二年春。
天内 理子の護衛依頼を受けたのだが。敵対勢力が甚爾だった。ガチできた。
「何やってんだよ、甚爾!!」
「仕事」
「やりにくっ」
「直哉が泣くよ!」
「傑あれ使って! 武器飛ばすやつ!」
「捕まるから無理!」
結局理子ちゃんを囚われ、取り戻すのに時間がかかって依頼が失敗してしまった。
「仕事っ 紹介っ するんでっ 二度とっ 敵対しないでください!」
「魔法界の依頼は受けてる。ドラゴン退治で気に入られて、お前のとこの当主からな」
「はぁ? じゃあなんで」
「魔法界の金でお馬さん遊びはできねぇだろ?」
「「ホント糞」」
繁忙期が終わったら、悟と硝子と直哉と甚爾さんと恵くんと津美紀ちゃんとまた3日だけ遊んだ。
恵ちゃんと津美紀ちゃんとも、よく遊ぶようになった。お祖父様も魔法界に居を移したなら言ってくれればいいのに。
そんなこんなで平穏に時は過ぎ、卒業間近となったので私は先生に呪術師を辞める手続きを聞きに行った。
「お祖父様の後を継ぐので、呪術師辞めます」
「なん……だと?」
「あれ? 言ってませんでしたか? 高校は自由に選ぶ代わりに、卒業後はきっちりレールに乗ることになってたんです」
「レールって」
「傑の爺ちゃんって(表向き)駄菓子屋だっけ」
「そうだよー。でも、なんだかんだで忙しいみたい」
「よくわからん会に入ってるしな」
「悟! 硝子! 説得しろ!!」
「「いや、家の事情だし(ガチで)」」
「呪霊操術の使い手がそう簡単に駄菓子屋なんぞになれるわけがなかろう」
「俺、お菓子買いに行ってやるからたまには遊んでくれよ」
「わかったよ、悟」
「私も忘れんなよ」
「だから待て」
それから、私は卒業直後に裁判にかけられることになった。
え? どうして? 私、全然意味がわからないんだけど?
裁判に掛けられるに先立ち、お祖父様に呼ばれた。
お祖父様は、書類を机の上に投げ置く。
「傑。私がお前を狙う陰謀を退けた書類だ」
「は?」
「どうも、お前は狙われているようだ。だが、いかなる理由があろうとも、成人すれば自らの身は自らが守るというのが夏油家のルール。せめて資料は渡すから、自分でどうにかするのだ。それに、流石に怪しまれていてこれ以上の干渉も難しい」
「は?」
戸惑いがちに資料を漁る。
えっ 灰原殺される所だったの? 薬って? 過労死を誘発させるって何?
美々子と菜々子が罠って? その全部の陰謀が知らない所でお祖父様に防がれていたことに驚く。
「もしや、傑が魔法使いであることを気づかれているのやもしれん。ゆめゆめ警戒を怠るなよ」
「は、はい。お祖父様」
それから、私に下僕妖精のカタナと美々子と菜々子と津美紀ちゃんがおつきに付けられた。断ると言ったら、お祖父様の庇護亡き後、お前の周囲を削ってお前の心を削らんとする者達を監視する役目のものは本当にいらないんだな? と聞かれて、ありがたく受け入れることにした。
下僕妖精、悪いけど苦手なんだよね……。でも、灰原と七海を守ってくれると言うなら、お願いする他ない。
黒井さんと理子ちゃんは未だに狙われているので外には出せないのでお祖父様付きだ。
うーん、私の我儘で5人、いや、甚爾や恵君も含めれば7人も匿ってくれているんだ。頑張らないとね。
あれ? 恵くんは?
「恵ならば、甚爾が売ったぞ」
「はああああああああああああああああああああ!?」
「ああ、直哉もお前につける。時期当主の座を奪われて呆然としておったからな。スカウトしておいた」
「はあああああああああああああああああああああああああ!?」
卒業祝いのパーテイはとんだお通夜会場になってしまった。
甚爾を殴りに行ったら、逆にボコられた。信じらんないよ、もうっ
裁判では、術式が危険だってだけで秘匿死刑が決まりそうになって、それを避けるために呪術師を続けることになってしまった。
本当にブラックだね!? なんとか辞める方法見つけないと……!!
あ、直哉の居場所を聞かれたけど知らないって応えておいた。
呪霊にでも殺られたんじゃない?