ただの繋ぎの話です
「マカライトなど鉱石類はあまり無いのか?」
毅然としたロンディーネの問に
「それならトガシに話を通しましょう、
あちらの里は鉱石が豊富です」
にこやかに話す里長
大きな船のお陰で大量の物資を取り引き
出来るロンディーネ、潜水艇では
手に持てる程度だった
「本国ではカムラの鉄は評判が良い、
この辺りの鉄鉱石は質が良いのだな!」
ハキハキと喋る美人、姿勢も良いし
かっこいい…
ちょっとオーバーアクションな気がするが
「そう言って貰えるとありがたい、
是非とも末永く良く有りたいものですな」
猫族が次々に運び込む…
っていうか外国にも猫族が居るんだな
「もちろん!ではフゲン殿、また来るぞ!!」
ロンディーネが指揮を取るとニャアニャア
言いながら帆を張る
「ぜひ来られよ!!」
里長は手を振る
しばらく出港を見送ると
「よし…喋って良いぞ」
里長の言葉に
「何で黙る必要が?」
「重かったぁ…」
影と天音は鉄を運ばされた後、
黙る様に言われた
「お前達が余計な事を言わないためだ」
「?」
「分かりますよ」
イオリも出て来た
「ロンディーネ…さんでしたか、あの人は
『鉄鉱石』って言いました、つまりカムラの
鉄の正体を知らない」
「イオリ、それって?」
「そっか!カムラの鉄は
砂鉄から作るんだもん!」
「その通り、今は買い付けだが必ず製法を
奪うために知ろうとするだろう」
腕組みすると
「取り引きとはな
『睨み合いながら飯を喰う』ということだ」
「?」
「その内解るwそれにな…」
遠くなった船を見ると
「ロンディーネ殿は…商人には見えん…」
…………
次の日
「以上、何の変化もありませんでした」
「手ぶらで帰って来てしまい…すみません」
「ご苦労だったトウジ、アヤメ、
先ずは無事でなによりだ」
タタラ場前、笑顔の里長
一旦補給に戻った
イブシマキヒコが動かないなら夜行が
起きる心配も少ない、
それだけでも十分な情報
「気になる事が」
トウジが小声で
「ニシノへ立ち寄った際、商人達の
私達を見る目が…何やら不穏でした」
「それはな…」
ロンディーネとの直接取り引きを説明する
「では遂に!」
「外国船が!」
「うむ、昨日は母船で来た」
「だから商人達が…」
「ニシノが敵対視しないでしょうか?」
困り顔のアヤメ
「心配ない、ニシノは今なにも言えんw」
…………
「なぁ天音、寒冷群島行ってみないか?」
「あれ?溶岩洞に行くはずでしょ?」
「ちょっとな…」
「?、じゃあカウンターに聞いてくる」
「よう、二人で狩りか?」
集会所にセキエンがいる
「何だか久しぶりだなセキエンw」
「笑うなよw」
春香がベッタリだったから
話す機会が減っていたし
「それ着てるって事はw」
「あぁ、俺もソロで倒せたからな」
春香に鍛えられ強くなっているセキエン、
着てるのはナルガ一式、精悍な見た目に…
なるはずが、やはりぽっちゃり
「春香さんはセキエンの体格全部筋肉に
見えてんのか?w」
「そもそもサイズ合ってんのかなコレ?」
自分を見るセキエン、ピッチり…
肉がはみ出てるんだがw
「あ!セキエンさん!久しブッ!!」
吹き出す天音
「失礼だな!w姐さんが着ろって言って
着るしか無かったんだw」
網目に肉…
何だろう、どこかで見たことありそうな
ハム…
「おぅセキエン、準備出来たか?
今日はイソネミクニ教えてやる」
「あ、姐さん、準備できました」
「……春香って呼べよ…」
横を向きテレる春香…
「そっ!それはまだ早いかなって!」
セキエンも…前ほど緊張していない
お…おぅん?…おおぅ?!…まさか…
こんなに態度が変わるとは…
二人が出て行くと
「フドウさん、何だか…」
ニヤける影
「面白くなって来たよなw」
団子を齧る小肥り無精髭
「あの感じって、セキエンさんは
受け入れた…とか?」
首を傾げる天音
「まぁ、あそこまでホレられて
悪い気はしないだろうよ、それより
春香がトガシ行くのが楽しみでな?」
「?」
「トガシの里長は春香を見たこと無いだろう
からな、実際見たらどんな反応するかw」
「セキエンの親ってどんな感じですか?」
「俺もあんまり見てねぇけどな?何か
荒っぽい感じだぜ?大柄で黒い着流しに
煙管咥えてるぜ」
「見たことあるんですね?恐い感じか…」
想像する、大柄なチンピラ…
「何言ってんだ?ココの里長とかヤクシ
さんなんかも大概だろ?w」
確かに見慣れていないとパンチが効いた
見た目かも、ゴツい筋肉質だし
「俺がどうしたぁフドウ」
後ろに居たハンマーを担いだ恐い人
「げっ!ヤクシさん復帰かよ!」
「何だそのイヤそうなツラぁ!!」
「か、寒冷群島行って来ます!」
「行ってきまーす!」
逃げる二人
………
寒冷群島 船の上
「こんなにデカかったのか…」
「ロンディーネさんの船の二倍あるかな」
凍った甲板に壊れた部屋?
「私上に行って見る」
マストに簡単に登る天音、影は壊れた
甲板の隙間から中を覗き込む
「暗いな…」
朽ちた木造の骨組みが見える、船底は抜けて
冷たい水が反射する
本当なら人が生活出来るスペースや
積み荷を入れる部屋もあったはず
…フドウさんも里を出た時季があったのか…
俺は…
「かげりーっ!景色良いよぉ!おいでよ!!」
メインマストの天辺ではしゃぐ天音
いや、二人は狭くて無理じゃね?
これだけの大型船が過去に往来していた
訳だ、どのくらい古いモノなんだろうか
「なぁ!この船ロンディーネさんに
見せたら何か解るんじゃないか?!」
「なんかさ!完全に
信用してないらしいよー?!」
「は?何で?」
そんな相手と取り引き?
「ほら、正面の船着き場には
来させないじゃない?」
降りてきた
「?」
「ガルクの島に来させた理由がさ、
行商人に知られない様に用心してたのと…」
ブルッと震える、上は風が更に冷たかった
「タタラ場に近付けさせないためらしいよ?」
「あ、じゃあイオリは見張りなのか?」
「だろうね」
影は自分がウズウズ、ワクワク
している事に気付く
外を見たい
この船が動いてる所を見たい、
乗ってみたい!!
ニシノに行けば…
「影、何考えてる?」
「うおっ!」
目の前に天音の顔
「今変な事考えたでしょ?」
「ほ…他の里…行ってみたくないか?」
「…!、カムラから出る気?」
「ニシノに行ったら船見られるよな…」
「絶対反対!あの慈海って人嫌い!」
「見るだけ…」
「里長に許可貰わないとダメだよ?それに」
影の手を握る
「…遠くに行っちゃ…ヤダよ?」
その『遠く』の意味は…
…………
「影がそんな事を言ったゲコ?」
「はい、船を見たいと」
ギルドの二階、ゴコクと話す天音
「…当然ゲコ」
「当然?」
「天音よ、セキエンや風月を見れば解る
ゲコ、誰でも他の土地を見たいと思うゲコ」
「でも影は今まで…」
「照もやっぱり外へ行きたがり結果
死んだゲコ、じゃから影は外に抵抗が
あったんじゃろうなぁ…」
茶を啜ると
「男なら当然の欲求であるし、いずれ里を
支えるなら外での経験も必要ゲコ」
「私は…」
「…そうなっても影の帰る場所をカムラに
するため、お前達を同棲させるつもり
だったゲコ…どうじゃろう天音?」
「?」
「影と正式に同棲始めるか?」
「でも中止にしたじゃないですか」
若手がヒガミで統率出来なく
なりそうだったから
「状況が変わりつつあるゲコwww」
「変わる?」
一階
「影、花梨ちゃんは今何処だ?」
神部が団子の包みを持ってキョロキョロする
「?、教官に聞けばわか…あれ?」
ウツシも風月もいない
どこかで訓練しているんだろう
「お前なら知ってるんじゃないのか?」
詰め寄る仮面、圧が凄い
「解りませんよw保護者じゃないしw」
「いつもお前にくっついてるだろ?」
そう見られてたのか…
「お?何だよ神部、まさか花梨狙ってんのか?」
ハネナガもこっちへ
「…旧ミノト派は今は
花梨派になりつつあるんだ」
痩せ過ぎだった花梨は少しふっくらとしてきた
ら
『ミノトの子供時代ってコレじゃね?』
な感じになった
つまり将来凄い美人になりそうなのが解る
「なんか皆『子供のうちに手懐ける』みたい
になってません?」
ギルドがロリコン化してないか?
大丈夫かカムラは?
「お前が始めたんだろうw」
神部に指をさされる
「そういやそうだw」
笑うハネナガ
「天音だって子供の時に手懐けただろ?
この手法はお前が元祖だぞ?w」
「してないですよ!w」
俺も子供じゃん!それは合法じゃん!
聞いたことがある、こういうのを
ヒカル源氏計画と言うらしい
…知らんけど
「皆、聞いて貰いたいゲコ」
ゴコクと天音が階段を下りて来た
「今日より影、天音は正式に同棲、
意見のあるものは居るゲコ?」
は?今更?な空気
「のう天音、問題点ないじゃろ?
皆認めているゲコ」
…………
「荷物これだけか?」
「うん、姉さんの所に居ると
家財道具要らないからね」
タンスを開けて少ない着物を仕舞う
何度も出入りして既に勝手を知っている天音
「さて、布団はあるし…煮炊きも出来るし
包丁もあるし…あと必要なのは…」
考えるが思い付かない
「よし、とりあえず」
「始める?」
設定が発表されてもこれなら対応出来る
…といいなぁ