大物ディアブロスが第2柵に衝突!
「ガスッ!メキメキメキ…」
柵を下から持ち上げる様に壊し始める!
「食らうゲコぉ!」
「ドガアアアアアン!」
撃龍槍が命中!!
「グゥオオォン…」
角を折られ、流石に怯み逃げ出す大物
「いょっしゃ!」
「当たったぁ!!」
「急いで次の用意するゲコ!!」
里守達に指示する
「追い返すだけで十分だぜ!」
「てめぇも帰れやぁ!!」
「ドガン!!」
ヤクシがティガの頭を殴る
「くそっ!持ち弾が少ねぇ!!」
「もう少しだ!」
「キャンプで補給しろ!」
ヤクシ達ガンナーは全体を攻撃し続ける
ウツシ達が飛んで来る
「里長!!」
「どうした!ウツシ!」
滝の様な汗を流す里長
タマミツネとリオレウスも逃げ出しモンスター
が居なくなった、束の間の休息
「最後尾にヌシ・アオアシラです!!」
「そうか!」
心配した程ではなかった、笑顔が出る里長、
正直なところ限界
「だったらイケるぜ!」
「もう少しだ!」
「もう一踏ん張りだな!」
ベテラン達からも笑顔が出るが
「いえ!少なくとも2頭確認しました!!
それとラージャンが見えました!」
「何だと?!」
経験上ヌシは1頭、それが当たり前だった、
それにヌシは滅多に現れるモンスターでは無い、
誰も経験した事の無い領域に入る事になる
「ゴコク殿!!」
「うむ、前方は捨てるゲコ!!
全員中間エリアに入れ!!大砲準備!!」
里守達も移動、ナカゴ隊は左岸にバリスタ4、
ミハバ隊は右岸にバリスタ4
そして影のいる島の編成が変わる
「影、ワシらは後ろに下がるぞ」
ハモンの指示で一列下がる、
そして前列のバリスタは下降する、と、
「大砲上げろ!!」
ハモンの声で大砲が現れる
「姿を見せた瞬間から砲撃するゲコ!!」
地下、階下の里守達も移動完了…
静寂の中、何かを引き摺る様な音が近付いてくる
「来た!ヤツカダキ2頭!」
「砲撃開始ゲコォ!!」
「ドン!ドン!ドン!ドン!!」
切れ間なく撃ち続ける
「バリスタ!狙え!!」
休む事なく撃つ大砲、
これなら味方に当たる心配が無い
「撃龍槍はどうゲコ!?」
「まだ準備出来ません!!」
全く怯むことも無く前進して来る
「ハモンさん、あれは!」
「この前のバサルのタイプだ!」
「じゃあ…」
榴弾を準備する影
「まて、お前は後退弾を用意しておけ、
まだ来る筈だ」
第2柵を破壊し中間エリアに入るヤツカダキ
「俺達の出番だぜ!」
「先輩達は休んでくれよ!」
「好き勝手に暴れるぜぇ!!」
フドウ達が暴れだす
「お前ら若いヤツは下がってろ!!」
ゲンジは貫通弾を撃つ、しかし弾道がブレブレ
「先輩!足に来てるぜ!?俺らに任せろって!」
ヤツカダキに斬り掛かるフドウ
さすがにベテランは疲れている
と、
「ズダァン!!」
落ちて来るリオレウス
「良くやった影!後は任せろ!!」
まだまだ余裕がある30代
しかし
空から突然降ってくる黒い塊
「ドオォン!!」
「ら…ラージャンだぁ!!」
「2頭かよ!!」
スピードが速すぎて砲弾が当たらない、
あっと言う間に中間エリアへ、
ベテラン達に襲いかかる
「救護班!怪我人回収いそげ!!」
猫族と里守が走る
ヤバイヤバイヤバイ!!
まだ蜘蛛2頭も倒せてない!
その上レウスにラージャン2頭!!
空中の敵が少ないと俺の居る意味が…
「影、ワシは補給の指示に戻る、
なぁに、出番は必ず来る」
ハモンが降りる
次々に倒れて行くベテラン、
俺がここに居る意味は?
何の為に俺が居るんだ?
猫族がヤクシを運んで行くのを
焦燥と共に見送る、が
ラージャンが飛び上がる…
「!これか!!」
後退弾発射!!
「ズダァン!!」
「これで墜ちるのか!!」
と、
「疾風迅雷!!」
ウツシがドリルの様に突っ込む
「こっちの1頭は僕の隊で引き受けた!!」
それなら
「ミハバ!そっちのラージャン全力で足止め!」
「ナカゴ!集中射撃!蜘蛛はベテランに!」
「フドウさん!レウスよろしく!」
「任せろぉ!!」
フドウが返事をする
キャンプ
「イオリ!包帯と回復薬を!」
「ヨモギ!添え木と何か固定するモノを!」
手当てするヒノエとミノト
キャンプには十人を越えるケガ人、
次々に運ばれて来る
「二人ともご苦労だった!」
「ハモンさん!申し訳ありません!」
「補給まで手が回らなくなってしまい」
「補給はワシが引き継ぐ!それより二人とも
覚悟は良いか?」
ヒノエとミノトは頷く
「大丈夫、後は任せなさいニャ」
猫族でありながら医者であるゼンチ、頼りになる
「イオリ、圧迫止血!」
「ヨモギ、粘着草と包帯で固定!」
言いながら秘薬の調合を始める
最後尾
左右に岸はあるが昇降機が合わせて
4機しかない
里長が岸から全体を見る
「里長ぁ!アタシも前に行きてぇよ!
フドウ達が戦ってんだ!!」
春香が落ち着かない
「良く見ておけ!!お前達は学ぶのだ!
この先何を見ても動じぬ覚悟をしておけ!!」
腕組みしたまま全体を見るが、
呼吸が落ち着いてくれない、
老いとは確実に力を奪い去っていく
「メキメキメキ…ドシャッ!」
右岸のバリスタ2基が崩れ落ちる、
ラージャンの攻撃をまともに受けた
「ミハバ!!」
「俺は大丈夫だ!お前は空狙え!!」
建屋に引っ込む
ヤツカダキ1頭は逃げ出したが、
もう1頭が第3柵へ
「ドォン!」
「ひぃっ!」
「来たぁ!」
ガリガリと柵を攻撃する
「里長!アタシはソロでコイツに勝てる!!
やらせろ!」
春香が岸に登ろうとするが
「まだだ!」
里長に睨まれる
柵一枚向こうの巨大な蜘蛛
その圧倒的な存在感と不気味な姿、感情の
無い目と虫特有のギチギチ言う音
若手は恐怖して震える
こんなバケモノと戦うのか?
(逃げたい、全力で逃げたい)
「ヒノエとミノトを出すゲコぉ!!」
ゴコクの号令で影の隣から二人がせり上がる
「我ら姉妹加勢致します!災禍を…払う!!」
ヒノエは弓を射ち、ミノトは盾を構える
しかしこの二人は中堅クラスの力しかない
ではなぜ前線に立つのか
二人の真価はその戦闘能力ではない
カムラの象徴を前線に出してしまった
巫女を戦場に立たせてしまった
里の人間はそれを恥と考える
「くっそぉ!情けねぇ!」
「走るぞ!」
「まだまだぁ!!」
疲れきった体を引き摺り走るベテラン
「あの二人の前で、無様な姿は見せられねぇ!」
「カッコいいとこ見せなきゃな!」
張り切る中堅
「ヒノエさんとミノトさんだ!」
「あの人達まで!」
自分達の実力不足を痛感する若手
ヒノエとミノトは戦場に立つだけで鼓舞となる
そして一番効果があるのはこの男
「ヒノエちゃんとミノトちゃんは僕が守る!!
疾風迅雷!!」
ウツシの大暴れ、
双剣でラージャンの角を叩き折る!
ぜぇぜぇ言いながらベテラン数人が
ヤツカダキに斬り掛かる、柵の隙間から若者が
見るその前で
「いい加減に……」
「死ねやぁ!!」
よろけて武器を引き摺りながら斬り掛かる
潰れるように動きが止まるヤツカダキ、
遂に逃げ出す、第3柵は守られた
「よし!ラージャンが一匹逃げたぞ!!」
「まだまだぁ!!」
ウツシが2頭目を攻撃、ジャンプするたびに
影に落とされるラージャン、その背中には
ヒノエの矢も次々に刺さる
「くっそまた飛んだ!」
「影っ!」
「ズダァン!!」
落下するレウス
「セイハク!後退弾持って来い!!」
休む間もなく撃つ影、レウスとラージャンが
飛び上がる度にバリスタを旋回させる
「ミノト、守ってね?」
「姉様は私が守ります!」
レウスのブレスを確実にガードするミノトと
弓を撃つヒノエ
その時
「ガロォオオオ!!」
砦に響く咆哮!!
「ヌシゲコぉ!!」
全員がその姿を捉える、
常のアオアシラより大きく色が黒い、
しかし一番の違いはその迫力!
明らかにアオアシラとは呼べない別種
「砲撃ゲコ!!休むなぁ!!」
大砲は前のヌシ・アオアシラへ集中攻撃
「撃龍槍はどうゲコ?!」
「準備……出来ました!!」
「ドガアァーーン!!」
撃龍槍が間に合った!
流石にヨロけるヌシ、
しかし立ち直り真っ直ぐ走って来る
「どぉらぁっ!!」
ベテランが斬り掛かるが流石はヌシ、
全く怯まない、ベテラン達を凪ぎ祓う
「ナカゴ!!榴弾!!」
「撃ってる!!なんで怯みもしないんだ!!」
目の前にいるから一発も外してないのに!
ヒノエの矢も毛が硬い様で深く刺さらない
ヌシは飛び上がると勢い良く落下
「ドォオオン!!」
尻から落ちる
「ベキベキ…ガラガラガラ…」
「ナカゴぉ!!」
左岸のバリスタが2基、建屋ごと破壊される
ヌシは立ち上がるとベテラン達を狙い
腕を振り回す、一回、二、三、四回、
そして最後に両手で挟み込むように
「あぶねぇ!」
何とか避けたが最後の一撃が島の左前方、
大砲の近くへ
「バガァン!メリメリメリ………」
島の一部が…崩れた…
「うおおっ!マジかよ!」
射手が逃げ出す
影の正面、大砲が自重で傾き沈み落ちる、と、
「かあちゃあああん!!」
「!、セイハク?!何だ!!」
影が覗き込むと島の左側、大砲の辺りに
瓦礫に挟まれ動けない八百屋のワカナ、
セイハクの母親で運搬担当
「セイハク!逃げて!」
「いやだぁぁあ!!」
助け出そうと手を引っ張っているセイハク
目の前にはヌシが居る
「ゼヒュー…ゼヒュー…」
「やべぇ…」
「キツイぜぇ…」
ベテラン達は既に限界
「俺達に任せろ!!」
30代が走って来てベテランを下げるが、
間に合うか…
「くそっ!」
ヤバイヤバイヤバイ!!
弾が無い、運搬が止まった…ならば!
「おおおおお!!!」
恐怖を掻き消すように雄叫びを上げ
飛び降りる影
「セイハク!どけぇ!」
瓦礫に太刀を差し込みテコにする
「ぐうっ!!」
重い
ヌシが振りかぶる!マズイ!!
「ドガッ!」
フドウ達がガードで守る
「影!急げ!」
「は、はい!」
一人じゃむりか?!
「!」
しまった!レウスには今誰が?!
「空舞!!」
レウスの頭から尻尾まで十回程の連撃
「時雨っ!?」
何で!?アイツ一人で?!何で!?
「影ィ!指示だせぇ!!」
笑顔でレウスと戦う
「影!!」
春香走って来て太刀を差し込む
「一緒にやるぞ!そうらっ!!」
何とかワカナを引き摺り出したが
歩ける状態ではない
後ろを見ると若手が里長の横を抜けて皆出てくる
「何をしている!出るな!
お前達は生き残るのだ!!」
そんな里長の制止を振り切り
「俺達にだって意地がある!」
「そうだぜ!気焔万丈!!」
「ラージャンは教官達に任せて
時雨を手伝うぞ!」
ハネナガ達が走る
「よし、僕達は怪我人をキャンプへ」
神部はベテラン達を助けに走る
それなら
「左岸!レウスに後退弾!」
レウスが落ちると若手が袋叩きにする
「次!右岸!ラージャンに榴弾!」
ラージャンが気絶、ウツシ隊と中堅が斬りつける
ほとんど同時にレウスとラージャンは逃げ出した
ワカナをセイハクに背負わせる
「セイハク!男なら母ちゃん守れ!!」
春香の激に
「分かってらぁ!!」
ヨロケながらも背負って逃げる
「後はコイツだけだ!やるぜ春香!!」
「おうよ!ここまで我慢してイライラしてんだ!
ヌシぃ!その首もらうぜぇ!!」
春香パーティーが暴れ出す
が
「グロオアアア!!」
砦に響く咆哮
「来たか…」
大太刀を抜く里長