果たして本作はガールズラブなのでしょうか?
絶対違うと思う。
深雪ちゃんがゴリラになってもうた。
最大で火力100越えだなんて重巡なみですよ。
艦これが十週年ですって奥さん、おめでたいわねー。
こち亀ぐらい続けてくださると嬉しいです。
期間が開いてしまい申し訳ございませんでした。
前回の話はもう忘れていると思うので、簡単な粗筋を用意しました。
前回までの粗筋
蓮の庭園を襲撃したブラックスリーは偶々居合わせた霧島組を圧倒、撤退に追い込む。
陽炎は殿を務め、脳波誘導式浮遊砲台と水操作の魔法を駆使し三人を足止めする。
戦いの中でボスヤスフォートは陽炎の精神性に恐怖を感じたのだった。
陽炎は遂にボスヤスフォートの内臓に深刻なダメージを負わせる。しかし心臓を打ち抜かれ、
さらに首を切断されてしまう。その時光が周囲を包んだ。
ここから本編
霧島組壊滅、日本国敗れる!
カナタ首相、行方不明!
駆逐艦陽炎、未帰還!
その報は日本国とクワトイネ公国、クイラ王国の三国を駆け巡った。
日本国政府も国民も正直なところロウリア王国を侮っていた。元寇レベルの敵など弾切れを起
こさない限りどうやっても勝てると高を括っていた。
それが対深海棲艦戦において常に最前線で戦い続けた精鋭部隊である霧島組が大損害を受け、
敗走したという報せに最初は誰もが耳を疑った。
そして駆逐艦陽炎が未帰還と伝えられた。
過去いかなる絶望的な状況からでも逆転勝利をもたらしてきた奇跡の駆逐艦の喪失は、人々に
パニックを起こさせるのに十分であった。
そして国会では敵が転移魔法を使用した事が問題となった。
日本国も公国と同じくいつ国会議事堂に敵を送り込まれるか分からない。なので審議への出席
を拒否する議員が多発した。これにより国会は機能停止したも同然の状態となった。
クワトイネ公国では行政府である蓮の庭園が火災と暴風により建物が半壊もしくは全壊した。
公都では原因不明の暴風によって多くの家屋が吹き飛ばされた。幸運にも死者は出なかったも
のの、多くの住民は野外へと投げ出された。
幸い近くにいた日本海軍所属の駆逐艦娘とその乗組員妖精により迅速な救助活動が行われたた
め被害は最小限に収まっている。
しかしクワ・トイネ公国の首相であるカナタは生存の連絡もなく遺体も発見されていない。
生き残った議員は北の港にあったため難を逃れた海軍本部庁舎に臨時政府を置き、今後の対
応を検討している。
しかしこの事件の混乱を収めきる事は出来ず、それを見た反日派が動きだした。
消滅寸前だった反日派は復活しここぞとばかりに責め立てる。
「フハハハハそれ見た事か、だからあのような胡散臭い連中を信用してはいかんと言っていたの
だ」
反日派の旗頭であるノーソン伯爵は調子に乗って持論を展開する。
「カナタ首相も行方不明であります」
ノーソンの側近が公国の現状を報告する。
「このような国難だからこそ知識と経験を備えた人物に首相を任せるべきではないかね?」
「その人物とは?」
「わしに決まっておる」
ノーソンは自分が優秀であると信じて疑わなかった。
公都の片隅で二人の少女が正座をさせられている。
二人の前に仁王立ちした栗毛の少女が怒りの声を上げる。
「なんてことをしてくれたんですか!」
二人の少女は土下座する。
「すみませんでした」
「つい、ノリで、、」
「ちょうどジョ〇ョの名台詞を言える機会がきたと思って」
ラキシスは呆れた。
「もう少しで死人が出るところだったんですよ!特にナインさんは何万年も生きていて、責任の
ある立場にいた人なんですから、自重してください!この事はヤーンさんに報告させて頂きま
すからね!」
娘の名前が出てナインは慌てた。
「ちょ、娘に連絡するのは勘弁してくりゃれ」
「ダメです!ヤーンさんとラーンさんにも説教してもらいます!」
ラーンとは超帝国の第二皇女で初代の詩女、詩女原母ラーンと呼ばれる。ちなみにこの二人に
父親はいない、二人ともナインのクローンである。
「ちょ、ま、あの二人交代で延々と説教し続けるのじゃが!?」
「ところで陽炎は無事なんですか?」
「、、、死んではおらん、と思う。ただ何処にいるのかは分からぬ。最後に神の力が顕現してお
った、もしかしたら神界に連れていかれたのかもしれん」
「神界はまずいですね」
ラキシスはしばらく悩んだ後、話題を変えた。
「公都再建の費用を出してもらいますからね」
「一国の首都の再建費用を個人でどうやってださせるのじゃ?」
「体で払ってもらいます」
「まさかわらわにエロ同人みたいなことをする気かや?原作者様が黙っていないぞえ!」
「違います、ちょっと楊貴に戻ってください。人格はそのままで。」
ナインはセントリーの体に変身した。
「ケモナーか?業が深いのう」
ラキシスはその頭に手を置き、その頭部に生えた新鮮な毛を掴んでぶち抜いた。
「げはっ!」
ナインが悲鳴を上げ、ラキシスは笑みを浮かべる。
「貴女のうろこは一枚五百万円、抜け落ちた角は一本二千万円したそうですね」
パルサーフローラの旧設定であるフェザードラゴンの鱗や角は宝飾品として高値で取引されて
いた。それ故に星団の共通通貨フェザーはフェザードラゴンにちなんでつけられた。
「それ旧設定だから!新設定ではどうなってる分からないから!」
「でも通貨のフェザーは残ってますし、幼生の毛ならきっと高く売れるでしょう」
「ひどい!鬼!悪魔!大淀!」
「さあ!どんどん稼ぎなさい!」
ラキシスは楊貴の毛を次次々とむしっていった。
「ふふふ、まるで生きた金鉱山みたいデスね」
「いやあ!助けてボー〇ボ!」
「毛狩りした後に張り付けるラーメンは選ばせてあげますよ!」
「塩にしてくりゃれ、アーーー!」
ラキシスの所業に不知火はドン引きしていた。そして自分にも同じような罰が課せられるので
はないかと恐怖した。
「不知火さんは長月さんと合流、パルテノ姉さまとクーン姉さまを連れて今すぐ日本に戻ってく
ださいね」
不知火は何度も頷きその場を後にした。帰りはデトネイターは出さず、タイダル飛行場から一
式陸攻に乗って帰って行った。
ロウリア戦後、不知火には姉妹艦の秋雲のところでアシスタントの労役が課せられたが、余り
に不器用で絵心がなかったので早々に戦力外通告を受けた。
そして次にドーナッツの穴を開ける仕事を課せられたが、穴の位置が中心からずれたドーナッ
ツを大量にこしらえこちらもクビになった。
「こう兎死して走狗煮らる、か」
不知火は退役後にどんな仕事をすればよいのか分からなくなり、しばらく落ち込んだ。
しかし陽炎のヒモになればいいとの考えに至り元気を取り戻した。
ラキシスにはもう一つ気がかりなことがあった。
デトネイターで大気圏外を飛行していた際、人工衛星らしきものを発見したのだ。
現在元在日米軍を中心とした新宇宙開発公団が衛星打ち上げを進めているが、実際に打ち上
げるのはまだ先の事である。
現時点でこの星に日本の衛星はない。いずれ謎の衛星の調査をする必要があった。
シキナミン医療鎮守府、ここは日本海軍関係者専用の医療施設である。
情報管理の関係で一般の病院には見せられない艦娘と提督専門の病院である。
また戦傷を負った艦娘がリハビリをする施設も併設してある。
艦娘達はここで適度な訓練と演習などを行い、日常生活を送りながら軍に復帰するか、それと
も退役するかを決めるのである。
海軍提督の職業病としては薄毛や痔などの他に、提督のみ罹る独特の病気が存在する。
当初この施設はその奇病の一つ、シキナミン欠乏症の治療方法を探るため設立された。
新鮮な綾波型駆逐艦二番艦、敷波からのみ摂取できる特別な栄養素シキナミンが不足すること
でこの病気は発症する。
その治療には敷波を秘書艦にしてつっつき、ボイスを定期的聞く他ない。この治療法が発見さ
れるまで数多くの提督がこの病にり患した。この鎮守府には重度のシキナミン欠乏症の提督が
入院している。
またシキナミン欠乏症の類似種でオキナミン欠乏症、キシナミン欠乏症、イソナミン欠乏症な
どが発見されたが、ここの優秀な医学者たちによって現在は治療法が確立している。
しかし日本国、いや旧世界最高の医学者達をもってしても治療が不可能な病が存在する。
それは黒潮病、人類史上最強最悪の伝染病である。
一度このウイルスに感染したら最早手の施しようがない。黒潮のボイスを聞かせても、「もっ
ともっと」と黒潮分を要求され短時間で廃人となる。
特に二度目の改装時に発する「はわぁ~」ボイスの破壊力は抜群である。
この病の対抗手段は感染地の焼却と患者の隔離しかない。
もしも貴方がこの病に感染の疑いのある者を発見したら落ち着いて保健所に連絡してほしい。
大切なのは決してパニックを起こさずに、冷静な行動を心掛けること、、
「ウッ、クロシオ」
ワシントンとサウスダコタの手術は夜通し行われた。
緊急手術を終え疲れ切った医師に、霧島は二人の経過を尋ねた。
「命に別状はありません。ですが、、」
医師は言いよどむ。やはり艦娘として再び戦場に出ることは出来ないのだろうか。
「二度と日常生活には戻れないでしょう」
予想よりも悪い結果に愕然とする。
二人は一生ベッドの上で過ごすことになる、と医師は言っているのだ。
「まるで脳内で爆発が起きたようで脳の一部が破壊されています。現代医学でも手の施しよう
がありません」
「やあ来たわね」
ベッドの上で首だけ起こしてワシントンが挨拶する。とりあえず元気そうで霧島は安心した。
「加減はどうかしらワシ子、それとサダ子は?」
ワシ子はワシントンの、サダ子とはサウスダコタの愛称である。
ワシントンは視線で隣を指し示す。霧島は隣のベッドのカーテンをめくった。
そこにはサウスダコタが目を開けて横たわっていた。
「サダ子!元気かしら?」
外見からは大丈夫そうに見え、霧島は一安心した。
霧島は大きな声でサウスダコタに話しかける、しかし彼女は返答しない。
「サダ子?どうしたの聞こえてる?それとも怒ってるの?」
霧島はサウスダコタの様子がおかしいことに気づいた。
声を掛けても肩に触れても彼女は反応しない。
「感覚神経が焼き切れているそうよ。外からの刺激が脳に伝わってないんだって」
隣からワシントンがサウスダコタの病状を説明した。
「感覚器官は正常だけど外の映像は見えないし、音も聞こえない、触っても気づかないそうよ」
それではいまサウスダコタは真っ暗闇の底にいるようなものではないか。
「まあ私は首から下が動かせないだけであいつよりかはましだけど」
霧島ははっとしてワシントンの方を見た。
「私のせいで?」
「見損なわないで」
そこには赤いメッシュが入った金髪とオデコがキュートな少女が居た。
彼女はサウスダコタ級戦艦3番艦、マサチューセッツだ。
「姉さんも先輩もこうなることは覚悟の上で戦場に出ていました。貴女の責任ではありません」
マサチューセッツは霧島を見つめながらそう言い切った。
霧島はきつく手を握りしめた。どうしても言っておかなければならない事があるからだ。
「あの場の旗艦は私でした。だから全責任は私霧島にあります」
「そう、勝手にすれば」
そのときサウスダコタの頭が左右に揺れ始めた。
「サダ子!何をしているの?」
霧島は彼女の手を握って問いかける、しかし彼女に反応はない。
「モールス?」
サウスダコタの振り方がモールス信号になっていることに霧島は気づいた。
「キ、リ、シ、マ、キリシマ、ココニイルヨ」
霧島の目に涙が溢れる。
彼女はサウスダコタの手を握ったまま泣き出した。
彼女が大泣きするのは幼少期に両親にもう会えないことを知った時以来である。
サウスダコタを除く全員がすすり泣いていた。
しばらく泣き続けた後、霧島は立ち上がり病室を去って行った。
病室内は沈黙に包まれた。
突然大きな音が病室内に響き渡る。
「呼ばれて飛び出てドンガラガマッシャーン、ギニャー!パルテノだぱーん、今後ともヨロよろ
よろぴー」
全くもって場違いな人物が闖入した。
「ねえ、ブレン・クラッカーない?日本にあるドラッグって弱すぎてアタシらに効かないのよ」
室内の人たちはあっけにとられて何も言えない。
そこに黒髪長身で気高いという表現がぴったりのファティマが現れた。クーンである。
「パルテノ、貴女はせっかく健康な体になったのだからもう薬物はやめなさい。それにブレン・
クラッカーは貴女の仇が造っていたものでしょう」
「そうでした、テヘペロ」
パルテノの傍若無人な振る舞いに病室の中の人たちが怒り覚え始めたその時、パルテノが言う。
「あと二人来たら手術を始めるわ。あいつにやられた人を治す、それがあたしの復讐よ」
霧島は廊下に巫女服を着た艦娘が立っていたことに気が付いた。
「榛名」
廊下には金剛型戦艦3番艦、榛名がいた。
「提督と仲間と今までの全てに感謝を込めて」
榛名は手を合わせて一礼したのち、全ての格闘家が見惚れるであろう完璧なフォームで正拳突
きを放った。
スパァーーーン‼
霧島はそれを手に受ける。空気を切り裂く鋭い音が響き渡る。
「何するのよ!」
霧島が怒るが榛名は意味が分からないと首を傾げる。
「殴って欲しいのだと思ってたのですが」
「全力パンチじゃない!いくら私でも死ぬわ!それよりも『私を殴れ』と言われてから殴りな
さいよ!」
「そうでした、うっかりしてました」
「うっかりで必殺パンチを放つな!」
「初めてあった時を思い出しました」
「そういえば初対面の時もいきなり私を殴ったわね!」
「だって、ずっとお話したかったのに貴女は泣いてばかりなんですもの」
「そんな理由で殴るな!」
姉妹が和気あいあいと思い出話に花を咲かせる後ろで、榛名の拳圧の余波に吹っ飛ばされたマ
サチューセッツが昏倒していた。
「太平洋の戦い、怖い、、」
「それでこれからどうするのですか」
「もちろんボスヤスフォートの首を取りに行くわ、ついでにジンハークも取る」
霧島は当たり前のことのように言い放ち、榛名もそれを当然の事と受け止める。
「しかし今のままでは勝てません。ファティマが必要です」
ボスヤスフォートは上位の鬼姫級深海棲艦と比較しても、勝るとも劣らぬ強敵だ。
霧島も霧島組の構成員達も勝てなかった。唯一善戦出来たのが陽炎であった。
霧島は先日までファティマに対してうさん臭い印象をもっていた。
しかし彼女らを得てゴチックメードと融合した艦娘の強さをその目で見て、考えを180度転換
した。(この時霧島は陽炎がラキシスと別行動をしていたことは知らない)
ボスヤスフォートに勝つためには自分もファティマを娶る必要があると確信した。
霧島と榛名は瀬戸内海を進み、ファティマ召喚装置のある呉鎮守府に到着した。
工廠には数人の艦娘がたむろしている。
「神様、仏様、お願いします!アナンダ君を出してください!」
そこに居たのは重巡艦娘の高雄と愛宕、そして練習巡洋艦娘の香取、そして戦艦娘の陸奥であ
る。彼女らはかつて大型建造を回していた提督のように工廠で必死に祈っていた。
「神様!今回は伊良湖の最中を用意しました。何卒宜しくお願い致します!」
ファティマ召喚には甘味を用意すると成功率か上がるという噂があった。
愛宕はガラス管の中に甘味を入れ、装置を作動させた。
ちなみにアナンダ君というのはファティマには珍しい男性型である
メヨーヨの戦闘僧侶イラー・ザ・ビショップのパートナーであり、カステポーの壊し屋として
新型GTMホウライをテストしていた。
見た目の年齢は十代前半で、薄紫の髪の毛、ボーイスカウトに似た制服を着ている。
要するにそういった嗜好の人間にとってドストライクの見た目をしているのだ。
「うあー!またハズレのエトラムルだ!お金返しなさいよ!」
エトラムルファティマとは非人間型の生体演算装置であり、ガリュー・エトラムル博士によっ
て開発された。某PCエンジンのシューティングゲームに出てくるボス敵の様な見た目をして
いる。パートナーを選ばない代わりに性能は人間型に劣る。
「運営に訴えてやるわ!」
資材を使い果たした四隻はひとしきり怒った後、消沈して帰って行った。
「私たちも何か甘味をもって来れば良かったかしら」
彼女らの様子を見ていた霧島が不安そうにつぶやく。
「データ分析の結果そうおっしゃると思って用意してあります」
後ろから鳥海が現れ鹿児島銘菓かるかんを差し出した。
さらに摩耶に天龍、龍田そして綾波と夕立もまた現れた。
「あなたたち、何故ここに?」
「水臭いぜあねご、仇討つんだろ、俺達もつれてけよ」
「次こそはあのにやけ面に一発入れてやるぜ!」
「天龍ちゃんを苛めたやつ、フフフ」
「次の出撃はぜひとも綾波に護衛をさせてください!」
「覚めるような悪い夢を見せてあげるっぽい!」
高速修復材で回復した彼女らは意気軒高であった。霧島は頼もしい組員達に胸が熱くなる。
霧島はお供え物をガラス管に入れて祈りを捧げる。
ファティマ召喚装置が光を放ち中央のガラス管から少女が現れた。どうやら成功の様だ。
可憐ではあるが取り立てて特徴のない普通の少女が挨拶する。
「えーと私はハルぺルと申します、特に凄い能力のないありふれた普通の工場ファティマです。
今後ともよろしくお願いいたします」
周囲の人間は霧島ならば凄いファティマを召喚するのではないかと期待していたが、この挨拶
を聞いて落胆していた。
しかし当の霧島はハルぺルの手を取って喜んだ。
「ありがとう!よく来てくれたわ!」
「聞いて、我が国の友好国が大変なの!隣国の軍事大国に攻め込まれて国境の街では虐殺まで起
こっている。このままではその国の民は殺されるか奴隷にされるか二つに一つなの」
「私はこの二か国を救いたい!突然異世界から転移してきた私たちを温かく迎えてくれたあの人
達を守りたい!どうか力を貸して!私と一緒に戦って欲しいの!」
霧島は復讐よりもクワトイネ公国とクイラ王国を守ることを第一に考えていた。
ハルぺルは肩を震わせ泣いていた。
「運命の神様、機械の神様。生まれ変わっても再び、真の騎士様に仕えることが出来る幸運を与
えて下さったことに感謝します」
「霧島様改めて挨拶します。私の名前はインタシティ、リチウム・バランス博士によってこの世
に生み出された最古のファティマ四姉妹4ファッティスの四女でございます」
その言葉を聞いて摩耶が怒鳴る。
「おい!なんでさっきは違う名前を名乗った!」
ハルぺルもといインタシティは胸に手を当て説明する。
「その理由を説明致します。私を含めた最初期のファティマには後のファティマに施されている
不老処置がされておりません。私の寿命が残り少なくなった時、星団法委員会で保存が決定さ
れました。しかし私は博物館で骨董品の様に展示されるのは嫌でした」
後のファティマには環状DNAを用いたテロメアの減少を阻止する処置がされており寿命という
ものがない。しかしインタシティとその姉妹には寿命があった。
「私はこの命尽きるまで騎士様と共にありたかったのです。私の我が儘をクローム・バランシェ
博士は聞き届けて下さり、ハルぺルという名前と工場ファティマの身分を与えてくれました。
そのおかげで私は命続く限りファティマの本分を全うできたのです」
彼女が二つの名前を持っているのにはこういった理由があった。彼女は己の命より使命を大切
にしたのだった。
「そんな訳があったのね理解したわ。改めましてインタシティ、よろしくお願いするわ」
霧島は手を差し出しインタシティと握手した。
「私のスペックは先ほど申し上げた通り、後のファティマと比較して少し劣る数値です。ですが
常に騎士と共に有り続けた687年間、蓄積した戦闘経験は必ずお役に立てると思います」
「687年!?」
人間ではありえない戦歴の長さに霧島達は驚く。
「凄えな軍歴687年の超古参兵かよ」
摩耶が唸る。そのほかの組員も圧倒された。
新世界暦39年、
後年、敵対国を恐怖で振るえ上がらせた最強最悪のコンビはこうして誕生したのだった。
その後構成員はファティマ召喚装置を使用し、各々がパートナーと娶った。
摩耶 スパリチューダ バランシェファティマ、予測演算戦闘にて星団最強
鳥海 ビルド エストの妹、指揮統率能力に優れる。
天龍 エイジア 電子攪乱戦が得意
龍田 ポーラ 電子攪乱戦が得意、酒は飲まない。
綾波 ビューリー シルバー・バランシェ作、対多数戦闘のプロ
夕立 コンコード 宇宙で最も困難な育児を成し遂げた
何故か全員ハスハ連合に縁のあるファティマ達ばかりであった。
更に艤装融合させるGTMを建造する事となった。
GTM建造はパートナーのファティマが搭乗したGTMが出てくる可能性が高い。インタシティが
生涯に搭乗したGTMは数多い。
「どの子が出てくるのでしょうか、ホウザイロシリーズの三機のうちのだれかかしら、それとも
バーガ・ハリEBSかしら?」
ホウザイロは星団で最初にファティマを搭載したGTMであり、三機とも初代剣聖スバースが搭乗
した。バーガ・ハリEBSはハスハ連合教導騎士団エンブリヨ隊で使用されたGTMである。
霧島とインタシティが大型建造を回すと建造時間は8時間と表示された。
工廠を管理する秋津洲が過去のデータを参照した。
「今までに8時間と出たのは不知火とパルテノのデトネイター・ブリンガー、妙高とウリクルの
エンドレスの二例しかないかも」
なにかとんでもないGTMを引く予感がする。
「時間がないから高速建造材を使ってちょうだい」
霧島の指示で建造ドック内でバーナーが焚かれる。たちまち建造が終了した。
工廠から出てきたロボットにそこに居た全員が目を奪われる。
「なんて美しいロボットかしら」
工廠から世にも美しいロボットが現れた。
無色透明の装甲を施され、高い帽子を被った女性を思わせるシルエットをしたゴチックメード
その名はディー・カイゼリン
フィルモア帝国からハスハ連合に不戦の証として送られた元皇帝騎であり、超帝国の主力騎シ
ュッツィエンのエンジンを積んだ超高出力の機体である。
余りにもエンジン出力が高すぎるので、頭部と機体後方から余剰エネルギーをプラズマ炎に変
えて放出しなくてはならないほどである。
二代剣聖デューク・ビザンチンとインタシティが駆り、ハスハ統一戦争を戦った機体である。
「やっぱりこの子でしたか、なんだかそんな気がしていました」
インタシティは懐かしそうにカイゼリンを見つめていた。
その他の霧島組のGTMは以下の通り。
摩耶&スパリチューダ バーガ・ハリESSQ
鳥海&ビルド バーガ・ハリ・BS-R”ハブ”
天龍&エイジア バーガ・ハリESSQ
龍田&ポーラ バーガ・ハリESSQ
綾波&ビューリー バーガ・ハリKK
夕立&コンコード ????
バーガ・ハリは軍事力第三位のハスハ連合の主力GTMである。世界三大GTMに数えられ、多く
のバリエーションを持つ。重装甲で高い耐久性を誇る傑作GTMである。
旧設定ではA・トールと呼ばれ、エルガイムのアトールを再デザインした見た目であった。
新設定ではデザインが大きく変更され女性的なシルエットをしている。
バーガ・ハリESSQは処刑部隊であるスクリティ隊仕様で強力なジャマーを装備している。
バーガ・ハリ・BS-R”ハブ”は連合最大最強であるスバース支隊に配備された、駆逐GTMのカス
タム騎である。機体色は真紅。
バーガ・ハリKKはベラ国に駐留するツラック支隊の仕様騎、地方でも運用しやすいよう一部の装
備が簡略化されている。
反撃の準備は着々と整っていった。
マイハーク日本海軍出張所では所長の一ノ瀬提督とクワトイネ公国外務省日本国担当ヤゴウ・
チャープルが会談していた。ヤゴウには護衛の魔導師が同行している。
今回の会合は日本国側から打診されたものである。
「先の襲撃における主犯格の大魔導師、ボスヤスフォートを殺せないとはどういうことですか?
説明をお願いします」
ヤゴウは一ノ瀬からの申し入れに耳を疑い真意を聞き出そうとした。彼は日本側が日和ったの
ではないかと考えた。
「文字通り意味です、ボスヤスフォートは殺せません。信頼できる筋から情報によると彼は殺し
ても生き返るからです」
ヤゴウは仰天した、まさか自国の敵がそれ程の化け物とは想像していなかった。
「彼は死ぬと思念体のみになり別の魔導師の精神に寄生するそうです。そうして宿主に魔力と知
恵を与えてその国の中で出世させ、国を動かせる地位にまで押し上げます。そうして死者甦生
できるアイテムを探索するよう誘導し、入手したら横から掠め取るのです」
何という遠大な計画だろうか。
「問題は宿主に力を与えるという部分です。この世界では魔力の高い者ほど高い地位を得るのだ
と聞いております」
ヤゴウは頷く、国内で最も魔法に長けた人物が相談役として政治に助言する立場を得る、とい
うのはこの世界の大多数の国家では常識である。
「もしもボスヤスフォートが死んでこの世界で力のある国の大魔導師に寄生されたら大変なこと
になります」
もしまかり間違ってこの世界の第一列強国、神聖ミリシアル帝国の大魔導師に寄生されたらど
うなるか、その人物が出世して宰相になったらどうなるだろう。
「日本国に対して敵視政策を取られたら、この世界で孤立無援になってしまいます」
日本国にとってただ戦争に敗北する以上に悪い結果をもたらすだろう。
「ですのでボスヤスフォートは殺せないのです」
ヤゴウは頭を抱えた、今回の戦争は勝っても負けても悪い結果しかもたらさない。
「どうすればいんですか」
「半殺しにして永久に幽閉するしかありません」
ヤゴウは一ノ瀬提督もまた艦娘達と同類なのだと思った。
「プランAとしてはカーボンナノファイバーで固めたあと液体窒素で冷凍する計画です。ただこ
れでも不安が残ります」
ボスヤスフォートにまだ隠された力があるかもしれないからだ。
「そこでご相談があります。なにか効果が期待できる魔法をご存じないでしょうか?」
日本国はまだ戦う意思を失っていなかった。
当然だ、かつての深海棲艦との戦いでは今の事態などピンチの内に入らない。
悪名高き「竹の輝き」そして「ドーバー海峡沖海戦」の鬼畜さに比べれば今回はまあまあ難し
い程度だろう。
ヤゴウは知っている魔法で良いものがないか考え始めた。その時ヤゴウに付き添っていた公国
の魔導士が手を挙げた。
「私であれば効果があると期待できる魔法を使う事が出来ます」
一ノ瀬は喜んだがヤゴウは困惑した。
「もしかして貴方は戦場に同行するつもりですか?」
「ええ、そうしなければいけないでしょう」
一ノ瀬は魔導士の手を取って感謝の意を表す。
「協力に感謝します!日本国は貴国の協力に永遠の感謝を忘れないでしょう」
この場でヤゴウだけが頭を抱えていた。
「計画を変更しなくては」
ここは神の住まう神界と現世の境界にある世界。
主に神の使い達が仕事をする場所である。
そこで働く者たちは困惑していた。突然上司たる太陽神と緑の神がやってきて、途轍もない危
険物を持ち込んだからだ。
「ワンダフル
太陽神が口をすぼめて突き出すと眼球が飛び出て伸びる。
「はうわ!ブラックホールの底まで見渡せるこのワンダフル
者の正体が見えぬ!」
太陽神の視線の先には磔にされた陽炎がいた。
お待たせして本当に申し訳ございません。
シキナミン欠乏症と黒潮病についてはおーぷん民の間にのみ語られる病気です。
実際に存在する病気ではないのでご安心ください。
病気を題材に冗談をいうのは不謹慎かもしれませんが、現在病気で苦しんでいる人を笑いもの
にする意図で行ったものでは御座いません。
もし不快に思った方がおられましたら深く謝罪させていただきます。