真夏の青と灰色と虹   作:セントレ

2 / 14
第二話

事務所に戻って少し仕事をしているとき、

 

「おっマネージャーくん、お疲れ様~。この中外歩いたんだって?」

 

AiRBLUEのチーフマネージャー、りおさんに声をかけられた。

 

「歩いたには歩きましたけど、僕の運動不足を少しでも緩くしたいだけなんですから。」

 

「倒れるのだけはしないようにね。」

 

「当然ですよ。僕が倒れたら元も子もないことは承知ですから。」

寮の時みたく水を見せながら答える。

 

「よろしい。じゃ頑張ってね~。」

 

そう言うと、りおさんはどこかへ行ってしまった。

 

「さて....そろそろ行きますか。」

 

 

――――――――――――――

 

 

「社長、失礼します。」

 

「どうぞ。あら、マネージャーが来るなんて珍しいわね。」

 

「桐香先生も一緒だったんですか。」

 

「ええ。この前のことで少しね。」

 

「それでマネージャー、今日はどうしたの?」

 

「ちょうどお二人が話していることとも関係があるんですけど、今年の7月最終日、7月31日にお出かけしようという話がちょっと寮で上がりまして。」

 

「どこへ行こうというのかしら?遊園地とか?」

 

「いえ。海です。江の島方面の湘南海岸ですね。」

 

「海ね。それにしてもなぜ湘南なのかしら。千葉の九十九里浜とかでも良さそうな気がするけど?」

 

「まずここから近いから。それと周辺に観光できるポイントも多いじゃないですか。あとこれは完全に僕の思い出話になるんですけど、学生時代に三年連続でそこに行ってまして。それと、ちょうど気分転換とかにでもなるんじゃないのかなと。」

 

「というと?」

 

「最近、Windの四人が少しふさぎこみ気味なんですよ。この前のオーディションに落ちてから。」

 

「あの子たちはみんな、これまで以上に必死になって頑張ったんだもの。相当のショックはあったはずよ。」

 

「寮にいるみんなに聞いても、莉子辺りもほとんど顔を出していないみたいで。雰囲気とかも重めなみたいです。」

 

「あまり引きずってもいられないものね・・・。」

 

「えぇ。ですのでちょっと気分転換しないとと思っていまして・・・。」

 

「とてもいいと思うわ。でも、問題は移動ね。」

 

「少なくとも、僕は車を出しますけど・・・、他の12人をどうするか・・・。」

 

「まさか、皆で行く気なの?」

 

「えぇ一応ですが。」

 

「とするとその日は事務所も閉めて、私たちも総出で行くしかないわね。桐香、その日は空いてる?」

 

「えぇ、大丈夫よ。」

 

「決まりね。りおの方には私から伝えておくわ。」

 

「はい。お願いします。」

 

「ところでマネージャー、聞きたいのだけれども。」

 

「...はい?」

 

「マネージャーは泳ぐのかしら?」

 

「いえ、まさか。もうそんな力もった人じゃないですよ。泳げないわけじゃないですけど。近くの新江ノ島水族館でゆったり観光してますよ。」

 

「本当に泳げなかったりして。」

 

「こう見えて昔はスイミングやってたんですから。泳げますよ。」

 

「そうなのね(笑)。じゃ、みんなにはマネージャーから伝えてもらえる?」

 

「もちろん、そのつもりですよ。そのために僕がいるといっても過言じゃないですからね。それでは僕はこれで。失礼します。」

 

「ええ、お疲れ様。」

 

 

―――廊下にて―――――――

 

「おや、マネージャーくんじゃないか。」

 

「あ、りおさん、多分今社長室行ったほうがいいと思いますよ。なんでとは言いませんが。」

 

「えっ、何?私解雇されるの?」

 

「さぁ、それは行ってみてのお楽しみ。」

 

「えぇ怖いなぁ・・・。行くだけ行ってみますか~。」

 

「行ってらっしゃいませ~」

 

「さて、あとはみんなに伝えるだけだ。」

そう考えて歩いていた時、出会い頭で誰かにぶつかった。

 

「うおっ!...ごめん!ってあれ?舞花?」

 

「ごめんなさい!ってマネージャー!どうしてここに?」

 

「僕は夏の一件を社長へ打診しに行った帰り?みたいな感じ。舞花は?」

 

「いや~。自分、レッスン室に忘れ物しちゃって・・・.取りに行ってたんっす。」

 

「あれ?鍵開いてたっけ?」

 

「りおさんに開けてもらいました。」

 

「あ、なるほど。あ、そうだ。寮に戻ったらみんなに伝えといて。例の件、行けるよって。詳細はまた追って連絡するって伝えといて。」

 

「本当ですか!?」

 

「本当だよ。予定日は7月31日。16人皆で行く予定だからね。」

 

「分かりました。伝えておきます。やった~!」

 

「あ、あとWindの四人へは陽菜経由でよろしく。」

 

「了解っす!あ、自分そろそろ戻らないと。」

 

「あぁっごめん。邪魔したね。じゃあ、また。」

 

「いや、そんなんじゃないすけど。お疲れ様っす、マネージャー!」

 

「うん、お疲れ様。」

 

 

(これであの四人が元に戻ってくれるといいな・・・。)

走り出す舞花を見送りながらそんなことを思っていた。




はいどうも作者です。さて、ここから物語もいよいよ本編へ入っていきます!一体どのチームがだれの車に乗ることになるのか....?次話をお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。