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トレーナーサイド
大津と三鷹にしか住んだことのない自分にとっては、山陽電車はあまり馴染みがない。兵庫県には何回も行ったことがあるので、それの存在や車両の見た目などは知っている。
山陽姫路駅は山陽百貨店と合体した立派な駅だ。しかし、最高速度が低いことや私鉄あるあるの駅間が狭いことが災いしJRにスピード競争で負けていたり、運賃が若干高めと言った要因によって利用者数はJR姫路のそれの4分の1程度しかない。それでも人は多く行き交っており、列車の本数に関しても申し分ない。
JRと競合関係にあるがICOCAは使えるため、2000円チャージして入場した。青春18きっぷを使わないというのは少々もったいない気がするが、時間稼ぎができるなら仕方がない。今JR姫路に行っても捕まるだけだ。
4面4線、うち真ん中2線は両側にホームがあるというTHE・私鉄といった構造をしている。JR奈良も一部この構造らしいが、あれは例外だろう。
アナウンス「まもなく、3番線に阪神梅田行き 直通特急が6両で、到着します。危ないですから…」
一瞬梅田まで行こうかという考えもよぎったが、青春18きっぷを活用するために明石まで行くことにした。
やってきたのは阪神の…8000系だったか。運よく全車両転換クロスシートの編成だったので、席を確保。体全体に染み込んでしまった疲労を抜くために30分寝ることにした。
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周りがやけに暗く、たまに白い光がチカチカしている。車輪の音が反響してくるしここはトンネルだろうか。
アナウンス「まもなく 三宮 神戸三宮です」
三宮!?明石どころか神戸じゃねえか!!
どうやら30分寝るつもりが1時間寝ていたようだ。隣には…
マックイーンがいた…
完全に忘れていた、新快速は化け物過ぎて簡単に他の電車の先回りができてしまう。おそらく明石の時点では隣にいたのだろう。しかし、運がいいことにマックイーン、奥にいるグラスともに睡眠中。こっそりと抜け出せばバレやしないだろう。
荷物をまとめ、こっそりと席を離れる。
アナウンス「神戸三宮、神戸三宮です。お忘れ物のないようにご注意ください」
百貨店と一体化した駅から出ると、そこには大都会神戸の姿が。さすがは高さ100m超えの高層ビル数日本第3位言ったところだろうか。
足早に三ノ宮駅に向かい、なんとかして姫路戻る方法を画策しなくては。おそらく素直に新快速に乗ったとしても、追いつかれて捕まるだけだ。
アナウンス「間もなく4番乗り場に、14時07分発 新快速 米原方面近江塩津行きが12両で参ります」
敢えて大阪方面の新快速に乗ることにした。おそらくマックイーンたちは今頃折り返してくる頃だろうが、残念、彼女らが三ノ宮に着く頃には僕はもう脱出している。
若干混んでいて席には座れなかったが、大阪までは21分なので余裕だ。
左手を見れば山とその麓にある高級住宅街。右手を見れば大阪湾と煙突やコンテナクレーンの姿。神戸大阪間は見ていて飽きない景色が続く。芦屋には有名な野球選手が住んでいることで有名な六麓荘がある。位置エネルギーが芦屋の中心街と比べると高めなので、鉄道に乗っていて見ることはない。あくまで噂程度の話だが、住民の中でも有力な人がいて、その人と関わりがないと家を建てられないとかなんとか。まあ自分には全く縁のない話だ。まあ普通に関わっていそうなお嬢様のウマ娘から今逃げているわけだが。
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アナウンス「ご乗車ありがとうございました。間もなく大阪、大阪です。お出口は右側です。大阪環状線、西九条、弁天町方面と、関西空港、和歌山、奈良方面の快速電車・ユニバーサルシティー方面は1番乗り場…」
梅田の150m級のビル群を横目に、大阪駅に近づいていく。ポイントを幾つか渡り、近未来的な大屋根とビルに挟まれたホームに入っていく。スカーレットが大阪杯やエリザベス女王杯に出走していたため、よく来ていたがとても久しぶりに帰ってきた気がする。(地元は大阪ではないのだが)
いつの間にかホームドアが設置されていたのか、ということを考えつつ下車。
マックイーン達は時間的に次の次に来る快速に乗っていると思われる。なので、大阪駅での猶予は20分と言ったところだろうか。ある秘策があるため、準備をする。
ウマッターを確認すると、そこにはカレンの投稿が流れてきた。
《カレン、神戸に来ちゃった!! #カワイイカレンチャン #楽しい旅行》
カレンとマックイーンの姿とともに、背景には六甲山系が写っている。写っている座席が転換クロスシートかつ、内側線を走っていることから見るに快速に乗っているという予想はあたっていそうだ。
大阪駅の構造は案外シンプルなもので、ホームは11しかなく、特段入り組んでいるわけではない。梅田ダンジョンとか言われているのは、大方地下街と私鉄のせいである。なので乗り換えは珍しく余裕を持ってできた。
アナウンス「間もなく1番乗り場に、14時53分発 関空・紀州路快速 関西空港・和歌山 行きが…」
大阪環状線は山手線と同じような「大都市を回るやつ」と認識されているが、山手線の感覚的で大阪環状線に乗ると痛い目を見る。逆も然りだ。山手線は電子レンジみたいな顔をした電車がくるくる回っているだけだが、環状線はさも当然かのように快速電車とか特急も同じ線路を走っている。純粋な環状運転をする電車は15分に1本しかないため、適当に乗ってしまった場合、遠心力で飛ばされ奈良で鹿せんべいを食わされる羽目になる。というわけで今回はこれを利用し、ウマ娘たちを撒く。
電車が入線する。中に入ると見えたのは2+1というDXグリーンか何かかという程の座席。自分はお一人様なのでもちろん1列側に座る。
福島、西九条、弁天町と環状線内で快速運転をした後、天王寺からは大阪府第二の都市-堺を通り南下していく。ところで、電車に乗っているだけでウマ娘たちは罠に引っかかるのかと聞かれそうだが、その通りである。半ば彼女らが自爆してくれるようなものだ。
堺はともかく和泉府中までになってくると少しずつ田畑が見える。だんじり祭りで有名な阪南の中心的存在の岸和田…は南海に駅名を使われているためJRはの駅名は東岸和田を経由。みんな大好き水間観音など魅力的なところはあるのに一人の男によってインターネットミームと化してしまった貝塚はこの電車はスルー。
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アナウンス「まもなく、終点 関西空港です。今日もJR西日本を利用してくださいまして、ありがとうございました」
関西空港に到着。意外と大阪から遠かった。フェリーターミナルが空港のターミナルから離れていることが判明したため、バスで向かうことにした。フェリー出発15分前にバスがやってきた。ちらほらと周囲に人はいたが、ウマ娘はいなかった。
バスは5分でフェリーターミナルに着き、奥に待機していた定員110名の少々可愛らしいサイズのフェリーに乗り込んだ。高速船なのでシートベルトを付け、窓の外に広がる大阪湾と大阪平野を眺める。
アナウンス「本日は 神戸/関空 ベイシャトルをご利用いただきまして、誠にありがとうございます」
沿岸部を眺めて、あそこはさっき通った和泉市だの貝塚市だの考えていると少しづつ眠くなってくる。海は近くで見ると結構黒いが、この黒さがまた眠気を誘ってくる。
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アナウンス「ただいま 神戸空港 海上アクセス桟橋 に着岸いたしました」
温かい夕焼けによって眠気が誘われ、起きて気づいたら神戸空港だった。港湾施設やクレーンが見える。
船を降りてダッシュで神戸空港前のバス停に行くと、新神戸行きの神姫バスが待機していた。そのバスに駆け乗り、あっという間に三ノ宮についた。三ノ宮駅に入り、姫路の宿にさっさと行くことにした。
アナウンス「間もなく1番乗り場に、17時38分発 新快速 姫路方面播州赤穂行きが12両で参ります」
本日3回目の明石海峡大橋、須磨海岸、本初子午線。ぼーっとしていると、姫路に到着。西明石~姫路は記憶がない。人生で初めて起きながら寝るという体験をしたと思う。姫路駅を出る寸前でロッカー荷物を入れていたことを思い出し、急いでICOCAをかざして荷物を引っ張り出した。
今日の昼頃に予約したホテルにチェックイン、ビュッフェで食事を食べて満腹中枢を鎮めた後、ホテルの部屋のカードキーにカードをかざした。
ガチャ
堪えていた疲れがどっと体にのしかかる。ベッドに入りたくなったが、1日中逃走をした体は、汗や垢で衛生的とは言えないため、シャワー、着替え、歯磨きは済ませておくことにした。
<大学生の着替えとかシャワーなんて誰も興味がないと思うので省略>
ホテルの方が整頓してくれたベッドに入り、明日のためにきれいにした体で視界を闇に溶かす…
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マックイーンサイド
トレーナーさんに改札を通って逃げられてしまいました。こういうことがあることを考えていませんでしたから、召使いを用意できていませんでした。はぁ…
マックイーン「グラスさん、どうしましょうか。改札内に閉じ込められている以上、電車に乗ってどこかに行くしかなさそうですが」
グラス「トレーナーさんを素直に追いかけたら良いと思います。ここからいくらか路線がありますし、トレーナーさんがのる鉄道の並行するものもあるでしょう」
マックイーン「一か八かで大阪方面の電車に乗ってみませんか?」
このまま後手後手の行動をするよりかは、賭けに出て一気に捕まえてしまったほうが良いと思います。
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アナウンス「まもなく1番乗り場に、13時57分発 新快速 米原行きが12両で参ります」
トレーナーさん側からはこちらの位置情報は見えないので、待ち伏せや挟み撃ちもし放題です。こうやって賭けに出てもリカバリーは効きやすいはずです。姫路に来るまでに乗ったのと同じ種類の電車に乗って、トレーナーさんに対して先回りします。
私達は姫路から出発して行きますが、トレーナーさんはまだ残るようです。うまくいけば千載一遇の機会が作れそうですね。
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アナウンス「まもなく、明石 明石です。お出口は右側です。山陽電鉄線はお乗り換えです」
トレーナーさんに対してリードをキープしたまま乗り換えがある明石までやってきました。確かトレーナーさんは山陽電車に乗っていたので、ここで待ち伏せをすれば捕まえられるでしょう。JRから山陽電車のホームに移動します。
トレーナーさんが乗っている直通特急がホームに入ってきます。GPSが若干ずれていますが、トレーナーさんが車両の前の方にいることがわかりました。1号車を探してみると、いました。窓に顔を寄りかけ、気持ちよさそうに寝ています。グラスさんは通路を挟んだ反対側の席に、私はトレーナーさんの隣の席に座らせてもらいました。
トレーナーさんの腕に抱きつき、スリスリと頬をこすりつけます。前にトレーナーさんが「バカップルが公衆の面前でイチャイチャしていてね…ちょっとは抑える気にならないのかな」と言っていた気がしますが、私達は今まさしくそのバカップルです。隣のグラスさんから強烈な視線を感じますが気にしてはいけません。いつの間にか温かさが伝わってきます…少しずつ眠たくなって来て…ぁ……
起きると、先程の大阪湾が広がる景色とは打って変わって、地下を走っていました。隣にトレーナーさんはいません。
マックイーン「グラスさん!いまトレーナーさんはどちらに?」
グラス「今、三ノ宮というところにいるみたいです!私達が寝ている間に電車から降りてしまったようです…」
マックイーン「早く折り返して行きましょう!!」
グラス「そうしましょう」
御影駅というところで電車を降りて、トレーナーさんがいる三ノ宮まで戻ります。うぅ、私としたことが、こんなことになってしまうだなんて…
グラスさんには謝りましたが「まあトレーナーさんのことですから、寝ていなくくても強引に逃げ出すと思っていたので大丈夫です~」と許してもらいました。
トレーナーさんがいた三宮まで来ましたが、私達が着く直前で逃げられてしまいました。大阪の方まで行くというのは合っていましたが、どうしたら追いつけるのでしょうか。
マックイーン「JRの三ノ宮まで行って、トレーナーさんを追いかけましょう」
グラス「急いだほうが良いですね、と言いたいところですが、一旦合流したい人がいます」
マックイーン「チームのメンバーのうちの誰かですか?」
グラス「お察しの通りです♪」
そこには、可愛らしい丸々とした目と芦毛、少しトリッキーなコーデをしたインフルエンサーがいました。
カレンチャン「お兄ちゃんを捕まえるために、一緒に頑張ろうね!」
マックイーン「3人共々、気合を入れていきましょう!」
グラス「きっと、私達ならできるはずです!」
3人で意気投合して、トレーナーさんを追いかけることに対する決意を改めて固めました。大阪まで早くつくとアナウンスがあった快速電車に乗り、急いで東へと向かいます。
カレン「ウマッターとウマスタに、お兄ちゃんを追いかけているから協力してほしいって書けば、みんなの協力が得られるんじゃないのかな?」
グラス「確かに、私達3人で追いかけるよりかはとても効率的ですね」
GPSがあるとはいえ、チーム全員が集まっても6人しかいないという状況では挟み撃ちなどをしても前の姫路のように逃げられてしまうかもしれません。あと、GPSが壊れてしまったりトレーナーさんにバレてしまったときのためにも、カレンさんのファンの力を借りるというのは賢明な判断と言えるでしょう。
カレンさんが
《カレン、神戸に来ちゃった!! #カワイイカレンチャン #楽しい旅行》という投稿と、
《カレンの大事なお兄ちゃんがどこかに行っちゃった!写真のような格好をしているから、見かけたらカレンに教えてね!!#カレンの大切な人 #拡散希望 #カワイイカレンチャン》という投稿をしました。カレンさんは今日の姿のトレーナーさんの写真を持っていなかったので、私が盗みd…撮影したものを使ってもらいました。
あっという間にいいねやリツイートがされて、コメントもいっぱい来ています。さすがは有名なウマスタグラマーといったところでしょうか。この勢いで拡散されれば、有用な情報もたくさん集まるでしょう。
トレーナーさんは今まだ大阪駅にいるようです。なにか策略があるのかもしれません。警戒しなくては。
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アナウンス「ご乗車ありがとうございました。間もなく大阪、大阪です。お出口は右側です。大阪環状線、西九条、弁天町方面と、関西空港、和歌山、奈良方面の快速電車・ユニバーサルシティー方面は1番乗り場…」
トレーナーさんがいた大阪駅まで来ましたが。彼は大阪環状線に乗って逃げたようです。
近未来的な駅に電車が入っていきます。上には流線型をした大きな屋根、両側をとても高いビルに挟まれているという豪華な作りになっています。今度トレーナーさんとじっくり見て回りたいものです。まあ、それもトレーナーさんを捕まえないことにはできませんが。
グラス「ここが大阪駅ですね~トレーナーさんと何回か来ましたが、やっぱりすごいですね」
カレン「お兄ちゃん、大阪環状線?っていうのに乗って逃げているようだよ」
マックイーン「こんなに大きな駅だと、迷わないのでしょうか…」
カレン「あ!あっちに乗り換えの案内があるよ!これに従ったらいいんじゃないのかな」
グラス「大阪環状線は、1番乗り場みたいですね。そんなに離れているわけではなさそうです」
人混みをかき分けて歩いていくと、思っていたよりもかなり早く1番乗り場に着きました。環状線なので、次に来る電車に乗ったら良さそうです。
やってきた快速電車乗って、トレーナーさんと同じ路線を通っていきます。が、位置情報をこまめに見ていたグラスさんがなにかに気づいたようです。
グラス「トレーナーさん、環状線から他の路線に乗り換えずに行っていますね」
乗り換えをせずに環状線から抜けたようです。なぜでしょうか。2人で首を傾げていると、カレンさんがなにかに気づいた様子を見せました。
カレン「お兄ちゃん、前に『大阪環状線は和歌山とか関西空港の方に直通する快速が走っている』って言ってたよ!」
成程、トレーナーさんはその直通する快速電車に乗っていたわけですか。
グラス「今乗っている電車も、快速のようなので、和歌山の方に行くんですかね?」
マックイーン「おそらくそうですわ。乗り換えの手間が減って助かりますわね」
天王寺というところから私達の乗る電車は走る路線を変えたようです。直通する快速というのは合っていましたが、どうやら変なことが起きているようです。
グラス「あれ…?トレーナーさんは南に向かっているのに、私達は東に行ってますね…」
カレン「あれ?カレンたち、ちゃんと快速に乗ったよね!?」
マックイーン「カ、カレンさんのファンの方に聞いてみましょう。鉄道に詳しい方がいるのではないのですか?」
グラス「それが良いですね」
とりあえず、久宝寺という最初の駅で降りて、カレンさんのフォロワーから返信された答えを確かめます。
《大阪環状線には昼間に大和路快速と関空・紀州路快速という2種類の快速があって、おそらくトレーナーさんは関空・紀州路快速に乗ったので南に行って、カレンさんたちは大和路快速に乗ったから東に行ったのだと思われます》
《天王寺ってところまで引き返して、関空・紀州路快速っていう銀色の快速に乗ればトレーナーさんと同じ方向にいけますよ》
どうやら、快速は快速でも違うのに乗ってしまったようです。私達は急いで引き返して、天王寺ってところまで戻りました。なんとかスマホで調べつつ乗り換えて言っていた快速に乗ることができましたが、私達が乗る頃にはトレーナーさんは大阪府の南端に近づいていました。
カレン「グラスさん、マックイーンさん、ごめんなさい!カレンが間違いに気づかなかったばかりに」
マックイーン「いえいえ、自分を責めないでください。私に非がありますし、誰が悪いかという話は大事ではありません」
グラス「私がもう少し早く気づいておけなかったのが悪いのです。すみません。」
グラス「ですが、マックイーンさんの言う通りです。あんまりくよくよしていても仕方がありません。今はトレーナーさんを追いかけることに専念しましょう。」
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アナウンス「まもなく、終点 関西空港です。今日もJR西日本を利用してくださいまして、ありがとうございました」
グラスさんが位置情報を確認しまていますが、かなり焦っている様子です。
マックイーン「どうしましたか?かなり焦っているように見受けられますが…」
グラス「トレーナーさん、海に逃げようとしています!」
カレン/マックイーン「う、海に!?」
グラスさんのスマホに表示されているトレーナーさんの位置情報は、確かに海の上を示しています。ですが、海岸から数メートル離れただけなのでもしかしたらGPSの誤差かもしれない。そう思いかけましたが、トレーナーさんのいる場所の近くにはなんと「フェリー港」の文字が。
マックイーン「フェリーって…トレーナーさん、海外にでも行っちゃうんですか?」
カレン「いや、お兄ちゃんのパスポートは3ヶ月前に期限が切れてるから大丈夫だよ」
カレンさんはパスポートの期限まで把握しているだなんて…私もまだまだですね。もっともっとトレーナーさんのことを知っておかなくては。
グラス「じゃあ、トレーナーさんはどちらの方へ?」
カレン「わからないけど、追いかけるしかないよ!」
適宜トレーナーさんの位置情報を確認しつつ、フェリー港まで走っていきます。ですが…
グラス「出港、しちゃいました…」
トレーナーさんを示す点が、少しずつ桟橋から離れていきます。
調べてみると、次の神戸空港行きのフェリーは1時間半後。悠長に待っている時間なんてないのに、痛いです。
マックイーン「次のフェリーを待っているよりも、来た道を通って神戸まで行くのはどうですか?」
グラス「そうですね。船に乗ってしまうよりも、鉄道に乗ったほうが臨機応変に対応できるでしょうし」
カレン「カレンも賛成!」
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再び関西空港駅に戻って来て、ちゃんと大阪に行くということを確認してからJRの快速電車に乗りました。トレーナーさんを捕まえたら、鉄道の知識を教えてもらうのもありですね。
大阪につき、神戸方面の電車に乗って真っ黒な瀬戸内海に浮かぶ船の明かりを眺めていると、グラスさんが声をかけてきました。
グラス「トレーナーさんは、姫路の駅前のホテルに宿泊しているようです」
カレン「うん、フォロワーさんがお兄ちゃんが姫路のホテルにいるって言ってるね」
マックイーン「流石に、ホテルに乗り込んで捕まえるというのはできませんよね…」
どうしましょうか。トレーナーさんが出てくるところを待ち構えれば捕まえられるかもしれませんが、徹夜しなくてはなりませんし、学生という身分上、夜中に外に居続けるというのは避けたいものです。
グラス「今から予約…というわけにも行きませんしね…」
カレン「マックイーンちゃんの別荘に泊まるとかはできないの?」
マックイーン「芦屋なので…少々姫路からは離れていますが、野宿するよりかはかなりマシです」
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というわけで、グラスさんとカレンさんを芦屋の別荘に招きました。2人と食事や風呂を済ませ明日に備えて早く寝ることにしました。
カレン「マックイーンさん。カレン、お兄ちゃんをちゃんと捕まえられるかな」
マックイーン「そう不安になることはありません。私達ならきっと…いや、捕まえてみせます」
カレン「そうだよね!ありがとう。マックイーンさん」
明日への希望を胸に、私達は眠りにつきました。
感想を書いていただけると幸いです。