第十二話
あれから一か月ほど経っただろうか。
「さてと、僕が二日休みとは言え本当に家に遊びに来るんだから。しかも寝泊りで。」
昨日散歩中にたまたま会って、休みだからってこと伝えたら家に来て、明日も休みですかと聞かれて、そうだよって答えたら、じゃ、泊まっていいですよね?って言われて、最初は確かに違うところにいたはずなのに、朝起きたら隣にいるしでもう散々どころか何が起こってるのかも分からないほど。
朝ごはんを食べたはいいものの、今日はものすんごく暇な日なので何をしようかめっちゃくちゃに迷う。すると美晴から、
「この前マネージャーさんの家に遊びに行ったときにやったゲーム、もう一回やりたいです。」
と言われたので、
「せっかくなら二人で対戦する?」
と、いわゆるバトルを申し込んだところ、めちゃめちゃ乗り気になった。
さすがにハンコン二個持つような財力は無いので僕はハンコン、美晴はパッドでやってもらうことにした。とりあえずスタートのやり方が普通のゲームとは少し違うのと軽い操作説明していざ勝負開始。
とは言いつつも、僕の車種は遅めのやつにして手加減をしたつもりなのだが、美晴本人は少し不服そうな顔をしている。もっと手加減してほしいのか、それとも同じレギュレーションにしてバッサリと負かしてほしいのかはたまたそれらとも違う何かを望んでいるのか・・・。
第一戦が終了したのでレギュレーション変更をする。本人に聞くのが一番なのだがそこからケンカするのは絶対避けたいのでとりあえず車種を二人で同じにし、ドライバーとプレイする道具だけが違う状況にする。
これでは当然美晴が勝てるポイントなど全く無いのだが・・・。当の美晴はなんだが嬉しそう。やはり全力で負かしに来てほしかったということだろうか。そんなこんなで第二戦開始。当然僕の勝ち。思いっきり美晴を負かしたわけになる。それでスッキリしたのか第三戦はやらなかった。そして部屋を見ていた美晴が、
「あ、懐かしい。」
と声を上げたのでその写真を見てみると、
「もう一か月くらい前の話か。懐かしいなぁ。」
その写真は、AiRBLUEの16人で江の島に行ったときに撮った海の写真だった。
「ちょうどいい。今日一日暇なんだし、もう一回行かない?」
「行きますよ、マネージャーさん。」
ということで持ち物持って早速車を走らせて一路江の島へ。
まぁ海なんか行って泳ぐわけじゃないけど。まず秋って海泳げるのやら。
移動中は近況のこととか思い出話を色々話し、カーオーディオはいつものAiRBLUEの曲を流して走ること1時間半ほど。駐車場に車を停めて、新江ノ島水族館へ。江の島に来たら結局僕はここに落ち着く。傍から見ればデートのような感じである。まぁそんなこと僕は微塵も思ってないんですがね。彼女は声優で僕は担当マネージャー。関係はそれ以上でもないしそれ以下でもない。
一通り水族館の中を見た後は、ショップで買い物。僕は買う物は特に無かったので外で待っていたが、美晴はチームのみんなへのお土産を購入。ストラップみたいな普通の日常生活でところどころに使えそうなお手頃なものを買っていた。これでとりあえずのやることは全部終わったので帰路に就くことにした。
帰りの道中、最近のWindについて聞いたところ、前の落ち込みが無かったかのようにもうすっかり元に戻ってるそう。お酒飲もうと言い出すなり、莉子が賛成してまほろがまたこの流れ?ってなって絢がオレンジジュースでよければ乾杯したいって。もう何一つ変わったところがない。と同時に急に美晴から感謝を言われてびっくりして聞き返した。
「何も感謝されるようなことやってないけど?」
「あの時に出かけて無かったら、私たちはきっとあの時のままでしたよ。今でも。だから私、マネージャーさんにはすごく感謝してるんです。」
「そうかなぁ。そんなことないと思うけど。でもありがとう。受け取ってはおくね。」
一日マネージャーの家にいたことを考えるとそろそろ寮にいないとヤバめな時間になっていたので美晴を寮まで送り、ようやく終了。突拍子もなく始まったけど、まぁ楽しい1日と半分だった。
どうも作者です。ようやく仮の最終回を迎えられました。仮っていったのは番外編が投稿できればあと二話ほど投稿できたらな~と思ってるからです。どんな話しかはお楽しみに。ではまた。