ニシノの大通りの真ん中、
縁台が置かれ座る二人
ニシノの人々に囲まれている
「また来てくれるとはなぁ!」
「え?!夫婦なのかよ!」
「なんだよ!前に来た時から気になってたんだぜぇ?!」
「あははっ!そういう事だから」
アイドル状態の天音
男達に囲まれる
「ほらお嬢ちゃん!コレも食いな!」
「馬鹿!花梨ちゃんだろ!」
「こっちは刺し身だよ?」
「そんなに食べられませんよw」
こっちもアイドル状態の花梨、
老若男女に囲まれる
そして少し離れた影の周りには数人の若い男達
「どうやってあんな美人落としたんだ?」
「あんな美人を嫁にしたんだ、
何かコツ的なモノがあるんだろ?」
「是非とも教えてくれ」
こそこそ集まり聞いてくる
「い、いや、俺の方から何か言った訳じゃ…」
どうやって説明出来る?
男に化けて四年も隣にいた事を
「じゃあっちから言って来たのかよ!」
「なんでだ?」
「顔は風月のが良いし…」
「背も低いよな…」
「もしかして金持ち…には見えないな?」
首を傾げる
フドウさん、今俺はニシノで
貴方の気持ちを理解しています
「でもよ、確かカムラの影ってあんただよな?」
「あ!この人なのか!」
「カムラ指揮したっていう有名人!」
「里長より権力あるって聞いたぜ?」
「化け物みてぇに強いってな!」
いや後半オカシクない?
俺の噂ってどうなってんの?
尾ひれが付いてるよ?
「花梨ちゃん、カムラがイヤになったら
ニシノにおいで」
魚屋のおばちゃんに言われると
「花梨は…ングッ、カムラの人ですよ?
影様のモノですし」
モグモグ串焼きを食べる黒猫、
何でそんな当たり前の事聞くの?
といった表情で
「………え?」
その言葉に一斉に引くニシノの方々
「ちょ、ちょっと花梨ちゃん?(怒)」
ピキピキ
「か、花梨、それは…」
新たな誤解を…
「ウソだろ!こっちもなのかよ!」
「こんな子供にまで手ェ出したのかよ!」
「なんでもありか?!」
「なんでモテるんだ?!」
「カムラの影は女たらしか」
「是非ともその方法を!」
「教えてくれ!どうやったらモテるんだ?!」
「アナタガカミカ?」
違う意味で騒ぎとなる
男はモテる方法を聞くが、
女性は遠巻きにヒソヒソ始める
女の敵にされそう…
女の子達を母親らしき人が引っ張って
遠ざけていく
ヤバい!俺の噂が勝手に独り歩きしていく!
どうやって誤解を解いたら…
「いや、何か色々誤解が…」
オロオロする影
花梨ちゃんって天然で言ってるのが更に
タチ悪いのよね
イライラする天音
…けどこれなら影に女が寄って来ないかも
「影!」
「風月!!」
助かった!!
輪の中に入る風月と七海
「どうだった?」
「やっぱり七海さん…」
あの慈海の事だ、
もうカムラへ行かせて貰えないだろう
「あ、あの、カムラへ行って…」
真っ赤でうつ向き、
何かゴニョゴニョ言っている
声ちっさ…
「?」
「むう?七海?どうした?」
空気の読めないイケメン、
だが逆に助かる
「里長にフドウ殿を捕まえろと
言われていたぞ?」
ボン!と頭から湯気が上がる七海
自己主張の激しい体型なのに、
こういう仕草が可愛らしい
「良かったね!七海さん!」
手を取り跳ねる天音、まさかあの慈海が
「あ、ありがとう、また料理の指導、
お願いしますね?」
「フドウさんの好き嫌い調べないとね!」
「…あの、キライな野菜を食べさせないと…」
「あ!そうか!」
うっわ!そこまで考えてる!
「…七海?」
「七海って…あの七海ちゃんかい?」
ギャラリーが不思議そうにする
「何でハンターのカッコしてるんだ?」
「確か滅多に外に出て無かったよな?」
「すっかり大きくなって」
「箱入りだよな?」
「カムラに?」
どうやら表向きはそういう事らしい
無事に花梨の謝罪も出来たし、
七海の方も何とかなった
「じゃあ帰るか、もう暗くなるし」
「そうだね、七海さん、晩御飯一緒に作る?」
「はい、あの、献立などは…
それによっては此処で買っても…」
「それならイッパイありますよ?」
花梨が指差す
ダンゴを持って来た風呂敷に大量の干物と燻製
…明らかに持って来た量より多くね?
「これ…影、持てるの?」
「影様にはさせません、出来るよね風月」
だから風月にはキッツイな
素直にチャレンジする風月だが
「うむ!これは無理だ!」
そもそも筋力自体は影より弱い
結局二人で持つ事に
「また来いよ!」
「花梨ちゃん!またおいで!」
「影と別れたら嫁においで!」
「影!モテる方法を!」
もういいや、なるようになれ…
諦めて桟橋へ向かい船に乗る影
「ロンディーネさん、お願いします」
…………
再びカムラへ戻って来た影達
「ありがとうございますロンディーネさん」
「なぁに、お役に立てて良かったよ」
ガルクの島に接岸する
「今後も何かあったら言ってくれ」
本心は貸しを作りたかったのだろう
吊り橋へ向かうが…あれ?
ガルクは?
「風月、七海さんが裏方って
知らなかったのか?」
「うむ、悔しいぞ?俺がなりたかったのだ」
『そりゃ無理でしょ』
四人の思いがシンクロする
隠密は狩りの腕はともかく、頭が必要だ
ウツシ教官だってフザケているだけで、
次期里長に選ばれる程の頭がある
「俺だって一応孫なのだぞ?」
「えっ?!」
どうやら慈海には複数の妻が居たらしい、
その中でも七海は直系、
風月は序列の低い方だった様だ
吊り橋を渡り家へ…あれ?
「むう?誰も居ないようだぞ?」
「!」
人の気配が無い!
篝火がタタラ場の前に!
「影!」
「あぁ!夜行だ!」
ガルクが居ないわけだ
「うむ!急ぐぞ!」
「花梨は初めてです!」
「モンスターの襲撃…ですよね」
五人は走り出す
…………
「大丈夫だ、俺の言う通りにやりなw」
笑うミハバ
「は、はい!」
直立で緊張しているイオリ
「うーん、俺が教えられる事あるかなぁ…君に」
自信無さげなナカゴ
「やっちゃうよーっ!」
はしゃぐヨモギ
今回二人はそれぞれの隊に入って、
経験を積ませる事になった
中間部、四機の昇降機の島、そこには
「緊張するな、お前達子供は必ず守る、
皆を信じろ」
出来るだけ優しく言うハモン
「は、はい…」
ガチガチのコミツ、影が居ないので
上空警戒に抜擢された
撃竜槍の上には
「どうであったウツシ?」
「はい、ディアブロスやティガも
混じっていますが…」
「どうしたゲコ?」
「最後尾にマガイマガドが数頭…」
苦い顔
「うむ、と言うことは…」
「最悪イブシマキヒコがまた来る…ゲコ」
「うむ、覚悟をしておこう」
振り返ると里長
「全員配置につけぇい!守り抜くぞ!
気炎万丈!!」
「気炎万丈!!」
「ぶおぉーっ!」
物見の法螺貝
第一の柵を飛び越えるモンスター
「ヨツミワドウ2!ナルガクルガ1!」
「影が居なくてもよぉ!」
「俺達だって強くなってんだぜ!」
「報奨取ってやる!」
一斉にハネナガや神部達が斬りかかる
「あ!…う、上!…リオレイア!」
自信無さげなコミツが指差す
「えー、と、こんな時は後退弾を」
「イオリ!コレだ!」
ミハバが装填してやる
「ナカゴさん!何でこっちは撃たないの?!」
近いのに!
「ヨモギ!真上では最大仰角まで
上げても無理だ!」
ナルガクルガに向かって撃つと
「それに一旦真上に向けたら
下に向けるまで時間が…!」
ナカゴは気づく、影の指示は凄かった、
ハンターだけではない、バリスタも
無駄な動きをさせていなかったのか!
納得出来る、里長が指揮させるわけだ
リオレイアが墜落する、
もちろんモンスターに当たらない…が
「僕達も弱くはないんでね!」
リオレイアを撃退する神部
「前だけで片付けてやるぜ!」
ナルガを撃退したハネナガ
それを見る中間部の30代
「前だけで片付きそうだなぁ」
アクビをするフドウ
「嫁さんに良いとこ見せる
チャンスだったのになぁw」
「ニシノへ行ってるって?」
「このヤロウ!上手くやりやがって!!」
皆でフドウの背中をバシバシ
「いででで!嫁は早いだろ!
また来るかも分からネェんだぜ?!」
照れている、明らかにテレている、
それがまたムカつく!
「よぉフドウ、もしも結婚するならよ?
二人の間にウソがあっちゃあイケネェよな?」
ニヤニヤ
「!、おぉ!そうだよな!」
「全部知らなきゃな!」
「隠し事はダメだぜ!」
全員がニヤニヤ
「あ、あぁっ!?どっどどういう意味だ?!」
しらばっくれるが、自然と兜を抑えるフドウ
「よし!皆で賭けようぜ!」
「フドウの頭を見ても付き合う方は
倍率何倍だ?!」
「付き合わねェに全員賭けるんじゃネェの?」
「それじゃあ賭けになんねぇや!!」
爆笑している中間部の30代
それを更に後方で見るベテラン達
「おいおい?士気が乱れてるぜ?w」
「どうするよヤクシ?w」
「あのヤロウ、浮かれてんのか?」
イライラする歴戦のツワモノ
「許してやれヤクシ、あれは決してバカ
じゃない、少し浮かれるのも仕方ないだろうw」
ゲンジもニヤニヤしている
「おい!バサルモスだ!」
「足止めしろ!」
榴弾を撃つ里守、バサルモスの動きが止まる
「こいつも何度も狩ってるからね!」
足元に走り込む神部、
「任せたぞ!神部!」
神部は大樽爆弾を置くと
「ヨモギ!頼んだ!」
そのまま横っ飛び
「まかして!」
正確に撃ち抜き
「ドォォン!!」
バサルモスの腹が壊れる
「でも名前呼ばないで!!」
「どうしてそんなに嫌うんだよぉ!!」
士気が高いし連携も何とか維持している
「影へフクズクは飛ばしましたが…
間に合うか…」
腕組みする里長
「避難民の受け入れ要請はしたゲコ、
影の耳に入ればあるいは…」
「ロンディーネ殿の船は
早い様ですからなぁ、間に合うでしょう」
ラスボスは悪魔っぽいデザインと予想してたら
アレですか、予想外れたよ
ランスが楽しい