いきなり異世界? 勘弁してくれ…   作:ダイ⑨

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推察、【聖域】、動揺。

 そんなこんなな食事の後、族長の引率で俺達4人は“森の神様”の下へと移動することになった。

 

 …道中、移動しながら考える。

 確かに俺がここに居る理由について、件の神様とやらは何か知っているかもしれない。…でも、あくまで『その程度』。

 俺を連れてきた張本人「賢者コイズミ」とはまた別なんじゃないか、俺はなんとなくそう思う。

 

 あのメモには確かに、「こちらの都合で」「この世界に放り込む」と書いてあった。これがもしラノベとかのオーソドックスな異世界召喚だったとすると、俺にはこの世界において明確な『役割』が有る筈だ。

 だが、そんなものを聞いた覚えは無い。それが有るなら先のメモに書けばいい話だ。もっとも、「この先、実際に対面してからゴブリン達の前で言い渡される」という可能性も無くはないが…

 

 (…机上論の域を出ないな。これ以上は“神様"の話を聞いてから考えるか。)

 そんな益体(やくたい)も無いことを考えつつ、歩くこと1時間…。

 うーん、足の裏が痛い。普段そこまで歩く習慣が無いだけに体が悲鳴を上げてらっしゃる。こりゃ、ここを拠点にするつもりなら知識と一緒に体力も鍛えなきゃやってられないなぁ…!

 

 と、不意に族長が声をかけてきた。

『まもなく、神様のおわす【聖域】じゃ。くれぐれも失礼の無いようにな。』

 成程、確かに少し先の空間が開けているのが分かる。ここまで歩いてきたのが結構な密林だっただけに、この先の空間はさぞ特別なものなのかもしれないな。

 

 そして、いよいよその空間に踏み入った俺はーー

 言葉を失った。

 

 小中学校の体育館並みの広さ…は言い過ぎにしても、今の拠点(仮)が軽く3つは入りそうな開けた空間と、その奥に鎮座する巨大な、木。

 目算には自信がないけど、多分あの大木を人が取り囲むなら大の大人が10人は居ないと厳しいだろう。そう思わせるほどのスケールの木が、其処(そこ)に在った。

 その木の左右にはこんな開けた空間が無いことを見るに、恐らくここはこの空間の『正面入口』とも言うべき…

『ぼーっとしてないで、早く来てください!』

 

 危ない危ない。

 いつの間にか前方にいたギバルに急かされ、この【聖域】の中を進んでいく。

 【聖域】の最奥(さいおう)、大木の2mほど手前で族長が片膝を地面について腰を落とし、頭を下げている。こちらも、見様(みよう)見真似(みまね)でその少し後ろに同じように控えることにした。

 …(くだん)の“神様”がどんな存在かは知らないけど、とりあえず敬意は払わないとね。

 

 …そうして数秒待っていると、どこからともなく「声」が聞こえてきた。

 

“よく来ましたね…「葉」の名を持つ者よ。”

 

 !?

 

 …。

 ……。

 勘弁してくれ。

 俺名乗った覚え無いんだけどぉ…?




ちなみにあまり関係ないですが、一般的に『屋久杉』として有名な縄文杉の幹の太さは約16.1mらしいです。

※ 8/21 追記
キリが良いところまで書いて区切ってみたところ、字数がちょっと足りなかったので今週はお休みします。
来週までに2話上げる予定ですよ〜…
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