ここでのウルキオラは少し饒舌です。
よろしくお願いします。
ここはどこなのか。
彼は思考する。
ここに同族はいない。
ここは前の世界ではない。
そう、
そして同刻、銀世界に住む悪魔は、己に達しうる力を持つものの現れを感じて、その赤髪を揺らし、笑う。
※ ※ ※ ※ ※ ※
俺の名は、ウルキオラ・シファー。
藍染様によって創られた
俺は藍染様の命により
しかし俺は今生きている。
ここにはなぜか
代わりに俺の知らない気配や唯の人間の気配ならあるが。
また、ここには
霊圧のようなものはあるが、霊圧とは少し違う。
おそらく俺が死んだという事実は変わらない。
ここはあの世界とはまた別の世界、破面や虚、死神が居ない世界なのだろう。
俺の今の姿は、
斬魄刀は左腰に健在。
前の世界と容姿は変わらず戦闘力も変化なし、むしろ強くなっている。
「4」の数字は消えているがな。
この世界には【スキル】というものがあるようだ。
前の世界では当たり前だったこともほとんどがスキルとなっている。
また、前の世界とは少し違うと感じた霊圧はこの世界では魔素というものらしい。
霊圧感知は【魔力感知】、霊圧操作は【魔力操作】といったようになっている。
超速再生能力は【無限再生】となり、脳や臓器も再生可能。
そもそも俺自体が精神生命体とやらになっており、死んでも死にきれない体のようだ。
俺自身の事についてもまだ知らない事はあるだろうが、前の世界とこの世界の違いも詳しく知っておかなければならない。
俺は死ぬ直前に、「心」というものを少し理解した気がする。
以前の俺は何も無かった。あの女や死神のおかげというのは癪だが、この世界で俺はさらに「心」についての理解を深められると思った。
目的がある以上、俺はこの世界で生きなければならない。
その割に俺はこの世界について知らなさすぎる。
俺が今居るのは巨大な森の中だ。
一先ず人間共の居る場所に行くとしよう。
※ ※ ※ ※ ※ ※
やはりこの世界に破面や虚、死神はいないようだ。
だが唯の人間以外にも、人間と獣が混ざった獣人や、魔物、悪魔といったものが居るらしい。
ここは知らない地であるし今回は観察のみのつもりだったので魔素は抑えていたが、どうやら悪手だったようだ。
俺の容姿は魔物に見えるらしい(間違ってはいない)。
見たことないが(当然だが)弱そう(魔素を抑えているからな)だからと、俺に襲い掛かってくる者共が居た。
無論、俺からしたら唯の塵に過ぎないが。
人間とは理解出来ない。
あちらから来たにも関わらずどういう訳か俺は討伐対象と見なされたようだ。
あのような雑魚共を殺すことで危険視されるとは俺も思っても見なかったが、この世界の人間の実力を図るのには丁度良い。
「弱すぎる……」
思わずそう呟いてしまうほど。
雑魚の死神よりも雑魚だ。
俺の中でこの世界の人間の戦闘力は底辺に値すると確信した。
俺の辺りには大量の死体が転がっている。
見慣れた光景だな。
塵共がどれだけ掛かってきても無駄なので、俺の能力の実験に使用した。
結果は虚閃を幾つか撃てば国が消滅したので帰刃の能力確認などは出来なかったが。
ちなみにこの世界でも響転は感知されないようだ。
国が消滅してはもうする事もないので、森に戻ろうとした。
異変。
すぐさま後ろに飛ぶ。
俺が
人間ではない。
「俺は魔王ギィ・クリムゾン。お前、魔王になれ」
俺からしたらふざけた事を言っているようにしか聞こえないが、この男は間違いなく強い。
それほど実力が離れているという訳ではないが俺より強い事は間違いない。
先の塵共とは比べ物にならない。話を聞く価値は大いにある。
「なぜだ」
「端的に言えば、お前が人間の国を一つ滅ぼしたからだな」
「あの雑魚共を殺したのがどれほどなのか俺には理解できないが、俺が魔王とやらになった時のメリットは何だ」
「そうだな、お前は生まれたばかりだろう。魔王になればお前の言う雑魚共、つまり面倒な奴等に態々メンチ切られることもないし何より自分の住む場所が得られるな。正直に言えば、お前が魔王側の、というか俺の戦力になるからだ。話すつもりは無かったがお前は俺とほぼ互角のようだしな」
「馬鹿を言うな。お前の方が強いだろう。あと俺はお前側の事情に興味はない。だがまあ、俺の目的のためにも特定の場所で静かに過ごせるというのは良いな」
この世界にもやはり俺より強い奴は居た。この男がこの世界で最強クラスなのはわかるが、このレベルが他にどのくらい居るのかはわからないし余計ないざこざは面倒だ。
俺は目的が果たせればそれでいいしな。
「………わかった。魔王になろう。ただし、俺の目的を邪魔すれば殺す」
「フッ、強気だな。お前は4人目の魔王になる。特にこだわりも無さそうだしお前の領土はこちらで適当に決めておくが、いいか?」
「ああ、助かる」
「お前と俺以外にあと二人魔王が居るんだがな、そいつらは放っておくと勝手にお前に会いに行きそうだからこちらから紹介しに行くぞ」
「、今からか?」
「当たり前だ」
他の二人とやらは十刃のように脳筋なのだろうか。そうでない事を願うばかりだ。
そういえば、俺はまた「4」らしい。
特に関係もないが。
※ ※ ※ ※ ※ ※
「おお!お前がギィの言っていた面白い奴なのだな!」
俺が室内に入ったと同時にそんなことを叫ばれた。
「誰だ」
「おお、すまん。ワタシは魔王ミリム・ナ―ヴァ。初めましてなのだ!」
言動は子供っぽいが此奴も強い。ギィと同じぐらいだな。
「お前は何て言うのだ?」
「そういえば俺も名前聞き忘れてたな」
確かに、向こうには名乗られたが俺はまだ名乗ってないな。
「俺の名はウルキオラ・シファー。今日から魔王になった」
「アンタ不愛想ね。アタシは魔王の一人、ラミリス!あんたはギィと同類のヤバそうな匂いがするから、ふざけようと思ったけどやめたわ。この精霊女王様に感謝しなさい!」
ふんぞり返ってそんな事を言うのは、黄色い髪の小さい精霊。こちらはまず間違いなく弱い。
しかもふざけるのをやめたといっているが説得力はゼロだ。
「ギィ、こいつは何だ」
「何だとは何よ!失礼なヤツ!」
「此奴も元は強かったんだがな、俺が暴走したミリムの相手をしていた時に力を使って俺達を止めたのさ。色々あって此奴は堕ちて魔王になったって訳」
「アタシだって今は弱いけど、全盛期の時は凄く強いんだからね!」
「……そういうのは自分で証明しろ。お前の全盛期とやらに興味がない訳でもないがな」
「フフン、アンタもちょろいわね!」
此奴とはまともに取り合わない方がいい。自分勝手な十刃を思い出すな。
「まあそういう訳だ。此奴は何か目的があるらしく其れを邪魔したら殺すのだと」
「何よそれ!?目的がわからなきゃ意味ないじゃない!その忠告」
「静かな時に煩くしないでくれれば其れでいいが、まあギィやミリムだったら別にいい。そもそも殺せるかわからないしな」
「え、ねえ、アタシは?」
「ラミリスは殺すまでもない」
「ひどい!ギィ、ミリム、何とか言ってよ!!」
「うはははは!仲間外れは良くないぞ!ラミリスには友達がいないからな!」
「其れを言うならミリムもでしょ!」
「ふ、ふん。…………ワタシにはウルキオラがいるぞ」
「俺はお前等の友達ではない」
「そうよそうよ!抜け駆けは許さないわよ、ミリム!」
此奴らは煩いが、悪い気はしない。まあ此れを四六時中続けられたら困るのだが。
「まあ、こいつ等はこんなんだが魔王だ。これからよろしくな」
「ああ」
「あと暇だったら俺と戦ってくれ。ラミリスは今は無理だしミリムは馬鹿だからな」
「苦労性だな。腕を訛らせないためにも丁度いいかもな」
「では、これにてウルキオラの紹介は終いだ!」
それからギィに俺の領土を教えてもらい、ラミリス、ミリム、ギィと別れ俺は領土に向かった。
ついでに茶会の会場への転移道具をもらった。
これから魔王が増えるのかはわからないが、脳筋はやめてほしい。
そんなことを秘かに思った。
実を言うと今書籍版読んでる途中なので、ところどころにweb版の設定が入っているかも。
書いてて思ったけど、いつかウルキオラの口調が崩壊しそう。