地球防衛軍5 英雄は元民間人 作:軍曹は不死身、はっきりわかんだね
EDFの本部には夜になっても電気の消えることない施設が存在する。その施設は休みというものを知らず、年に数度行われる点検以外では誰かがいなくなることはなのだった。
「しかし、ひと時も欠かさず宇宙を監視させて何がしたいんだろうな、上層部は」
深夜の3時を過ぎたころコーヒーを飲みながらモニターを見ていた職員が言葉をこぼす。それほど大きい声ではなかったが、静寂が包んでいた部屋にいた職員全員の耳に届いていた。
「…本当にな。今まで人工衛星かデブリしか見つかっていないのに24時間監視するのは意味ないとは思う」
「電気代がかかるだけじゃねぇか?」
「人件費もばかにならないだろうな」
「宇宙での事故を素早く見つけるためとかか?」
「それだったらこんなに広く監視する必要はないだろ」
「それもそうだな」
異常がないのかモニター越しに監視しているだけなため暇を持て余しているのだろう、いつの間にかほとんどの職員が会話に参加していた。
「宇宙人を探すためだったりしてな」
「ばかいえ、小説の読みすぎだろ」
思わずこぼした一言から始まった会話だったためか、荒唐無稽な話にまで発展していた。
「大佐は何か知っていますか?」
「そうだな…公にはできないため言えはしないが軽くは知っておる。おぬしらに言えることと言えば、何か異常があれば急ぎ報告しろ、と上層部から言われておることくらいかの」
「言えませんか…」
「ああ、言えないな。それと、会話するのはよいが気は抜かぬようにな」
「「「はっ!」」」
何のために監視しているのかの答えは出ず、どんどん変な方向へと向かっていく。とりとめのない会話をしているうちに時間が過ぎてゆき、外では太陽が出てき始めた。
このまま何もないまま交代の時間を迎えるだろうと誰もが思っていた時、事態は一変した。
「た、大佐!大変ですっ!」
最初は動揺した一人の職員の声だった。
「何があった」
「に、日本上空に謎の円盤が、突然っ!」
「正面のモニターに映せ!」
そうして正面のモニターに映し出されたものに言葉が出なかった。
なぜ気づけなかったのかと思えるほどに巨大な円盤と無数の円盤が宇宙に浮かんでいたのだ。
非現実的な光景に何も言葉が出てこず、ただ呆然と黄金の装甲をまとった円盤を満つことしかできなかった。しかし、事態はそれだけに収まらない。
ほかの場所を移していたモニターにも同規模の円盤群が現れたのである。
「上層部に報告を入れるおぬしらはそのまま監視を続けておれ!」
「「「はっ!」」」
「…何もなければよいが」
大佐は備え付けられた電話をとり、上層部に電話を掛ける。その内に嫌な予感を抱えて―――
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17年前、EDF――全地球防衛機構軍は主要各国の同意とともに突如として設立された。国際連合軍のように安全保障理事会の決議を受けて動くのではなく、独立した指揮系統を持っている勢力として存在している。
設立された目的は地球の平和のためであると説明はされた。アフリカの紛争地域などにも軍隊は派遣されており、紛争の鎮圧に大きく役立っているが、明らかに人間相手には過剰ともいえる兵器を数多く所有しており、国際連合から算出される莫大な予算がつぎ込まれ、今なお新たな兵器開発と軍備増強につぎ込まれている。
その過剰ともいえる戦力の増強に民衆からは批判されることが多い。
そのため、設立の目的に理解してもらえるように民衆向けの基地内の案内ツアーが開催されることとなった。
一部の民衆からは機嫌取りだのなんだのと言われていたが、多くは今まで謎に包まれていたEDFの内部に興味を示し、普段は見ることのできない兵器を間近で見れるとあって期待を募らせる。
こうして良いほうにも悪いほうにも話題を呼ぶ中、ついに案内ツアーが開催されることになったのだった。