「夜ってのは…」
「なんか久しぶり…」
あのデート以来、夜の大社跡へ来た
思い出がありすぎる
「荷物も多いな…」
罠と閃光の素材を持てるだけ持って
「何が『も』?」
荷物をテントに並べる
「あー、いやホラ、
ココは思い出が多いだろ(汗)」
なんか…なんか良い雰囲気だ
「そうだね…」
星空に虫の声…
二人きりのキャンプ…
…そうか、ハンター同士で
付き合うって事は…
テントがあり…ベッドもある…
誰も邪魔しない時間だ
皆そうして…
天音を見ると上目遣いでこっちを見てくる
以心伝心
これは…
二人でベッドに座る
距離が近付く
「何か…さ…」
「あぁ」
キスくらい良いよね
「アオォォォーーン!!」
「!」
「えっ?!近っ?!」
「ビックリしたぁ…」
二人で顔を見合わせると
「「ブフッ!!」」
笑いが込み上げる、
何処に行っても邪魔が入るものらしい
あのデートの時もヒノエが現れた
「ジンオウガ近いなw」
「はぁw…じゃ行ってみようかw」
…………
奥の門の近くにいるジンオウガを見つける
川原に居ると思ってたのに
「またアレだよ!」
「もう慣れた!」
尻尾を上から振り下ろす
「ビターン!!」
「ひゅっ!」
息を吐きながら横に転がる、と、
「ブォン!」
尻尾を軽く振る
「てぇっ!」
転びそうになる影
「何今の?!」
まだ見ていない攻撃があった
ジンオウガはその場で跳ね回ると
電撃がブレスの様に飛ぶ
「夜見るとキレイだな!!」
弧を描く
「油断しないで!来るよ!!」
今までの多彩な攻撃から見ると非常に
地味な突進、そして振り向くと
「ウオォーン!!」
辺りから雷光虫が集まりキラキラ光る
「うわ、夜だとキレイだな!」
「むー、何か腹立つ!」
天音のスピードからすれば、
身動きしないチャンスの時間なのだ
これを数回やると
「ウオォォォーーーン!!!」
ジンオウガが落雷の様に光る!!
「影!逃げるよ!!」
「おう!」
全力で逃げる
………
「スゲェ…」
廃墟の壁の陰から覗き見る、ギラギラした
オウガは辺りを警戒しながら歩く
あの躍動感がある体を縁取るように光る、
舞浜の某パレードのように
「キレイだけどさ、アレ狩るんだよ?」
月明かりなんて比にならない
兄貴はこれを言ってたんだなぁ、
確かに一度は夜に見ておくべきだ
「…で?アレはいつ終わるんだ?」
「え?私知らないよ?」
「怒状態じゃないのか?」
「そこまで聞いてないもん」
あれ?俺バカで無謀な事やってんのか?
ひょっとして『慎重』や『臆病』と
逆の事やったか?
…………
飛び上がるジンオウガ!背中から落下!
「ビシャーン!!」
「ぐあっ!!」
「影っ!!」
電撃とボディプレスによる大ダメージ!
まるでジンオウガ自体が落雷の様な攻撃、
まともに食らった
「影っ!下がって!」
「ゴメン天音!」
「いいから逃げて回復!!」
天音が囮になって誘導する
「落ち着け!落ち着け!」
自分に言い聞かせる、
震える手で回復薬を飲む、
少し痺れているのだ
ヤバい!ナメた!
モンスターにナメて掛かった!
スピードが違う!
隙も少なくなった!
コレが本当のジンオウガか!!
バカな事やった!ソロならともかく
天音を危険に晒してる!
俺が天音を守らなきゃならないのに!
「回復終わった!」
走り込む
「じゃ罠使うよ!」
頭から空舞で連続斬り!
後ろに回り込んだ
二人で挟む形になり
「そら!こっちだ!こっち向け!」
一発も食らっちゃだめだ!
影が前足を斬る間に天音が落とし穴を設置
「影!」
「おう!」
落とし穴へ誘導
「グガァウ!」
落ちてガリガリと地面を引っ掻く
「「よしっ!」」
「乱舞!!」
「兜割り!!」
オウガの頭に無数の連撃
「バキンッ!」
「グガァウッ!!」
角が折れると雷光虫が飛散する
「地味になったぞ!!」
「コレで楽だよ!」
ジンオウガは落とし穴を出ると別の
エリアへ走って行く
「よし!追うぞ!」
さっきの分を取り返す!
「待って!油断しない!」
天音に回復と研ぎを指示される
「やっぱり少し適当になってるよ?」
そう、仕切り直した途端に切れ味が
落ちる事は良くある、
只でさえ回復薬グレートも減ったのだ、
ここは慎重に…
落ち着け、焦ってる…
「ふうっ!」
息を全部吐ききり深呼吸
道具もまだある、今度は帯電させずに…
天音に頼らず…やってやる
「アオォォォーーン!!」
「ウオォォォーーン!!」
「え?」
二人で首を傾げ…顔を見合わせる
「何か…ケンカしてないか?」
「あれ?別のジンオウガ?」
良く聞けば咆哮が二種類
「ゆっくり行くぞ?」
「うん」
二人で足音を抑えゆっくり歩く
ケンカに巻き込まれると、
最悪二頭が向かって来る
小声で
「もう光らせないよ?」
「あぁ、懲りたよ、バカなことした」
自分の興味を優先した結果がコレだ
モンスターの強化なんて見過ごして
良いモノじゃあない
森の中、蜂の巣の辺りを歩くオウガ…
相手は…いない
小声で
「行くぞ天音」
「…ちょっと待って、何か変だよ?」
良く見ると、俺達と戦った時より疲れてる?
いや…脚を引き摺って…
「なんで?」
私達あそこまで追い込んだの?
「罠仕掛けてみるか?」
何か弱ってるよな?
………
あっさり捕獲出来てしまう
スヤスヤ眠るオウガ、何でだ?
「エリア移動したとき引き摺って
無かったよな?」
「うん、なんだか…っ!」
「どうした?」
天音は地面がジャリジャリしているのに
気がついた
触ってみると
「冷たっ!」
「はぁ?そんなわけ…」
触ると地面の表面に…薄い氷?
「どういう事だ?」
フクズクを口笛で呼ぶと、上空を旋回するだけ、
既に他の大型は居ないようだ
氷は直ぐに溶けてしまった
…………
疑問を持ったままギルドへ入る
「ミノト姉さん、
ジンオウガ狩ったんだけどさ…」
「どうしたの?」
もう夜中なのに、なぜか大勢が残っている
影はフドウの所へ
氷を使うモンスターの事を聞こうとしたが
静かに団子を食うフドウ、
の横で静かにお茶を啜る七海
一切会話が無い
え?ナニコレ?どういう空気?
周囲も黙っている…
聞きづらい…
何があった?
「あの、フドウさん…」
「…何だ?」
氷を使うモンスターの話を聞くが
「まさかクシャルダオラってことはねぇなぁ」
しかし話が入って来ない、
この雰囲気はなんだ?
ハネナガ達がまだ居るので聞いてみる
小声で
「この空気なんですか?」
「あぁ、フドウさんが帰ろうとしたらな」
『アタシも一緒に行く』
「って始まってよ、フドウさん
動けなくなってなw」
「待ってれば諦めると思ってたら
ベッタリでよ…」
「こんな時間だぜw」
親鳥を見た雛鳥…自分で決める事が不得手…
そうなるかもな
「30過ぎて突然コレじゃあ戸惑うわなw」
「どう接して良いか分からないんじゃね?」
「何歳違いだよ…」
「俺ならこんなチャンス逃さないけどなぁ」
ひそひそ話す
「準備出来たわw」
ヒノエが入って来た
「助かりますヒノエ様」
フドウは頭を下げると
「七海、ヒノエ様の所に泊まれ」
「え…」
ジト目
「命令だ」
「はい…」
シュンとうつ向く七海
基本言うことは聞くようだ
って言うか素の七海って暗い娘なのか?
…………
翌朝
「おはよう」
「んーおはよ」
布団の中で起きる影と天音
昨日は遅かったせいでまだ眠い
「なんか…今日は…こうしていたいな…」
ぼんやりと…
「ん…」
天音がこっちの布団に入ってくる
「んー、あったかい」
天音が抱き付く寸前
「コンコン」
ビクゥッ!!
「え?」
「誰だ?」
慌てて布団を直し天音が出ると
「七海さん?!」
…………
「いい?山菜はアク抜きの時間が大事なの、
抜き過ぎても味が落ちるからクセを残して…」
天音の言葉を書き留める七海、
料理を教わりに来たのだ
昨晩ヒノエとミノトの家に泊まった際に
ヒノエから
「男を捕まえるなら胃袋を掴みなさいw」
と言われてミノトに習おうとしたところ
「天音に教わりなさい」
と言われたらしい
「あの、天音さん、刃物は引いて
切るモノでは?」
「ちょっと!天音で良いってば、
なんかくすぐったいw」
「だって…」
自分らしい話し方など知らない
「柔らかい物は引き切り、野菜や
固いものは押し切りが基本だよ?」
「アタシってそんな事も知らないんだね」
「料理もハンターと一緒、
基本から積み上げないと」
二人が並んで料理するのを見る影
なんだか不思議な気分
「なんで突然料理?」
「だってあの人、ダンゴと肉とお酒しか…」
腹が出る訳だ…
「なぁ、掃除始めても良いか?」
「埃立つから後にして、
その辺で時間潰して来て」
…………
ニシノの里
「七海からの文が来ましたが…」
ニシノの隠密
「どうした?」
寝起きの慈海
「それが指定した方法ではなく…」
困り顔
フクズクで来たらしいが、
こっちは本来囮のはず
「髪の毛も付いておりまして…」
「とにかく中を」
開くとそこには
『好きな人できた』
とだけ書かれている
二人で首を傾げる
「上手く行っとる…という意味か?」
「分かりにくいので、カムラへ向かいます」
「うむ」
…………
「カゲロウさんって元はハンター
だったんですか」
「そうですよ?その際重傷を負いましてね、
そこをゼンチ殿に助けられたのです」
屋根の上で寝惚けているゼンチ、
夜行などで怪我人が出ている時はビシッと
しているのだが、普段は緩みきっている
「それからカムラへは恩返しのつもりで
商売をしているのです」
もしかしたら顔に傷痕があるために
布を被っているのかもしれない
「お早う影君、七海はそっちに?」
ヒノエが出てきた
「天音に料理教わってて、俺の居場所が
なくなりましたw」
「あらぁゴメンね、邪魔しちゃったわねw」
まさかこの人の差し金か?
「中身はまだ子供みたくて素直なのよw」
そうだ、竜人って寿命が長い、つまり
ヒノエ様達は見た目より長い年月生きてきた、
人を見抜く力が高くても当然か
「ほら、傾けないで、気を付けて運んでね」
竹篭に弁当らしきモノを持ち、歩いて来る二人
「ありがとう天音さん」
頭を下げる七海
「天音で良いってば、年下なんだしw」
どうやら何かが出来たらしい
「影、朝ご飯食べよ」
吸血鬼、狼男、フランケン?
と来ればカプコンのヴァンパイア
(ダークストーカー)が連想される
期待して良いのか?
女性用装備にモリガンとかフェリシアとか