真夏の青と灰色と虹   作:セントレ

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推し編
vol.1~陽菜編~


それは、16人みんなで江の島へ行った、それからの2週間ほど経ったころの平日のことだっただろうか。

仕事をしていた時、突然陽菜に声をかけられた。その時には僕と陽菜の二人しかいなかったから僕に何か相談があるのかと思ったが、髪の結び方がいつもと違うし、勝負リボンとも言えるピンク色のリボンを付けている上、どうも陽菜が赤面しているような感じだったので、いつもの相談ではない何かだろうと思い、軽く身構えたのを覚えている。

 

「マネージャーさん、今週末、空いてますか・・・?//」

 

「うん?今週末?特に予定は無かったはず・・・。どうかした?」

 

「マネージャーさんと一緒に出かけたいな・・・って。/」

 

「いいけど・・・どこへ?」

 

「う、海に行こうかなーって...///」

 

「ほえ?海に?」

 

「だめ・・・ですか?」

 

そ、そんな顔されたら、断れないじゃないか・・・(どんな顔かはご想像にお任せします。)

「まあ、いいか。付き合うよ。今週末だったよね。分かった。」

 

「本当ですか?ありがとうございます!」

やった~!とでも言いたげにはしゃぐ彼女を見つつ、とりあえず何か起きないように頭に手を乗せて落ち着かせる。

 

「マネージャーさん・・・?」

 

「時々その髪型にしてるよね。好きなの?その髪形。」

 

「え、はい。だってマネージャーさんがこの髪型好きだから...」

 

「うん、好きだよ。だっていつも以上に陽菜が可愛く見えるから。」

僕は陽菜の頭を撫でながら答える。

 

「マネージャーさん......///」

 

「さて、用件が済んだらそろそろ戻った方がいいんじゃない?レッスンの時間近いでしょ?」

 

「あ、もうこんな時間。マネージャーさんありがとうございました。」

 

「はいよ。週末、楽しみにしてるね。」

 

「はい。」

 

そういうと彼女はレッスンに遅刻しないように少し小走りで戻っていった。

 

「......さて、勢いで言ってしまったけど、どうしたものか・・・。」

 

別に陽菜とのお出かけが嫌いなわけではないが、特に何も決まっていないので。海に行くと言っても、入るなり、見るなり、出来そうなところで釣りするなり(釣りなんてできないけど)、色々と楽しみ方がある。まぁ、当日分かるのかなぁとは言え、少し不安なのは確かだ。

 

 

翌日、散歩中にたまたま陽菜に会ったので週末のことを聞いてみたところ、

 

「陽菜が行きたいところとか、ある?」

 

「いえ...特には無いです。私はマネージャーさんについていきます。」

 

「ちなみに土日に跨っちゃってもいい?」

 

「大丈夫ですよ。」

 

スマホで少し経路と時間を調べ、最低限の情報を陽菜に伝える。

 

「土曜日6:20事務所前で待ち合わせね。それと一泊分の荷物は用意しておいて。」

 

「分かりました。どこに行くんですか?」

 

「それは当日というか着いてからのお楽しみ。安心して。天気良ければすっごくいい景色が見えるから。」

 

「そうなんですか?期待してますね。」

 

「うん。期待してて。それじゃ、当日に。」

 

「はい!」

 

昨日よりもさらに楽しそうに陽菜は帰っていった。

 

「さて、明日。大点検して走らせておこうかな。」

 

 

翌日、出発の時間が朝早く、出発前点検などやってる時間がほぼ無いので今日のうちにやっておこうと思い、エンジンをチェックする。結論全く問題なし。次は実走。アイドリングの回転数、水温、油圧などエンジンの状態を示す数値が通常なのを確認。そのまま少し走って、ガソリンを満タンにさせて、点検終了。終始問題は無かったのでおそらく明日も車自体は事故が起こらない限り、大丈夫であろうと考えた。ただ問題は天気。まぁ夏だから気候上、目的地は晴れの傾向が強いとはいえ、確率的に高いだけ。いつでも晴れとは当たり前だが分からない。天気予報を確認したところ晴れだったので一安心。

 

 

そして当日。

出発が遅れたら大変なことになるので待ち合わせ時間の10分前に到着。その5分後陽菜が到着。

 

「マネージャーさん、おはようございます。」

 

「おはよう陽菜。とりあえず荷物は最低限のやつ近くに持っといて、それ以外は後部座席に入れといて。あと、水これでいいかな?」

 

事務所に来る前に買っておいたもも味のいろはすを見せた。

 

「大丈夫ですよ。ありがとうございます、マネージャーさん。」

 

「今日は長い旅路になるからね。さ、時間も押してるし早いこと出発しようか。」

 

「はい。」

 

なんとか目標としていた時間までには出発できた。なぜ目標時間が大事なのかと聞かれたら答えは一つ。目的地へは船を使わないと絶対に辿り着けないから。遅れたら...そういうこと。パーになります。

 

道中はいつも通りAiRBLUEの曲を流して快走していく。

移動中、陽菜が不意に口を開いた。

 

「マネージャーさんは私たちの曲で、何が一番好きですか?」

 

「一番はカレイドスコープ一択かな。あの曲には一目惚れしちゃったよ。」

 

「そうなんですか?私、マネージャーさんは一目惚れとかしない方だと思ってましたけど・・・。」

 

「僕もまさかっていう感じだよ。あの曲一回聞いたそれだけで魅せられるとはね。」

 

「じゃあ、チームシングルだと何が好きですか?」

 

「それが一つに絞れてなくてねぇ...とくにチームシングル05~08のカップリング曲がみんな良すぎて...」

 

「カップリング曲なんですか?」

 

「メイン曲というよりかはカップリング曲のほうだね。加えて言うと、チームシングル05~08のカップリング曲に絞るんなら、一位がField of Flowers、二位が残り全部って言うくらい全部良すぎて決まらないの。」

 

「でも、一位は私たちの曲なんですね。」

 

「そうだね。あの曲けっこう日常を歌って言うような感じがして好きかな。」

 

「曲の中のフレーズとかで好きなところは無いんですか?」

 

「ラスサビの陽菜からの『笑っていよう。いつだって空は綺麗だから』」が好きかな。」

 

「そ、そんな。恥ずかしいです...///」

 

「でも本当なんだって。これのおかげでなんかいやなことがあっても、前を向けるような気がして。」

 

「マネージャーさん...ありがとう、ございます・・・///」

 

「せっかくなら今流す?」

 

「えっ?」

 

「さっきまでスマホで流してたからね。ちょっとスマホのやつ止めてもらえる?」

 

「はい、止めましたよ。マネージャーさん。」

 

「ありがと。んでこれを56曲目にすれば・・・。よし、再生と。」

 

車のスピーカーからField of Flowersが流れて来た。まあ当たり前なんだけど。

 

それからちょっとして、サービスエリアに入る。

 

「はい、ここらで一旦トイレ休憩。外の空気でも吸ってこようか。」

 

「はい。」

 

用を足し終わり、ハイウェイ情報ターミナルで渋滞情報を見つつ、陽菜を待つ。

今のところ目立ったような渋滞もなく、時間も予定通り。このまま行けば予想通りの時間に到着できるはずだ。

そのあと、陽菜も戻って来たので再び車に乗り込み、旅路を再開。

今のところ車のほうにも異常は何もないし、陽菜もちゃんと水を飲んでいるので脱水症状が~みたいなことにはならなさそうだ。

その後も事故や渋滞に巻き込まれることもなく、無事に想定時間通りに新潟港へ到着。

港の待機所に着いたときに

 

「マネージャーさん、今日はどこへ行くんですか?」

 

と、今日初めて目的地についての質問を受けた。まぁここまで来たら答えは一つしか無いんだけど、考えさせるわけにもいかないのでとっとと言ってしまう。

 

「佐渡島だよ。ここに行くのに丸一日かかるから、一泊分の荷物用意してねって言っておいたんだ。んじゃ、フェリーのチケット発券してくるから。ちょっと待ってて。」

 

「はい。」

 

早急に発券作業を終わらせ、車に戻る。

 

「ほい、お待たせ。」

 

「この後は何するんですか?」

 

「この後は乗船時間まで特に何もないからそこのターミナルで待とうか。確かお土産なんかもあそこに売ってるよ。」

 

~数十分後

 

「さて、そろそろ時間かな。車に戻ろうか。」

 

「はい。あの、マネージャーさん。船ってどれぐらいの時間乗ってるんですか?」

 

「これから乗るのがカーフェリーだから、2時間30分だね。」

 

「その間、何して過ごすんですか?」

 

「まぁ色々だね。毛布が有料だけど配られるから、それにくるまって寝たりゲームしたり。あとは船の甲板に乗って景色眺めたりね。」

 

 

「さて、そろそろ動くかな。」

 

「あ、動きましたよ。」

 

「シートベルト締めたね、よし、出発。」

 

「ここから振動気を付けてね~」

 

その瞬間、船に乗ると同時に

ガガガガガガという、船の中特有の振動が発生し始めた。

 

「ふ、船のながっで、ごんなにゆれるんでずがああ。」

 

「ま、まぁこの部分だけだがら、大丈夫だよおお....。」

 

「はい、到着。エンジン切ってと。さ、船の中に行くよ。」

 

「はい。あ、床が凸凹・・・。」

 

「そ。それがさっきの振動の正体。滑り止めなのかもしれないね。」

 

「そうですね。」

 

「あんまりお金なくて2等じゅうたんでごめんね。」

 

「私なんて船に乗ったことないですよ、マネージャーさん。」

 

「あ、そうなんだ。じゃあ、今回が初フェリー?」

 

「そうですよ。」

 

「なら、最初はじゅーたんでもいいのかな・・・?お、着いた。ここの空いてるところは自由に使っていいけど...どうする?」

 

「じゃあ、ここにします。」

 

「了解。じゃ、出港までしばらく待とうか。」

 

「そうですね。」

 

少ししてから。

ドワァァァァァァァァァンバァァンバァァンと出港を知らせる音を船内に発し、船はゆっくりと新潟港を出港。

港では職員の方が見送りに手を振っており、僕らも振り返した。

 

「さて、僕はちょっと飲み物を買ってくるから、陽菜は待っててもらえる?」

 

「マネージャーさん、私も一緒に行っちゃ、だめですか?」

 

「いや...別に構わないけど、とりあえず荷物は場所確保のために置いといて、行こうか。」

 

「はい。」

 

近くの自販機に移動し、個人的な佐渡汽船名物コーヒー牛乳を購入。

自分たちのところに戻ってから飲んだわけですが・・・。

 

「うん、やっぱり佐渡汽船と言ったらこの味だなぁ・・・。」

 

「マネージャーさん、美味しいですねこれ。」

 

「でしょ?佐渡汽船乗るたびに毎回買ってるんだよこれ。」

 

その直後、毛布の貸し出しが始まったのでとりあえず陽菜の分だけ借りてきた。

最初はテレビに映る全国高校野球選手権大会通称夏の甲子園の中継を見ていたが、まぁずっと見ていたら飽きていくわけで。ちょうど時間も良い感じになったので陽菜に一つ、提案をした。

 

「せっかくなら甲板行かない?」

 

「行きます。」

 

「風が強いことあるから、帽子は置いておいたほうがいいと思うよ。」

 

「あ、分かりました。」

 

「吹き込んでくるから気を付けてね。」

 

「わっ!すごい風。」

 

「外出れば、ほらね。」

 

「あ、風が・・・すごい景色・・・!」

 

「ね?一面海~なんて船の上じゃないと見られない気がする。」

 

「すごい綺麗ですね。」

 

「夏だから日本海も安定してるしね。」

 

「せっかくだし、少し写真でも撮ったら?」

 

「そうします。」

 

しばらく写真を撮ったあと。

 

「さて、そろそろ戻る?」

 

「そうします。」

 

元のところへ戻ってきてすぐ、陽菜はどうも眠そうに見えた。

 

「陽菜、眠い?」

 

「はい...少しだけ。でもせっかくマネージャーさんが連れて来てくれたんだし、起きてないと・・・。」

 

「無理しなくていいよ。せっかく毛布まで借りてきてるんだから。ゆっくり休んで。向こう着いてからがスケジュールタイトだから。あと2時間近くもあるからさ。ゆっくり休んで。」

 

「はい...分かりました。マネージャーさん、おやすみなさい・・・。」

 

「近くなったらちゃんと起こすからさ。おやすみ、陽菜。」

 

それから少しして。

 

「すぅ...すぅ...」

 

「陽菜?よっぽど疲れてたのかな・・・。もう、寝顔まで可愛いなんて反則だよ...」

と言いながら頭を撫でていると、

 

「んんん...マネージャーしゃあん・・・。」

 

「一体どんな夢を見ているのやら(笑)

さて、もう少しやりたいことやってきますかね。」

僕はもうしばらく写真と撮って、売店を見た後、客室に戻ってきて、しばらくテレビと陽菜のかわいい寝顔を見ていたのでした。

 

それからしばらく経って・・・

 

「陽菜、起きて。そろそろ到着だよ。」

 

「んん...あ、マネージャーさん。おはようございます。」

 

「そろそろ毛布の返す時間になるから。」

 

「はーい。」

 

「窓の外、見てごらん?」

 

「何かすっすら大きなものが・・・。」

 

「あれが佐渡島だよ。さ、ちょっと早いけど降りる準備しようか。」

 

「分かりました。」

 

その後毛布を返して、ゴミを捨て、忘れ物が無いか確認して、車に戻ってきた。

 

「またこの後も乗るときみたいに振動あるから気を付けて。」

 

「わかりました。」

 

振動を抜け、船を降りたタイミングで景色が開ける。

 

「ここが佐渡島ですか?」

 

「うん。もう船降りたからね。ここが佐渡島だよ。とりあえず、今日のうちに行きたいところ行こうか。」

 

「はい。」

 

両津港から車を進めること15分。着いたのはトキの森公園。

 

「さ。着いたよ。ここらで少し観光しようか。」

 

ここは佐渡に生息する貴重な鳥「朱鷺」を間近で見ることができる施設。

日本だけに生息している鳥ではないものの、生息地は少なく、個体数も少ない。

 

そんな施設も見終わると、いよいよ本題。この後はもうホテルに移動するだけなのだが、せっかく移動するなら海を見ながら移動しようじゃないかと。運転時間が長くなるのでお互いトイレを済ませ、移動開始。

佐渡の縁をなぞっているその名も佐渡一周線を通っていく。縁を通っているので当然景色は海が見える。車を進めること1時間。

 

「ここが赤泊港だよ。」

 

「港って言う感じがあんまりしないですけど・・・。」

 

「残念だけどこの港、もうほぼ動いてない状態なんだ。利便性は良かったらしいんだけど、船が小型でね。高速船に換わったんだけども、それでも乗客が全然いなくて。最終的に2019年の5月に廃止になったんだって。」

 

「そうなんですか。」

 

「僕の持ってる2018年の時刻表はまだ『運休』っていう表記だったけどね。そのまま廃止にされたみたい。」

 

そこからさらに進めること30分。

 

「ここが小木港。帰りはここから帰るからね。」

 

「ルート違うんですか?」

 

「せっかくなら違うルートで行き帰りしたいからね。」

 

そこからさらに走ること数十分。普通なら数十分で行けるところを2時間以上かけて移動。

 

今日はもう時間もないしお互い長旅の疲れが出て来ていたのでもうホテルに入って休むことにする。

 

「ホテル、部屋一つでごめんね。」

 

「全然大丈夫ですよ。」

 

早いことチェックインして、部屋に入る。

 

「ふぅ、今日は疲れた~。」

 

ここまで長時間運転したのは久しぶりだ。それもトンデモなく。

 

「マネージャーさん、お疲れ様でした。」

 

「ありがと。あそうそう。明日も朝早いからシャワー行って、寝たほうがいいよ。ここ温泉もあるってなってたはず。せっかくだし行ってみたら?」

 

「マネージャーさんは行かないんですか?」

 

「僕はそこのシャワーで済ませようかな。」

 

「そうですか..じゃ、お風呂行ってきますね。」

 

「行ってらっしゃい。部屋番号確認しといてね。」

 

「はーい。」

 

陽菜を見送った後僕もとっとと風呂に入り、上がって陽菜を待つ。

僕が上がって少しして、陽菜が部屋に戻って来た。

 

「さてと、ご飯にしようか。」

 

「はい。」

 

ホテル来る途中にスーパーで買っておいた物たちを開封したりお湯入れたりして夕食にした。

 

『いただきます。』

 

「うん。やっぱりおいしい。」

 

「ん。お、美味しい・・・!」

 

 

『ごちそうさまでした。』

 

「さて、ゴミ整理してちょっと外出ようか。」

 

「外、ですか?」

 

「そう。ちょっとだけ付き合って。」

 

「はい。」

 

陽菜と一緒に駐車場へ。少し山あいのホテル取っといて良かったなぁと思える。

 

「上見てみな。」

 

「うわ、すごいきれい...」

 

「ね?言ったでしょ?」

 

見上げればそこには満点の星空。それも東京と違って光も少ないので見える星の数も桁外れだ。

 

「マネージャーさんはこれを私に見せたくてここに来たんですか?」

 

「まぁそんな感じだね。すごい綺麗でしょ?」

 

「はい・・・。」

 

 

「さてと、そろそろ戻って寝ようか。」

 

「はい。」

 

部屋に戻ってきて、時刻も9時を指し、いい頃なのでさっさと寝ることにした。

 

「おやすみ、陽菜。」

 

「マネージャーさん、おやすみなさい。」

 

 

翌朝6時に起床。

 

「陽菜、おはよう。」

 

「マネージャーさん、おはようございます。」

 

本当はバイキング形式の朝食、と行きたいところなのだが、今日は全く朝の時間は無いので昨日スーパーで買っておいたパンやらお菓子やら味噌汁やらを朝食として食べる。

 

「こんなご飯ばっかでごめんね。本当に時間が無くて。」

 

「そんな、マネージャーさんが気負う必要は無いですよ。時間が限られてるのは仕方ないことですから。」

 

「本当?」

 

「本当ですよ。私、嘘はつきませんから。」

 

「そう。ありがと。」

 

朝食完了後すぐに準備をして、チェックアウトに向かう。

朝7時、ホテルを出発。個人的にはここまで早く出た日は多分無いと思う。

車を進めること30分ほど。近くの駐車場に車を停めた。

 

「ここから少しだけ歩くよ。」

 

「これからどこへ向かうんですか?」

 

「先に見てもらったほうがいいかな。はい。」

 

「すごく大きい・・・。マネージャーさん、これなんですか?」

 

「これは昔ここ佐渡の金銀山が動いていた頃に動いていた、選鉱場つまり、鉱石をいるところといらないところに分離するところ、っていう感じかな。」

 

「それでこんなに大きいんですか?」

 

「昔は東洋一とまで呼ばれるくらいの規模を持ってたみたいだね。やっぱり間近でみると迫力が違うな。」

 

「そうですね。」

 

「さ、そろそろ行こうか。」

 

「はい。」

 

時計を見るともうすぐ8時。そろそろ出発しないと船に間に合わない。

 

「帰りも海見ながら時間かけて行くからね。」

 

「本当ですか?楽しみです。」

 

普通なら50分程度で行けることろをこれまた遠回りして3時間かけて移動し、到着したのは小木港。

 

「船が目の前に・・・。」

 

「でしょ?前に来たときにこの景色に圧倒されてさ。この船行先は直江津港なんだけど、直江津港は車のすぐ横にフェリーがいるんだ。」

 

「すごい壮大ですね。」

 

「船の大きさがよく分かるよ。じゃ、発券してくるからちょっと待ってて。」

 

「はい。」

 

 

「お待たせ。さ、昨日みたいにあのターミナルで待とうか。」

 

「そうですね。」

 

その後、時間になったので車に移動。

船に乗る前、陽菜に言い忘れたことがあったので言っておくことにした。

 

「船に入るときに昨日みたいに振動があるからね。」

 

「分かりました。」

 

 

「とりあえずどこでもいいけど、ここにしようか。」

 

「はい。」

 

そのあとはコーヒー牛乳を昨日と同じく購入し、毛布は今日は二人分借りて、出港。

出港後、すぐに甲板へ移動して離れてゆく佐渡島を写真に収めつつ、二人で見送った。

そのあとは特にすることも無かったため、コーヒー牛乳を飲み干し、ゴミの捨てたあとにはもう毛布にくるまってじゅうたんに二人で寝っ転がっていた。

 

「めずらしいですね。マネージャーさんが寝るなんて。」

 

「まだ寝たわけじゃないけど、さすがに疲れてきてるかもだし、寝とこうかなと思って。」

 

「ふふ、マネージャーさんらしいですね。」

 

「そうかな?まあいいか。それじゃお休み陽菜。」

 

「はい。マネージャーさん、おやすみなさい。」

 

 

「ふあぁぁぁ、って陽菜!?」

1時間ほど寝ていたようだ。にしても驚いた。陽菜の顔が寝始めの時よりも近づいていたから。僕が動いたか、それとも彼女のほうが寝たふりして起きていて、動いて寝たかの二択だが、ぼくは寝相は悪くは無いと思うので僕が動くのはあんまり考えにくい。

 

にしても、昨日同様彼女の少し笑っているような寝顔は可愛い以外の表現がまともに見つからない。そんなことを思っていたら

 

「ん・・・?あ、マネージャーさん。」

 

「よく眠れた?」

 

「はい。」

 

「んじゃ、毛布返してくるから、降りる準備しておいて。」

 

「分かりました。」

 

毛布も返し、準備もできて時間になったので車に戻る。

 

 

船を降りて、約一日と2時間ぶりに本州に戻って来た。

 

「ほら、あそこが待機所。船のすぐ横でしょ?」

 

「ほんとだ。」

 

ここから4時間、高速道路をひたすら上って帰る。

 

「2日間は楽しかった?」

 

「とっても楽しかったです。また来たいです。」

 

「また時間があればって感じだね。あそこは日帰りで行けるようなところじゃないし。」

 

「そうですね。」

 

 

そして18:00過ぎ、無事寮に到着。そして2日間の比較的長期で圧倒的長距離旅行は終了。

 

「じゃ、お疲れ様。ゆっくり休んでね、陽菜。」

 

「マネージャーさんも二日間運転お疲れ様でした。しっかり休んでくださいね。」

 

マネージャーはこの旅の最後に陽菜の飛び切りの笑顔を見たのでした。

 

「さ、さっさと帰って寝ようかな。さすがに疲れた......」

 

僕は家に向けて車を進めた

 

 

......ちなみに、

陽菜は帰ってからFlowerのメンバーとちゃんとした夕食を食べたそうです。




どうも作者です。やっと終わったよおお。長すぎましたね。いや~疲れた疲れた。多分小説書いてて一番長くネットサーフィンしてたと思います。そしたら驚きの事実が次々と...まぁこれは本当のあとがきでわんさか書きたいと思います。多分ものすごく長いことになると思いますけど。では次回、もう一人の推し編でお会いしましょう。
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