染まるセカイ   作:零奥0

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プロセカが好きなので書き始めました。

推しはこはねちゃんです。

完璧自己満足の小説ですが、それでもよければお楽しみ下さい。


序章:白紙のセカイと立場
出会いと始まり


 一旦状況を整理してみよう。

 

 家に帰った僕はいつの間にかスマホに入っていた音楽「untitled」を再生した。そして淡い光に包まれたと思ったら、目の前には真っ白な世界が広がっていた。

 

 これは比喩ではなく、本当に真っ白なのだ。壁なんて存在せず、床や天井なんて周囲と同化しすぎて見分けなんかつかない。

 

 ここは一体何処なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 「あれは何だったんだろうか」

 

 昨日のことを思い浮かべて1人呟く。あの光景はスマホの「untitled」を停止するとまた淡い光に包まれて自宅に戻っていた。

 

 今は画面に映し出されている「untitled」と睨めっこをしてどうするかを思案している。この曲、アンインストールしても消えないのだ。だからと言ってもう一度再生してあの妙なセカイに行くのも気が引ける。

 

 「どうするべきだ?」

 

 そんな呟きが聞こえたのか、前の席に座る1人の男子が声をかけてくる。

 

 「どうした、透野?」

 

 そう言って僕の様子を伺う。

 

 「んー?ちょっと自分の理解が及ばない出来事があってさ……。まぁそこまで重大な問題とかじゃないから気にしないでも大丈夫だよ。」

 

 そう答えると、その男子は「そうか」と答えまた前を向く。

 

 僕はまたこの曲をどうすべきかまたループに陥っている思考にシフトする。

 暫くすると前の席の男子に声をかける人が現れた。

 

 「冬弥、用事すんだぞ。」

 

 冬弥と呼ばれた男子に話しかけたのはオレンジ髪の少年、東雲彰人。先程呼ばれた青柳冬弥と共に、2人はBAD DOGSというユニットを組んでストリートパフォーマンスを行なっている。実際僕も彼らのライブを見に足を運んでいる。最近はメンバーが増えて4人になりユニット名を変わったらしいが。

 

 「ああ、それじゃあ行くか。またな透野」

 「うん、また明日。東雲も」

 「おう、またな。」

 

 そう軽く挨拶を済ませて彼らは教室を出て行く。教室に残った僕はふと時計の方を向く。

 

 時刻は午後5時40分少し前。空にだんだん朱色がさしてきて西日がキツくなってくる時刻だ。

 

 「……僕も帰るか。」

 

 机に掛けてあった鞄を肩にかけ、教室を後にする。結局曲をどうするか、決断はできなかった。これは帰り道も悩まされることになりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 「寄り道してくか」

 

 なんとなく、今のモヤモヤした気持ちで家に帰るのも気が引けてそんな考えに至った。中学生のころから行きつけであるカフェにでも寄って行こう。

 

 「いらっしゃーい!」

 

 扉を開けると元気な女性の声が出迎えてくれた。

 

 「あ、シンじゃん!店に来るの久々じゃない?」

 「こんにちは白石さん。まぁ帰り道とは言えど頻繁にお店に寄れるほどの経済力は無いからね。」

 

 今僕の名前を呼んで対応している店員は白石杏。ここのお店の娘さんで同じ神山高校に通う同学年の女の子だ。

 

 「あははそっかそっか!席はカウンターでいい?」

 「うん、どこでもいいよ」

 「はーい、一名様ご案内でーす!」

 

 彼女の後をついて案内された席に着く。

 

 「おうシン、久しぶりじゃないか。元気にしてたか?」

 「お久しぶりです謙さん。はい元気でしたよ。」

 

 カウンターの内側から対応してくれたのは白石さんのお父さんである白石謙さん。元ストリートパフォーマーで今はこの店WEEKEND GARAGEの店長を勤めている。

 

 「そうかい、なら良かった。ご注文は?」

 「カフェオレを1つ。砂糖多めで。」

 「はいよ。ちょっと待ってな」

 

 そう言って謙さんはドリンクの作成に移った。その手際を見ていると隣の席に誰か腰掛けたようだった。

 

 「父さん!あたしにも同じの!」

 

 そこには白石さんが居た。……勤務中では?

 

 「お前は自分でやれよ」

 「いいじゃん。今はシンと話すんだし。」

 「いや初耳ですけど?」

 

 親子の会話に何故か僕の名前が上がり、流石にツッコむ。

 

 「今決めたから!」

 「白石さん、仕事は?」

 「ん?ああこれからちょっとあたし達が貸し切るから大丈夫だよ。」

 「貸し切り?」

 

 ふと気づき、店内を見回してみると僕以外の客はおらずいつもは賑わっている店内が今日はBGMのみが響いていた。どうやら僕はこんな明らかに変化していることにも気づかないほど思考回路が疲れていたようだ。

 

 「あ、じゃあ僕も帰った方がいい?」

 「んー、シンはまぁ友達だし大丈夫じゃない?彰人や冬弥も文句は言わないと思うよ。」

 「あの2人が来るの?……ああ確かあの2人と組んだんだっけ?」

 「正確にはあたしと相棒のユニットViVidsとあの2人BAD DOGSが組んだの。合計4人だね。」

 

 ということはもう1人居るのか。あの白石さんが選んだ相棒か、どんな人なんだろうか。

 

 「お待たせしたな、カフェオレだ。熱いんで気をつけてな。」

 

 白石さんと話していると謙さんがカフェオレを持ってきてくれた。

 

 「ありがとうございます。」

 「えー、父さん、あたしには?」

 「わかったわかった、淹れてやるから少し待ってろ。」

 

 白石さんは「ありがとー♪」と言うと話を戻し続ける。

 

 「ともかく、やっとあたしもユニットが組めたから目標に向かって全力で進めるようになったんだ!」

 

 彼女の目標、それは彼女の父親である謙さんが開いたイベントライブ、RAD WEEKENDを超えるイベントをすること。それは東雲も同じであり、WEEKEND GARAGEがあるビビッドストリートで日夜開かれているイベントに参加し腕を磨いている。

 

 そんな彼らと白石さんが組む、うむ実に熱いことだな。

 

 「そっか、よかったね。これからも応援するよ。」

 

 彼女の目標をずっと前から知っている僕は彼女がその目標に向かってようやく一歩が踏めた事が嬉しかった。

 

 「ありがと!……ねぇ、シン。」

 「ん?どうしたの、急に真面目なトーンで」

 「シンはさ、やっぱり歌わないの?」

 

 あぁ、その話か。

 

 「何回も言ってるでしょ?僕は人前では歌えないんだ。だから今のスタイルを取ってるんだよ。」

 「だけど、だけどさ……歌いたいとは、思わないの?」

 

 ……どうなんだろうか、そもそも僕はどうして人前で歌えないのだろうか?

 

 「思わない………とは思わない。大勢の人がいる前で思いっきり歌えたらそれは気持ちが良いだろうしね。」

 「じゃ、じゃあさ、」

 「でも、一度それをやろうとしてダメだった。自分の中で何がストッパーになっているのかわからない状態で、もう一度舞台に立つもは難しいよ。」

 

 前はただ度胸がないだけだと思っていた。人前で歌うことに恥じらいがあり、勇気を出せば歌えると思っていた。……でも違った。一度人前に立ち、舞台で歌おうとしたことがあった。

 

 でも、ダメだった。

 

 心臓の鼓動は落ち着いているのに、決心も付いているのに、口からは声が出てくれない。ただただ自分が歌うはずだった音楽が流れていくだけだった。何かが邪魔をしていた。

 

 「別に人前で歌う事がダメなだけで、歌えない訳じゃないんだ。今はこのままでいいと思ってる。」

 「………そっか」

 

 白石さんはそれ以上は追求してこなかった。謙さんが白石さんの分のカフェオレを持ってきてそれを2人で並んで飲んでいる間、やけに気まずい空気が流れていた。

 その空気を変えてくれたのは、店の入り口から響く呼び鈴だった。

 

 「こんにちはー」

 

 やって来たのは霞んだ黄色の髪色をツインテールに結った女の子だった。制服からして宮益坂女学院の生徒だろう。そしてこの時間に店に来ると言うことは……

 

 「いらっしゃいこはね!待ってたよ!紹介するねシン、この子は小豆沢こはね。あたしの相棒だよ!」

 「は、初めまして、小豆沢こはねです。」

 

 はやり白石さんが選んだ相棒だった。しかし意外だった。こんなにも可愛らしい子だとは。

 

 「初めまして。透野シンと言います。よろしくお願いします、小豆沢さん。」

 

 自分の右手を差し出して、握手の合図を取る。小豆沢さんはそれに気づいたのか慌てて僕の右手を握ってくれた。

 

 「え、えーと透野くんは杏ちゃんの彼氏さん?」

 

 なんちゅう爆弾発言してんだこの子

 

 「ち、違うよこはね!?中学時代からの友達!この店の常連!」

 「白石さんの言う通りだね。僕はただの友達で常連、それだけだよ。」

 「そ、そうなんだ、ごめんね変なこと聞いて……。」

 

 予想外すぎる質問にあったがその後は彼女達がどう言う経緯で知り合って何故ユニットを組むことになったのかを教えてくれた。成る程一時期東雲が荒れていて青柳と険悪だったのはそういうことだったのか。

 

 「あの時は流石に驚いたよ。学校では2人セットみたいなものなのにいきなり空気が悪くなっててさ、何事かと思ったよ。」

 「その節は迷惑をかけたな」

 「いや別に東雲にそっけない態度取られただけでそこまで迷惑はかかってないよ。ところで2人はいつ来たの?あとサラッと会話に入ってくるのは驚くからやめてね。」

 

 いつの間にか後ろにいた東雲と青柳はそのまま僕の右側に座る。因みに座り順は、左から

    小豆沢さん・白石さん・僕・青柳・東雲

 という順である。

 東雲はあの時の出来事を出されて少し居心地が悪そうだった。

 

 「まあみんなが無事に活動できてるならそれでいいよ。ところで4人はなんて言うユニットなの?」

 

 全員が集合してからそこそこ時間がたち、会話が進んだところでそう切り出した。

 

 「あたし達と彰人達のユニットからと4人だからSQUADを付け加えて ‘Vivid BAD SQUAD’!それがあたし達のユニットだよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────────────

 

 

 「結局また来ちゃったよ」

 

 またも目の前に広がるどこまでも真っ白なセカイ。ここに人は居ないのだろうか?

 

 「いらっしゃい。待ってたよ。」

 「えっ…………初音…ミク…?」

 

 誰も居ないと油断していると、後ろから声をかけられた。振り向くとそこに居たのは有名な’virtual singer’初音ミクだった。

 

 「ど、どういうこと?なんで君はここに……というかそもそもここは一体……」

 「ここは、セカイ。本当の想いを見つけられる場所。私はそのお手伝いの為にここにいるんだよ。」

 「セカイ……この真っ白な場所が、僕の想い…。」

 

 そこから詳しい話をミクから聞いた。

 

 1:この場所は『untitled』を再生すると入れる。

 2:この場所は自分の想いがカタチになった場所。

 3:想いや心の変化でこの場所のカタチは如何様にも変化する。

 4:今のところこの場所にいるのは僕とミクのみ。

 

 ざっと纏めるとこのくらいだろう。

 

 「本当の想いっていうのは?」

 「それは私にも分からないの。それは君、シン君が抱いている望みでもあり、無意識に意識しているものでもある。それが複雑に絡み合ってこのセカイが生まれた。名付けるとすれば……」

 

 ミクは少し考え込む仕草をして、この場所を名付けた。

 

 「【白紙のセカイ】って感じかな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これが僕の音楽(ものがたり)の始まりだった。




主人公設定

名前:透野シン

誕生日:9/3

身長:168cm

所属:神山高校(1-B)

セカイ:白紙のセカイ

曲名:不明

特技:歌(人前では歌えない)

趣味:ゲーム、料理

好きな食べ物:果物全般

嫌いな食べ物:チーズ

苦手:押しが強い人




常にローテンションで、どこか影のある少年。杏とは中学からの友人であり、彼女の良き理解者。
 昔から歌うことが好きだが、いつからか人前で歌う事が出来なくなり、現在は歌い手として活動中。歌のジャンルはボーカロイドが7割、J-popが3割程。周囲から高い評価を得ているが本人はそれを過大評価だと思っている。
 チーズが食べられない為、よくスイーツ関連で彰人と口喧嘩している所を目撃してされている。

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