もしも召喚世界の魔法学校にも組み分けがあったら、
レッタル→グリフィンドール
リアージュ→ハップルパフ
メテオス→レイブンクロー
ワールマン→スリザリン
でしょうか。
もし艦娘がホグワーツに入学したら9割がサツマハンでしょう。残りの一割は?
カマク・ラァです。
対処法がないという理由で後方彼氏ヌ級はない。これは今回限りとしないならチェスト、コロ
ンバンガラ(隠語で刺し違えてでも〇すという意味)する。
陽炎は妖精たちに指示する。
『不要物と可燃物を投棄する。少しでも軽くするわよ』
陽炎は最後の突撃をする覚悟を決めた。そのあと妖精が質問してきた。
『秘蔵のヘルブック(エロ本)も捨てるんですか?』
陽炎はかつてご禁制の品であるヌードグラビアのある週刊誌を買ってきて寮に持ち込んだこと
がある。
その本は仲間内で評判となり駆逐艦のみならず戦艦の様な大型艦にさえ回し読みされた。
当時は女が女の裸を見て何が楽しいのか不思議に思ったが、それ以来陽炎は外に出るたびエロ
本をせがまれるのであった。
そして今では艦娘一のエロ本ソムリエと呼ばれるまでに成長したのだった。
『捨てなさい!(涙)』
陽炎は涙を流した。
『間宮羊羹がありましたがどうなさいますか?』
陽炎は少し考えた後こう答えた。
『時間を作るから皆で分けて食べなさい』
陽炎は考える。敵を引きつけ撤退の時間を稼ぐという最低限の目的は果たしたものの、可能な
らば敵に損害を与えておきたい。だがそれは非常に難しいと言わざるを得ない。
まず敵が硬い。液体金属のローブとバリア、戦艦の砲撃すら跳ね返す二種類の防御手段を備え
ている。一つでも駆逐艦たる自分では突破が難しい。
可能性があるのは水球で包んで魚雷を当てる方法であるが、先ほど短距離テレポートで逃げら
れてしまった。逃がさない方法は考えても見つからない。
陽炎は何とか反撃の糸口を見つける為時間を稼ごうとした。
ブラックスリーの三人はたった一人の少女に足止めされていた。
敵は明らかに自分達より弱いはずだった。素早さはあるがバリアを破れるほどの攻撃力は持っ
ていない。しかしこちらの行動を先読みし、脳波誘導式移動砲台を飛ばしてくるので苦戦して
いた。
本来の任務はクワトイネ公国の首脳陣の殺害であり、すぐにでも追いかけて行きたい。
しかしながらこの危険な相手は3人で確実に仕留めなくてはならない。放置すれば一人でロウ
リア王国軍を滅ぼしかねない。
そして不用意に近づけば命に係わる深手を負うことは間違いないと確信している。
恐ろしいことにこちらの攻撃の前に回避運動を開始していて、攻撃と同時にカウンターが飛ん
でくるのだ。
なので三人は敵の装備の破壊と体力の消耗を狙っていた。
三人で一人を取り囲み少しずつ武器と装甲を削っていった。特に移動砲台は念入りに潰し今ま
でに17基を撃墜した。
しかし敵に疲労の色は見えない。
未来予知は精神力を激しく消耗する、そもそも戦闘しながら使うものでは無い。
しかしながら敵の動きに疲労した様子が見られない。
まさか自分より格上の敵とばかり戦っていた訳ではないだろう。そのような戦いをしていたら
命がいくつあっても足りないはずだ。
「ねえどうしたらいいと思う?」
敵がいきなり話しかけてきた。それも自分の倒し方をである。
「敵に直接聞くな」
前世でイカレた人物にはたくさん出会ったがそれに勝るとも劣らぬイカレっぷりである。
「だって今まで話が通じない相手とばかり戦っていたから~お話しましょうよ」
少女の目に狂気が見える。三人は恐怖の感情が芽生える。
「自爆したらどうかね?」
ボスヤスフォートは投げやりに答える、いっその事そうしてくれると助かる。
「やっぱそれしかないか~」
「出来んのかい!」
「出来るわよ、でもただ自爆しただけじゃあなたには防がれるでしょうから、やっぱり穴を開け
てそこに爆発力を集中させなければならないわね」
少女が目の前で自分の殺す方を言葉に出して考えている、かなり怖い。
「なぜそこまで戦う、所詮は他国の事だろう」
ボスヤスフォートが質問する。陽炎は少し考えてから答えた。
「日本国にとってクワトイネ公国が居ないと困るからかな、やっぱり転移してから最初に友好国
になってくれた国を見捨てるわけにはいかないわ」
「日本国が転移国家だと?」
一介の傭兵には聞かされていなかった。しかし周辺国と比べて突出して高い科学力を持つ国が
突如として現れたことを説明できる。
ボスヤスフォートは頭を下げる。
「ギムの町の事は済まなかった、この国の差別意識がここまで深刻とは思わなかったのだ」
突然の謝罪に陽炎は怪訝な顔をする。そしてこの三人は元々ロウリアの国民ではないことに気
づいた。
「どうだろう手を引いてくれれば日本国を攻める事はしないし、亜人にも生き残る道を残すよう
上層部を説得すると約束しよう」
この戦争で手柄を立てれば爵位を貰える約束になっている。まだ下級貴族だろうが戦功を挙げ
た実績を活用すれば王に亜人排斥を止めるよう進言出来るかもしれない。
アデムの様な過激な思想の持主は実力で排除しても構わない。
それでも耳を貸さないようであれば王でも排除することを厭わない。
この戦いを経て三人は日本という国に対して親近感すら覚えていた。
ボスヤスフォートが真剣な目で陽炎の方を見ると陽炎は口を動かし何かを咀嚼していた。
「お前何を食べてる?」
陽炎は恥ずかしそうに口元に手をやり答えた。
「間宮さんっていう凄い菓子職人の作った限定間宮羊羹」
妖精たちは陽炎が話している間に間宮羊羹を切り分け、最後の甘味を楽しんでいた。
陽炎も妖精が小さく切って渡してくれた羊羹を食べていた。
ボスヤスフォートの額に青筋がたつ。そう言う意味で聞いたのではない。
「初めてですよ、この私をここまでコケにしてくれたお馬鹿さんは」
実際は天照帝やナインなど超大物には無視されているのだが、それらは彼の中でカウントされ
ていない。ボスヤスフォートは拳を握って突き出す。
「絶対に許さんぞ虫けら!じわじわと嬲り殺しにしてくれるわ!」
悪の帝王は激怒した。
こうしてブラックスリーと日本国の和解は不可能となった。
「さっきの話、私は一兵卒だから本当は何も言えないのだけれど、日本国が吞むのは無理だと思
うわ。ロウリアが全ての軍事行動を停止することが最低条件よ」
陽炎は先ほどの話を切って捨てる。
「残念だよ」
ボスヤスフォートは一瞬でも弱気になっていた自分を恥じた。
口の中の羊羹を飲み込み陽炎は啖呵を切る。
「さあさ、駆逐艦陽炎の生涯最後の突撃、目に焼き付けて逝きなさい!」
陽炎の艤装から液体が噴き出す。臭いから重油だとわかる。
さらに不要な部分のオイルもまた捨てられた。床は先ほどの水操作の魔法で薄く水が張ってい
たがその上に油が浮くようになった。
陽炎の体から何かが落ちる。見るとそれは弾が切れた機銃や損傷した装甲板などであった。
デコースは相手がこれから最後の勝負に出ると確信した。
陽炎は発射管から魚雷を引き抜くと天高く放り投げる。そして対空機銃で打ち抜いた。
魚雷が爆発し火の粉が舞い散る。そして周囲に広がった油に引火した。
同時に紙吹雪が舞い散り燃え上がる。
視界が炎に包まれた。
爆炎を切り裂いて陽炎がデコースの眼前に迫る。
てっきり大将首を狙ってくるものと思い一瞬おどろいたが、斧の一撃を受け止める。
幻影ではない確かに質量を感じる一撃を受け止めると違和感に気づいた。
姿が鏡に映したように反転しているのだ。
「ミラーだと!?」
ミラー、それは剣聖カイエンが編み出した剣技の中でも最も習得が困難なものの一つである。
本体と質量を持った分身が二方向から同時に攻撃する。
師であるデイモス・ハイアラキでさえ習得を諦めた。
異常をきたしている者が多い。
例えばAKDのクー・ファン・シーマ王子は王族でありながら数多くの人間を殺害したため死
刑となった。(実は生きていてミラージュ騎士団の左翼大隊にバイアというコードネームで在
籍している)
結局習得したのはカイエンの他サリオンやマキシなど極小数であった。
ちなみにラキシスが使えたのはクローム公がカイエンの技のデータを彼の承諾なしにインプッ
トしたためである。
デコースはミラー陽炎の腕を切り落とす。斬られたその腕は水になった。
実はこれは水の分身で造った”なんちゃってミラー”である。
「クソ、おどかしやがって」
デコースは水分身の頭部を縦に真っ二つに割った。すると片目に水が集中、高圧が掛かって噴
出された。
「うお!あぶねえ!
高水圧のカッターはデコースの首筋をかすめて消えていった。
「畜生!厄介な奴だ、大将があぶねえ」
陽炎の本体はやはりボスヤスフォート目がけ突撃していた。
ボスヤスフォートはマントの先を槍状に変え前方に突き出す。
陽炎はジャンプしてそれに乗る。そしてそのまま滑るように肉薄する。
「金属といえど液体ならば、艦娘が乗れない道理はないわ!」
余談だが後にこの話を聞いた仲間は口々に「それはない」と言ったという。
ボスヤスフォートは急いで防御障壁を張る。敵は小口径の砲しかもっていなかったのでスピー
ドを優先し薄い障壁を一枚だけ展開した。
陽炎が12.7センチ連装砲を発射し砲弾が障壁にめり込む。
「せいやあ!」
陽炎はその砲弾の尻を拳で殴りつけた。砲弾は壁の向こう側へ突き抜けていった。
障壁が粉々に割れる。陽炎は床に降り、ボスヤスフォートに手の届く距離まで近づいた。
「貰ったわ!」
陽炎はボスヤスフォートの胸に掌を当てる。
「ウォーターコントロー」
その時陽炎の胸に閃光が走った。
「ボスヤスフォート様!御無事ですか?!」
ペールのプラズマ弾が陽炎の胸を打ち抜いた。
陽炎は心臓を打ち抜かれたがすぐに死んだわけではない。人間も動物も心臓を破壊されてもし
ばらく動き続ける。陽炎は自身の体を構成する水分にスイッチが入ったら決められた動きをす
るようプログラムしていた。
「二水戦の駆逐艦が心臓をやられたくらいで止まるものか!」
陽炎は血を吐きながら叫ぶ。
「万物の根源たる水よ、我が意望むままに振るまえ、その対価として我が魔力を払う!」
「震えよ血液!ウォーターコントロール!」
ズドン!という重低音がしてボスヤスフォートの腹部の血液が振動する。
「げはぁ!」
ボスヤスフォートは胃液をまき散らしながらのたうち回った。
その姿はまるで中国拳法の発剄を喰らったようである。
陽炎は過去に台湾へ行ったことのある姉妹艦、雪風から太極拳の双按を教えてもらった事があ
る。その時は出来なかったのだが今回ぶっつけ本番で成功させた。今回のこれは足りない技術
を水操作の魔法で補った魔法式発剄と言える。
「こいつ分かっててやったな!」
そう、陽炎は心臓を撃たれると知っていてわざとあの状況に持って行ったのだ。
相手が勝ったと思って油断した僅かな一瞬の隙をつくため敢えて死地に飛び込んだ。
「肉を切らせて骨を断つ?否。骨を断たせて肉を切る?否!」
陽炎は消え入るような小さな声で呟いた。
「命取らせて、装甲破砕、だわ」
彼女は必ず仲間がこの強敵を倒してくれると信じていた。
かつて人類を救った女傑は二本の足で立ったまま絶命した。
「心臓が止まったくらいで安心できるか!二度と蘇らぬよう首を落として確実に止めを刺す!」
死体を斬るのは騎士道精神に反する、などと知ったことではなかった。
デコースは剣を振るい陽炎の頸椎を両断した。
切断したはずの陽炎の首はまだ胴体に乗っていた。
デコースが不思議な感触に訝しんでいると陽炎の目の端から炎が噴き出した。
その炎は白でもなく、赤、黄、青のどれでもない。
それは黒、輝く暗黒というべき色であった。
避難していたカナタ首相は何かの気配を感じて後ろを振り返った。
すると議事堂が爆発し炎に包まれるのが見えた。
彼の背筋に冷たいものが走る。とても嫌な予感がする。
「何が起きている!?」
彼は地面の下から巨大な力が沸き上がってくるのを感じた。
その時合流した衛士の一人が別の方向を指差して叫んだ。
「首相、見てください!神樹が」
見ると蓮の庭園の中心に生えている神樹が光を発していた。
地面が揺れる。そしてどこからか声が響く。
《空間神に導かれし者よ、これ以上我が子らを殺める事はさせん》
蓮の庭園は光に包まれた。
クワ・トイネ公国公都近郊にある山に住む木こりのヨーサック(41歳)は明日の天気
を読むために空を見上げると、そこには見たこともない物体が見えた。
「ありゃなんだべか?」
空の彼方から火を噴いて落下してくる塊が見えた。
「まさかお伽噺にある神が魔帝の大陸に落とされた星だべか?」
ヨーサックが凝視するとそれの形が分かるようになった。
「違うあれは星じゃねえべ、人?いやあれはまるで悪魔だべさ!」
緑色をした巨大な悪魔がクワ・トイネ公国の公都にもの凄い速度で落下していった。
「この世の終わりだべ!」
ミラージュGTMデトネイター・ブリンガー・リョクタイは呉を飛び立つと測定不能の出力に
ものを言わせ急上昇、成層圏を突破した。
そして宇宙空間から公都に向かって真っ逆さまに急降下した。
「陽炎と一心同体という事は私と彼女が愛を交換する際に間に挟まるということですか?」
デトネイターのコックピットで不知火はナインに疑問をぶつけた。
二人の純愛に不純物が混ざるのは看過できなかった。
ナインは非常食のスルメをかじりながら答えた。この機体は操縦席が広くとってあり、長期間
生活できるよう様々な必要物資が貯蔵されている。
「愛の交換てなんじゃ、陽炎はわらわの娘も同然、不埒な真似は許さんぞ」
「眠ってる陽炎を介抱しようとしたら急に猛烈な睡魔に襲ってきて、自分も寝てしまったことが
何度かありましたが、まさかあなたの仕業だったのじゃないでしょうね?」
「睡眠薬をかがせていかがわしいことをしようとするからじゃ」
「あれはアロマです」
「嘘をつけい!」
不知火とナインが口論するその横でパルテノが笑っていた。
「HAHAHA!新シイますたーモ、ホド良クくれいじーダゼ!」
『ナインさんの娘という事は陽炎はもしかして』
ラキシスはある可能性について考えていた。
そのときデトネイターから警告が告げられた。
「コノママ着地スルト、下ノ街ニ甚大ナ被害ガ出デルケド、イイノ?」
「ア」
「あ」
「構いません」
「構わん、行け」
「そんなダメですぅ~」
デトネイターは制動の為エア・バスターを最大出力で作動させた。
豪風が公都に吹き荒れる。
光に包まれた蓮の庭園に何者かの声が響く。
《太陽神の戦士らよ、まだ死すべき時ではない》
《わが神力を持って安全な地へと飛ばす》
《何だ?》
《お前はなんだ?》
《お前の様なものは
《異物は排除する》