怒られると思いながら帰ったカムラで
言われたのは
里長「はっはっはぁ!良くやった!!」
ゴコク「予想以上の収穫ゲコ!!
今日はもう寝ろ!明日話すゲコ!!」
どういう事だ?
翌朝、家の前、
インナー一枚でボンヤリと里を見る影
タタラ場の前で凄まじい反射速度で
追いかけっこをする二人
「待ちなさい!」
「花梨も影様に触れたいです!」
呪詛を吐くミハバ
あぁ…落ち着く…日常だなぁ
夕べは報告と花梨に団子を喰わせた後、
影の家で三人共にすぐ寝てしまった、
初めての他の里で神経が疲れていたのかも
しれない
影は囲炉裏の部屋、天音と花梨は座敷に
寝ていたはずだが、
起きたら花梨が影の布団に居たのだ
「はいはいそこまで!」
手を叩きながらヒノエが出てくる
あぁ、終わった…やれやれ
…………
「うまく行きましたな」
笑う里長
「風月は気が回らないゲコw」
事前に風月はカムラの使いが行く事は伝えた
普通の頭があれば花梨の正体も書くが、
やはり風月はそんな事気にしなかった
事前に知られたら対策されたろう、しかし
出来なかったために花梨は有効な手段になった
「お呼びですか?」
影、天音が座敷に入る
「うむ、よくぞ我等の知りたかった
情報を引き出した」
頷く里長
「?」
「四年前、この意味解るゲコ?」
「…あれ?」
「…四年…そう…みんな四年前なのよね」
「つまりな」
影と天音の両親も亡くなった四年前の
大規模な夜行
それはイブシマキヒコの移動を恐れた
モンスターが起こしていたと思われる
そのまま川下に向かい逃げ出すモンスターも
居たのだ
その時花梨の里が襲撃を受けた
だがニシノには50年前の記述しか無く
四年前には何の記録もない
支配下である花梨の里が襲撃を受けた事
にも関わらずだ
ここに何かあると踏んだ
「花梨の話の後、四年前に竜宮砦でって」
多分ナル…ヒメ?だよな
「そうだ、だがそれをも隠すしか無かったのだ」
「花梨が知って居たのは意外だったゲコ」
「分かった、里長達の知りたかった事って
外国の商船の話だ」
天音は頷く
「もちろんナルハタタヒメもあるが…
二人とも見てきただろう?
あのニシノの里を、大きく都会に見えただろう」
「あれはな、カムラの鉄を外国に高値で
輸出したゲコ、そして急に裕福になったゲコ」
「なによそれ!腹立つ!!」
「カムラからは通常の値段で買って
高く売ってる訳か」
「実のところ外国人も質は良いが値段が
高すぎると不審に思ったらしくてな、
このカムラまで密かに来ていてな」
「えっ!?」
「外国人って居るんですか?!」
「直接取引の交渉に来てるゲコ、
じゃから裏が取りたかったゲコ」
「四年前のナルハタタヒメの出現を隠して
いたのは大きな取引とセットだったからだ」
ニヤリと笑う里長
「それを暴くために行った訳か」
「でも花梨ちゃんから聞けば…そうか…」
「そう、花梨が言ったところでニシノが
知らぬふりをすればそれまでだ、だが今回は
慈海殿の口から言わせたのだ、
コレほどの収穫はあるまい」
笑う里長
「これでニシノに負い目が出来たゲコ」
慈海から言質を取ったのだ
「その外国人はどこに居るんですか?」
「ガルクの島に出入りしている」
「でもニシノに気付かれないで
カムラに来る方法?」
不思議そうな二人
「行ってみるか?」
立ち上がる里長
………
「おぉフゲン殿、今日は知らない顔がいるな」
この辺りの服装とは全然ちがう女性が振り返る
「紹介しよう、海の遥か向こうから来られた
ロンディーネ殿だ」
胸に手を当て一礼する
「ロンディーネだ」
ビシッとして…何だか空気の違う人だ
「俺は影、こっちは天音です」
一礼するがロンディーネの後ろにある
不思議なモノに目が行く
それに気が付くと
「気になるかな?これは潜水艇だよ」
「センスイ…テイ?」
初めて聞く言葉だ、里長を見ると
「うむ、信じがたいが水の中を走る舟なのだ」
腕組みして見る
「水の中?」
どういう事だ?
「溺れない?」
「実演してみせよう!っとその前に」
里長を見ると
「フゲン殿、例の話は成功しそうか?」
「うむ、細かい調整などは必要だが、
これで堂々と乗り入れられますぞ」
「それは何より、早速母船ごと来よう」
潜水艇に向かうと
「ではニシノへ行って来る、さぁ実演だ!」
そう言うと変な舟?に乗り込み蓋をする、
ゆっくりと湖面を移動していくと
「沈んでる!!」
「里長!溺れちゃうよ!!」
「心配無い、あれで正常らしいのだ」
「毎回びっくりしますよね」
「イオリ!!」
「知ってたの?!」
「イオリは口が固くてな、
お前達が一番良く解っているだろう?」
笑う里長
そうでした
集会所に戻ると
「おぉ影!」
「風月!あれからどうだった?」
怒らせたと思ったが慈海は手紙を一通
持たせただけだった
「花梨の処遇について書かれているゲコ…」
ゴコクが手紙を読んでいく
花梨を呼ぶと
「花梨、ニシノの里の人になるゲコ?」
「イヤです、カムラが花梨の帰る場所です、
天音様もそう言ってくれました」
「…うむ、分かったゲコ、それに天音から
聞いたがニシノで辛い思いをさせて
しまったゲコ、すまんゲコ」
「いいえ気にしません、花梨はカムラの人です」
その場合は花梨が嫁に行く時、嫁入り道具
はニシノが最高の物を用意すると
記載されている
「里長は『せめてもの詫びだ』と言っていたぞ」
詫びとは何の事だか解っていない風月
…………
「風月!連続で斬る事を意識するな!
いつでも即回避に移れるように!」
「はい!先生!」
ウツシに打ち込む風月
「ウツシ殿!花梨もやりたいです!」
「花梨は一回休め!」
「やってるな」
「影様!天音様!」
稼働を始めたタタラ場前で訓練している
団子屋へ移動すると
「はい!ご注文のこんがり肉!」
ヨモギが食事を持って来る
「先生、型通りに振ると遅いように感じますが?」
「ダメだよ?自己流は必ず挫折するからね」
「型かぁ、最初は面倒だったな」
団子を齧る影
「私も苦手だったわw」
同じく天音
「あの、型とは何なのでしょうか?」
大きな肉を目の前に置かれ、
ウンザリしている花梨
「型とは先人が残した一番大事な…
正道に通じる…」
ウツシが説明するが解らない、決して
ウツシが口下手な訳ではないのだが
「教官、あんたのレベルじゃあ通じないぜ?」
今日はレウス装備の春香
「春香、旦那さんはどうしたんだいw?」
「セキエンはナカゴと相談してる、
それよりもさ、コイツらにはハネナガとか
神部に説明させた方が良いぜ?」
おおぅ、『旦那』で『セキエン』が自然とw
春香は花梨をヒョイと抱き上げると
イスに座り、膝の上に花梨を乗せる
「僕では無理かい?」
「教官は今の立場、目線からしか説明
出来ないだろ?教官はコイツら位の歳で
言われた事覚えてるか?」
「それは…うーん…どうだろう、できるだけ
言うようにしてるつもりだけどね」
「うむぅ?話が見えないのだが?」
不思議そうな風月
「あー…アタシも説明苦手だけどよ」
この世にレベルがあるとして、例えば
教官はレベルが50とすると、
アタシは40位、天音や影は20とする
だから教官の教える理屈はレベル50目線
の理屈な訳だ
アタシなら近いから理解出来なくはないが、
影と天音にとっては離れ過ぎてて何を
言ってるのか解らない
「武道の達人が言ってる事を素人が
理解出来る筈がないだろ?」
「では花梨はどうすれば良いのでしょう?」
真上を見る花梨
「だから型なんだ」
真下を見る春香、まるで親子…
似てないけど
「型はな、レベル50だろうがレベル1
だろうが同じ動きを繰り返す、
その繰り返しの中で気付く事がある、
そうすると達人が言ってる事が少しづつ
理解出来る様になる」
「うむ、となると今は理解できなくとも、
繰り返せば先生の言うことが?」
「あぁ、理解出来る様になる、それにな?
アタシお前よりも早いだろ?これは型の
繰り返しから出来たんだぜ?」
「なんと!」
「そう言えば春香も型をバカにしてたねw」
「アタシは生まれつきの力に
頼ってるだけだったw」
「ずいぶんと成長したなぁ春香w」
「セキエンに教えるのに苦労してさ、
色々考えたんだよwアタシより強くなって
貰わないとなw」
セキエン…俺よりハードじゃん、大変だな…
「足の早さは型の前では無力なのか…」
「それでは花梨も何も…」
風月と花梨にとって足の早さは
絶対のモノだったが
「そうじゃない、型の中で足の速さを
生かす様にするんだぜ?」
大剣を持ち上げると
「アタシは最初力任せに何でもブン回して
斬って自分が強いと思い込んでた」
片手で水平に
「だけどよ、型をやる内に重心とか角度
とかの『正確』な所と、戦う時の『効率』の
良さに気が付いた訳だ」
まだ水平のままでいられる
「アタシもまだ上手くは言えないけどな、
早くて強くて疲れないんだw」
「あぁ!そう言えば!」
天音はピンと来たようだ
「私、半日ランス持って居られるように
なってる」
「うんそうか、今の天音なら理解出来るね、
腕は太くなってないのにランスを正確に
扱う型をやってた、だから平気なんだよ」
嬉しいウツシ
「風月だったな、お前は昔のアタシと同じだ、
自分の力、お前は早さに頼って変なクセ
ばっかりじゃないか?」
大剣を納める
「まったくその通りだよ、助かったよ春香、
僕も教え方をもっと考えなきゃね」
団子の串を丁寧に皿に並べると
「春香は最初ムダばかりでヒドかったけど、
よくぞ駆け上がったね」
「あーそう言や影、照のヤツはさ、
アタシより全然弱くてな?」
「え?兄貴が?」
「照殿が?」
「だけどアイツは最初から型を真面目に
やったんだ、そしたらアタシがクセを直し
てる間に追い越しちまった、だから
追い付きたくて必死でやったんだ」
「うむ、となれば型をもっとやらねば!!」
「花梨も!!」
「うん、その意気だよ!」
「さて、セキエンのヤツ、装備終わったか?」
花梨を下ろし立ち上がる
「春香さん、ありがとうございました」
頭を下げる影と天音
少しだけ『頭の霞み』が晴れた気がする
「お前らもしっかりやっとけよ?
この二人強くなるぜ?」
色々な意味で走らなければ
…………
夕方
「うわぁ…」
イオリが目を丸くする
「派手だわ…」
「何か…すげぇ…」
影と天音も驚く
「コレが母船ですな?」
まじまじ見る里長
「いや、そんなに驚かないでくれ、
これでも小型なんだ」
コレが…小型?
カムラやニシノの舟に比べて桁違いの
大きさと派手さ、手漕ぎではなく帆船
………あれ?これって寒冷群島の船と同じ形…
昔近くまで来てたのか?
「コレでようやく鉄が運べる、さぁ取り引きだ」
最初は理解できなくて当然、
慣れも必要ではあるが、最初からキチンと
基礎をやった人は強い
モンハンも