「お手っ!!」
「おう!!」
ジンオウガの鋭い爪がすぐ横で空を切り
地面を叩く
「ドスン!!、ドスン!!」
ナルガクルガは素早く鋭い攻撃、
こっちは重さを感じる
「回数覚えて!」
「怒ると三回位だな!」
体を横に向けコチラを見るジンオウガ
「何か来るよ!」
「あぁ!」
尻尾を振り回し軽快に上から振り下ろす
「ガシィッ!」
「痛えっ!ってか重ぉっ!」
「大丈夫!?」
「あぁ!大した事無い!」
回避失敗した!
天音はもう覚えたのかよ!
真っ直ぐ影に突っ込むジンオウガ、
影が横回避すると素通りして振り返る、
動きが止まると
「ウオォォーーン!!」
周囲から帯電した虫達が集まる、と、
「これだっ!」
素早く走り込むと乱舞する天音
「グガァゥ!」
のけ反るオウガ、そして散らばる虫達
「コイツ隙デカイな!」
「聞いてた通りね!」
………
「ジンオウガぁ?」
フドウ達に話を聞くと
「帯電させなきゃ大したヤツじゃあ
ないぜ?」
どうやらナルガクルガの溜めのように
動きが止まるらしい
「恐いのは帯電状態の攻撃食らうとな、
気絶しやすくてよw」
それ笑い事か?
「まぁナルガクルガに勝てるんだ、
何とかなんだろ、
あぁ、シビレ罠は使うなよ?」
…………
隣のエリアで回復と砥石を使う
「天音が戦った事無かったのは意外だった」
息を整える
「誰でもこんなこと割とあるのよ?
影もビシュテンゴ無いでしょ?」
夜行で見てるから戦った気になってるが、
言われてみれば
「帯電してないと光らないみたいね?」
双剣を研ぐ
「…派手な状態も見たいなよな?」
フドウさん言ってたし
…アイツも…
「…影、調子に乗ってるよ?」
真剣な目
「え?そ、そうか?」
身に覚えがないが?
「前はさ、細かい攻撃も全部避けてたよ?
今は適当になってる、レウス装備に
頼ってるよ?」
「……そうだったのか」
ウツシや他の先輩達が言う『下手なヤツ』
になるところだったかも知れない、武器と
防具の性能に頼って適当になる所だったかも
「…そうだよな、全部避けるのが正解だよな」
「うん!」
影って、こういう所は素直なんだよね
「じゃ慎重にね?」
ジンオウガを追いかけ落とし穴と閃光も使い
慎重に攻める
「ダメだ!頭に兜割り当たらねぇ!」
目を廻しても暴れる
「先ずは当てるだけでも良いよ!」
頭から尻尾まで回転しながら斬る天音、
袖が翻り舞う様に攻撃する
…………
「落とし穴全部に閃光まで使ったか…」
金掛かるなぁ
「一回勝てたら次は楽になるからw」
天音に従い慎重に戦い勝ったが、
懐は負けた気がする
ヨモギの団子屋でダベっている
「強い人だって最初は
大変な思いしてるんだよ?
最初はみんなそうじゃん、
アオアシラに罠使ったり」
「少し気を引き締めるか」
レウス装備が嬉しくて緩んでたかもしれない
そうだよな、俺の理想は神部さんの臆病な所だ
家庭を持つなら生き残る、あの人を見習わないと
「ねぇ…何で突然ジンオウガになったの?」
「んん、あー、思い出してな」
「何を?」
「家族でな」
四人で晩飯の時だ、兄貴が言ってたんだ
「影!夜のジンオウガはキレイなんだぜ?!」
お椀を持ち、箸でこちらを指す照
「へー!どんなの?!」
「吠えるとな、虫が集まって来て
ギラギラ光るんだ!」
ナルガ一式で両手を広げる
「虫ぃ???」
「お前もハンターになったら見られるぞ?
まぁ俺位強くなればな?」
得意顔
「俺もハンターになって直ぐに追い付いてやる!」
「おう!やってみなw」
昔話を嬉しそうに話す影
「ふーん、じゃあ今度は夜に行ってみる?」
「でも帯電状態はマズイんだろ?」
「あ、そうだよね」
影の中では『私に追い付く』から
『お兄さんを越える』になってきたような
色々変化するんだなぁ、男って
……………あれ?…
それにしても遅いな、
いつもなら元気な声が飛んできて…
ヨモギは後ろを向いて後片付けをしている
「ねぇ、ヨモギ」
天音が呼ぶとこちらへ
「…いらっしゃいませ」
天音にお茶を出す……顔が暗い
え?俺のは?
戸惑う影
「あ、あのヨモギ?俺には?」
振り返ると
「ッタァァァーーーン!!!」
「ビシャッ!!」
湯呑みが凄い勢いで置かれ影にお茶が…
「あの…飛び散っ…て…」
ビクビクする二人
キッ!と影を見る
「いや…あの…いいです(汗)…」
ヨモギって怒ると恐いんだよ、
いっつも笑顔だから…
何で俺に怒ってんの?
「ヨモギ、どうしたの?」
「天音さん!聞いて下さいよ!」
例の花梨の猫モード、花梨自身は
『影が着けてくれた』ために常に
あの格好をしているそうだ
問題は猫花梨(仮)をイオリが見た瞬間、
『ズキュウゥゥーン!!』となり
オカシくなってしまったらしい
元々動物好きでガルクの世話をするし、
猫族と仲の良かったイオリにとって、
あの猫花梨はもう…
それはもう口ではとても言い表せない、
思春期の少年には最終兵器のソレだったらしい
「話し掛けてもボンヤリしてるし、ボーッ
としてニヤニヤしてる事あるんですよ!」
天音に力説するヨモギ
…………いやヨモギ?それは嫉妬でわ?
「あの格好させたの影さんだそうじゃ
ないですかっ!!
自分の趣味で女の子にあんな格好
させるの変態だよ!!」
その声に行商人や里の人々が振り返る
「いや!誤解!聞いてくれヨモギ!」
「ヨモギ!落ち着いて!」
みんな見てるから!!
凄い目で見てるから!!
……………
「…じゃあ影さんの趣味じゃないの?」
「そう、俺は神部さんに頼まれただけなんだよw」
趣味じゃない、趣味じゃないよ………
多分www
「わざわざハモンさんに頼んで作って
貰ったらしいのよw」
「神部さん…最低…」
珍しくヨモギが顔をしかめる
良かった、解って貰えた
二人で集会所に入ると外から
「神部さん最低っ!!」
「いや!何?!僕何かした?!」
通りに響く声
神部さん…自業自得です
貴方のその趣味だけは見習いません
…多分
「あー、なによ?アタシ置いて
二人で行ってさー」
文句を言いながら自然に腕を組んでくる七海
負けじと腕を組む天音
(まったく面倒ゲコ)
「七海よ、リオレイアの復習を
したらどうゲコ?」
「えー、今更ぁー?」
「ブランクがあるじゃろ?ハネナガと
組んで行くゲコ」
「影がイイのー」
「!」
影の頭に横から自分の頭を擦り付ける
そっ!そんな事天音にもされたこと無いっ!
髪が良い匂いっ!
影が固まると反対側で天音の髪が逆立つ
「影には頼みたい事があるゲコw」
これ見てると楽しいゲコ…イカンイカン
「えーそうなのー?ちぇー」
口を尖らす七海
二階の座敷
「なんですか?」
「頼みって?」
「あぁでも言わんと離れないゲコw」
姿勢を正すゴコク、思わず二人も座り直す
「して、どうゲコ?七海は?」
「…変な所は」
「ありますね」
二人で話す、明らかに強すぎる、帰り血を
避けながら攻撃なんて並みのハンターではない
「では実際はリオレイア程度ではないのぉ」
「14の時には狩ったそうです」
「…やはり隠密…かの?」
「それに…」
不穏な表情の天音
「どうしたゲコ?」
「気のせいかもしれませんが、無理に
明るく振る舞っているように見えます」
「フム…」
…………
昨日、ニシノの里
「やはり怪しまれとるな」
「まぁ当然の警戒じゃろ?」
「フム…」
老人達は手紙を見るが、実は内容など
どうでも良い
七海は手紙と一緒に、自分の髪を一本
結んでいたのだ、
それが無くなっている
つまり一度手紙は開かれた
「もしも婚姻とならずとも」
「花梨の件の負い目…消せると良いが」
「こんな行き当たりばったりが通用するか?」
「何もせんよりはな、
少しでも確率を上げんとなぁ」
考える慈海
…………
「ふーん…」
ハネナガ達とレイア狩りに来たが
「七海は久しぶりにやるんだろ?少し見てな」
と言われ距離を取っている
ハネナガ達の気合いも女性が
見てるため当然高い
(なるほどねぇ、カムラのハンターは
レベル高いわ、風月の報告通り)
ハネナガ達にとってリオレイアなど
ソロでも余裕
(けど強いハンターと、里の有力なヤツ
ってのは別なんだよねぇ…)
里長とゴコク
有力者だけどジジイ
ヤクシやゲンジ
ハンターとしては化け物だけど、
有力者かと問われたら…
ウツシ
有力者だけど論外w
「やっぱり影は無しか」
小さく呟くと
「アタシも参加するー!!」
レイアに斬りかかる