「てか、これからどうすんだ?」
「そりゃあ家に帰るしかないっしょ。2人を連れて危険なとことかいけないしさ」
樽神名さんの言葉にみんなが賛同する。
「んじゃんじゃ、その前にあたしらの自己紹介でもしよっか!」
「いいね!」
「んじゃまずは私から、私は樽神名アド。ポートラルのリーダーしてますので、これからよろしくっ」
そして順調に進んでいき、俺の番が回ってきたところで……。
「なに!?」
沙南ちゃんが横に勢いよく吹き飛ばされた。俺は咄嗟に駆け寄って脈を確認する。
「大丈夫だっまだ息はある!!」
俺はその吹き飛ばした張本人であるあの包帯のような怪物に目を向ける。するとその怪物は建物を破壊していき、その中から大量のゾンビが湧いてくる。
「嘘……だろ……?」
姫片さんのその諦めにも似た声が、絶望感を助長させる。
「沙織ちゃんは隠れてて!! 沙南ちゃんは俺が守るから!」
「……う、うんっ、わかった!」
『everybody jump! authorize』
キーをかざすと大量のバッタが湧いてくる。
「変身!」
『メタルライズ! Secretmaterial HIDENMETAL メタルクラスタホッパー! It's highquality……』
そしてそれらが全身にまとわりつき、装甲を形成する。
『プログライズホッパーブレード!』
俺はヒューマギアの意志の結晶である蛍光イエローの剣を手に取る。
「お前たちを止められるのはただ一人、俺たちだ!」
「いやそれ一人じゃないじゃん」
来栖崎さんの的確なツッコミ。
「いやかっこよく決めてるからツッコまないで!?」
「と、とにかくみんな、行くよ!」
樽神名さんの合図で、一斉に戦闘が開始される。俺は装甲の一部を分離させてゾンビたちを攻撃させる。そしてホッパーブレードでゾンビを切り裂く。そして周囲のゾンビもいなくなり、後はあのでかい怪物だけとなった。俺はアタッシュカリバーとホッパーブレードを連結させ、キーの認証部にかざし、最大威力の必殺技待機状態にさせる。
『ファイナルライズ!』
だが敵は待ってはくれない。拳を振り上げてくるのでバッタを分離させて一時的なシールドとして利用する。
『アルティメットストラッシュ!!』
「はぁぁああああ!!」
すると奴は、見事爆発四散し、ようやく終わったかに思えた。
「実に美しくない戦い方だ────と、偏見で物を言おうか」
爆煙の中から、一人の男が現れた。ロングコートを身に包んだ紳士が、左手にドライバー、そして右手にプログライズキーを持って……。
「そのドライバー……! ……みんな離れてて!!」
まさか、アズが……? でもここは別世界のはず。そんなことを考えていると、彼はドライバーを腰に巻き付ける。
『感染ドライバー』
『virus……! authorize』
そしてキーを認証部分にかざし、ロックを解除し、キーを開く。
「変身……とでも言えばいいのかな?」
『プログライズ! アークライズ! Its power infects everyone and makes it their own 仮面ライダーバイラス!!』
あの包帯のような怪物のライダモデルが現れ、装甲となってあの男に装着される。
「また新しいアーク様の誕生ね」
「アズ……!」
「え? なに? 何なのこいつら」
来栖崎さんも、みんなも困惑の声をあげる。
「……後で話す」
ここで悪意の連鎖を断ち切る……! 俺はバイラスに向かって走り出し、ブレードを振るう。
「これで終わらせる……!」
バッタを繰り出し、相手にまとわりつかせて動きを止めて必殺技を放とうとした時……。
「バイラスインパクト!」
バッタたちがバイラスの身体から一斉に離れて、俺の方へと向かってくる。
「な、なんだ!?」
確かバイラスって感染って意味だったよな……。
「まさか!?」
俺は咄嗟にキーを変える。
『ライジングホッパー!』
「そのまさかだよ記憶喪失の少年君……いや、今は飛電或人くんだったかな?」
「なっ、なんでその名前を……!」
いや、その理由の想像は容易い。
「では、一つだけ質問に答えてあげよう」
「……あんたは誰だ……!」
「そんなことでいいのか……。私は神峰透露、科学者だ」
勝機がないと悟った俺は、みんなを連れて、入口へと急ぐ。が……。
「崩れてやがる……」
姫片さんが状況の説明をする。
後ろからバイラスが来ている。ここで瓦礫をどかしている時間はない。
「樽神名さん! ここ以外に出口はないんですか!?」
「あるにはある……でも、離れすぎてる」
そうなのか……いや待てよ? 確か……。
「こっから南に、確か学校があったような……」
誰かが呟く。
「それだ!!」
それに俺が反応する。そして、ベアーキーでバイラスを氷漬けにしてから俺たちポートラルの鳳凰軍事学校と、海浜間横断橋への大移動が開始する。この時の俺は、まだその学校のことを知らなかった……。