二周目アルトリアと転生元マスターの逆行譚   作:アステカのキャスター

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 結構ギャグです。 
 押しが強いモルガンとアルトリアと挟まれたラスカが第四次に召喚された話。苦手な方は回れ右で引き返してください。では行こう。


番外編 第四次聖杯戦争

 

 

 

 

 

 

「サーヴァント、キャスターああああっ!?」

「ひでぶっ!?」

 

 

 仮初の座から引っ張りあげられるかのように召喚されたと思ったら、子供が裸でベッドに二人も縛り付けられている。警察沙汰以前に許されざるマイノリティをかましている男にドロップキックをお見舞いする。優雅のかけらもなく、ただ目の前の現実を否定するかのように自己紹介途中に思いっきりいった。

 

 ちょっと待てこれ未来の鞘候補!?

 何してんのさ衛宮士郎!?君、拾われるまで第四次聖杯戦争に何の関わりもなかったじゃん!?

 

 もう一人は……この子確かコトネちゃんかな?遠坂凛の友達の。

 

 

「……成る程、並行世界だからか?鞘候補だからか?だったら切嗣に呼ばれると思ったんだが、てことはアレか?アルトリア覚えてないのか?」

 

 

 まあとにかく、裸になった二人を近くにあった毛布に包んでこの場を退散する。このロリコン及び快楽殺人犯には未だ侵されている呪いを分けてやった。多分、五分もしない内に死ぬと思うが。

 

 あーもー、最初からヤバすぎるよ。

 呪いをかけられる前の俺が召喚されてるとは言えだ。召喚された先がまさか未来の鞘候補と虚な目をした女の子が真冬に素っ裸でベッドに縛り付けられてるって、どんな混沌現場だよ。

 

 

 とりあえず、森に家建てて庭造りするか。

 ちょっと凄いの建ててやろう。城ではないけれどな!

 

 

 ★★★★★

 

 

「聖杯に招かれし英霊ども!今ッ!!ここに集うがいいッッ!!なおも顔見せを怖じるような臆病者は、征服王イスカンダルの侮蔑を免れぬものと知れッ!!!」

 

 

 怒号にも似た叫びが周囲に響き渡る。 

 征服王イスカンダルの挑発がこのコンテナ付近で響き、英霊の侮辱を受けたくない奴らは全員現れる。

 

 そして俺もそれに乗じて姿を現した。

 

 

「うっせぇな、鼓膜破れるっつーの」

 

 

 コンテナから上はギルガメッシュが怖いので普通に下から現れる。見下ろしたら不敬だし見上げても不敬ってどうしようもなくない。だからとりあえず目線は合わせない。

 

 

「あ、貴方は……!?」

 

 

 あっ、コイツ記憶持ってやがる。

 優しい顔をしてアルトリアに近づいて頭を撫でようとする。

 

 

「久しぶりだな、アルトリア……と言うとでも思ったかコラァァァァ!!」

「ひぎゅ!?」

「お前のせいで俺は縁召喚されたんだぞコラ!! 久しぶりに会えた事は嬉しいけど、何故それが星見(カルデア)じゃなくて第四次聖杯戦争(死亡フラグ)なんだよ!! かつての主君が部下に迷惑かけてんじゃねぇ!!!」

「ひだだだだだだだっ!?」

 

 

 即座に迫り、両頬をこれでもかと引っ張り上げる。

 そう、俺が知っている時空でのアルトリアはアヴァロンにいる筈なのだ。当然、英霊として呼ばれた一周目のアルトリアには座は存在するが、二周目となればアルトリアは死なず、聖杯を得る意味もなくなっている。英霊になる前の姿なら守護者となっていても不思議ではないが、アルトリアが構えているそれはマーリンに造らせたデッドコピーだ。そして何故か俺の記憶を持っている。

 

 つまり今のアルトリアは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「で、なんで召喚されたんだ?俺が言える訳じゃないが、お前アヴァロンでまだ生きてんじゃん。俺もだけど。つか最大の触媒も俺が持ってるし」

「えっと、昔私が使っていた鎧の一部があるんですけど、それで召喚されました。縁ってことは貴方の場合は私の鞘ですか?」

「おう。で?応じた訳は?」

「あー、貴方に召喚された亜種聖杯戦争があったじゃないですか。そこで食べた現代のご飯が美味しい事を思い出して、その出来心で……つい」

「フンッ!!」

「あだぁ!?」

 

 

 かつての王が部下に二度も迷惑かけやがって。

 俺は王に使いっ走りにされる運命なのか?そうだ、これも全部この馬鹿(アルトリア)が悪い。……いや待てよ? 騎士王でありながら人の王になったコイツは第四次で召喚されるアルトリアじゃない。ちゃんと聖杯について考えられる王だ。

 

 

「……ん?待て待て待て、じゃあアレは?お前のマスターの願いは?」

「いやもう特には無いと思います。あるならアイリスフィールの存命でしょうか」

「世界平和とかじゃなかったか?あのマスター」

「知っているのですか!?」

「まあ少し生前で」

 

 

 原作知識だけどな。

 まあ生前に出会っていない訳ではないが、その時は利害の一致によって共闘した程度だ。会話は無かったけどな。何故、恒久的平和を諦めたのかセイバーが軽く説明する。

 

 

『切嗣の願いは世界の恒久的平和よ』

『……無理では?』

『えっ?』

『いや……それは、どの過程を省略して叶える願いですか?』

 

 

 あー、俺の指摘に近い再現がされている。

 切嗣の願いは過程そのものが存在しなかったから不可能だった。それを聞いて慌てたようにアイリスフィールは切嗣に相談。どうすれば恒久的平和になるのか分からず顔を真っ青にしていた。

 

 という訳でイリヤを連れてセイバーごと令呪で空間転移し、この聖杯戦争に参加したらしい。何つー原作崩壊。まあ俺が召喚されてる時点でもう既にそうか。願いはアイリスフィールの存命、器になった後元に戻すのか、納得。

 

 

「えっと、とりあえず同盟組む?」

「喜んで」

「ライダーも同盟組む?」

「軍に降るのではなく対等な同盟をか?」

「おう、いや聖杯呪われてる可能性が高いのと、三人くらい組まないと勝てない相手がいるからさ。なあ、英雄王ギルガメッシュ」

 

 

 チラリと電灯の上を見やると、黄金の鎧を着た王が姿を現した。

 

 

「ほう、異界の魂を内包した魔術師か。この我の顔を知っているとはな」

「嫌というほど知ってるよ。俺、花のロクデナシの弟子だし」

「……奴の弟子か。随分珍妙なものを育てたな」

 

 

 おい、ロクデナシで通じたぞ。

 つか珍妙言うな。俺だって転生させられるなんて予想してなかったんだよ。まあ英霊になるのも同じく予想出来るわけがないし。

 

 

「それよりも聖杯が呪われてるということについて聞きたいのですが」

「一応お前より格高いからなあの王。遮るなと言いたいが、まあざっくり言うなら令呪から逆算して軽く調べたら聖杯からは呪いの塊を感じてな。魔眼で調べたら第三次のアンリマユってサーヴァントのせいで聖杯が汚染されてるっぽい。まあ俺なら浄化出来ると思うけど」

「成る程、同盟を組む理由は?」

「ぶっちゃけ安全のため。俺死んだら呪われた聖杯解呪出来なくてこの街なんて簡単に火の海だし」

 

 

 これは事実だ。原作知識以前に俺なりに令呪から聖杯にアクセスしてみたら、ガチでヤバめの呪いが溢れていた。ヴィヴィアンの呪い程複雑ではないが、呪いの濃さだけなら聖杯の呪いの方が上だ。

 

 

「ならば貴様に任せてやろう。我が財を磨く役目をくれてやる。光栄に思え」

「余も任せる。と言うか出来る事などないしな!」

「私は力を貸しますが、魔術はそこまで明るい訳ではないので、大まかな部分は任せます」

「何故だろう。俺、王に色々役割押し付けられるのに慣れすぎて別の王にまで役割押し付けられちゃってる。涙出そう」

 

 

 なんかもう王という存在に使い回されるのが俺の宿命みたいになっちゃってる。社畜極まれりだな。ぐすん。

 

 

「あとはバーサーカーか。居るんじゃねぇの?出てこいよ」

 

 

 俺の向いた視線の先に姿を現した。

 ここで来るのはランスロット……生前さえ覚えていれば俺も覚えていて狂気が薄いのかもしれない。まあ万が一に襲ってきてもセイバーが居るなら対処法もある。

 

 ……と、思っていた。

 

 

「………はっ?」

「久しぶりですね。我が下僕」

「おまっ、モル――」

 

 

 出会って数秒で口を塞がれた。

 置換魔術で目の前に現れたと思った瞬間に唇を押し付けられ、手を頭の後ろに掴まれて逃げ場を無くされた。しかも具体的にはめっちゃディープなやつで、あっ、やばっ…!魔力がめちゃくちゃ吸われる!?マスターがアレだから何気に筋力値があっちの方が高い!?離すことが出来ねぇ!?

 

 

「んー!んー!」

「ちょっ、何やってるんですか!?」

 

 

 咄嗟に聖剣を解放したアルトリアがモルガンを狙うが、空間置換でひょいと躱す。顔を真っ赤にして倒れ伏す俺と、蠱惑的に笑いながら憤慨しているアルトリアを見て復讐心を満たしているモルガン。

 

 両手で顔を塞ぎ、涙目なのを隠したが、もうなんか涙が止まらないよ。

 

 

「……うう、汚された。お婿に行けない」

「大丈夫です。私が貰います」

「ふざけるな愚妹。それは私のだ」

「俺の意思無視で話進めないでくれない!?」

 

 

 いつの間に俺はお前らの婿になったんだよ。恋からすっ飛ばし過ぎて愛が重すぎる。唇をめちゃくちゃ擦り、涎も拭き、地面に沈む。男でもいきなり出会ってディープなものされたら困惑するわ。

 

 

「んぐふっ、フハハハハハハハハハハハハハッ!?何だ貴様、我を楽しませる道化か!?」

「ざけんな!そんな理由で召喚されたら怒るわ!しかもめちゃくちゃディープだよ…!その、もうなんか泣きたくなるだろ……!!ヴィヴィアン以来だよそんな事されたの……」

「ラスカ、その話詳しく話しなさい。今すぐに」

 

 

 俺の肩を掴むアルトリアの手からミシミシと音が聞こえて激痛が走る。痛い痛い止めろ筋力値A、俺の肩が死ぬわ。

 

 

「ヴィヴィアン…モル……ああモルガンか!ブリテンの魔女、確かに恨まれる要素はあるけど」

「坊主、詳しい伝承を知ってるのか?」

「アーサー王伝説をモチーフにした絵本に出てくる主人公が魔術師ラスカで、湖の乙女であり神に至ろうとしたのを止められたのがモルガンなんだよ」

「俺そんな伝承なの!?」

 

 

 せめて小説にしろよ。

 つかその絵本描いたの誰だ。マーリンじゃないのか?……まあ抑止力が俺を英霊にする段階で信仰が必要だから描いたのかもしれない。まあ、それ実話だし、俺本体はまだ『静寂の水庭(シレンティウム・アヴァロン)』で眠っているから英霊と言われたら少し違うのだがな。マーリンがやった過去で生きていない故にサーヴァントとなれるあの技法を使っただけだ。死んでいるという過程がある故に仮初とはいえサーヴァントになれたが。

 

 

「だからっていきなり襲われるものなのか?しかも性的な方で」

「……生前の女性関係が駄目だったのでは?」

「それお前に言われたくないランサー! 女性関係についてはお前も似たようなものだろ!!」

 

 

 血を吐き、膝をついて倒れ伏すランサー。

 女性関係についてはランサーも大分悪い。完全にブーメランである。現にソラウ嬢を寝取り気味である。魅了のせいとはいえ、制御出来ない以上は大体女性関係が拗れている。

 

 

「つかなんで召喚されてるのお前」

「貴方が居るなら私も居るでしょう?」

「多分召喚されたのお前が先じゃん。マキリに召喚されたの?」

「………ええ、まあ」

 

 

 モルガンが僅かにゲンナリしている。

 どうやら頭が痛そうな様子だが、何があったのか聞いてみた。

 

 

「なんだ?マスターに不満ありか?」

「……召喚した術師も屋敷も蟲だらけでしたので」

「あー、蟲嫌いだったなお前……待て、お前のマスターの願いは?」

「強いて言うなら、トキオミ?という人間を殴りたいそうです」

「聖杯関係ねぇじゃん」

 

 

 てことは桜も救出済みか。

 まあモルガンは神代の領域に踏み込んだ魔女だし、なんなら桜と相性がいいだろう。仮にも虚数だったりあり得ざるものを研究していたモルガンにとっては。

 

 

「私も同盟に入ります」

「なっ、断る!というか断ってくださいラスカ!」

「いや、腕は確かだし……というか半分嫉妬入ってない?」

「見苦しいぞ愚妹、ラスカは私の下僕であり夫だ」

「初耳だよ」

「騎士王ともあろうものが寝取りでもするつもりか?」

「いいえ、ギネウィアの時に女装したのはラスカです。ならば既に私の嫁です」

「それも初耳だよ」

 

 

 確かに適任がいなくて俺が女装したけども!

 俺は思う、ベディでもよかったんじゃないかって。ベディも断ってしまって結局俺が女装させられて、架空の王妃が出来上がったのだが。嫁じゃねぇし、黒歴史なんだよ……!

 

 

「ラスカは私の嫁です!貴女の物ではありません!」

「全部違う!俺は男だ!」

「黙れ愚妹、キスの一つもしたことが無い初心な子供が、私とラスカは既にその先を行っている……!」

「お前が無理矢理したんじゃねぇか!なんで俺より雄なんだよ!?」

「「ラスカはどっちを選ぶんだ!?」」

「解散しろ!暴走姉妹!!」

 

 

 その後、ギルガメッシュは腹を抱えて笑い、時臣の令呪で帰還。ランサーは哀れんだような顔をラスカに向けて撤退、ライダーも巻き込まれると危ないと思いチャリオットを走らせていた。とまあ一回目の邂逅、英霊集結はなんとも締まらない形で解散となった。

 

 





 如何だったでしょうか。
 番外編、まあ時間があったらカルデアで書きます。

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