はいはい。」

「それで、どこ行くの?」

「ん?ウララは知ってるか?『水族館』ってやつ。」

「うん、お魚が沢山いるんでしょ?」

「あぁ、ちょいと用事もあってな、ついでだ。」

「へ~、って、フクキタル?大丈夫なの?」

「ぅ~、揺らさないで~。」

 

すまん、あの後、明け方にも3戦して

『腰砕けキタル』になっている

 

「ふぁ~、ねむいよぉ~、

 くろお~、まだ着かないの~?」

「テイオー、お前最近

 マックイーンの取り合いはどうなってんだ?」

「イクノディクタスと折半したよ~、

 月水金は僕で、火木土はイクノディクタス。」

「んで、日曜日を二人でってか?」

「うん、益々マックイーン綺麗になっちゃうから

 イクノディクタスと相談して

 アンクレットにしようか、指輪にしようか相談中~。」

「なるほどね~、

 そろそろ着くから降りる準備しとけよ~。」

全員「は~い。」

とある太平洋に迫り出した人口島にその水族館はある

 

「『久し振りね、黒尾センセ』」

「よしてくれ、もう医師免許は返納したんだ。」

「・・・そぅ、

 そこまで進んでたのね。」

「あぁ、それと、『妻たちだ』」

「たち?」

「あ、アグネスタキオンだ、貴女の名前は?」

「『鏑流馬(やぶさめ)周』よ、

 元、関東連合レディース特攻隊長よ。」

「え˝?」

「周、人の妻を驚かすな、

 タキオン、フクキタル、ライス、テイオー、ウララ、

 コイツは『元・患者だ』俺が手術した一人だ。」

全員「え?ちゃんと医者をしてたの?」

「お前ら、後で覚悟しとけよ?」

「あははは、余り変わって無いね、黒尾センセ、

 義足のメンテナンスのメールしても無反応だし、

 おかしな~って思ってたけど、

 まぁ、まぁ『ウマ娘を嫁に貰うなんて』

 ほんと。」

 

かわったよ

 

「そして、

 『俺を殺したいのも変わって無いか』」

「おもちゃだよ、

 私も『子持ちになったからね』

 流石に切り替えたよ。」

「おふざけにも程があると思うがね?」

無表情タキオンは、

そのまま周の腕を握りつぶす寸前だった

「・・・ほんとか?」

「嘘じゃないさ、『美海(みう)』おいで?」

「ままっ!!またおもちゃのナイフでなにしてたの!!」

「古い馴染みの挨拶さ、ほら、返すよ。」

「もぅ、ままったら、

 みなさんすいませんでした、

 鏑流馬・美海です、私の母がトンだ失礼を致しました。」

全員「なんて出来た娘なんだ。」

「同感。」

「家の娘だ、優秀でしょ?」

げしっ

「いだっ?!み、美海?」

「ま~ま~?」

ゴメンナサイ

「よろしい、お父さんが『仕事は?』って、怒ってたよ?」

「あ˝、バレた。」

「サボり癖も変わってねぇな、周、

 旅館の予約してんだ、ちゃんと仕事してくれよ?」

「わ、わかってるよ、

 「『旅館・やぶさめ館』へ、ようこそいらっしゃいました。」

全員 むす~

「悪かったって。」

「大体君は『人にも甘すぎる』

 それは『私達だけにして欲しいものだね』」

「ぁ~・・・まぁ、気を付ける。」

「それにしてもお兄様、ここの旅館は一体。」

「ここ?『親父の実家』」

全員「え?」

「親父はここ、『やぶさめ館』の『跡継ぎなる筈だった。』」

「だった?」

「あれ?それじゃぁ、

 黒尾さんの苗字、おかしくない?

 『浅間』じゃなかったっけ?」

「浅間は、母さんだよ、

 親父は家出して、母さんと付き合って、

 『高校生で俺を産んだんだ』」

「え?」

「高校は中退、直ぐに働いて、俺を育ててくれた、

 『妹、弟も居たんだ』それなりに幸せだったよ。」

「ま、まて、黒尾君、キミの『ご家族は』」

「今更隠せないだろ?

 『今日は、俺の家族の命日なんだ』

 それでここに来たんだ。」

「黒尾君。」

「みんな、着いて来てくれるか?」

 

暗がりの中、カンテラと懐中電灯で山道を登る

 

「ふぅ、黒尾君、なぜ暗くなってから?」

 

あの日のままだからな、昼間に見るには、まだ、な

 

(っ!?酷い天気だよ)

 

「あぁ、最悪だ。」

 

月明りに照らし出された焼け跡は

 

無言のメッセージすら訴えているようにも見えた

 

「やめるかね?」

「いや、て、手伝ってくれ。」

震える黒尾君をしっかり支える

「私も。」

「ライスシャワー。」

「水臭いよ、黒尾。」

「マチカネフクキタル。」

「もぅ、ボクも手伝わなきゃいけないでしょ?」

「トウカイテイオー。」

「お墓はどちらに?」

「ハルウララ。」

 

あぁ、俺は、やっと向き合えたんだな

 

黒く光る墓石に

 

浅間家の文字

 

月明りが焼け跡を背後に照らし出してくれてた

 

「『ただいま』」

 

 

墓石の掃除を終え

旅館の『風呂に入る』

 

え?混浴?いいえ、『今日は貸し切りです』

 

「さ、お前ら、覚悟しろよ?」

全員「え゛?」

ゴクリ

「ちょ・・・今、飲んだのって。」

「『一週間濃縮バージョン』覚悟しろよ?」

全員「ジーザス。」

 

一週間後

「ま、まま、なんかすごい『甘い匂いだね』」

「ぁ~、先生、すげぇな。」

 

旅館はそののち、『子宝館の二つ名を拝命する』

 




オリウマ娘、また増えましたね・・・

どうしよ・・・
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