虚無之王   作:おにぐも

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こっから旅の話です。
キャラ崩壊しないよう頑張る。


バイト、新入り

人型になる、と言うが俺は人型になれない。

まず俺に擬態など出来ない。ギィによれば、幻覚魔法とやらで()()()()()()()のが良いらしい。

俺の場合は詠唱などせずに姿を想像するだけで可能のようだ。

とりあえず仮面と仮面紋(エスティグマ)、孔を無くせば人間らしくなるだろう。

ついでに魔素を押さえておく。今回は人間に視えるだろうから襲いかかられることはないはずだ。

 

今回の旅の目的は、多種族との交流で「心」をより深く知ること。とりあえず色々な者と交流を持てばいいか。

人間とは面倒臭い生き物だから、こちらから問題は出来るだけ起こさないほうが良いだろう。面倒だ。

 

※ ※ ※ ※ ※ ※

 

武装国家ドワルゴン。ここでは国内での争いは禁止されている様なので丁度よい。

人間共以外にもドワーフやエルフなどが居るようだ。

所々から金属音や飯の匂いがしてくる。何より煩いのは話し声だ。煩くはあるが、ここなら他の国の情報も多く集まるだろう。

鉱山の影で薄暗いのかと思ったが住んでいる奴らはひどく活気的だ。

多種族との交流というのは良くわからないがとりあえず適当な建物に入るべきだな。

 

カランカラン

 

扉に鈴が着いていて開けると音がなる仕組みか。音を鳴らさずに入ることも出来ないことはないが、よく出来ているな。

 

まず目に入ってきたのは銀色に鈍く光る物。

この店は武器屋のようだ。俺以外にも冒険者?と思われる奴らが居る。

 

武器屋という訳で多くの武器が売っているな。流石に俺の光の槍(フルゴール)やギィの持っていた神話級(ゴッズ)とやらはないが。

だが幾つか他の武器とは違う物がある。これはおそらく作る際の材料が違うのだろう。武器に魔素がこもっている。

 

「お。そこの兄ちゃん、目の付け所がいいな」

 

この店を経営していると思われる奴が話しかけてきた。まあ当たり前だが敵意はないな。

 

「これは魔法武器(マジックウェポン)といってな、魔鋼が使われているのさ。"成長する武器"とか言われているな」

 

この世界には其の様な物があるのか。多種族との交流以外にもこの世界について詳しく知るという目的が増えたな。

 

「其の中でもこれは特に自信作でな、特上級(スペシャル)の武器だ。お前さんはこれの凄さに気づいてくれたしな、少し安くしてやってもいいぞ」

 

特上級(スペシャル)と言っても、おそらく神話級(ゴッズ)には遠く及ばないのだろう。一目瞭然だが。

しかし此奴は余程馬鹿なのか。自信作なのなら普通は安くしないだろう。よくわからないやつだ。

 

「おーい、聞いてるか?」

 

「!ああ、済まない。悪いが俺は今ほとんど金を持っていなくてな。其の武器は買うことは出来ない」

 

そう、俺は特に金を持っていない。国を滅ぼした時は硬貨も燃えてしまったようだしな。

 

「そうか……。お前さん、よく見たら少し青白いし大丈夫か?何かバイトでも探してやれたらいいんだが」

 

「バイトだと?」

 

「ああ、飲食店とかなら働けばいくらか硬貨が貰えるぞ」

 

ふむ、適当な冒険者を国外で殺すしかないと思っていたが、其のバイトとやらをすれば多種族との交流やこの世界の情報収集、金を稼ぐことも出来るだろう。

これはやるべきだな。ずっと建物を出入りしている訳にもいかないし丁度良いか。

 

「すまない。良ければ紹介してくれないか?」

 

「ああ、いいぞ。お前さんその様子だと宿も取ってないようだからな、宿舎付きのバイト先を紹介してやろう。金が溜まったらまたここに来て武器を買っていけよ。これは其れまで取っておいてやる」

 

「ああ、助かる」

 

なるほど、紹介代がこの店の武器を買う、という事か。

 

「ここが〜〜〜。〜〜〜。〜〜〜〜」

 

にしても此奴は気前が良すぎるような気がするが。この国の奴らはこれが普通なのか。不思議だな。

 

「これでいいか?」

 

「ああ、ありがとう」

 

「次に会った時は血色が良くなってる事を祈ってるぞー!」

 

カランカラン

 

 

この状態は青白く視えるのか。まあそう云う体質という事にしておけばいいだろう。

バイト先は酒場らしい。そこの店主もどうやら”とても良い奴”らしいが、其れを決めるのは俺だ。

だがまあ、交流というのは煩いし面倒だが、悪くはないな。

 

バイト先はここからそう遠くはないらしい。精々500mといったところか。

 

※ ※ ※ ※ ※ ※

 

ここが俺のバイト先か。道中にも似たような酒場や武器屋が多くあったが、其れ等と比べても少し大きめの店だ。

 

「お。お前が新しいバイトって奴か。確かに青白いな、大丈夫か?」

 

「唯の体質だ。問題はない」

 

「はっはっは!聞いていた通りの奴だな。こんな根暗がここで働けるのかと思ったが、十二分に気は強そうだな。歓迎するぞ。お前の宿舎は後で紹介するから、とりあえず早速店を手伝ってくれ。よろしく頼むぞ」

 

「ああ、よろしく」

 

俺は根暗だと思われていたのか。やはり青白いからなのか。まあ体質で通るのなら其れでいいが。

ここは酒場のようだし冒険者が多いな。満席のようだ。

 

「おーい!ボサッとしてるんじゃねえぞー。とりあえずこの肉運んでくれ!」

 

「ああ、了解した」

 

言われて行動しているわけだが、命令に従っているといった感じはしないな。

それにしてもこの肉は美味そうだ。ここが繁盛するのにも頷けるな。

どうやらあそこの4人組のとこへ持っていけばいいようだ。パーティとやらだな。

 

「お。あんちゃん新入りか?」

 

「バイトだ。この店はいつも満席なのか?」

 

「いや、そういう訳じゃないぜ。実はこの間近くの国が丸裸にされてな、辺り一面焼け野原になってたのさ。新しい魔王が増えたって噂も流れるもんだから、冒険者の奴らは皆この国に武器を買いに来てる。今この国には冒険者がたくさんいるからな。一応国内での諍いは無しになっているが、あんちゃん弱っちそうだし影で何かされないよう気をつけろよ」

 

「忠告感謝する。肉はここに置いておくぞ」

 

「ああ、ありがとな!バイト頑張れよ」

 

「ああ」

 

国が消滅したことはすぐに気づかれると思っていたが、魔王になったことにも気づかれるとは。

そう言えば、ギィが「魔王は人間共が傲慢になり過ぎないための見せしめでもある」とか言っていたし、必然か。これなら新しい魔王が生まれてもすぐにわかるな。

やはりここは情報収集には最適の場所のようだ。あの男には感謝をしておこう。

 

「おい、そこの奴!」

 

「なんだ」

 

「この酒をいくらか頼みたい」

 

「ああ、わかった」

 

 

ここも終始煩いが、悪い所ではない。

うざい冒険者も居たりしたが、基本的にはお人好しな奴らばかりだ。

戦闘面ではありえんが、普通にすごしている分にはいいものだな。

 

※ ※ ※ ※ ※ ※

 

「ここがお前の部屋だ。ちと狭いがそこは我慢してくれ。今日はいい働きぶりだったぞ。冒険者の絡みも楽にかわしていたし、お前優秀な奴だな」

 

「いや、俺を雇ってくれて感謝する。部屋は小さくても構わんしな」

 

「そうかそうか。じゃあ明日からまた頼むぞ!給料は机の上に置いてあるから、其れであいつの武器を買ってやってくれ。飯はうちの余りもんでいいならやるぞ」

 

「ああ。では飯は貰っておこう」

 

確かに部屋は小さいが、ベッドと椅子、机があれば十分だ。掃除も隅々まで行き届いているしな。

飯が貰えるというのは嬉しい誤算だ。あの男もいい場所を紹介してくれたな。やはりこの国の奴らはお人好しばかりだ。いい国だな。

 

銀貨3枚か。この世界では銀貨1枚で千円くらいらしいからな。店主も随分と奮発してくれたみたいだ。

 

※ ※ ※ ※ ※ ※

 

あれから一週間程たち、今日は休暇だ。とりあえずあの店に武器を買いに行くか。

 

カランカラン

 

「お。久し振りじゃねえか、バイトは順調か?」

 

「ああ、あんたが紹介してくれた所はいい所だったぞ。今日は休暇だからあの魔法武器(マジックウェポン)を買いに来てやった」

 

「そうかそうか、今取ってくるからちと待っていてくれ」

 

あの武器自体のレベルは全くと行っていいほど強くないが、俺の魔素で改良するのもいいかもな。

 

「銀貨10枚だ」

 

「ああ」

 

「お前さん、巾着は幾つかに分けた方がいいぞ。今は冒険者が多いし、スリが多発してやがる。気をつけておけよ」

 

「忠告感謝する。記憶に留めておこう」

 

「おう!もう貸しもないが、良ければまたここに買いに来てくれよ」

 

「ああ、世話になったしな。またいい武器が出来たら買うぞ」

 

「ああ、また来いよー!」

 

カランカラン

 

[おい、茶会やるぞ。今すぐ来い]

 

!ギィか。人使いの荒い奴だ。

まあ今日は休暇だし用事も済んですることもないから丁度いいか。

路地裏に行って転移するか。この装置を使わないと場所がわからないのが面倒だ。

 

※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 

ここはとある茶会が開かれる場所。

茶会と言っているが其れは彼らが思っているだけ。人々からすれば、恐ろしい裏の会談と言ったところだ。

 

そこにいるのは、赤髪の悪魔。

そして、気怠げな印象の堕ちた天の使い。物静かだが巨大な体躯を持つ巨人族。

 

そして新しく加わったのが、黒髪の破面(アランカル)

 

最後に、桃色の竜魔人(ドラゴノイド)と黄色い妖精族(ピクシー)

 

一見すれば異様な組み合わせだが、彼らには共通点がある。

 

それは、魔王であること。

 

堕天族と巨人族は新入りである。

今日はその報告に、彼らは集まったのだ。

 

「久し振りだな。まずは自己紹介だな」

 

赤髪が言う。その間を縫い、緑と青の悪魔が紅茶を運ぶ。

紅茶を運び終えた彼女らはまるで影のようにひっそりと、赤髪の側に立ち、存在を消す。

この場での彼女らは、弱い。立場、という意味もあるが、第一に実力だ。それ程に魔王というものは強い。

圧倒的強者の前で、弱者に為せる事などない。

 

「俺はギィ・クリムゾン。こいつらはミザリーとレインだ」

 

赤髪が名乗る。彼は最古で最強の魔王。

今回魔王たちを招集したのは彼であるため、進行も赤髪がする。

 

「ワタシはミリム・ナーヴァ。よろしくなのだ!」

 

桃色がいう。彼女も古参である。子供のような容姿と話し方だが、内蔵する魔素量は”無限”。彼女も最強格の一人である。

 

「アタシはラミリスよ。新入りはアタシのことを敬いなさい!」

 

ここでは一際小さな妖精が名乗る。反対に、態度はデカイ。

 

「ウルキオラ・シファーだ」

 

黒髪が名乗る。先の3人の少し後に入った魔王。しかしその強さは彼らのお墨付きである。

 

「俺はディーノ」

 

堕天使は名乗る。名乗った後すぐに船をこき始めたが。其れでも彼の強さは本物だ。前4人、いや3人には及ばないが。

 

「ダグリュールだ。よろしくのう」

 

最後は巨人族。その巨躯に比例した膨大な魔素を内蔵する。堕天使同様前3人には及ばないが。

 

「紹介は以上だ。わかっていると思うが、今回招集したのは新入りの魔王が入ったからだ。ついでだが何か報告がある者は居るか?」

 

赤髪が問うが、応えるものは居ない。

 

「特にないな。では解散だ」

 

その一声を気に、其々が会場を出て行く。

 

「魔王が増えて嬉しいのだ!」

 

「お前魔王なのにチビだな」

 

「何をー!!アタシが本気を出せばアンタなんかちょちょいのちょいよ!」

 

「其れよりもダグリュール、今日も泊めてくれ」

 

「またかよ」

 

そんな話をしながら魔王たちは出て行く。

 

残るは赤髪と黒髪。

 

「久し振りだな、ウルキオラ。旅は楽しいか?」

 

「彼奴等は熟不思議な奴らだ。だがつまらなくはない」

 

「そうか」

 

「ギィ、俺はもう行くぞ」

 

「ああ、またな」

 

そんな会話をして黒髪は出て行く。

 

残された赤髪も、口元に笑みを浮かべ、従者を連れて出て行くのだった。

 

 




もう次から原作入るかも。
というかさっさと原作入りたい。

ダグリュールの口調と一人称がわからん。
誰か教えてくれ。
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