事務所に戻って少し仕事をしているとき、
「おっマネージャーくん、お疲れ様~。この中外歩いたんだって?」
AiRBLUEのチーフマネージャー、りおさんに声をかけられた。
「歩いたには歩きましたけど、僕の運動不足を少しでも緩くしたいだけなんですから。」
「倒れるのだけはしないようにね。」
「当然ですよ。僕が倒れたら元も子もないことは承知ですから。」
寮の時みたく水を見せながら答える。
「よろしい。じゃ頑張ってね~。」
そう言うと、りおさんはどこかへ行ってしまった。
「さて....そろそろ行きますか。」
――――――――――――――
「社長、失礼します。」
「どうぞ。あら、マネージャーが来るなんて珍しいわね。」
「桐香先生も一緒だったんですか。」
「ええ。この前のことで少しね。」
「それでマネージャー、今日はどうしたの?」
「ちょうどお二人が話していることとも関係があるんですけど、今年の7月最終日、7月31日にお出かけしようという話がちょっと寮で上がりまして。」
「どこへ行こうというのかしら?遊園地とか?」
「いえ。海です。江の島方面の湘南海岸ですね。」
「海ね。それにしてもなぜ湘南なのかしら。千葉の九十九里浜とかでも良さそうな気がするけど?」
「まずここから近いから。それと周辺に観光できるポイントも多いじゃないですか。あとこれは完全に僕の思い出話になるんですけど、学生時代に三年連続でそこに行ってまして。それと、ちょうど気分転換とかにでもなるんじゃないのかなと。」
「というと?」
「最近、Windの四人が少しふさぎこみ気味なんですよ。この前のオーディションに落ちてから。」
「あの子たちはみんな、これまで以上に必死になって頑張ったんだもの。相当のショックはあったはずよ。」
「寮にいるみんなに聞いても、莉子辺りもほとんど顔を出していないみたいで。雰囲気とかも重めなみたいです。」
「あまり引きずってもいられないものね・・・。」
「えぇ。ですのでちょっと気分転換しないとと思っていまして・・・。」
「とてもいいと思うわ。でも、問題は移動ね。」
「少なくとも、僕は車を出しますけど・・・、他の12人をどうするか・・・。」
「まさか、皆で行く気なの?」
「えぇ一応ですが。」
「とするとその日は事務所も閉めて、私たちも総出で行くしかないわね。桐香、その日は空いてる?」
「えぇ、大丈夫よ。」
「決まりね。りおの方には私から伝えておくわ。」
「はい。お願いします。」
「ところでマネージャー、聞きたいのだけれども。」
「...はい?」
「マネージャーは泳ぐのかしら?」
「いえ、まさか。もうそんな力もった人じゃないですよ。泳げないわけじゃないですけど。近くの新江ノ島水族館でゆったり観光してますよ。」
「本当に泳げなかったりして。」
「こう見えて昔はスイミングやってたんですから。泳げますよ。」
「そうなのね(笑)。じゃ、みんなにはマネージャーから伝えてもらえる?」
「もちろん、そのつもりですよ。そのために僕がいるといっても過言じゃないですからね。それでは僕はこれで。失礼します。」
「ええ、お疲れ様。」
―――廊下にて―――――――
「おや、マネージャーくんじゃないか。」
「あ、りおさん、多分今社長室行ったほうがいいと思いますよ。なんでとは言いませんが。」
「えっ、何?私解雇されるの?」
「さぁ、それは行ってみてのお楽しみ。」
「えぇ怖いなぁ・・・。行くだけ行ってみますか~。」
「行ってらっしゃいませ~」
「さて、あとはみんなに伝えるだけだ。」
そう考えて歩いていた時、出会い頭で誰かにぶつかった。
「うおっ!...ごめん!ってあれ?舞花?」
「ごめんなさい!ってマネージャー!どうしてここに?」
「僕は夏の一件を社長へ打診しに行った帰り?みたいな感じ。舞花は?」
「いや~。自分、レッスン室に忘れ物しちゃって・・・.取りに行ってたんっす。」
「あれ?鍵開いてたっけ?」
「りおさんに開けてもらいました。」
「あ、なるほど。あ、そうだ。寮に戻ったらみんなに伝えといて。例の件、行けるよって。詳細はまた追って連絡するって伝えといて。」
「本当ですか!?」
「本当だよ。予定日は7月31日。16人皆で行く予定だからね。」
「分かりました。伝えておきます。やった~!」
「あ、あとWindの四人へは陽菜経由でよろしく。」
「了解っす!あ、自分そろそろ戻らないと。」
「あぁっごめん。邪魔したね。じゃあ、また。」
「いや、そんなんじゃないすけど。お疲れ様っす、マネージャー!」
「うん、お疲れ様。」
(これであの四人が元に戻ってくれるといいな・・・。)
走り出す舞花を見送りながらそんなことを思っていた。
はいどうも作者です。さて、ここから物語もいよいよ本編へ入っていきます!一体どのチームがだれの車に乗ることになるのか....?次話をお楽しみに!