染まるセカイ   作:零奥0

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2話目です。

グダグダです。

今後もこんな感じで投稿して行きます。気長にお待ちを。


過去を思う

 

 

 「これでよし、予約投稿完了っと。」

 

 同時にエンターキーを押し、業務を完了。パソコンから目を離して近くのベッドに倒れ込む。

 

 「ネット上(ここ)なら普通に歌えるんだけどな……」

 

 1人で歌って、原作のMVに当てはまるよう編集して1つの動画を創り上げる。どうしても歌うことを諦めきれなかったから始めたことだ。

 だからこそ……

 

 「自分のこの選択を後悔してはいないんだ…」

 

 

 それでも、それでもだ。動画を投稿するたびに考える。街で見たくない事を見てしまう。

 

 

 

 

 

 誰かと歌うことに憧れたことは幾度もある。東雲や白石さんを見ていたら嫌でもそれを認識させられる。

 

 自分にもこんな相棒や、仲間が居たらと

 

 でも僕にはそんな人は居ない。歌で繋がった人なんて何処にもいない。

 

 

 

 

 いつだって、肝心な時に声が出ない。

 

 視点が定まらない。

 

 音が消えていく。

 

 

 

 

 …………周囲からの視線が突き刺さる。

 

 

 

 

 

 …………痛いくらいに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あのセカイは僕のこう言う一面を写したんだろうか。

 

 他者との繋がりが、最も求めている項目に存在せず自分がただ1人で居ることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 学生の義務は勉強をする事。けれど、そんなこと言われてやる気になる人なんてほんのひと握りの真面目な方達だけだ。

 

 少なくとも、僕はその類の人間ではない。授業中話半分に、けれど指されても問題ない程度には先生の話を聞き、板書を写す。

 後からテスト勉強で困らないよう見返した時に、こんな事やったな、と思えるくらいには頭の片隅に保持しておく。

 

 それを午前に4回、午後に2回、合計6回行ったら帰宅する。偶に1回減って身体を動かす事もある。

 

 帰宅した後はバイトに赴く事もあれば、カフェに寄る事もある。もしくは新しい曲や物語を見つけるためにショッピングモールで買い物をしたり、友人と寄り道をしたりする。

 

 

 

 ………家で歌う事も

 

 

 

 そんな学生生活を送りながら、好きな事で一応活動出来てはいる。側から見たらそこそこ充実した日々を送れている事だろう。

 

 

 そんな日々を続けたいと思う一方、物足りなさを感じる。

 

 

 

 ……満たす方法は知っているけれど、実行は出来ない。

 

 

 はぁ、なんで……なんで……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ぅの……、とうの……、透野!!」

 「……え?」

 「起きたか?早くしろ、遅れるぞ」

 「ごめん寝てた。……何処に?」

 

 僕を起こした東雲は盛大にため息を吐くと呆れ100%の声色で告げた。

 

 「お前が俺たちの練習に来るつったんだろうが!置いてくぞ。」

 「あぁ、そうだった。今行くよ。」

 

 手早く使わない教材をロッカーに押し込みそそくさと教室を出て行く東雲に置いて行かれないよう、足早に教室を後にする。

 

 

 ……嫌な事を夢の中で突きつけられたな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────────────

 

 「〜〜〜〜〜♪!〜〜!」

 

 「「〜〜〜!〜〜〜〜〜……〜!」」

 

 「〜〜〜!!」

 

 ビビッドストリートから少し離れた公園で、4人の練習風景を眺めていた。

 

 「……こんなもんか、今回はいい感じに揃ったな」

 「あぁ、俺も綺麗に歌えたと思う。」

 「あ、やっぱり?あたしも良かったと思う!ね、こはね?」

 「うん!みんなに合わせられたと思う!」

 

 少し自慢げに東雲が言うと、みんなそれに賛同する。かと思ったらその中でも気になった事をすぐさま議論し始めて反省会に移行する。

 

 伝説を超える、と豪語するだけあり少し妥協も許さない辺りしっかりとしている。

 

 「透野、お前はどう思う?」

 

 関心しているところに東雲から声がかけられる。恐らく先程までの歌の出来栄えを訪ねているのだろう。

 

 「んー?どうって言われても、みんなの練習を見たのは今日が初めてだしなんとも言えないけど、客観的に見たらすごく上手だと思ったよ。」

 「そうか、お前がそう言うならまぁそうなんだろうな。」

 

 東雲はそう言うとまたビビバス内での話し合いに戻る。

 

 ……東雲は僕を買い被り過ぎだと思うよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────────────

 

 

 

 それは、ふと気になって尋ねただけだった。

 

 「ねぇ、杏ちゃん」

 「ん?どうしたのこはね?」

 「透野くんってどんな人なの?」

 「……え、急にどうしたの?……まさかこはねってシンみたいな人が……」

 「ち、違うよ!そうじゃなくて、東雲くんが透野くんの言葉をすぐに受け入れたから、珍しいなって思って」

 「あぁ、そーゆーことね。……うーん、口で説明するより聞いた方が早いかな」

 「…?」

 

 そう言って杏ちゃんが取り出したのはスマートフォン。画面に表示されているのは、誰かの歌動画だった。

 

 イヤホンを手渡され、徐に耳にはめたら再生ボタンが押される。

 

 

 

 その瞬間

 

 

 

 圧倒だった。動画なのに、録音なのに圧がある。感情が投げつけられるかのように飛んでくる。そして、包み込むような優しさをも感じる。

 

 歌が上手い、というレベルを超えている。これは歌い手という係には収まらない。

 

 むしろ、この域は

 

 

 「プロの歌手みたいでしょ。」

 

 イヤホンを外して杏ちゃんが私にそう言った。

 

 的を得た答えだった。

 

 「……最初ね、シンの歌を聴いた時さ、羨ましいって思ったんだ。あたしが持ってない技術、才能全部あった。」

 

 杏ちゃんは視線を透野くんに向ける。当の本人は東雲くんと何か意見交換でもしているのだろうか?少し言い合っているみたい。

 

 「杏ちゃんは、透野くんと組みたかったの?」

 

 相棒として私を選んでくれたことは嬉しい。でも、透野くんという存在が居て、どうして私を相棒にしてくれたんだろう?

 

 「ううん。寧ろその逆。絶対に負けたくないって思ったから組もうなんて選択肢は無かったの。こはねと違うのはそこ。あたしはこはねとどうしても一緒に歌いたいって思った。だから相棒にしたかった。」

 

 私の発言から思考を理解してくれたのか、私が欲しい言葉を杏ちゃんは言ってくれた。

 

 「ともかく、彰人がそうやって意見を直ぐに聞き入れるくらいにはシンの歌は凄いってこと!」

 「東雲くん達も動画で透野くんの歌を知ったの?」

 「そうだよ。あたしが教えたの。シンは人前で歌えないからね。」

 「…………………………え?」

 「…………………………え?」

 

 人前で、歌えない?透野くんが?

 

 「言ってなかったっけ?」

 「は、初耳だよ!?」

 

 私もだが、杏ちゃんの方が動揺していた。ただ、私が知らなかった事を驚いているよりも、この事を言ってしまったことに対して『しまった!』と思ってるような感じだった。

 

 「え、えっとねこはね、このことは、その、シンには…」

 「いくらなんでも口軽すぎでしょ白石さん。」

 

 杏ちゃんの表情が絶望に変わった。反対に透野くんは無表情で感情が読めない。……強いて言うなら、呆れてるのかな?

 

 「あんだけ話す時は場所と人を選べって言ったのに……」

 「ま、周りに人は居ないし、こはねに言うんだから別に…」

 「結果論に過ぎません。」

 「ごめんなさい。」

 

 透野くんはそこまで怒っていないようだった。もしかして杏ちゃん、これが最初じゃない?

 

 「ま、言っちゃったもんはしょうがないか……。小豆沢さん、この事はなるべく人には言わないでね。隠してるってわけじゃないんだけど、後から面倒だからさ。」

 「う、うん。……その、」

 

 ‘どうして歌えないの?’そう聞きたかったけれど、それが言葉として出る事は無かった。

 透野くんの後ろにいる東雲くんと青柳くんが、’それだけは聞くな’と表情が物語っていたから。

 

 「す、凄いんだね、透野くん!こんなに歌が上手いなんて……」

 

 代わりに出たのはさっきの動画に対する感想だった。

 

 「ん?あぁ、去年上げたやつか。ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいよ。」

 「透野くんはいつから歌ってるの?」

 「うーんと、歌い始めたのは小学生の低学年くらいだった筈…?ごめんちょっと曖昧。ただ、歌い手として活動を始めたのは中学1年から。そこはしっかり覚えてる。」

 「そんな前から…!」

 「というかこはね、お前今まで透野(こいつ)のこと知らなかったのか?こいつ歌い手としては有名な部類だぞ?」

 

 東雲くんは透野くんを親指で指しながら私に聞いてきた。透野くんは有名と言われたのが嬉しかったのか、少し頬が緩んでいた。

 

 「その、今まで原曲ばかり聞いてきたから」

 「まぁ、歌い手っていうのは、歌い手っていうジャンルに興味が無いとたどり着く人は少ないだろうからね。小豆沢さんが知らないのも無理はないよ。あ、そうそうそれよりも東雲、この前のイベントさ……」

 

 スッとフォローをしてくれた透野くんは、この話題を続けたくないのか、少し強引に話題を変えた。東雲くんもそれを察してかそんな透野くんの話に乗っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 結局、どうして歌えないのか聞けなかったな………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────────────

 

 この景色に変化はない。ただただ白く広がるだけだ。

 

 「いらっしゃい。今日はどうしたの?」

 

 ミクはそう言って僕の元にやってくる。このやり取りは僕がセカイにやってくる度に行われるため、最早ルーティーンと化していた。

 

 「変化があるか見にきたんだ。……何も変わっていない様だけど。」

 

 辺りを見回してすぐにその解答にいたる。このセカイは変化が起きたら直ぐにわかる。

 

 「確かに変化はなかったね。でもそう思うって事はシン君の周りで何かあったって事でしょ?」

 「………昔の事を夢で見ただけだよ。自分がどうして活動を始めたかって事を再確認したんだ。」

 

 だからといって、何か心境の変化がある訳じゃない。当然だ。誰かからの影響なんか受けていないし、ただ過去を振り返っただけだ。

 

 「ねぇミク、このセカイはどうやったら変わると思う?」

 「うーん……一番は、シン君の心が動いたり、考えが変わったりする事かな?実際に起きてないからなんとも言えない所だけど。」

 

 ……考え方、か。

 

 

 

 

 

 この状況を孤独って言う意外、何と言えばいいんだよ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




登場人物像紹介1

白石杏

基本プロフィールは本家参照

主人公のシンとは中学以来の友人。ユニットを組むまでは自分の歌の練習にしょっちゅう付き合って貰っていた。シンの歌には最初羨望と嫉妬が入り混じった想いを抱いたが、シンの事情を知るにつれて薄れシンの問題解決をしたいと思うようになる。


メインヒロイン感出ていますが予定はしていないです。ただ動かしやすいから今後も登場回数は多くなるかと思われ。






初音ミク

基本プロフィールは本家参照

外見はオリジナルミクそのまんま。シンの想いを見つける手伝いをする為に来たと本人は言っているが詳しいことは不明。


新しいミクを作ろうかと思ったけど、そもそも外見の案が出なかったので、じゃあオリジナル使おうと言うことでこうなった。








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