「ベリオロスの攻撃はな」
「それなら先ずは体当たりだ、
体が長くて範囲が広い」
「あぁ尻尾が厄介だ、これも範囲が広い」
「あの単純な飛び掛かりだな」
「あ?簡単だろうって?」
「距離は無いが、溜めが無い上にほぼ
ノーモーションで来るぞ?」
…………
「なんかよぅ」
「ん?何だ?」
「俺達に対する態度がよぅ」
「あぁ、皆優しくしてくれるよな」
寒冷群島を翔虫で飛ぶ
着地すると
「特に姉御のパーティーは色々教えてくれたなぁ」
「痺れ罠まで貰っちゃったな」
何だか前とは真逆だ
「姉御、お前に気があるんじゃね?」
ニヘラと笑う
「冗談だろ」
五歳も年上、身長もガタイも声も態度も
大きい春香…ありえない
「お前じゃないのか?」
俺が言うのもなんだが少年っぽくて中性的、
男っぽさは全然無い美形、
歳上から可愛がられるだろう…
「姉御?ないない」
「いや、お前は無くてもな、
相手がそういう趣味があるかもしれないだろ?」
確かショタとか言うヤツが
…………
見付けた、高台から伏せて見る、
雪が冷たい、風はもっと冷たい
白銀の世界の中に真っ白いベリオロス
「迫力あるな」
デケェ……強そう、いや強いよな
「何か骸骨みてぇだぁ」
何だか余裕の時雨
「なぁ時雨、恐くねぇの?」
デカいし速いんだし
「んー?危なかったらリタイアすれば
良いだけだぜぃ?」
いやそうだけどさ
骨格はナルガクルガと同系統、なるほど聞いた
通り、だから飛び掛かるタイプか、
前足が発達してる、体の割には小さい
翼のために飛行は短時間
言われた事を思い出し情報を整理する
武器も鉱石系統だがハモンさんが強化して
くれたし、防具の傷んだ所も直して貰えた
皆に支えられてる
「俺達ってよ、色んな人に支えられてるよな?」
「俺も支えてやってるぜぇ?」
ニヘラと笑う
「逆じゃね?俺が支えてるだろ?」
時雨の顔で何だか肩の力が抜けた
飛び降りる
影は罠を設置、時雨はベリオロスの視界に
入る様に動く
「ほれほれ、こっち来い」
咆哮!そして時雨に向かって来ると
罠に掛かるベリオロス
「よし、翼に集中!!」
「鬼人化ぁ!!」
翼のトゲを斬りまくる
春香達に攻略聞いたから行動に迷いが無いわね、
だからって時雨はともかく影には無理だけど
「アヤメ」
「ちょっと師匠、突然来ないでよ」
いつの間にか後ろに立っているウツシ
「あの二人、どんな結果でも見届けたら
直ぐに戻れ」
「え?それって…」
「夜行が近いかもしれない」
険しい顔
「まさか!まだ2日ですよ?!」
普通は数ヶ月に一度だ
「前例は無いけどね、ディアブロス、
ジンオウガ、ティガレックス辺りが
変な行動してる」
「モンスターのレベルが…」
明らかに高い
「うん、次は総力戦になるかも知れない」
「時雨には本気でやらせないんですか?」
「アヤメ、誰にも言ってないだろうね?」
「言いませんよ、けど昨日のフルフル戦、
ソロで戦ってましたよ?
あの子普通に中堅クラスですよ?」
影が落ちた後
ブレス!!空中高く飛ばされ落ちる影
「ぐっはぁっ!」
雪の上でも痛い、衝撃で一瞬呼吸が止まる
追い討ちに飛び掛かり!
大ダメージ!
「影ィ!立てるかぁ!?」
閃光を投げて引き起こす
「スマン時雨、強ぇなコイツ」
本来戦うレベルじゃないモンスター、
鬼刃斬りなんて狙えない、動きが早い
回復薬を飲む
ベリオロスは飛び上がりホバリング
「ブレスだぁ!!」
「おう!」
難なく避けられたが飛び掛かってくる!
雪煙を舞い上げ、地面を削りながら回転して
着地、しかし横に転ぶベリオロス
「トゲ壊すとこうなるのか!」
「飛び掛かりで止まれないんだぜぃ!」
あのトゲはブレーキか!
斬りまくり、が、切れ味が持たない
「一回退くぞ!」
「あいよぉ!」
隣のエリアで回復と研ぎ
「影ィ、飛ばされた時な」
「解ってはいるんだけどな」
吹き飛ばされた時は翔虫を使って離れれば
追い討ちを避けられる、
説明は受けたがまだ出来ない影
「ガード出来る武器のが良いか?」
速くて追い付けない、迎え撃つ方が良いか?
「俺無理だぁ、出来ても片手剣だなぁ」
「お前って案外筋力無いのな」
フッ、勝ったな
「大剣なんか使ったらマッチョになるぜぇ?
モテそうにねぇよw」
「え…もしかしてお前って、モテる為に
努力とかしてんの?好きなヤツ居るのか?」
初めから顔が良いヤツが努力すんなよ、
俺が追い付けないだろ
「え?…え、えと…」
時雨が動揺?…チャンス!
時雨の弱み!!
「誰だよ?俺はヒノエ様、お前は?」
ニヤニヤする影
「あ、あのなぁ…」
しどろもどろ…
「お前は知ってるんだぜ?不公平だろ?」
さぁ言え!冷やかしてやる!
「あ、えーと…あの…」
「言えよぅ」
時雨の口調をマネする影
「よ…ヨモギ…」
ソッポを向く
「……ろ…ロリコ…」
「コミツよりはマシだろぃ!!」
…………
今度は水辺、足首程度の水がある、
やはり身を切るほど冷たい
「食らえぇ!空舞!!」
頭を軽く蹴ると
「ガリガリガリガリ!!」
四連斬り!!
「すげぇぞ時雨!」
「成長したろぃ!」
難なく着地
影の正面のベリオ、予備動作無しに
一歩前へ飛び掛かる
居合抜刀を!
「ぐはっ!!」
まともにブツかる
冷たい水に浸かると体が辛い
「大丈夫かぁ!?」
「あぁ!ダメージは少ねぇ!」
でもなんだよコレ!全然対応できないぞ!
「んぎゃっ!!」
時雨も食らう
「めんどくせぇよぃ!」
これが注意された攻撃か!
とてもじゃないが連続で斬れない!
スキが分からない!
ベリオロスは飛び上がりブレス、
影は空中高く飛ばされる
落ち着け!翔虫を!!
慌ててベリオロスに向かって
飛んでしまう!
急降下!
まともに衝突!!
「影ィッ!!」
…………
「………ん?」
気が付くとキャンプに居る影
どうやら力尽きたらしい
「お代はギルドから頂くニャ」
「毎度ニャ」
二匹のアイルーが満足気に去って行く、
この二匹に運ばれたようだ
「くっそー、あ…やべぇ」
アイテムを調べると回復薬グレートがもう無い
また道具が足りない
「リタイアするかぁ?」
時雨も到着
「くそっ…」
「お?悔しいかぁ?」
「当たり前だろ?」
「ふーん…悔しいと思える様になったんだなぁ?」
ジト目で見てくる時雨
「?」
「いつものお前なら、勝てるレベルじゃ
無いとか言ってたろぃ」
「そうか?」
……………
ギルドに帰ると
「お疲れ様です」
ミノトは居るがゴコク様が居ない
「お伝えしておく事があります」
ミノトからの指示は
『狩りに出るな』だった、
そして百竜夜行に備えろとのこと
ゴコク様は近隣の里と何やら交渉するために
出掛けたそうだ
今度の百竜夜行は大きいモノになるようだ
次の日
「起きろ影!」
「え?あぁ」
時雨に起こされた、いたずら無しで起こされると
逆に変な感じ
眠い目を擦りながら顔を洗う
「ちょっと来な」
いつもの時雨じゃない
「どこ行くんだ?」
「俺ん家」
なんでガルクの所に
「強くなりたいだろ?練習するぞ」
外に出ると里の雰囲気が違う
軒先に商品が無くなり閉店した様な店、
一心不乱に武器防具の修理をする
ハモンさんとミハバ、コミツもセイハクも
見えないしヒノエ様も居ない
その代わり
「オラ!打ち込み軽いぞ!」
「春香!いつもの威勢はどうした!」
「くっそー!レウスよりやりずれぇ!」
何人かのハンターが稽古している
備えている、里全体が
「次の百竜夜行が近いから採取だけにしろってさ」
先を歩く時雨
「呼び戻すのに時間掛かるからか…」
ヤバい、俺だけ気ぃ抜いてた
島に入ると
「あ、時雨さん、影さん!」
イオリと
「あ、おーい!!」
ヨモギもいる
「あ、あれ?ど、どうしてヨモギも?」
恐くない、恐くない
また両手を上げて歩く影
なんで皆平気なんだ…
「私達だって戦う練習したいんだ」
ヨモギの足元には、よりによって
ヘビーボウガンがある
「じいちゃんに貸してって言ったら
喜んで貸してくれたんです」
イオリの足元には、これまた重い
チャージアックス
「お、重くないのか?」
「背負って歩くのも辛いです」
二人とも苦笑い
だろうな
「影ィ!始めるぞ!」
木の棒を持つ時雨
「教官の授業以来か」
影も
「俺の攻撃に合わせて居合抜刀してみろぃ!!」
鋭い打ち込み!
「ぐあっ!!」
やっぱり出来ずに叩かれる
防具着てるから平気だけど
「時雨、本気だな?」
真剣になる
「マジだぜぃ」
ニヘラと笑うと
「食らえぇ!空舞!」
「ちょっとまて!それ人にやるのか!」
「問答無用ぉ!!」
ヨモギって何歳だろう?