楽しい時間なんてあっという間に終わってしまうもの。
まぁ当然声優なので時間管理はしっかりしているだろうなぁと思いつつ、一足早く車に乗り込んで待機。当然カーオーディオではAiRBLUEの曲を流している。その状態で待機すること十数分。コンコンと窓をたたく音がしたので振り向くと、そこにはWindの四人の姿が見えていた。すぐにドアを開けてフロントシートを動かし、リアシートの座れるような状況を作る。座る場所は域と同じで、隣に美晴、後部座席にまほろと絢、それに莉子が乗っている。
「忘れ物はないね?じゃあ、行くよ。」
「はーい。」
帰りのWindは本物のWindに戻っていた。話を聞くとやはり莉子が最初に元に戻ったような感じになり、そこから海で遊んで行くうちに波及したようだ。カーオーディオでは依然AiRBLUEの曲が流れているが、その曲をBGMに今日のことが会話が弾んでいる。完全に蘇ったという言い方をしてもいいくらいだ。みんな笑顔だし、何よりも目が生き生きとしている。出発前とは見違えるようだ。そんな風に感心していたら、
「マネージャーは何して過ごしてたの?」
という質問が来てしまったので正直に答える。
「海岸から見えてたと思うけど、水族館で一日過ごしてたよ。やっぱり夏は水族館で涼むのが一番だね~。」
「海に入ったりとかはしないんですか?」
「基本しないね。あんまり海に入った経験がないのもあるし、そもそも海に入るのに少し抵抗あるし・・・。」
「何に対して?」
「ほら、まだ今は7月だったからよかったけど、遅い時期になるとクラゲ出て来ちゃうし、しかも海はちゃんとした塩分含んだ海水だからさ。泳いだ後とかの後処理めんどいし(笑)」
「そんなこと言って~ホントは泳げないだけなんじゃないの?」
「それ真咲さんたちに今日の一件打診したときにも言われたな。言っておくけど昔スイミングやってたんだからね?泳げないカナヅチってわけじゃないんだから。そこは勘違いしないように。」
「はーい。」
「ちなみにみんなこそ午後何してたの?」
「ずーっと海で遊んでたよね。」
「あそこまではっちゃけたのは久しぶりだったかも。」
「そういえばあの時さ―」
と、そんなWindの楽しい会話が聞こえる中で駆け抜けてゆく空は、まるでこの結末を見通していたかのように行きに滞在中に帰りと終始晴れ渡り、特に江の島滞在中はその華麗なる空色と海の綺麗な青が同化し、完璧な風景を作り上げていた。
.......この時、マネージャーは数日後にWindからあんな誘いを受けるとは全く以て想定などしていなかった。
どうも作者です。昼編またの名を第一章今話にて完結となります。ですが、最後の文にある通り、まだまだシリーズは続いていきます。では次の話をお楽しみに。