最初はこの娘。
恋愛モノって難しい。
「トレーナーさん!メニュー、全部出来ました!」
→お疲れ様。
→もう1セットいける?
→お疲れ様。
「えへへ〜。ありがとうございます!」
→今日はもう上がろうか。
「はい!」
〜トレーナー室〜
「失礼します。」
→どうしたの?
「いえ、その〜・・・」
「私、トレーナーさんのおかげで、たっくさんレースに勝てました!有馬記念も、天皇賞も、日本ダービーも、全部トレーナーさんのおかげなんです。」
彼女が何かを伝えようとしている。
「だから、その、ひ、ひひひ・・・」
→ひ?
「膝枕してください!」
→膝枕?
「実家のお母ちゃんにも、頑張ったときは膝枕して貰ってたんです。それで、その、やってもらうと落ち着くというか・・・元気が出るというか。」
→それでいいなら・・・
「!ありがとうございます!じゃ、じゃあ失礼します・・・」
スペシャルウィークの頭が膝の上に乗る。
「ふふふっ・・・えへへ・・・」
彼女はとても嬉しそうだ。
→頭を撫でる
→子守唄を歌う
→頭を撫でる
「ひゃうっ!と、トレーナーさん?」
→こうした方が落ち着くと思って。
「あ、ありがとうございます・・・ふにゅぅ・・・」
→俺の前では普段のスペでいて欲しい。
「もう、トレーナーさんったら・・・///」
スペは頬を赤らめながらも気持ちよさそうな声だった。
この時間はかなり特別なものと感じた。
〜次の日〜
「トレーナーさん!もう1セット行ってもいいですか?」
→いいぞ。行ってこい!
→どうした?そんなに頑張って。
→いいぞ。行ってこい!
「ありがとうございます!」
スペは急いで走っていった。
「スペちゃん、頑張ってますね。」
→行かなくていいのか?スズカ。
「もう今日のメニューは終わりましたし、そろそろ上がろうかなと。それに・・・」
→それに?
「私はお邪魔みたいですし。」
すると後ろからドドドと走る音が聞こえてきた。
「トレーナーさんっ!終わりっました!」
→早いな。
「お疲れ様、スペちゃん。」
「スズカさん!お疲れ様です!」
→今日はかなり頑張ったな。偉いぞ。
頭をわしゃわしゃと撫でる。
「ありがとうございます!えへへ〜」
「ふふ、それじゃあ私はお暇させてもらうわね。」
「お疲れ様でした!トレーナーさん。あの、またひ、膝枕してもらっても・・・いいですか?」
→いいよ。
「じゃあ今日は、もう少し近づいても・・・あっ、いえ!なんでもないんです!」
→スペの好きなようにして欲しい。
「そ、それじゃあ・・・」
〜トレーナー室〜
「うへへ〜トレーナーさ〜ん・・・」
腕で俺の腹部を抱くように膝枕されているスペ。
→こんなのでいいのか?
「トレーナーさんがいいんですよ。もっと、もっとなでなでしてください〜」
昨日よりスキンシップが強くなっているような・・・
「トレーナーさん。」
→どうした?
「私、前も言った通り、本当にトレーナーさんに感謝してるんです。初めて上京して右も左も分からない中、スズカさんだけを追って、何もわからなくなっていた私に手を差し伸べてくれた・・・トレーナーさんはそんな事って言うかもしれないけど、私は、本当に、感謝してるんです。」
スペの手が少し震えている。
「頭の中が、トレーナーさんのことでいっぱいになるんです。ふわふわして、でも、レースの時くらい緊張して・・・もう、好きで好きでたまらないんです。私。」
→スペ・・・
「こんな形でしか伝えられなかったですけど、私、トレーナーさんが、大好きです。」
彼女なりの精一杯なのだろう。手が震え、耳がピンと張って、尻尾が揺れている。
そんなスペに出せる答えを、俺は1つしか知らなかった。
→ああ。俺もスペが大好きだ。
「!トレーナーさんっ!」
スペが抱きついきた。スリスリと頬ずりして、体を押し付けて、尻尾をブンブンふっていた。
「トレーナーさん、トレーナーさん!」
→大丈夫、ここにいるよ。
「これからも、そばにいていいんですよね!もっと甘えていいんですよね!」
→うん。俺はスペのことならなんでも受け入れるよ。
「うぅ、トレーナーさん・・・」
泣きながら、でも笑いながら抱きしめるスペ。
「これからも、ずっと一緒ですよ・・・?」
→ああ。ずっとだ。
2人で愛を誓い合った、夕日の差すトレーナー室でのことだった。
パワーが20上がった!
スピードが20上がった!
根性が20上がった!
スタミナが20上がった!
賢さが20上がった!
やる気は絶好調をキープしている。
スキルポイントが60増えた。
〈惚気〉⇩状態になった・・・
〈純愛〉⇧状態になった!
『独占力』のヒントレベルが3上がった。
『愛の力』のヒントレベルが5上がった。
『抜け駆け禁止』のヒントレベルが2上がった。
『追い越し禁止』のヒントレベルが2上がった。
この先はクリークママとか書く予定。(あくまで予定)
いっつも甘えてる人に甘えられるとなんかドキドキするよね。