俺たちは、俺が提案した鹿狩を終えた帰路に着いた頃に、ソレ……いや、記憶にあった名前だと変異種だったか。そう、変異種に遭遇してしまった。
「ん……あれは、なんだ?」
「……な、んだよ……あれ?」
既に人としての体裁を失っている姿にみんなが呆気に取られている中。
「とぅるぅるるるるる」
奇妙な声を上げる変異種に、俺はみんなの前に立ち、立ち向かおうとする。
「……俺が、やります」
「なっ……或人?」
「これくらい、私でも殺れんだけど」
来栖崎さんはそう言っているが、少し不安だ。
「ダメだ。危険な目には合わせられない」
「はぁ? 私たちがどれだけそんな目にあったと思ってんの? ほら、さっさと行くわよ」
そう言って来栖崎さんは先に戦いを始めてしまった。俺はグリップの着いたキーを使い、変身する。
『Hyper jump! Over rise』
「変身ッ!」
『シャイニングアサルトホッパー! No chance surviving of shot』
『オーソライズバスター! アックスライズ!』
俺も来栖崎さんに続いて変異種へと立ち向かっていく。行動パターンを予測し、次来る攻撃の場所へとシャインシステムを起動し、光弾を放つ。
そして、腕が無くなり再生中のところを来栖崎さんが背中を貫く。
「チィっ! これでも殺れないっていうの?!」
それだけでは死なない変異種へと彼女は愚痴を放つ。
「なら……!」
『ガンライズ!』
変形させて奴の胴体を撃ち抜くが、それでもまだ奴は倒れない。
「来栖崎さん!!」
「ちっ、わかったわよッ!」
俺はドライバーに認証させ、必殺技の準備をする。
『ゼロワンオーソライズ!』
俺は奴の頭部を狙って振り下ろし、来栖崎さんは首元へと刀を突き刺す。
『ゼロワンボンバー!』
「とぅるっるぅ……ぅ……。……」
頭部を真っ二つにされ、更には切り落とされた変異種は、遂に動きを止め、その場に倒れ伏した。
「はぁ……はぁ……あは。超……余裕……じゃない」
が、来栖崎さんの言葉に答えるものはいない。
(なんか言わないとな……あっ)
「マジ(Margin)で余裕で勝てたな……。はいっ、アルトじゃ~ないとっ!」
「ひ、ヒサギンナイスファイト!」
俺のギャグがつまらなかったのか、もしくはヒサギンを思ってなのか樽神名さんは賞賛の言葉を投げる。
(あれ?)
俺は来栖崎さんの異常に気づき、そっと耳打ちする。
「来栖崎さん、目」
「え?」
飛電ライズフォンのカメラ機能で自分の顔を確認させると、その目の赤さに青ざめていくのがわかった。
「ごめんアド、ちょっと調べたいことあるから、先行っててくれない? 終わったらすぐ行くから、鹿担いでデパートに戻っててくれないかな?」
「あー、おけおけっ。じゃあアタシらはちょちょいーっと先にGO HOMEして、鹿さん屋上に運んで待ってるんで!」
「うん。ありがと」
「うし、じゃあ皆! 我々は帰ってお肉様をお迎えする準備に取り掛かるぜ!」
などと騒ぎながら帰っていくポートラルのメンバーたち。その姿が見えなくなっていくにつれて……。
「……。……ぅ」
そんなこともあり、そしてその晩に俺たちはアドから提案された南方調査作戦とやらを翌日に会議で発表し、全会一致で賛成だったので早速開始する。
飛ばし飛ばしですみません。