続き書かなきゃ…
『ガッ!グギャ、ギガッ!』
前方に居るゴブリンは、恐ろしい形相でそんな風に叫んでいる。
…が、俺はヤツが何を叫んでいるのか分からない。
『ジイチャン!?何でこんなとこまで!?』
『族長!こ、これは、その…!』
ガジルとギバルの反応を見るに、眼前のゴブリンこそがこの集落の長であり、ガジルが俺を会わせようとした『ジイチャン』その人らしい。
(…なんで二人が焦っているかのような反応をしているかについてはこの際置いておくとして、ガジルやギバルとは問題なく会話ができるのにどうして俺は『族長』の言葉が理解できないんだ?)
………。
…少し考えれば分かることだった。俺は先程「『目の前の2体のゴブリンとの』意思の疎通を試みた」のであって、全てのゴブリンと会話しようとした訳ではない。と、言うことは今の俺はガジルとギバル以外のゴブリンの言葉は理解できないってことか。
…。
……。
勘弁してくれ。
思った以上に扱いにくいぞ、この能力…。
…まぁこれが俺の話す言葉でも同様だとすれば、特定の個体だけに通じる会話ってのも中々便利だ。使いこなせればすごい有能になるよなぁ…。
兎に角仕組みは分かった筈。そういうことならと俺は『ゴブリン』全体との対話のイメージを浮かべる。…思った通りだ。これで向こうのゴブリンの言葉も理解できるようになった!
『あれ程お前達だけで森の探索はしてはイカンと言ったじゃろうが!まだお前達はほんのヒヨッ子。森のことなんぞ欠片も…』
…成程、お説教の最中だったのか。道理で隣のガジルがうんざりした表情になってきた訳だ。
『それに…この村にニンゲンを連れて来るとは何事じゃっ!』
『『ニ、ニンゲン!? コイツが!?』』
『如何にも。ニンゲンの恐ろしさは散々話したじゃろう。
傲慢であり強欲、自分の望むものを手に入れるためなら同じニンゲンさえも簡単に裏切る、
故にニンゲンには気をつけろと、儂が今まで何度言ったと…!』
『傲慢であり強欲…。』
『同じニンゲンさえも、簡単に裏切る…!』
ギバルとガジルの顔が、見る見るうちに青ざめていく。
…しかし散々な言われ様だな。微妙に否定できないけど。
いずれにしても、このままじゃ話すら聞いて貰えないだろう。
どうしたもんか…。
俺は口が巧い方じゃないし、相手を言いくるめて要求を通す交渉をした経験なんて皆無だ。ついでに相手の心証は最悪。話すら
だが、とりあえず挑戦はしてみないと何も始まらないだろう。俺は意を決して、未だにお説教を続けている族長に改めて向き直った。
「失礼致します!」
『…ニンゲンが何の用じゃ?』
嫌悪感を隠そうともせずに、族長はそう応える。
「はい。私にこの森で生きる術を教えていt」
『寝言は寝て言え。そんなものは他のニンゲンから教われば良かろう。』
…うん、この上無い正論だわ。ここからどう食い下がるか…。
「そうは言っても、今の私には頼れる人間が居りません。
昨日までは他の人間と共に暮らしていたのですが、今日の朝起きてみればこの見知らぬ森の奥にただ一人…。恐らく、他の人間に捨てられてしまったのだと思います。」
彼の人間に対する悪印象を逆手に取ってみる。嘘をつくのは少しだけ良心が痛むが、これで俺も“ニンゲン”の被害者に見えるだろう。
『コイツが森について何も知らないのは本当だぜ、ジイチャン!コイツ、さっきトシキの実を食べようとしてたんだ!』
『…ガジル、それは本当か?』
『あぁ!』 『ボクも見ました!』
…何だろう、今一瞬だけ族長が可哀想なものを見る目を向けてきたような…。
(えぇそうですよ。俺は無知ですよ!だからこうしてなんとか取り入ろうとしてるんじゃないですか!)
心の中でそんな風に毒づきつつ、俺は言葉を続ける。
「私が本当に捨てられてしまったのだとすれば、他の人間達の下へ戻ったところでまた捨てられてしまうだけでしょう。私はもう、他の人間と暮らすことはできないと思うのです。
なのでどうか、私が一人この森で生きていけるようその
文章量の都合などで、一部文章がなろう様掲載のモノと違う可能性があります。
間違い探しをしてみても面白いかも?