頑張ってオリ主君!   作:イイッ↑ッタイ↓メガアアア↑

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踏み台会議は今日も踊る

 やあ、ようこそ私の部屋へ。

 このお話はちょっとした説明代わりの回想みたいなものだから、まずは落ち着いて聞いてもらいたい。

 

 うん、「またテンプレ」なんだ。済まない。

 仏の顔も何とやらって言うし、正直飽き飽きしてるのかもしれない。

 

 私が経験したのはよくあるふとした拍子に死んでしまってアニメや漫画といった世界に転生、みたいなテンプレだ。

 でもアニメや漫画の世界に転生って聞いたとき、君たちだってきっと心のどこかで「ときめき」のようなものを感じてくれたはず。

 実際僕もそうだったからね。

 殺伐としたこんな世の中……あ、今では前世と言ったかな、まあそういう気持ちは忘れないでほしい。

 そう思って私はこの回想を始めたんだ。

 

 

 じゃあ、続きを話そうか。

 

 

「……もういい、長い、三行で」

「リリカルな世界に転生して、オリ主やろうと思ったら、同じ考えの2人に遭遇して我に返ったでござる」

「……よし、GJ」

「恐悦至極です」

 

 前世のお父さんお母さん、及び今世のお父さんお母さん、俺に二人も友達が出来たよ。

 二人とも慢心王みたいな金髪赤目と銀髪オッドアイで凄く痛々しいけど、ね。

 

「一番張り切ってたお前には言われたくないわ!」

「べ、べ、別にリリカルマジカルだったからテンション上がってたちゃうで!」

「……それで、本心は?」

「凄く舞い上がってました、御免なさい」

「……素直で宜しい」

 

 

 

  ◇  ◇  ◇

 

 

 

「で、どうするんだ?」

 

 海鳴市でも有数の高級マンションの1室、ベッドの上に寝そべってPFPを弄っていた部屋の主である銀髪オッドアイの少年、マックス・シュトランツは『同士』である二人に話しかけた。

 

「どうって何をさ?」

 

 返事を返したのは週刊少年シャンプーに顔を向けたままこちらを見向きもしない黒髪の少年、明石大地だ。

 

「もう原作の無印が始まるまで一カ月切ってるって話だよ!今日はそれを話し合うためにお前が招集かけたんだろうが!!」

「あ、そうだったね。ごめんごめん」

 

 マックスは額に青筋を立てながら吠えるも、大地は少年誌から目を離さず形だけの謝罪をする。

 そこには一遍も謝罪の意が無い。

 

「おま……」

「……大地の鳥頭は今に始まったことじゃない、気にしない」

 

 横から入ってきたフォローと取れなくもないハスキーボイスに大地はショックを受ける。

 そしてマックスはその一言を聞き若干憐れみを含んだ目で大地を見やる。

 

「ああ、それもそうか。ごめんな大地、全部俺が悪かったよ」

「なんか色々と酷いっ!?」

 

 大地に鋭角な突っ込みいれたのは金髪赤目、某ウルク王さん似の春海オルガだ。

 そのオルガの一言に漸く少年誌から顔を上げた大地は渋々と言った様子で話し始める。

 オルガはマックスの部屋に置かれているテレビで時代劇をずっと体育座りで見続けており、こちらも一回たりとも顔を向けていなかったが大地が喋りはじめたことでやっと二人の方に身体を向けた。

 

「それじゃあマックスもそろそろ怒りそうだし、第69回リリなの無印どうしよう会議を始めようと思いまーす。ん、69回?やだ69ってひわべしっ!?」

「……ちょっと黙ろうか」

 

 大地が再び暴走しようとし、オルガは手元にあったリモコンを投擲、見事大地の頭にクリーンヒットし鎮圧に成功する。

 

「オルガ注意する前に手が出てるよ!」

 

 大地がそんなオルガに非難の声を上げるが、いつの間にかリモコンを回収し手元に携えていたオルガがちらりと大地を一瞥。

 

「……もう一回、いっとく?」

「ごめん、調子に乗りました」

 

 オルガに土下座をしている大地を横目にマックスは呆れながら話を続けた。

 

「あーもう、大地じゃ話が進まん。馬鹿リーダーに代わって俺が進行しよう。さて取り敢えず現状についての簡単なおさらいからだ」

「……今私たちは俗に言う『踏み台』として行動することで『正統派』の相良竜馬を原作に介入させることを第一目的としている」

「自分たちと相良君がこの世界に出現したことで起きるイレギュラーへの措置だね。あとは相良君に原作組の子たちと密接に関わってもらうことで厄介事は彼に解決して貰おうと考えてるんだよね」

 

 マックスが無理矢理話を元の流れに戻し、ふざけあっていた二人も会議に参加し始めた。

 ただし大地は未だに手元の少年誌に目を落とし込んだままではあったが。

 

「そうだな、それで今俺たちは3人がかりで三人娘にちょっかいをかけているわけだ」

「……具体的には踏み台としては有名なORENOYOMEコールで三人娘と相良竜馬に私たちへのヘイトを抱かせている」

 

 そうしてマックスとオルガがうんうんと頷き合っている中、二人のそんな会話にふと思うところあったのか大地が口を出す。

 

「まあ、自分は違う組で接点ないしメンドクサイし、三人娘と同じ組のオルガは口数少ないしマックスの後ろでぼうっとしていることが殆どだから、実質ちょっかいかけてヘイト貯めまくってるのはマックスだけなんだけどね」

「やかましいっ!!ちったあお前もうちの組に来て踏み台してこい!」

 

 大地の余計なひと言で再びキレて吠えるマックス。

 そんなマックスに吼えられた大地は少年誌から顔を漸くあげ、マックスを見て如何にもメンドクサイといった顔で一言。

 

「えーヤダ」

「言い出したのはお前だろうが!ちょっと表出ろ!!」

「断る!」

 

 その一言で飛びかかったマックスと迎撃態勢に移った大地は掴み合っていると、オルガは何事もなかったように話を続けていった。

 

「……それで相良竜馬は度々三人娘に救援を求められて、渋々マックスを撃退してる」

「マックスは本当に踏み台の鏡だね!」

「お前もその踏み台だろうが!」

「マジで!?」

「マジだよ!」

「……二人とも、喧しい」

 

 オルガが二人を睨み、二人はぴたりと動きを止めた。

 見えない力関係が如実に見えるようだ。

 

「……今は今まで通り相良竜馬が原作に関わっていくように活動していく、それで相違ない?」

「おーけー」

「了解ー」

 

 オルガが会議を結果をまとめ、二人もそれに同意して会議は終わりを迎える。

 しかし会議が終わったからと言って解散というわけではない。

 何だかんだ言って三人は利害関係抜きの友人通しなわけで日ごろよく親が出張でいないことが多いマックスの家に遊びにきたり泊まったりすることが多いからだ。

 今日もまた空が暗くなるまで駄弁って大地とオルガはそれぞれの家族が待つ家に帰るのだ。 

 

「じゃあ会議はここまで、マックスこれの続きどこにある?」

「おま……そこの本棚にあるはずだ、自分で取れ」

 

 そして思い出したかのように大地は会議終了の一言を告げ、少年誌の続きを求め立ち上がった。

 そんな自分たちのリーダーである大地のマイペースさに『本当に大丈夫なんだろうか?』と疑問を抱いたマックスに非は無いはずである……おそらく。

 

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