神楽舞   作:天海つづみ

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想像だけで先走って書くと齟齬が
でるし、サンブレイク出るまで話を停滞
させるべきだろうか


サービス

 

 二人の最初の共同作業、

 もちろんケーキ入刀ではない

 

静かに回転扉の前へ…

無言で見詰め合う、

手を掛けて呼吸を合わせると

「せいっ!」

「えいっ!」

 思い切り扉を回す!

 

「きゃあっ!」

やっぱり飛び出て来るヒノエ、転びそうに

なるが何とか耐えて……

 

 …無言で見詰める二人

 

 

 

「あらぁ…(汗)」

 苦笑い

 

 

「…ヒノエ様、この扉は塞ぎます」

「良いわよね?姉さん」

 

「…そ、そうよね、喜ぶべきよねw」

 微笑むと

「お邪魔しました♪」

 出ていくヒノエ

 

「あとはハモンさんに道具借りて…」

「…変ね…」

「どうした天音?」

「ちょっと諦めが良すぎて…気のせいかな?」

 

 ………

 

 

あらためて外から見てみようとタタラ場の壁

と家の壁の間に体を滑り込ませる

「こうなってたのか…」

外壁が引戸になっていて横に開く、と、

小さな足場があり軽い力で反転する

 何のために作ったんだ?

 

 釘一本で引戸は止められそうだ

 

 色々な場面を思い出すが…

 

小さな釘を打っただけで開閉出来なくなった…

 

同棲は嬉しい、けど現実と向き合わなければ

生きて行けない、もっと強くならないと

 

 隙間から出ると

「どう?うまく出来た?」

「あぁ、あれなら入れない」

 

「……」

 それはつまり…

 

二人で向かい合ったままうつ向く、耳まで赤い

 

 

 『これで邪魔は入らない』

 

 

 …が

 

 

「か…稼ぐか…」

 テレる

「か…家事は分担ね?料理は私がやる…」

 こっちもテレる

「じゃ掃除は俺が」

 

人としての責任、男としての責任が出来たんだ、

これからもっと成長して強くならないと、

稼がないと

 

何より天音を守らないとならないのに、

俺の方が弱いんじゃ話にならない

 

 

 

 ………

 

 

 

「あっちぃな…」

火山地帯を歩く影、クエスト対象は

バサルモス、それと鉱石も掘りに来た

 

取り引きに使われるために必要であり

少しでも余計に稼ぎたい

 

 溶岩洞

名前の通りの溶岩だらけ、そこに地下水が

入り込み所々が冷やされ複雑な地形に

なっている

 

「うげ…」

地図を良く見ると苦手な水没林より複雑で

多層らしい

「皆はどうやって覚えたんだコレ?…」

とにかく歩いて採掘や採取、地形を覚える

には地味な作業の積み重ねしかない

 

 ………

 

「うむ?天音よ、少し急ぎ過ぎゲコ」

「ダメですか?」

「天音にはゴシャハギ辺りが丁度良いわね」

集会所で相談する天音、

レウスより上のクエストへ行きたがるのを

ゴコクとミノトに止められた

 

「天音よ、影が追い付いて来るのがイヤゲコ?」

「うー…何かこう…」

ムカムカイライラする、なんだろ?

この煮え切らない感じ

 

 

「それがハンターってもんだろうよ?」

 ヤクシが会話に入る

「天音は旦那が強くなるのは嬉しいがハンター

としては追い付かれるのが悔しいんだ、

それが当たり前だろ?プライドってヤツだ」

 

「私は…影に追い付いて…欲しいし…」

 納得行かないが

 

 …そうか、同時に悔しくもあるのか…

 

 私今…悔しいのか

 

 ニヤケるヤクシ

「俺も色々教えたがよ、あのバカ(フドウ)

と春香に追い付かれたのは悔しくもある」

 天音に向き直ると

「だけどな?この里全体のレベルが

上がるんだ、それは喜ぶべきだろ?個人の

感情なんざ仕舞っておけよ?」

ハンマーを担いでクエストへ

 

「ヤクシの言う通りゲコ」

「楽にレウス狩れたわけでは無いでしょう?」

 ミノトにも諭される

 

 …確かに影を鍛えちゃった…

 私は師匠でもあるのか…

 

 

 ………

 

 

「お?……ヤベ…」

溶岩に挟まれた一本の道にヤツカダキがいる

 

自分の糸をドレスの様に纏う巨大な蜘蛛、

その不気味な姿で炎を吐く

 

 兄貴はあれを17歳でソロで倒したんだよな…

 今の俺と同じ歳で…

 

 岩壁に背を着けて隠れて見る

 

功名心、出世、名声、英雄になりたいなら

立ち向かう所だ…

 

兄貴はそういうのが好きだったんだろう…

 

と言うか男の子供は皆そうだな…

 

 

「俺は…兄貴じゃない…」

 その場から離れて別のエリアへ

 

 賭けに勝つのはカッコいいだろう

 でも負けたら死ぬかもしれない

 

生活するためには死ぬ訳にはいかない、

たとえ臆病に見られても天音を悲しませ

たくはない

 

それに事実として俺が勝てるモンスターではない

自分が逃げ腰であるとは思いたくないが…

 

 

 あぁ…

 

 

あぁ…そうか、いつの間にか兄貴は俺の中で

憧れの人から軽蔑する人になり

 

 

 今は…『過去の人』になったのか…

 

 

 

 …………

 

 

 溶岩洞のバサルモス、討伐成功

「ミノト様、天音は?」

「レウス狩りに行ったから少し遅くなるかと」

 

 外に出ると

「あれ?今日は一人ニャ?」

「ケンカしたのか?」

「影あんちゃん!天音さんは?」

「チッ…」

 

 …俺が一人ってそんなに変か?

 

「あらぁ、天音は?」

 タタラ場前にヒノエと

 

「お久しぶりですね」

旅商人のカゲロウ

 

ヒノエ、ミノトと同じ耳をした、竜人?

とか言われる商人

スタイルが良く声も良いのだが、何故か顔に

変な布を被り素顔を見せない

 

しかし誠実な商売をするので信用されている

 

「カゲロウさん、一年振り位ですか?」

 

「見違えましたよ影君、少年っぽさは影を

潜めて立派に男になったようですね?」

 

「影君にも責任ができたからかしらねw」

 

「おや?責任とは?もしかして夜行の

指揮の話でしょうか?」

 

「え?知ってるんですか?」

 俺有名人?

 

「もちろんですよ?この辺りで

『カムラの影』は有名ですw」

 

 おそらく笑顔のカゲロウ…

って言うか邪魔な布だ

 

「それだけじゃないんですよぉw」

 いたずらっぽく笑うヒノエ

 

「おや、なんでしょう?」

 首を傾げるカゲロウ

 

 ヒノエが説明する

 

 

………

 

 

 

「それはまた…時雨君は仮の姿だったん

ですねぇ、ヒノエさんは知ってたんですね?」

 

「はい、私がやらせましたからw」

 

「なるほど、それほど一途に思われ

添い遂げる事になった…と…」

カゲロウは派手な荷車を開けて中を探ると

「では影君、お祝いとしまして無料でコレを

進呈します」

差し出して来たのは小さな紙の包み…粉薬?

 

「なんですコレ?」

「あら?何かしら?」

 

「ヒノエさんはそちらに…」

 ヒノエをいつもの場所に促して

「男同士の話です」

 影と荷車の裏へ

 

「何ですか?」

 

 小声になると

「ユクモの里で調合された品です、

若い君には必要無いかと思いますが…」

 

 

「………」

「………!」

「……ですから…で…ケルビの角を……すると………」

「………!!!」

 

「い!いらないですよ!」

「おや、自信があると?それは結構w」

「そ、そういう事じゃなくて!(汗)」

 

「何してるの?」

 ひょいっと覗き込んでくる天音

 

「!あ!天音!!」

 

「おや…そうですか、貴女が時雨君改め

天音さんですね」

(布で分からないが)まじまじと見ると

「なるほど、確かに美人です、ニシノで

噂になっていましたよ?」

 

(良かった!カゲロウさんが話題

逸らしてくれてる!)

「な、なんかニシノで有名らしいぞ?!」

 

「…ふーん…そんな話ならコソコソ

しなくても良いんじゃない?」

 ジト目

 

「そうそう、最近行商人仲間の動きが

変わって来ましてね」

 いつもの場所に戻る

「何でも外国船が直接こちらへ来たそうじゃ

ないですか」

 

「あ、来ましたよ、ロンディーネさん」

 表情が戻る天音

 

「そ、そういやそうだな」

 (カゲロウさん上手い!)

 

「ニシノの鉄相場が荒れる、または

崩壊するのではと…」

天音の顔を見ると

「ちょっと難しかったですか?」

 

 煙に巻いた、すげぇよカゲロウさん!

 

「影様!」

 飛んで来る花梨

 

「お、花梨、どうした?」

 

「………!」

 天音の表情が一瞬変わる、

それを見逃さないカゲロウ

 

「オサイズチ倒せました!」

「早いぞ?!凄いな花梨!」

 頭を撫でる影と

「えへへへ」

 くすぐったそうにテレる花梨

 

 ピキピキ…

 天音の髪が逆立ちそう

 

 (おや、これはw)

音もなくヒノエの横へ行くと小声で

「面白いですね、貴女の仕業ですか?w」

 

「違いますよ?花梨ちゃんにとって影君と

天音は命の恩人なんですw」

 

「どう見ても恋敵のようですがw」

 

「少し弄ったら面白くてw」

 

「やっぱり貴女の仕業でしょうw」

 

 

「早く花梨も強くなって影様と一緒に

狩りに行きたいです」

「そうだな、じゃあ傘鳥倒せたら…」

「ちょっと!何勝手に決めてんのよ!」

 

(おやおや、この様子では…両方…)

「影君、少々こちらへ」

 カゲロウが荷車の裏へ

 

「何ですか?」

 (助かった)

 

「さ、もう1つサービスです」

「だから要らないですって!!」

 

 




前半真面目にした分後半フザケました
…カゲロウを温存しすぎた
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