2頭目のヌシは何の障害も無く中間部へ、
春香達の前へ来る
「やべぇっ!」
「春香!下がれ!」
「冗談じゃねぇ!!」
2頭のヌシが並び立ち上がる
「おお!やる気じゃねえかよ!」
体の奥底からせり上がる震えを押し殺す
「おらぁっ!!」
春香が斬り掛かる、が、
突然ヌシは興味を失ったかのように奥を向く
「は?」
「なんだぁ?」
2頭は第3柵に向かって突進!
「ドガアァッ!!……メキメキメキ…」
柵が倒れた…
「やべぇっ!!」
「あとは関門しかねぇぞ!!」
「何でいきなり!!」
しかしその奥で待ち構えていた里長、
落ち着いて太刀を振りかぶり
「百竜夜行なにするものぞ!!
ぬうりゃあああっ!!!」
一閃!大太刀による強力な斬撃!!
倒れてもがく2頭のヌシ
「すげぇ!!」
「さすが里長!!」
「ヌシが倒れるのかよ!!」
里長は片膝を着く
「ゼヒュー…ゼヒュー…」
(ぬう、体が言うことを聞かぬ)
「今ゲコぉ!!総攻撃!!」
ゴコクは左岸を走りながら
「先の方は若手が行け!無理はイカンゲコ!」
そのまま里長の所へ、助け起こし避難する
「今来た方は…」
「アタシが殺る!!」
「引き受けたぜ!」
笑いながら斬り掛かる春香パーティーと30代
「ウツシ隊!」
里長の声に集まる
「少し休め、この戦力なら問題無い、
それより…」
「はい…」
休憩後、再び例のモンスターを探さねば
ラージャン2頭は流石に疲れた
「くそっ!援護を!」
影は戻りバリスタを旋回するが
「ガコン…」
「あ、あれっ?!」
後ろを向けず途中で止まる、
前のダメージがこっちまで!
「影っ!アレを出すぞ!!」
ハモンが一番奥の左岸から呼ぶ
「ヨモギを!!一緒に!!」
影も飛び降りヌシに向かう
飛び上がるヌシ
「下がれ春香!!」
「ドオォン!!」
ヌシのヒップスタンプ、
余りの威力に地面が揺れる
「やっぱり強ぇえな!」
「丁寧に!一発も喰らうなよ!」
キャンプ
「ヨモギ!影から何か聞いてるか?!」
水桶や包帯を持つヨモギ
「影さんが呼んでるの?!すぐ行く!!」
「空舞!!」
ヌシの背中を数回斬る
「時雨っ!ヨモギが出る!
コイツ引き付けるぞ!!」
影も斬り着ける、しかし通常個体と明らかに
違う感触、毛が硬すぎる、しかも咆哮も
デカくて此方を止める
「影!!榴弾行くぞ!!」
奥部手前の左右からミハバとナカゴがせり上がる
「援護来るぞ!!」
榴弾が当たるが怯まない
「グロォア!!」
地面を抉り岩まで飛ばす!
「ぐあっ!!」
「いてぇ!」
数人が食らってしまった、
里守や猫族が運んで行く
「此方を気にもしませんね」
「姉様、私達は救護に」
「こんな時に…ミノト、悔しいです」
「私達の出来る事をやりましょう」
少し溜めを作ってから豪腕を振るヌシ
「ブォン!!」
「どわぁっ!!」
「うそだろぉ!!」
空中高く飛ばされる若手と
「ぐぁ、めんどくせぇよぅ!」
「風圧だけでこれかよ!!」
動けない時雨と影
「落ち着いて回復するゲコぉ!!」
「一撃貰ったヤツは下がれ!!」
「連続で攻撃すんな!!」
「常に回復続けろ!」
「慌てんなよ!」
「あぁ、いやだいやだ、何で
こんな強いモンスターが」
神部も戻り走り込み斬り着ける
その時
「さぁさぁさぁ!やっちゃうよーっ!!!」
場違いな声と共にヨモギがせり上がる
場所は一番奥の左岸、見慣れない設備と一緒に
「なんでヨモギが!?」
「どういう事ゲコ?!」
「影っ!!本当にこれでいいのか?!」
ハモンが叫ぶ
「大丈夫です!!」
ハモンが作っていた新しい迎撃設備の
速射砲、威力は低いが連射速度が凄まじい
「うりゃうりゃうりゃああ!!」
「ドドドドドドッ!!」
奇声を上げて1頭目のヌシに撃つ
「何だぁ!!一発も外さねぇぞ!!」
「何でこんなに上手いんだぁ?!」
ミハバとナカゴを始め、全員が驚く
どんなにヌシが動いてもハズレない
的確にヌシに当て続ける
「どうなってるゲコ!?」
「ヨモギは飛び道具の天才です!!」
「すげぇんだよぅ!!」
ヌシがジャンプする、ヒップスタンプ!
が、
「ドドドドドドッ!!」
「うりゃうりゃうりゃああ!!」
空中でも的確に顔を撃たれ墜落!
「すげぇ!」
「正確だぜぇ!!」
「やるぞ!!」
もがくヌシに若手が一斉に攻撃
「カラカラカラカラ……」
「あ、あれ?ハモンさん!
弾が無くなっちゃった!!」
引っ込むヨモギ、しかし効果はあった、
まさかヌシを空中で怯ませるとは
「影ィ!疲れたよぅ!」
肩で息をする時雨
「連続して斬れないしな…」
一発の威力が桁違い、若手が20人掛かり
でもまだ倒れない
「おい!」
「まただ!!」
2頭が関門に向く、一緒に走り出すと
「ドォオオン!」
関門に体当たり
「何なんだコイツら!!」
「タイミング合わせるみてぇに!!」
まだ関門はなんともないが
「おい、これは」
「やべぇ!」
2頭はハンターに見向きもせずに
関門を攻撃し始める
「こっち見もしねぇ!」
「俺達の攻撃どころじゃねぇってか!?」
「なめんなぁ!!」
背中を全員で攻撃する
「時雨!今なら!」
「イオリィ!」
ヌシの真後ろ、滅多に使わない地面の
昇降機からイオリがせり上がる!
「なっ?!イオリ?!」
「何でガキが出てくんだぁ?!」
「イオリ!なぜだ!」
ハモンが怒鳴るが
「超高出力…開放…えぇい!!」
爆発しながら2頭に当たるチャージアックス、
2頭を怯ませた
「うわぁっ!!」
武器に振り回され、よろけて転ぶイオリ
「すげぇぞ!イオリ!」
「大成功だぁ!」
助け起こす二人
「や、役に立てました?」
「あぁ!」
「凄かったよぅ!」
「後は任せろ!」
溜め斬りするハネナガ
「いい加減に…倒れてくれよ!」
怖いんだよ!
神部の盾殴り
「ゴフ…グロォォ…」
1頭目が遂に倒れた
「ガキ共が先にやっちまった!」
「負けられねぇぜ春香!!」
「へっ!もう覚えたぜ!兜割ぃ!」
「若造共が!」
ヨモギと一緒に速射砲の昇降機からゲンジが
出る、上からヌシを狙撃する
「ヨモギ、弾装填しろ」
ゲンジの右腕がブラブラしている
「あの…折れてるんじゃ…」
泣きそうなヨモギ
「だから弾詰めろって言ってんだ!急げ!」
「バキィィィン!!」
「なっ!?」
春香の太刀が大きく欠けた
「春香!下がれ!」
「ちくしょう!ここまで来て!」
「ドン!!」
ティガのハンマーが降ってきた
「何だ?!」
「使え!!」
全身に包帯を巻いたヤクシが上から投げた
「ヤクシさん!動いちゃいけません!!」
ミノトに止められるが
「お前なら腕力だけでやれるだろ!」
「ガシッ!」
ハンマーを掴む春香
「有難う御座います!」
力を溜めながら走る春香
「潰れろ!バケモン!!」
ヌシの後ろ足、爪先を潰す、たまらず倒れるヌシ
「その首貰ったぁ!」
溜め斬りするフドウ
「ガロォ…ォ…」
…………
ギルド
何とか全員で里へ帰還、子供達は帰り
ハンターと主要な里守だけ、夜明けが近い
「貴様ら勝手な行動をとりおって!!」
里長に激怒される若手
「でも全員無事だしよ…」
春香は反論するが
「馬鹿者!お前達若者を死なせて誰が喜ぶか!」
怒りが収まりそうにない
「あー、いやぁ、俺が春香に命令…」
言いかけたフドウの肩を引っ張り
「自分が命令しました」
ゲンジが前に出る
「俺もです」
ヤクシも
「ちょ、先輩!」
フドウが慌てるが
「お前達が命令した、間違いないな?」
里長が睨む
「「間違いありません」」
里長は溜め息を吐くと
「お前達は謹慎しろ」
「「はっ!!」」
里長は二階へ行ってしまった
「…………」
静かになってしまったギルド
「そうだ影、時雨、イオリとヨモギは
どういうことだ?」
ハモンが聞いてくる
「おぉ!そうゲコ!」
「そうだぜ!」
「どういうことだ?!」
全員が聞いてくる
「あれは…」
……………
数日前 ガルクの島
「何でこんなに重い武器を?」
影だって扱う自信が無い
「だって強い方が良いんでしょ?」
ヘビーボウガンを展開するがヨロけるヨモギ、
通常弾を撃つと
「うわわっ!」
反動で尻餅をつく、体格も筋力も全部足りない
良く素人が陥る状態、武器の威力しか見ていない
扱えないから当たるハズもなく、
狙った枝には平然と小鳥が囀ずる
「もっと軽い武器の方が良くないか?」
「えー?当たるんだよ?」
どこがだよ?
ヨモギはボウガンの三脚を立てて寝そべると
「ほい!ほい!ほい!」
「!」
一瞬何をしているのか解らなかった、しかし
良く見ると落ちて来る木の葉を撃っている!
「ヨモギ!なんで当たるんだよ!」
「えー?団子を串で当てるより楽だよ?」
空中に放った団子を手裏剣の様に串で狙うあれ!
あのいつもの芸か!!
じゃあ…反動さえなければヨモギは…
「イオリィ、振り回せないだろぃ」
「一応振り方と技は全部勉強しました」
よろけるイオリ
「けどなぁ、モンスターは動くんだぜぇ?」
「ですから罠とかで動けない様にすれば…」
凄く良い笑顔で言うが
「そんな都合の良い場面…!」
「?」
「イオリィ!大技の練習しとけ!」
…………
「なるほどゲコ…」
「そうだったのか」
ギルド中が感心する
「数年後が楽しみゲコ!なぁハモン!」
「イオリも戦える様になるのか!」
笑顔が出る
奥のテラス席、すっかり朝になっている
「いでで…」
座るゲンジとヤクシ
「あの、先輩」
フドウが頭を下げる
「すんませんでした!」
「何で謝ってるんだ?」
首を傾げるゲンジ
「え?春香達庇った上に謹慎処分ですよ?」
「馬鹿か、コレ見ろ」
「ひと月は狩りできねぇだろ?」
ゲンジは骨折、ヤクシは全身打撲と脱臼
「えっ、ええと…」
戸惑うフドウ
「お前ぇ幾つになった?」
ヤクシに睨まれる
「30になりました…けど?」
「なら分かれや、
里長が怒ってた様に見えるか?」
ヤクシが里長のいる二階を見る
「え…怒ってないんすか?」
二人は溜め息を吐く
「まだ坊っちゃんかテメェは?」
「物事にはな、落とし所ってのが必要なんだ」
ゲンジは見下すように
「え…じゃあ…」
「四年前の夜行で何人死んだ?アレ並みの
夜行だったのに一人も死んでねぇだろ」
「里長だって嬉しいんだ、ただ立場上
締める所は締めなきゃならない」
「だったら少し位…」
「皆が不安な時は笑い飛ばし、
笑いたい時は怒って見せる、
上に立つってのは並じゃあ務まらないぜ?」
ゲンジがニヤリと笑う
「それが解らねぇ様なら…いつまでも若造だ」
ヤクシも笑う
ヨモギのインパクトがね…
公式の絵もね…
文章であの狂気を匂わせるのは…