「尻尾の攻撃多いな!」
「なるほど!見慣れて来た!」
フドウ達の指示で回避やガードが出来る
ために余裕がある
立派な爪、角、牙、背中を覆う鱗に青い炎
その姿に最初は驚いた、しかしこの人数だと
恐怖も薄れる
「よし!次は僕達でやってみよう!」
神部達と天音が斬り掛かる、
いつの間にか訓練の様になって来た
前足を振り上げ
「ドン!!」
「うおお!『お手』もやるぞ!
ジンオウガと同じだ!」
「2連続?!3回はないのか?!」
ゆっくり横に歩くと火の玉が飛んで来る!
「ブレス…じゃねえ!!」
「あの炎は何なんだよ!?」
「体から出てる…のか?」
「ありゃ身体中から出てんのか?」
「似た技見たことないな」
「まさか古龍とかな」
「解らねぇな」
ベテラン達は柵越しに見て分析する
「怪我したら下がって!」
閃光玉も無くなりヤル事が無い影、
里守達も眺めるだけ
「セイハク、光虫ってキャンプにあるか?」
「ないよ?夜行で使わないし」
首を出し、セイハクもマガドを見る
「みんなヒマになっちゃったよ」
マガドの纏う青い炎が紫になり赤みを増す
「注意しろ!大技来るぞ!」
「全員ガード!方向間違えるな!」
「ガード無いヤツは飛び退け!」
爆発と同時に飛び掛かり!
普通の軌道ではなく低空で飛行するように
往復すると、今度は空中から飛び込む!
「ドオォォン!」
炎を纏いながら爆発!
「ぎゃあっ!」
「あっじぃいっ!!」
「ガード失敗した!」
「食らったヤツは回復しろ!」
フドウ達のお陰で大怪我した者は居ない
様だが、この技はハンターが密集してると
事故になりそうだ
「セイハク、応急薬10個位持って来てくれ」
「あいよ」
マガドの炎が消えて…小さく見える
「よし、もう良いだろ!止め刺そうぜ!」
春香達が前へ出る
通常の四人パーティーなら苦戦しただろう、
しかし迎撃設備が整った砦に12人のハンター、
最低でもヌシレベルでないと無理な場所だ
あっけなく袋叩きにされ逃げ出す
「逃げんなコラァ!!」
「追うな春香!」
「今までに無かったタイプだったな」
「似た骨格は…ジンオウガか?」
中間部の中堅とベテラン達からは不満の声
「あんだよ、逃げちまったぜ?」
「俺達出番無しかぁ?」
「俺もやりたかったぜw」
「まぁ若手に経験を積ませたって所だな」
ゲンジが顎を擦る
「少し面白ぇモンも見れたしな」
腕組みするヤクシ
「何だ?」
「フドウだ、あの野郎剣士だけなら
指揮できそうだw」
「ほぉ…っ」
大きな溜め息を吐くゴコク
知能が高い分、勝てないと解れば即逃げるか…
50年前…砦も無かった頃は大勢の死人も
出した…その苦労が今報われたゲコ
「撃退した!」
「勝った?!」
「終わった?!」
ヨモギ達が騒ぎだす
「うむ、よくやってくれた…」
ワシとハモン、そしてゴコク殿、
同年代で砦に立つ者は…
いつの間にか三人まで減ってしまった…
砦さえ無かったこの場所、防具も無しで
マガドと戦い多くの仲間を失った
ようやく英霊達の墓前に報告出来る
『カムラは勝った』と
里長は数歩進む、一歩一歩踏み締める様に
中央の島の前方へ、大きく息を吸い込み
「ハッハッハァ!皆!ご苦労だった!
長年のカムラの宿敵に引導を渡した!
この勝利の意味は大きい!」
全員が島の周りに集まり注目する
イオリとヨモギの間に立ち拳を突き上げる
「また明日からカムラの繁栄のために働き
戦うぞ!気焔万丈!!」
「気焔万丈!!」
全員で武器を拳を突き上げる
先代、先先代、カムラ歴代の里長よ、
見ておられるか?
一つの時代が終わり、新しい時代が来た
これでワシも…引退出来る…
「里長ぁっ!!」
ミノトがキャンプから飛び出す!
「姉様が!姉様の様子が!」
…………
、
「対よ…対よ…我が…」
フラフラと歩くヒノエ
「ヒノエ!しっかりするニャ!」
ゼンチが揺さぶるが効果が無い、
目が金色に光っている
「来た…か?」
ハモンはキャンプの道具箱を空け、
埃だらけの袋から武器を取り出す
「久しぶりにコイツの出番だな…ゼンチ!
座らせて足を縛れ!」
…………
「なんだと!?」
辺りを見回す里長
「まさか!」
ウツシは飛び降り前方へ走る!
監視などしている場合ではない!
「天音!まさかアレか?!」
「わかんないけど…」
あの夜の…
「影!備えるゲコ!」
「ゴアアアアーーッ!!!」
谷間に爆音が響く
「何っ!?」
「まだなんか来るのか?!」
「全員配置に戻るゲコォ!!」
「マジか!終わってねぇのかよ!」
「走れ!」
「聞いた事無い咆哮だぞ!」
関門前
「まだ何かあるみたいだぞ?」
「何だ今のデカイ咆哮?」
「影達は大丈夫なのかよ」
「避難しても良いのではないか?」
「いや、この慌て様は未知のモンスターを
知る機会かも知れないぞ?」
「これでは影の力も知れないし、手ぶらで
帰る訳には行かないが…危険でもある」
「うむ、ウツシ先生が行ってしまった!
一緒に前に行こう!」
「風月!動くな!」
…………
影が島に登る…と、
前から弱い風が吹く、少し強くなったかと
思うと奇妙なモノが来る
影からは見えた、金色の目、鋭さの無い
丸みを帯びたトゲ、何より飛行姿勢と
言うものが存在しないかの様に空中を泳ぐ姿
「影!イブヒコ!?」
「あれだ!ミハバ隊!ナカゴ隊!
見えたら総攻撃!」
「ヨモギ!イオリ!タイシ!
そっちも通常弾準備!」
「ベキベキベキ…」
第一柵を破ると瓦礫が真上に巻き上げられる
「でけぇ!ってか長ぇ!」
「初めて見るぜ!」
「何か不気味なヤツだな!」
「何だコイツ!浮いてんぞ!」
「周りの浮いてる岩は何だ!?」
「撃てぇ!!!」
次々に唸りを上げて刺さるバリスタ、
岩に阻まれる弾もある
「どこ斬れば良いんだ!?」
「逆立ち?!何だコイツ!」
「なんだよコイツ!フラフラして
狙いが定まんねぇ!」
「関係ねぇっ!」
春香が走り込み抜刀斬り
「何処でも良いから斬っちまえぇ!」
このモンスターはなぜココに来たゲコ?
理由は?
いや、今は考える時ではない!
「影!こっちに誘導出来るゲコ?!」
撃龍槍で…
「解りません!」
どうしたら良いんだ?!
対応が解らない!
誰も正解を知らない!
マキヒコが前足を振り下ろす!
明らかにハンターを狙う!
「ドォン!」
「アッブねぇ!」
「距離長ぇ!」
皆避ける…が
「どわぁっ!」
「なんだぁ!?」
一瞬遅れて足の周囲に竜巻が起こり、
数人が吹き飛ばされた!
「うわあああっ!」
「なんだコレぇ!」
「避けてもアブねぇってかぁっ?!」
翔虫を使い空中で体勢を立て直す
「ゲフッ!」
「ぐあっ!」
出来ない者は背中から落ちダメージ
射撃の方が安全…誘導なんて無理だ!
「ガンナー全員で総攻撃!
剣士は下がってください!」
「ゲンジ!前へ来るゲコォ!!」
「ミハバ!ナカゴ!ヨモギ!通常弾のみ!」
影は試しに榴弾と後退弾を撃ってみるが
怯みもしない
頭を下にしたマキヒコの口から赤い稲妻を纏う
…塊?
「これ…ブレス?…ブレスだぁ!」
「皆避けろぉ!」
ハンター達は事前に回避、
しかし影に真っ直ぐ向かって来る!
「ドォン!」
建屋にブツかり弾ける
「ぐうっ!」
バリスタにしがみついて耐えた
と同時に
「え?え?うわああぁああっ!」
真上に吹き飛ばされる影、
そしてバラバラになったバリスタと建屋
「影ぃっ!!」
影はこの回避が下手!
天音は翔虫で影を追いかけ掴む!が、
ヤバッ!勢いでやっちゃった!
どうやって着地を!
「まったく世話の掛かる愛弟子だよ!」
ウツシ隊が抱き止め翔虫の糸で降りる
「アヤメ、ヒナミ、トウジ、怪我人の救護だ!」
「了解!」
ヌシ以上の攻撃ゲコ!建屋も一撃だし
恐らく柵も意味無いゲコ…
どうしたら良いゲコ…
「ウツシ!!」
里長の声
「お前は里を継ぐのだ!生き残れ!!」
振り返るゴコク
そうじゃな里長…
ワシらが後の者にしてやれる事は…
里長は後ろを向くと
「客人達よ!もしもの時はカムラの者を頼む!」
大声で叫ぶと大太刀を抜き鞘を捨て
「お前達は自分の命を優先しろ、
何があっても生き残れ」
ヨモギ達に言うと島を降りて前へ行く
「里長っ?!」
「どうすんだよ?!」
ヤクシ達に止められるが
「皆!ワシが生き残ったのは今日!
恐らく今日のためだったのだ!」
まるで楽しい場所に向かうように笑顔で歩く里長
「やれやれ…あいつが行くなら…」
ハモンが昇降機から上がる
「じいちゃん?」
「イオリ、カムラはこうやって繋いで
来たんだ、良く覚えておけ」
ナルガのライトボウガンを持って飛び降りる
「これだけ浴びてなぜ怯みもしないんだ!」
ゲンジ達ガンナーは攻撃するだけ、
岸に攻撃が来ないからだ
撃ち放題なのに…
「まるで効いてる気がしねぇ!」
「弾かれてるのか?!」
里守り達も撃ち放題
マキヒコは地上のハンター達へ攻撃している
「攻撃パターンは多くはねぇな!」
回避しながらフドウが叫ぶ
「けど一発食らったらヤベェぞコレ!!」
春香も転がる
「大きく回避しろ!追加の竜巻は食らうなよ!」
弾丸を弾いている様子は無い、
考えられるのは…異常な体力ゲコ
「ハモン、懐かしいな」
「50年前…先達は笑っていた」
「あの頃はろくな武器防具も無く…
悔しかったなぁ」
「あの悔しさは忘れん、だから今日まで
鉄を鍛えてきた」
二人で笑いながら歩く
「我らには後を継ぐものが大勢いる、
ここでワシらが死んでも何も変わらん」
「ナカゴは一人前になったが、ミハバは
半端にしちまった、それが心残りだ」
「行くぞ」
「あぁ…」
「楽しいなw」
「楽しいなぁw」
マキヒコの前に立つと
「配置転換!」
振り返り指示だけすると
「おおりゃああっ!」
斬り掛かる
「若い者は後ろへ行け!」
「ミハバ!ナカゴ!後退戦だ!」
それだけ言うとハモンも最前列で貫通弾を
撃ち始める
「前方ベテラン!若手は後退!」
「えっ!?」
その声に皆が振り返る、慣れない指示の声
ウツシが中央の島から指示を飛ばすが…皆戸惑う
「皆急げ!里長の意思をムダにするな!!」
「影!里守りへ指示を出してくれ!」
「は、はい!」
影は中央のエリアの島、ウツシの隣に登ると
「ヨモギ!イオリ!タイシ!奥へ行け!」
影は関門前を指差す、
セキエンや風月達がいる場所
「私はアレ?」
「そう!速射砲だ!」
「里長!こっちに誘導出来るゲコ?!」
「ぬうっ!分からぬ!」
一人で斬っている里長
「俺が囮やってやる!」
ヤクシが撃龍槍の横に立つ
「ヤクシ!止めるゲコ!お前は下を育てるゲコ!」
下に怒鳴る
「心配ない、危なきゃ逃げるぜ?それにな」
里長を見ると
「師匠の戦い見届けるのは弟子の務めだぜ?」
腕組みして仁王立ち
「言えてるな」
「ゲンジ!」
「俺にガンナー叩き込んだのは
ハモンさんだからな」
こちらも仁王立ち
「お前達は剣士とガンナーのトップゲコ!
育てるのも仕事ゲコ!」
「ほらゴコク様よ、しっかり見てねぇと」
「チャンスを逃しますよ?」