転生してニューゲーム、ただし役職はエキストラ。   作:騎士貴紫綺子規

7 / 8
 続編希望をもらっておよそ半年……長かったけど続きが書けた。
 ほとんどネタからの昇格なので、被っているところがほとんどです。細部を変更して加筆・修正を行いました。これだけでも十分楽しめると思います。
 また、今回の原作が「週刊少年誌」ではないため、タイトルと原作名も一新しました。御了承ください。

 ……何時から予約投稿は分単位までになったのかにゃ? (・ω・`)


IN 月刊少女野崎くん

『おめでとう! 君に転生のチャンスが与えられたよ!』

「……は?」

 

 思わず目の前の全身真っ白なチャラ男を冷たい目で睨んでしまった自分は何も間違っていないだろう。……ん? ちょっと待てよ。嫌な予感がする。

 

「……私どうなったの?」

『死んだ』

 

 ……最後の記憶が銀行強盗が銃を乱射したものだったからそんな感じはしていたんだが……くそう。ようやく明日からアニメ化されるのに、【月刊少女野崎くん】。椿いずみさん、私大ファンなのに。

 

『だったらその世界にしとく? 一応あるよ、そこ』

「原作終わってないのに……」

 

 いや行けるなら行きたいよ? でもさ、原作が終了してないマンガの世界って怖くない? 突如現れたラスボスとか……ああ、忘れてた。あそこは間違えようのない現代学園ラブコメマンガだったな。怖いのは原作で結ばれる人たちが結ばれないことだ。主に野崎君と佐倉ちゃんとか鹿島君と堀ちゃんとか若松君と瀬尾ちゃんとか!

 

『だったらそう行動すればいいんじゃない? 下手に刺激しない限りは原作通りのイベントが起きて原作通りに進むようになってるから』

「……わかりました」

 

 すごく、すごく不安だけど興味はある。だから了承したのだが……

 

 

 

 

 

 ……転生して十幾年。現在二度目の高校生をやっている道阪(みちさか) 雄三(ゆうぞう)です。転生したのは一向に構わない――むしろありがたいのだが、正直「世界を選び間違えた」感が否めない。だってすごく平和なんだよ? 平和一番! とかって思うけどさ、ぶっちゃけると暇。すごく暇。ジャンルが学園ラブコメだから仕方ないっちゃあ仕方ないんだけども、平和すぎて死ぬ。前世とほとんど変わらないんだもん。人生やり直してる意味がない気がする。作者の別作品の【俺様ティーチャー】の方がまだ刺激があった気がするね、あっちは少女マンガだけど。世界軸は(多分)違うから不良な暴力的強さなんてこれっぽっちもいらないよね。

 ……そう言えば、この世界で不良キャラって全くいなかった気がする。無骨系超鈍感男子とか乙ゲーヒロイン系性別詐欺男子とか親バカ系低身長バイオレンス男子とか爽やか真面目系純真男子とかならいたけども。さらに付け加えるとナルシスト目うっとうしい科勘違い属青年と無愛想目クール科敏腕属青年、省エネ目高視聴率属剛胆属男子もいるけども…………あれ? キャラ濃くね? まあマンガの世界だし、それはしょうがないのか。

 

「おい、道阪。今日はどうする? 野崎ん家行くか?」

「ああ、今日は仕事ないし」

「(仕事?) そっか。俺も行くから……来るか?」

「ああ」

 

 堀ちゃん先輩――学年もクラスも同じだけどこの愛称が気に入っているので心の中ではそう呼んでいる――と話しながら教室を出る。向かうは――演劇部の活動場所だ。

 

 

 

『おお、なんと美しい人だろうか。彼女の前ではどんな花も霞んでしまう』

 

 ……アニメ声優美形声で言われているし実際言ってるやつも文句なしの美形なのにどうして台詞がこうも陳腐なのだろうか……ああ、役者の顔的に。まあ実際アイツは顔面はイケメンでも生物学上は歴とした女だけども。でも、イケメンなんだよなあ……。ん? もしかしたらアイツと付き合う奴って、外見BL内面NLか、外見NL内面GLを選ぶことになるんじゃねえ? うっわ、堀ちゃん、ご愁傷様かっこわらい。

 

「鹿島ぁ! てめぇ!」

「はい、堀先輩!」

 

 キラキラエフェクトが目に痛い。ここ現実だよな? なんでエフェクトが見えるんだろう……はい、幻覚ですね。分かってるよ、でもさ、薔薇とかラメトーンが似合う奴なんて他にいなくない? ……あ、間違えた。薔薇トーンは別の奴の特権だった。主にヒロイン役の彼に。

 

 野崎の家に行くのは部活動が終わった後。堀ちゃんは演劇部の部長兼大道具担当なのに対し俺は帰宅部なので、彼の仕事が終わるまで手伝いに来ているのだ。

 

 堀ちゃんは王子の所為で走り回っているし小道具類は壊されるしでもっぱら俺は手伝い要員である。まあリハとかで逸早く演技が見られるし、台本とかにもある程度は意見できたりするから結構この役職は気に入ってたりするんだけども。何よりも、鹿島に振り回されている堀ちゃんを見るのが楽しいし。プークスクス。

 

 

 

 

「堀先輩、これもお願いします。今回はこれで終わりなんで」

「おっ、分かった」

「野崎ー。こここんな感じでいいか?」

「えーと……はい、大丈夫です」

「野崎くん、ベタ終わったよ」

「ありがとう、佐倉」

 

 部活後、千代ちゃんも交えて野崎の家に来た俺たちは、習慣になった漫画の手伝いをしている。なんか前世より作図がうまくなったし、墨汁の扱いを格段に増えているのがいまいち解せない。そして、それが楽しいと思っている自分にも納得がいかない。いや楽しいのだけども。

 

「そういえば、道阪先輩って、どういう経緯で野崎くんと知り合ったんですか?」

 

 野崎がコーヒーを入れて戻ってきて一息ついた佐倉ちゃんが尋ねてきた。いや、どういう経緯かって言っても……

 

「野崎の書いてるマンガは知ってるだろ?」

「え? ……【恋しよっ❤】ですよね」

「そう。読んだことあるから知ってるだろうけど、ドラマCD化されたのって覚えてる?」

「あ、そういえば……」

 

 空中を見ながら思い出そうとしている佐倉ちゃんと、話が気になったのか手を止めてこちらの話に聞き入っている堀ちゃん、そして棚を漁って件のCDを探している野崎。

 

「そのCDで、鈴木の幼なじみの龍之介役を務めたのが俺」

「へー……、ええぇぇぇぇ!?」

 

 わーお、いいリアクションだ。堀ちゃんも驚いたのか凝視してくる。野崎がCDを見つけたようで、それを見せながら説明している。

 

「ほら、これだ」

「えーと、……《龍之介役 坂道雄三》……?」

「ああ、苗字をもじってあるんだ」

 

 ああ、そういえば……といったように思い出している野崎。一方で驚きから回復したのか、堀ちゃんは俺に詰め寄ってきた。

 

「おい、俺知らねえぞ!?」

「前言わなかった? 『声は商売道具だから』って」

 

 あれは確か、ナレーション頼まれた時だったっけ。別に読んでもよかったけど、あの時は翌日にオーディション控えてたから断ったんだっけか。

 

「あれはそういう意味だったのかよ……くそっ、だったら読んでもらうんだった……」

「無理に決まってんだろうが。俺の喉には保険がかかってんだぞ」

 

 誰がするか、んな面倒臭いこと。

 

 即答したことに何でだよ! と不満全開の堀ちゃんだが、一方で野崎は何やら考え込んでいる。

 

「……この名前、他にも見たことがある気が……」

「そうなのか? 俺基本アニメやゲームでしか声使ってないけど。野崎ってアニメとか見るっけ? ゲームはしてそうにないし」

「そういえば野崎くん家、ほとんど何もないよね~……」

 

 野崎の無趣味さ全開の回があったくらいだからな。基本休日はマンガの資料と資材集めで潰れるような奴なんだ、こいつは。

 

「あっ!」

「どうかした? 野崎くん」

「いや、何でもない。そうか、ゲームで見たんだ…………友田」

 

 笑顔が固まりました。ボソッと呟かれた言葉に覚えがありすぎて。

 

 

 基本俺は主役(ヒーロー)はやらない、俺自身が脇役(モブ)だって自覚しているから。でもだからこそ、脇役の中でもそれなりの地位を演じたいと思っている。だから基本的に俺がやるのは、主人公の友人役や幼なじみ役なのだ。そしてとあるギャルゲーで、友人役の中でも莫大な人気を博した奴がいる。友田だ。

 薄い本でも取り上げられて、友田総受けや総攻めアンソロジーなどが出版された。俺は音域が広いせいかなぜかエロボもできる。他作品だとモロにBL作品があって、未だ高校生中の俺に回してくるなよという仕事が山のようにある。いくら見た目や声が異常だからって18禁作品はアカンでしょうに。

 

「友田って?」

「あっ、いや、ゲームのキャラだ。学園物のな」

 

 あっはっは、と誤魔化している野崎にへえーと納得している佐倉ちゃん。だが、内容には触れないあたりさすがだと思う。ギャルゲーはねえ……

 

「あれ? これ、俺もどこかで見たことあるような気がする」

「堀先輩もですか?」

「ああ」

 

 どこで見たんだっけか……と思い出しかけている堀ちゃんを尻目に、俺は佐倉ちゃんに向かってあるセリフ(・・・)を言う。

 

「……ところで佐倉ちゃんは、好きな子とかいないの?」

「でえっ!? べ、別に私は……」

「何? いるじゃん。『ほらほら、センパイに話してごらん』」

「「っ!?」」

 

 ヤベエ。二人の心の声がリアルで聞こえる。絶対「アイツか!」って言ってる。

 

 

 ほとんど少女漫画じみているこの世界だから、そこかしこにイベントが発生する。そしてなぜか現れたのが「男子三人による乙女ゲームフラグ」。そう、さっきの台詞はあの(・・)一部のマニアに絶大な人気を博した乙女ゲーム、≪シークレットDays♡≫の攻略キャラ、日下剛瑠のものである。

 

 陸上部キャプテンという半ニートに近い俺とは正反対のキャラクターだが、見事に演じ切って見せた。仄かなヤンデレ臭漂うお兄さんキャラだったので、ヤンデレを研究するためにバッドエンド監禁系の作品網羅しまくったんだっけか……。そのおかげなのかは知らないが、ヤンデレを見せている時に監督が「もうそれ以上見せるな!」と慌てて止めてきたのは今でも謎である。あれ、なんだったのだろうか?

 

 それより何で俺に回ってくるのはほとんど恋愛ゲームかBLアニメしかないのだろう。たまには舞台の仕事が欲しい。青春スポ根マンガの主人公、のもうひとりの人格とかどうよ? もしくは魔女っ娘主人公の変身用アイテムを持ってくる妖精キャラとか演じたい。『僕と契約して、魔法少女になってよ!』みたいな。できれば俺様か腹黒キャラキボンヌ。爽やか系は俺からは程遠いです。

 

 

 結局その日は仕事が終わらず、佐倉ちゃんは帰って俺たちは止まることになった。野崎のメシ美味えんだよなあ……

 

「あー……、道阪」

「どした?」

「いや、あの……」

 

 何さ、そんなに言い悩むようなことを俺に言おうとしてんの? 怖いよ。

 

「お前、声優してんだよな?」

「そうだけど」

 

 その話蒸し返すの? やめようぜ。

 

「だったらさ――これから練習、付き合ってくれないか?」

「急にどうした」

「いや、だってさ。プロのお前が台詞を指導してくれたら、鹿島の演技がさらによくなって――!」

「お前にはそれしかないのか」

 

 本当大概だな、君は。お前の頭の中には鹿島が成功している場面(シーン)しかないのか。

 でもコイツ、鹿島の「顔」が好きらしいけど「脚」はどうなんだ? 足フェチだったろ?

 

「バッカ、何言ってんだよ! 鹿島はスタイルも良くて背も高くて声も綺麗で足も長くて! それで何より顔がいいんだろ!?」

「……つまり、鹿島は役者として完璧で。まさに演劇部のヒーローってわけ?」

「そうだ! 顔だけのどこぞのアホな芸能人とは違うんだよ!」

「……(本当、親バカだなあ……)」

 

 ――まあ、コイツのこんなところが好きでいつも一緒に居る俺も俺だな。

 

 何気に毎日しか無くて退屈な世界だけど、ある意味平凡が一番なのかもしれない……転生チートキャラが平凡とは言い難いけども!

 

 

 

 ――数日後

 

「あれ? 野崎くん、これ、新キャラ?」

「ああ。思い返せば、何気ない日常の一コマをやっていなかったと思ってな。今日はマミコ一人でお出かけだ」

「隣の家のお兄さん、かな。カッコいいね~」

「実はトップモデルという設定だ。マミコは鈴木君一筋だから、他の男には目も向けないが……」

「それで友達からファッション誌見せられて驚いてるんだ……ああ、身近な人物が実は意外とすごかった、っていうアレ?」

「そうだ。誰が相手かはまだ未定だが」

「ふーん……(あれ? このモデルってもしかして……ま、まさかね)。そう言えば、ちょっと尾瀬くんに似てるね」

「そうか? ……よし、従兄弟設定も追加しよう」

「(それでいいのか、プロ少女漫画家!)」

「(後付設定は大抵のマンガであり得ることだしな)」

 

 




 ナルシスト目うっとうしい科勘違い族にピンときた方はお友達です(ウェルカム)! 今年一番の大発見作だと思う。


以下、人物設定。

 ・道阪(みちさか) 雄三(ゆうぞう)
 転生しちゃった系元女子現男子。ガンガンオ〇ラインで毎回チェックしていたので原作五巻直前までの原作知識はある。でもアニメ知識もファンブック知識もなし。だって直前で死んじゃったし。「椿いずみ」さんの大ファンで、【俺様ティーチャー】も愛読していた。どうせ転生するなら日常バトルがありふれている方が良かったかな~……と思っている。

 声のお仕事、いわゆる声優をしている。その時に使う名前は坂道雄三。その道ではベテランで、かなりの確率で大役を任される凄い人。ただし必ずと言っていいほど主人公格は任されない。絶対サブキャラ。親友キャラや友人ポジションが多い。可声域が限りなく広く、オペラ歌手並みに重く軽い。

 帰宅部だがよく他の部活に入り浸って荒して颯爽と帰っていくあらゆる意味で有名人。見た目も性格も男前なので男女ともによくモテる。でも内面と外面に主人公自体納得していないため絶対に付き合うことはなかったり。だから永遠にぼっち。べ、別に寂しくなんかないんだからねっ! ←


 Profile

 学年クラス…高3/C組
 誕生日…………5月8日(声の日)
 血液型…………B型
 身長………………196cm
 部活………………帰宅部
 趣味………………芸術鑑賞・恋愛ゲーム
 得意なこと…声真似・音当て(絶対音感)
 苦手なこと…リアル恋愛ゲーム(転性したため)
 服の趣味………暗い色を好む。他人からもらうことも。基本的に長袖・長ズボン(日焼け防止)
 家族構成………父・母・弟妹(双子・中学生)
 好みのタイプ…声の美しい子
 好きな食べ物…野菜スムージー・甘いもの
 苦手な食べ物…カレーなどの刺激物(職業柄)
 得意科目………国語(全般)・英語
 苦手科目………物理・化学(それでも二度目なので点数的には高い)
 選択教科………美術
 野崎のアシ担当…基本オールマイティ。特にキャラの台詞の言葉遣いなどの校正
 休日の過ごし方…書店めぐり

 オマケ

 頭脳……B
 運動神経……B(日本武道、並びにルール無用の喧嘩ならA。平均的にはB)
 健康……B
 ルックス……B
 メンタルの強さ……A
 フィジカルの強さ……A
 忍耐力……A

 基本精神面が強い子をイメージ。若干病んでる熊っぽい人をイメージするといいと思う。性格は野崎よりは堀ちゃんに近い、かな。野崎より身長高いとか……。作者の一番好きなキャラは分かるかもしれませんが堀先輩。足フェチ系バイオレンス男子って萌えません?

 ちなみに元から彼にはヤンデレの気がある。監督や共演者はそれに気づきつつも指摘するのが怖い……なんて、裏話も。キレると手が付けられない系。

 入力しているうちに原作読み返して、叔父さんが剣さんのクラスメートとか従姉妹が都ゆかりさんの友達だったり、さらにさらに真由くんのブログあげているのが弟だったり……ての妄想して滾った。でもそこまでするとスケールデカ過ぎるのでカット。

 尾瀬くんは言わずと知れた空気読めない毒舌男子キャラ。ようやくこの間名前が出たので使ってみる。現実(漫画中)より作中漫画のキャラたちの方が進展しているように思えてならない。
 どうせなら低身長俺様×男前女子で、小堀×加嶋とかってキャラを作ればいいのに。とかって考えてしまう。野崎くんはあの二人を出す気はないのだろうか……まあ、その前に背景担当に止められるか。


 ↓できれば入れたかった会話
「ホラ、御子柴。キッチンセット」
「うお! ありがとうございます、センパイ!」
「いや、別に構わねえよ。それにしても、ようやく立派になってきたじゃねーの」
「ハイ! どうやら背景担当の人がオプション作ってくれてるみたいで。どんどん豪邸になっていきます」
「んじゃ次は外側に広げてみるか。ペットとかどうだ?」
「いいですね!」

「(先輩まで!? 何やってんの、この男ども!?)」

 by人形遊びのシーンより



 御子柴と聞いて先にワンコって単語が浮かんだ私は根っからの百太郎派(どうでもいい)。



















 別案として、佐倉ちゃんよりも背が低い俺様キャラも考えてはいた。低身長俺様攻め……アリアリッ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。