「なんか、久し振りだな。」
丁寧な運転の『普通のリムジンバス』
「正直、黒尾君がここまで大人しく運転するとは
思ってもみなかったよ。」
「あのな?タキオン、
『力を入れられない左脚』で
どうやってMTを運転しろと?」
「そぅ、だったね。」
正直、『天皇賞』に出れる状態では無かったため、
スターダストメンバーは完全休養とした
そして、ここ数日、左脚の動きが鈍く、
ヤツに診察してもらった所
『膝まで進んでいる』
まぁ、『今は小康状態で止まっている』
何時、また硬化が進むかわからないが
「そんな顔すんなよタキオン、ほれ、お前らも。」
「お兄様?
今まで黙ってた分、許しませんから!」ふんす!!
「はいはい。」
「それで、どこ行くの?」
「ん?ウララは知ってるか?『水族館』ってやつ。」
「うん、お魚が沢山いるんでしょ?」
「あぁ、ちょいと用事もあってな、ついでだ。」
「へ~、って、フクキタル?大丈夫なの?」
「ぅ~、揺らさないで~。」
すまん、あの後、明け方にも3戦して
『腰砕けキタル』になっている
「ふぁ~、ねむいよぉ~、
くろお~、まだ着かないの~?」
「テイオー、お前最近
マックイーンの取り合いはどうなってんだ?」
「イクノディクタスと折半したよ~、
月水金は僕で、火木土はイクノディクタス。」
「んで、日曜日を二人でってか?」
「うん、益々マックイーン綺麗になっちゃうから
イクノディクタスと相談して
アンクレットにしようか、指輪にしようか相談中~。」
「なるほどね~、
そろそろ着くから降りる準備しとけよ~。」
全員「は~い。」
▽
とある太平洋に迫り出した人口島にその水族館はある
「『久し振りね、黒尾センセ』」
「よしてくれ、もう医師免許は返納したんだ。」
「・・・そぅ、
そこまで進んでたのね。」
「あぁ、それと、『妻たちだ』」
「たち?」
「あ、アグネスタキオンだ、貴女の名前は?」
「『鏑流馬(やぶさめ)周』よ、
元、関東連合レディース特攻隊長よ。」
「え˝?」
「周、人の妻を驚かすな、
タキオン、フクキタル、ライス、テイオー、ウララ、
コイツは『元・患者だ』俺が手術した一人だ。」
全員「え?ちゃんと医者をしてたの?」
「お前ら、後で覚悟しとけよ?」
「あははは、余り変わって無いね、黒尾センセ、
義足のメンテナンスのメールしても無反応だし、
おかしな~って思ってたけど、
まぁ、まぁ『ウマ娘を嫁に貰うなんて』
ほんと。」
かわったよ
「そして、
『俺を殺したいのも変わって無いか』」
「おもちゃだよ、
私も『子持ちになったからね』
流石に切り替えたよ。」
「おふざけにも程があると思うがね?」
無表情タキオンは、
そのまま周の腕を握りつぶす寸前だった
「・・・ほんとか?」
「嘘じゃないさ、『美海(みう)』おいで?」
「ままっ!!またおもちゃのナイフでなにしてたの!!」
「古い馴染みの挨拶さ、ほら、返すよ。」
「もぅ、ままったら、
みなさんすいませんでした、
鏑流馬・美海です、私の母がトンだ失礼を致しました。」
全員「なんて出来た娘なんだ。」
「同感。」
「家の娘だ、優秀でしょ?」
げしっ
「いだっ?!み、美海?」
「ま~ま~?」
ゴメンナサイ
「よろしい、お父さんが『仕事は?』って、怒ってたよ?」
「あ˝、バレた。」
「サボり癖も変わってねぇな、周、
旅館の予約してんだ、ちゃんと仕事してくれよ?」
「わ、わかってるよ、
「『旅館・やぶさめ館』へ、ようこそいらっしゃいました。」
▽
全員 むす~
「悪かったって。」
「大体君は『人にも甘すぎる』
それは『私達だけにして欲しいものだね』」
「ぁ~・・・まぁ、気を付ける。」
「それにしてもお兄様、ここの旅館は一体。」
「ここ?『親父の実家』」
全員「え?」
「親父はここ、『やぶさめ館』の『跡継ぎなる筈だった。』」
「だった?」
「あれ?それじゃぁ、
黒尾さんの苗字、おかしくない?
『浅間』じゃなかったっけ?」
「浅間は、母さんだよ、
親父は家出して、母さんと付き合って、
『高校生で俺を産んだんだ』」
「え?」
「高校は中退、直ぐに働いて、俺を育ててくれた、
『妹、弟も居たんだ』それなりに幸せだったよ。」
「ま、まて、黒尾君、キミの『ご家族は』」
「今更隠せないだろ?
『今日は、俺の家族の命日なんだ』
それでここに来たんだ。」
「黒尾君。」
「みんな、着いて来てくれるか?」
▽
暗がりの中、カンテラと懐中電灯で山道を登る
「ふぅ、黒尾君、なぜ暗くなってから?」
あの日のままだからな、昼間に見るには、まだ、な
▽
(っ!?酷い天気だよ)
「あぁ、最悪だ。」
月明りに照らし出された焼け跡は
無言のメッセージすら訴えているようにも見えた
「やめるかね?」
「いや、て、手伝ってくれ。」
震える黒尾君をしっかり支える
「私も。」
「ライスシャワー。」
「水臭いよ、黒尾。」
「マチカネフクキタル。」
「もぅ、ボクも手伝わなきゃいけないでしょ?」
「トウカイテイオー。」
「お墓はどちらに?」
「ハルウララ。」
あぁ、俺は、やっと向き合えたんだな
黒く光る墓石に
浅間家の文字
月明りが焼け跡を背後に照らし出してくれてた
「『ただいま』」
▽
墓石の掃除を終え
旅館の『風呂に入る』
え?混浴?いいえ、『今日は貸し切りです』
「さ、お前ら、覚悟しろよ?」
全員「え゛?」
ゴクリ
「ちょ・・・今、飲んだのって。」
「『一週間濃縮バージョン』覚悟しろよ?」
全員「ジーザス。」
▽
一週間後
「ま、まま、なんかすごい『甘い匂いだね』」
「ぁ~、先生、すげぇな。」
旅館はそののち、『子宝館の二つ名を拝命する』
オリウマ娘、また増えましたね・・・
どうしよ・・・