ウマ娘ストーリー・ブラックテイル   作:扶桑畝傍

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出走と決着と、タキオンと

「本日は快晴、

 ここ阪神競馬場場で今日行われるのは

 アイリーンカップ・改!

 新たな条例執行が入っての初レースが、

 今日のアイリーンカップ、

 今回はスペシャルゲスト

 『武 豊』さんにいらして貰っています、

 武さん、今日のウマ娘達で注目してるのはどの子でしょうか?」

「そうですね、

 デビュー戦をここで迎えるウマ娘達にも光る物はあると思いますが、

 やはり、『スーパークリーク』でしょうか?

 彼女の持つポテンシャルは天性の物、

 更にはトレーナーによる素晴らしい調整の元、

 コンディションも最高と見れますね。」

「やはり『スーパークリーク』が一着と予想しますか。」

「そうですね、

 経験も豊富ですし、何より3200は彼女のホームグラウンド、

 このレースは彼女をどう攻略するかにかかっているでしょう。」

「ここでウマ娘の紹介を行います。」

 

一番人気はスーパークリーク

次いで二番がグラスワンダー

3番にはビワハヤヒデ

4番ナリタタイシン

5番_____

6番マチカネタンホイザ

7番____

 ・・・・16番____となっております。

 

「各ウマ娘達がゲートに向かいます。」

 

「間も無く出走です!!

 今、スタートっ!!

 おぉっと!!

 一人出遅れたぞ!!アレは誰だ?

 タンホイザ!!

 マチカネタンホイザがスタートを失敗して、

 最後尾スタートだぁ!!」

ひょぇえ!?

足が上手く動かなぃい!?

「あ。」

「どうした?」

「タンホイザの靴、『軽いよ』って言うの忘れてた。」

全員「はぁ~っ!?」

かっ!?軽すぎて怖いぃぃっ!?

うぅ、最後尾になっちゃったよ~

っ、でも、『他のウマ娘達を盾にする』は

これで良いのかな?

「先頭はナリタタイシン、

 そのまま続行でビワハヤヒデ、

 グラスワンダー、スーパークリークと続きます!!」

(よし!誰かこけてたけど見てらんない!!

 絶対逃げきってやる!!)

(流石ナリタタイシン、

 だが、上手い事『風よけ』として使わせて貰う)

(早い、でも追いつける、

 このまま3番を維持して仕掛けるのは4コーナー)

(くっ、走り辛い、

 早めに抜け出したいわね)

「先頭は2コーナーを抜けてバックストレートに

 入って行きます!!

 以前先頭はっ!?おぉっと!!ここで

 スーパークリークが膨らんでグラスワンダーを交わして行く!!

 早い!!早い!!流石経験豊富なウマ娘!!

 素早く戦略を変えて来た~!!」

(よし、外縁部には誰も居ない!!

 フルスピード用意!!)

「おっとやや遅れたマチカネタンホイザはどこに居るんだぁっ!?

 なんとここで『後方馬群』を抜け出し外縁部から

 どんどん抜き始めたぞぉおっ!!」

「っ、これは不味いですね、

 このままの勢いだと先頭集団に4コーナーで追いつきます、

 コレは接戦になりますよ!!」

「各ウマ娘達が3コーナーに突入していく!!

 以前としてナリタタイシンが先頭だが、

 どうした?やや苦しそうだぞ!!

 しかしこの先は『上りが待っている!!』

 耐えきれるのかぁあ!!」

「さぁさぁ!!4コーナー立ち上がり!!

 先頭はナリタタイシン!!

 ナリタタイシンが以前先頭!!しかし苦しそうだ!!

 その脇にはビワハヤヒデが着々と差を縮めて来たぞぉおっ!!」

(よし、ここからだ!!)

「抜いた!!ビワハヤヒデがナリタタイシンを抜いたぞ!!

 しかし、その後ろにはスーパークリークが迫っている!!

 それを追いかけるグラスワンダー!!

 そして、なんと!!

 ご覧ください!!

 マチカネタンホイザだ!!マチカネタンホイザが爆走してくる!!」

(来たよ、4コーナー!!

 トレーナー君!!行くよ!!)

「うし、

 『タンホイザ!!よーい!!』」

「よーい。」

「「撃てぇええっ!!」」

4人「っ!?」

「来た来た来た!!タンホイザ!!

 タンホイザが爆走を止めない!!射程圏内にグラスワンダー

 いや、ぶち抜いた!!

 その勢いのまま先頭集団と共に坂を

 駆け上がる駆け上がる!!止まらない!!

 タンホイザが止まらない!!

 なんなんだその力は!!

 まるで弾丸の様な爆速で突っ切って行く~っ!!」

「っ!?ざ、けんなぁ~っ!!」

「ここでナリタタイシンが再度ペースを上げていくが、

 追いつけるかっ!?

 既に・・・これはっ!?」

「なっ!?」

「タンホイザ!!タンホイザが一気に登り切ると同時にごぼう抜き!!

 長距離ウマ娘達を最後尾から

 一気に抜き去って行く~!!

 1、2、いや、3馬身は開いている!!

 しかし諦めない!!

 スーパークリークが責め立てる!!

 2馬身!!いや、早い!!早いぞスーパークリーク!!

 もう半身だっ!!

 ゴールまであと僅か!!刺せるか!!刺しきれるのか!!」

「うぎぃいいっ!!」

「あぁあああっ!!」

「誰にも、

 甘いモノは譲らないんだからぁああっ!!!」

「タンホイザが逃げ切った~っ!!」

「なんて事だ。」

「なんと!!なんと!!一着は

 マチカネタンホイザ!!マチカネタンホイザだぁあっ!!」

 

一着マチカネタンホイザ

鼻差スーパークリーク

3着グラスワンダー

4着ビワハヤヒデ

5着ナリタタイシン

 

 

「でだ、

 あのウィニングライブはなんなんだ?」

「あ、あはは、ごめんちゃい。」

振り付けを途中までしか覚えていなかったのだ

「明日から会長と更に講師を付けてライブの特訓な。」

「そんなぁ~。」

 

 

軽い打ち上げ後

 

トレーナールーム

 

コンコンコン

「ん?誰だ?どーぞー。」

「はいるよ~。」

ぶほっ!?「タキオン?どうしたんだっ?!」

寝巻の着崩した姿で入って来た

「なんだい?そっちこそどうしたんだい?」

「お前なぁ、

 その恰好は駄目だ、目に毒過ぎる。」

「あははは!そいつはよかった。」

「良くねえよ。」

薄手のカーディガンをかぶせる

「ぉ?おぉ、ありがとう?」

「ったく、可愛い過ぎだっての。」

「ほんと、こんな私のどこがいいのかね?」

「・・・全部だ。」

「それでは答えにならないな。」

「そうかよ、

 それで?明日は半休で午後だけなんだから、

 ゆっくり休めばいいだろうに。」

「そうなんだけどな、

 研究が行き詰ってな、アドバイスが欲しくてな。」

「やっぱり、『骨折に負けないX』は難しいか。」

「いや、そっちは大分完成に近いんだが、

 精製するのに時間が掛かるんだ、下手に急ぐと全てがお釈迦だ。」

「ほんとかよ。」

「失礼だな、

 私は研究に関して嘘はつかないよ?」

「じゃぁ、

 なんだって、ここに?」

 

 

「おい。」

「その、なんだ。」

「なんだよ?」

「あの。」

「タキオン?」

 

「私はやはり『病気』なのか?」

 

「まだ、わからない。」

「でも、『君は知っているのだろう?』」

「・・・どこで?」

「おや、本当に私は病気になる手前なのか?」

「なっ!?」

「確証なんてないさ、

 聞き耳を立て、収集した情報を組み立てただけだ、

 馬の耳に念仏とか言うが

 実際は『地獄耳』の間違いだ。」

「・・・はぁ、これだよ。」

桐生院から貰った資料を見せる

「これは・・・。」

「ウマ娘界では、知られているだろう?」

「あぁ、このトレセン学園でも、

 幾人かそれで引退して・・・そうか、私もそうなるのか。」

「させない。」

「私とて研究をする、

 無論、『ウマ娘が掛かる病気も知っている』」

「俺が探して見せる。」

「それで君が壊れては意味が無いだろうに。」

「壊れても探しだして見せる。」

「なぜ?こだわるのだ?」

「だって・・・お前だって『先』を見たいだろう?」

「・・・そうさせたのはお前だ、『黒尾トレーナー君』」

「あぁ、俺だ。」

「・・・私とて、ウマ娘、女の子だ。」

「あぁ。」

「一人では越えられない壁もある。」

「俺が支えてやる。」

「怖い事もある。」

「側に居て安心させてやる。」

「・・・はしれなくなっ「いうな!!」」

 

「キミ達人間から見れば

 『ウマ娘は化け物だろうに』」

「その減らず口、塞ぎ続けてやる。」

「・・・それだけなのか?」

「・・・引退しても、ずっと側に居る。」

「私はウマ娘だぞ?」

「知ってる。」

「走れなくなるかもしれなんだぞ?」

「俺が支える。」

「・・・まったく、こんな充実した日々を教えてくれたんだ、

 最後まで責任をとれよ?『黒尾』」

「アグネスタキオン、

 俺が生涯をかけて支え続けてやる、絶対にだ!!」

 

 

「で?うまだっちかうまぴょいでもすんのか?」

二人「ごるしぃいいいいっ!!」

 

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