セカイが変化する度にそれぞれのキャラを書くと思います。
最近知り合った友人から、偶に聞かれる。
『とある男子と付き合っているの?』、もしくは、『その男子のことが好きなの?』か、と。
あたしは決まって答える。
「大事な友達だ」と。
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あたしとよく噂が立つ男子──透野シンとあたしが初めて会ったのは中学1年生の時に遡る。
あたしがWEEKENDGAREGEで父さんの手伝いをしていた時にシンが来店してきたのがファーストコンタクトだった。
雪のような真っ白な髪、透き通るような薄いエメラルドの瞳、そして中学生にしては大人びていて、整った顔立ち。
シンは人目を引く綺麗な容姿をしていた。
もちろんあたしも最初は一瞬見惚れたけど、すぐに切り替えて定員としてしっかりとした対応をした。………はず。…多分。
ともかく、初めて来店した人だったのと、今は高校生になって同年代の人達が来るようになったけど、当時としては滅多にこない中学生のお客さんかつあたしと同年代の人だったので、興味本位で声をかけた。
そこから仲良くなって、シンは偶に来る常連さんになった。
正直当時どんなことを話したのかはあまり覚えていない。ただ、シンが人前で
更にあたし達の距離が縮まった事といえば、シンが歌の練習に付き合ってくれたことだろう。
父さんのイベントを超えるため、ストリートで歌っていたのをシンが見たのがキッカケだった。
抑揚の付け方、ブレスのタイミング、息遣い、感情の乗せ方、更にはオススメのトレーニングまでその時教えてくれた。流石に一度に全部覚えきれなかったので、シンが店に来るたびに歌を聴いてもらい、アドバイスを貰う事が習慣になった。
当時の事をシンに話すと、
「いきなりアドバイスするとか当時の僕何考えてんだろうね…」
なんて言うけれど、今のあたしの歌があるのはあの時シンがアドバイスをくれた事が始まりだ。あたしとしては感謝しかない。
そしてこの時からだ。シンの歌が聴きたくなったのは。
初めてシンの歌を聴いたのは、知り合ってから2〜3ヶ月くらい経った時だ。
ただ、その話をする前にシンの、人前で歌えない、という性質に少し補足が必要だ。
それはシンが人前という事を
どう言うことかというと、シンが実際歌っている時にシンが誰かに聞かれている事に気づいていなければ普通に歌えると言う事だ。
その性質のおかげであたしはシンの歌を生で聴くことができた。
先生から呼び出しがあり、少し疲れて荷物を取りに戻る最中に通る音楽室で、全部活動が休みの水曜日の日にシンはピアノを弾きながら歌っていた。弾いていたと言っても、必要最低限の音だけだったけど。
ただ、それでも十分だった。むしろそれで良かった。
シンの歌声、歌い方、メロディーが少ない分それがダイレクトに聞こえた。
透き通るような、自然と吸い込まれる歌
この時本能的に理解した。
この歌を越えられない限り、あたしの夢は達成されないと。
越えられなければ、あたしはシンに呑み込まれる。
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シンの歌を聴いた事を本人に話したら、見た事ないほどにビックリしていた。でも、どこか嬉しそうで寂しそうだった。
それから数日後に、シンは動画サイトで自分の歌の投稿を始めて、歌い手として活動しだした。
最近は『歌ってみた』というジャンルは動画の方も凝っている場合がある。というか多い。
他の人との差別化というのもあるが、視聴者に飽きさせない工夫でもあるのだろう。
対してのシンは全部が原作MV。相手に許可を取り、自分の歌声に極力手を付けずに、必要最低限の加工や編集を施して投稿していた。
それでも見ている人は右肩上がりに伸びていった。
持ち前の歌声や歌唱力はもちろん、アレンジ、コーラス、編集、全てを1人で行っている事が話題を呼んだようだ。特に歌唱力。
シンは新しい動画を投稿するとあたしに教えてくれた。
シンが動画投稿を始めた理由があたしにあるからだろう。
『もっとシンの歌を聴きたい』たったその一言を真剣に考えてくれて、実践してくれた。
もしかしたらあたしの自惚れで別のきっかけがあるのかもしれない。けど、シンの歌をたくさん聴けるのがめっちゃ嬉しくて、あたしも負けられないって思って、モチベーションにもつながった。
そのまま中学でもお互いに程々の友達としての距離感を保ちつつ、高校に進学。今に至る。
だからね、シン、あたし思うんだ。
原因が何かなんてあたしは分からない。
それでももう一度人前で歌えるようになるミライは
そう遠くないって。
シンは友達。とっても大事な、ビビバスと同じくらい大事な、目標をくれた友達。
……恋愛感情?………よくわからないかな。
主人公追加プロフィール
白髪、翠玉色の瞳(外見イメージはすりぃ様のチャンネルでの『限りなく灰色へ』に登場するキャラクター)
声色:中性的、両声類とも言える。
歌唱力:化け物クラス。