ユニオンによって開発された艦上戦闘機。マルチロール機で汎用性が高く旧式に比べエンジン出力、搭載量、アビオニクスが向上している。亮は過去にもこれに搭乗していた。
滑走路に着陸してキャノピーを開けタラップが来るのを待つ。待ったんだが
「……な、なんだこの……ひよこ」
ひよこの軍団が現れタラップを用意するわ、給油車操縦するわ。なんだこいつら、知能高すぎだろ。なるほどここがアズールレーンか
ひよこの一匹が足を引っ張り羽を伸ばす。いや、人で言うと指を差しているのか?
「お、ハンガー。あそこに運んでくれるのか?」
頷くひよこ。機体のことを任せてもいいかもしれないな。牽引車だって操縦してるし俺の意思を汲んでくれてるのか
「じゃあホーネットを頼んだぞ」
ひよこたちに敬礼する。後ろに気配を感じ振り向くとメイドのような出で立ちの女性がいて随分と胸元を開放している。スカートを摘み優雅なご挨拶、確かロイヤルで見かけたぞこういう人たち
「アズールレーンへの着任おめでとうございます。スウィートマン様、わたくしはメイド長のベルファストと申します」
「ロイヤル出身で海軍に復帰したスウィートマンだ。様なんていい、中尉と呼んでくれ。えーと、取り敢えず俺は何をすればいいのかな? 現場の指揮官に会いたいのだが?」
「? わたくしたちはスウィートマン中尉が新たな指揮官と伺いましたが……」
「え、航空支援要員じゃないの? どゆこと?」
認識の違い。これはよくないことだ。ベルファストに案内して貰って執務室へ案内される。机の上に置かれてる札には『アズールレーン指揮官 亮・スウィートマン中尉』と書かれてた。
ベルファストから書類を受け取ると頭を抱えたくなった。その文面は
「本日未明から亮・スウィートマン中尉はアズールレーンの指揮官に任命する……だと?」
「だ、だだ、騙された……」
やられた……さてはあの爺だな。あの時のキルコール未だに根に持ってやがるな。畜生、俺はもう……二度と
指揮なんて執りたくないのに
『隊長、すみません。先に逝きます……後は任せました……』
俺を庇い
『隊長は最後の希望なんだ! ここで死なせない! お前たちは道連れだ! うおおおおおっ!』
仲間の為にその命を散らし
『隊長……もう駄目です……感覚が無くなってきて……妹を……妹をお願いします……』
託されて
皆、死んだ
「…………中尉」
「スウィートマン中尉! 大丈夫ですか!? 何処か体調が優れていらっしゃらないのですか?」
「い、いや大丈夫。気にしないでくれ」
いかんいかん、取り敢えず本部に連絡しないと書類を確認して貰うしかない。早速、電話だ……随分と古い電話だが本部には繋がる。慣れない手付きで番号を入れて掛ける。
「こちら亮・スウィートマン中尉。アズールレーンに到着、尚、確認事項が……」
「分かりました。では、こういうことは正式に正確に伝えて頂きたい……スウィートマン中尉はこれよりアズールレーンの指揮官に着任します。それでは」
溜息をついて椅子にどっと座り込む。書類のミスと認めたかったが一杯食わされたようだ。
コトッと、ティーカップが差し出される。ベルファストが用意してくれた。っていうかいつの間に?
「少し落ち着きなさっては如何でしょうか? 一息つくのも必要かと」
「ありがとう、状況が整理したくてね……あ、旨い」
滅茶苦茶旨いぞこれ、久しく紅茶なんて飲んだが旨い。紅茶を啜りながら書類を見ていく、所属しているKAN−SENとその装備、基地に補給物資を搬送する部隊などたくさんだ。
「KAN−SENは陣営ごとに分かれているのか」
「はい、それぞれ寮がございましてそこに住み生活を営んでおります」
「なるほど、ここが指揮所で俺が住む部屋があると……よし」
「放送室はあるかい? 皆に挨拶しないと」
「かしこまりました。それではこちらへ」
『えーあーテステース。初めましてKAN−SENの諸君、本日付けでアズールレーンの指揮官に着任した亮・スウィートマン中尉だ。君たちとは長い付き合いになるだろう。後日、各陣営の寮に訪問したいと思っている。以上だ、先程戦いで疲れているだろう。十分に休息して欲しい』
さて、俺は仕事に取り掛かるかね。あれ? ひよこが飯乗っけたトレーを運んできた。受け取って頂く
旨いな、旨いわ。え、何このひよこ軍団有能か? メンテナンスできて飯作るわ、優秀すぎるわ
え、饅頭? ひよこじゃなくて饅頭……? 何の動物? え、饅頭? 饅頭という名前の生き物なの?
怖っ
あっ味付けはもうちょい甘くしてね。饅頭
亮は名前の通り、甘党。付いたあだ名は『キャンディボーイ』由来は訓練生時代、大体飴舐めてたから。というか甘いもの食べないと手が震えるほど中毒、病院行け