コードギアス見てたのでなんか絶対遵守のギアスっぽい感じの祝福とか異能とか出ても許してください。
あとリリカルなのはも見てたんでホシが魔法少女になっても許してください。
「その、リスカ? そろそろ離してくれない?」
「や」
もう何時間もこうしてる気がするし、数分だけの気もしなくもない。そりゃぁ俺だって健全な男子だからね。リスカ程の美少女に抱きつかれたら拒めない。そもそも筋力勝負に持ち込まれると負けるのはこっちなのである。
「いやほら、向こう見てみなよ。すごい爆発してるよ。ホシとかも頑張ってるし、俺は行かなくちゃ」
「や!」
「俺の背骨がね、いかれちゃうからせめて力を緩めて欲しいと思うんですよね」
「……緩めたら、またどこか行っちゃう気がする」
「よし。もっと強く抱き締めていいぞ。俺はここにいるからな」
これは仕方ないなうん。
悪いがホシ達にはもう少し頑張ってもらうとしよう。思えばリスカは今までずっと我慢してたんだろうし、ちょっとくらいな? あと5分、いや10分くらいならホシ達なら耐えてくれるはず。それまでには出来るだけ、可能な限り頑張って戻ることを視野に入れるから頑張って耐えて
「暖かいなぁ。ずっとこうしていたい」
「わかった! ずっとこうしてような! 満足するまでしていていいからな!」
これはもう本当に仕方ない! 頑張ってずっと耐えてくれ皆! 多分皆なら出来るはずだ。本当にいけないことしてるとは思ってるんだけど、これはちょっとどうしようもない。リスカの可愛さは俺のような一般人の思考能力で想像できる範疇ではなかったのだ。
「あの、何してるんですか?」
そんな思考に割り込むように、とても聞きなれた声が聞こえてきた。
どこから聞こえてきたのか。辺りを見回すと遠方での爆発で吹き飛んできたと思われる肉塊のような何かが木に引っかかっていて、そこから声が発生していた。
「すまない肉塊さん。俺は今見ての通り絶対に手を離せないんだ。この手だけは、何があっても離さない」
「キメ顔でIQを2人だけの世界に置いてきたみたいな脊髄反射でものを言うのやめて貰えます?」
ずるり、と枝が肉塊の重さに耐えきれなくなったのかゆっくりと肉塊は地面に落ちていき、ぐちゃっと潰れた瞬間に急に粘土細工を捏ねるかのように形を変えていく。肉塊が人間の姿に変わっていく現実味のない光景をしばらく眺めさせられ、最後に整った形の上に衣服がまとわりつくとあら不思議。そこに居たのはホシだった。
「すまないホシ……俺は……」
「深刻そうな顔してますけど問題万事解決してますよね。強いて言うなら予想以上に二人の頭が悪いことが問題ですかね」
「俺はともかくリスカは頭悪くないぞ」
「私はともかくコイツは頭悪くないでしょ」
興味なさげにジト目で俺達の意見を聞き流したホシは、溜息を吐きながらこちらにゆっくりと近づいてきて、あまりにも当然の動きで反応に遅れるくらい滑らかに、リスカの頬を一発引っぱたいた。
「ちょ、ホシ!?」
「こっちも目を覚ましてください!」
「ひぶっ」
割と本気目なビンタを喰らってようやく目が覚めた。
くそっ、リスカがあまりにも可愛すぎて前後不覚になっていたな。これも全てリスカが可愛すぎたのが悪い。
「もう一発叩いた方がいいですか?」
「いや大丈夫。あとその素振りの勢いで叩かれたら多分首が飛ぶ」
リスカはホシにはたかれた部位を抑えて「親にもぶたれたことないのに……」と涙ぐんでいるが多分、恐らく大丈夫だろう。
「リスカ、何か私達に言うことありませんか?」
「……ごめんなさ」
「はいビンタ!」
「いだっ!?」
両の頬を赤くしてなんで叩かれたか分からずに目を白黒させているリスカを、ホシは一瞬驚いたような、複雑そうな顔で見つめてから仕方ないかと諦めるように、それでいて晴れやかな顔で、そしてちょっと怒っていた。
「別に謝ることじゃないでしょう。魔王が一枚上手だったことが貴方の過失になりますか? それより、他に言うことありません?」
「他……? えっと、ホシの再生遅らせるために全身を細かく切り傷だけ入れてその上から魔術で焼いたこととか?」
「冷静に考えたらそれ真っ先に謝って欲しかったですけど違いますね。ほら、スーイとギロンも来ましたからヒントを聞いてみます?」
どこに居るのかと思ったら、遠くでとんでもない爆発音がすると同時に2つの物体がこちらへと飛んできた。一つは人間の形を保っているギロンで、もう一つは恐らく人の形であったであろうなんか焦げた黒い塊だ。
「何やってるんですのホシ。貴方がぶっ飛ばされたせいで均衡が崩れてスーイがこんなになっちゃいましたわよ」
そう言いながらギロンは焦げた黒い塊を雑に掴んで指差している。もしも仮にそれが本当にスーイならそんなこと言ってる場合じゃないんじゃないかなぁと思わなくもない。
「仕方ないでしょ。私、戦闘に関してはそっちみたいに野蛮になりきれないので。どうせ私は弱っちいですからね」
「そんなところで拗ねられても可愛くないので現実を認めてくれません? ほら、スーイも何か言ってあげてください」
「どうでもいいからホシ治療してくれる? さすがに死ぬ」
「それで死んでないの逆にすごいな」
「こう見えて中身はスクランブルエッグだよ。見る?」
「外見はもう炭になったエッグだから大して変わんねぇんで喋ってないで回復に集中してください」
傍から見たら完全にただの炭なのにどこからかスーイの声が聞こえてくる不思議な炭をホシが弄り始めると、まるで脱皮でもするかのように素っ裸のスーイが生えてきて、瞬きの間にローブを纏いいつものスーイの姿になった。一体どんな構造をしてるんだろうと思わなくもないが、まぁスーイだし気にしても俺じゃ分からないだろう。
「そうだ。スーイ直しとくんでそっちのバカにはギロンから色々言ってあげてください」
「せめて治すって言ってくれない?」
ホシに言われた通り、ギロンはリスカにズコズコと近づいていく。俺と比べてもかなり大きいギロンが座り込むリスカに近づくと圧がすごい。知り合いだとわかっていても思わずたじろぐ程だ。
「リスカ。妾の名前、言えます?」
「ギロン……アプスブリ・イニャス」
「まぁ、上出来ですわ、ねっ!」
「ほぎゅ!?」
突如、鋼鉄が打ち合ったかのような轟音が響いた。
それはギロンの全力のデコピンがリスカの額に突き刺さる音だった。デコピンであんな音を出すギロンもギロンだが受けた方のリスカもおかしい。痛みに悶えて泣いているが、あんなの食らったら普通首から上が吹き飛ぶ。ちょっと額が赤くなるだけで済んでいるなんて……?
「え、ちょっと待て」
「これでいいんですわよ。それより、リスカも貴方も私達に言うことありますわよね?」
「っぅ……だから、ごめ……ひっ! デコピンはもうやめて! 正当防衛するよ!?」
「貴様、まさか妾達がそんな謝罪が聞きたいから、こんなボコボコになってまで2人で話す時間を作ってやったとでも?」
「……え、違うの? 私こんなに可愛いのに?」
「もう一発ぶち込んだ方がよろしそうですわね」
リスカは可愛いが確かに今それを言われたムカつくのはわかる。わかるけど、ギロンの普段の言動もそう大差ない……と言ったら本気のデコピンが俺の方にも飛んできそうなので言わないでおこう。流石にここまで来て味方に殺されるのは冗談じゃない。
「まったく、妾は自分の欲しいモノは手放したくないんですわよ。こんな居心地のいい場所、貴方達二人の喧嘩程度で無くなられたら困るんですわ。わかります?」
「えーっと、つまり?」
「物分りが悪いですわね。妾達はあくまで自分の目的の為に、だとしても貴方達の利益になることを身を粉にしてやってやったんです。
「……?」
あぁ、そういうことか。さすがにそれ無しと言うのはむしがよすぎるよな。わかってなさそうなリスカに耳打ちしてやると、少し恥ずかしそうに顔を赤くしたが言うのが嫌という訳ではなさそうだ。まぁ、少し気恥しいと言うのはわからなくもない。
それでも、これはちゃんと言っておくべきだろう。
「「ありがとう、みんな」」
「そうそう。感謝の言葉はいくら貰っても嬉しいものですわ」
「そこばかりは同感ですね。それが欲しくて動いた訳じゃなくても、やってよかったって思えるかは意外と大事なものです」
「ギロンは心からそう思ってるんだろうけど、ホシはもっと正直になりな? あとリスカと馬鹿弟子。二人はもっと他人の施しに感謝しつつ、他人を頼ることを覚えなさい」
「なんですか正直にって。私は別に何も隠して……うひゃっ!?」
「この汗の味は嘘ついてますわね〜」
「そんな、私意識しなきゃ汗なんてかかないはずなんですけど!? ……あ!」
引っ掛けに気がついたホシがギロンを殴ろうとするが、体格差からか本気で殴ろうとしてる訳では無いからか、拳は軽く止められていなされる。それを見てリスカはようやく本当に肩の荷が降りたようにへにゃりとした笑顔を浮かべ、スーイはそんなリスカの顔を見て、何か言いたげに俺の方を見て微笑んでいた。
「ははっ、……まだなんも解決してないのに、悪いなみんな。俺、今すっごく楽しいや」
「あら奇遇ですわね。妾も久々に腹の底から笑えそうですわ。やっぱり気が合いますわね」
「私は全く笑えないんですけど。と言うか、まず舐めたこと謝ってください唾臭いんですけど!」
「私も、案外静かなのより騒がしい方が好きみたいだ。特に君が楽しいなら尚更ね」
「……ぅ、ごめ、……みんな、本当にありがとう。ありがとう」
結局、最後はまた泣き出してしまったリスカを全員で宥めるしかなくなって笑っているどころではなくなったのだがそれでも本当に久しぶりに、心の底から楽しくて笑えたようなそんな気がした。
その光景をただ遠くから見ていた者がいた。
大丈夫、まだ想定内だ。勇者、リスカ・カットバーンをこちら側で利用出来れば最高。最低でも、祝福の力を一段階下げられれば十分だ。
自らの薄皮を爪で裂いて確認をした。魔王にとって重要なのは『勇者』を消すことだ。自分の対になる存在、この世界で唯一、究極の異能『
有利なのは自分だ。
頭ではわかっている。そんなこと分かりきってるのに、魔王の呼吸は少しづつ荒くなっていた。
有利なのは自分だ。
元々手札という意味では強みはこちらにある。魔王の異能はその性質上、文字通りに『何でもできる』。
勝っているのは自分だ。
では何故、今自分はこうして1人で敵を睨みつけているのだろうか。
これは間違いではない。戦力比的には自分一人で十分だ。ここまでで、仲間達は十分な仕事を果たしてくれた。だからあとは1人で頑張ればいい。それが先に逝った皆へ、自分が返せる唯一の事だ。
そうして、自分が勇者に言った言葉を思い出す。
何のために戦うか。譲れないものがあるから、戦うんだと。
アレは勇者の精神を揺さぶるためのでまかせでもあったが、同時にどこかでそれを本心だとも感じていた。むしろ本心だったからこそ、でまかせの言葉として吐いたんだろう。
「譲れないものは、沢山あったなぁ」
だから少女は魔王になった。
自分はきっと、この世界で一番欲深い生き物なんだと笑い飛ばして。つられて笑ってくれた者達はもういなくとも。
一人きりの行軍は、もう止まれはしなかった。
小石が投げ込まれた。
大きさにして握りこぶしにも満たないような、2本の指で摘めてしまうようなそんな大きさの石だ。
「ッ! ホシ、避けた方がいいですわよ」
「えっ、ちょっと言うのが遅──────」
その小石がホシの体に触れた瞬間、小石が砕けて同時にホシの体がものすごい速度で射出されるように吹き飛んだ。近くにいてはどの方向にどのように吹き飛んだのかすら目で追えず、消滅してしまったかのように移るほどの勢い。
「ホシッ!」
「大丈夫ですわよどうせ死にませんし。それより、貴方はリスカにだけ意識を向けていてくださる?」
「下手に動かれると、守れるかどうか分からないからね!」
互いに背を合わせ、スーイとギロンは360度周囲の全てを警戒する。もちろん先程まで警戒していなかったという訳では無い。ホシが吹っ飛ばされたのはいつも通りのことなのでそこまで焦ることではないが、スーイとギロンでももし狙われていたのが自分だったら避けられたかわからなかった。だからこそ警戒を強め、次の一撃を確実に捌かなければならない。
敵の狙いがわかりやすいこと。それだけは有利であるのだから。
「『
視界が切り替わると同時に、スーイは拳を突き出した。
「反応は良いけど、後手じゃこの異能には勝てないよ」
スーイの反応した方向とは真逆の方向。後頭部に衝撃を受けて視界が弾け飛ぶ。首から上が物理的に無くなったその体が地面に倒れ込むよりも早く、魔王はギロンの目の前に立っていた。
「あの二人すごいよね。絶対殺した、って思っても生きてるんだもん。特に
「そうですわねぇ。ところで、お話がしたいならわざわざ二人を挽肉にする必要ありまして?」
「力の差を示しておいた方が、人間は素直に言うこと聞いてくれるだろう?」
「流石は魔王様。よくわかっていらっしゃる。そしてそう言うのが妾には無駄なことももちろん知ってますわね?」
「知ってるとも。だから、ちょっと黙っててね」
魔王がギロンから視線を外すと、彼女の体が真後ろへと
「改めて、久しぶりだね」
「なんだよ。まだリスカになにかしたいのか?」
「悪いけど、その子だけは殺させてもらおうと思ってね。代わりにキミを含めて他の子は見逃してあげる」
「断るって言ったら?」
「キミごと殺す」
「やれるもんならやってみろ」
強がりでもなんでもなく、自然に彼の口からその言葉が漏れて一番驚いたのは彼自身だった。
勝ち目がないのもわかってるしこれが最善手ではないのもわかってる。これは絶対に譲れないものであることと、思考を置いていくほどの目の前の相手への怒りを自覚した。
「……じゃあ、やるよ」
魔王が剣を抜くと共に、彼もまた剣を抜いた。
「待って、ちょっと待ってよ!」
そう叫ぶリスカの声を無視して、両者は向き合う。
その段階でもう勝負はついているようなものだった。魔王は強い。彼は弱い。それは決して変わりはしない現実。
「エオス、正直俺はお前と戦いたくないと思ってた。話し合えばまだ何か変わるんじゃないかって」
「……それは素敵な話だね」
「でももうダメだ。お前が生きていたら、きっとリスカは安心して笑えない。お前は、リスカの邪魔だ」
「ああそうだとも。ワタシも、勇者が生きている限り、安心することが出来ない」
だから、と。
先に動いたのは彼だった。確かに先に動いたが、最終的に剣を振り抜いたのは魔王が先だった。
「ふざけんじゃないわよ……」
血が地面に滴り落ちた。
「そいつは、私が最初に見つけたの。誰よりも早く、私が、そこに居たいと願ったの。お前なんかに渡したくない」
魔王の腕を掠めた剣筋は他の誰のものでもない。リスカ・カットバーンのものだった。
「私の勇者は、奪わせない」
では、魔王が振り抜いた剣はどうなったか。
それは彼の脇腹を正確に捉え、その体を両断し、更に横に並びでたリスカも切り裂くはずだった。
だが刃は止まっていた。
反応された訳ではなく、脇腹を切り裂くことなく止まっている。切り裂くことが出来ない。
だって、
「目標変更だ。二人とも、死んでもらう必要が出来た」
「やらせねぇよ。絶対に」
「やらせないわよ。絶対に」
魔王は一歩後ろに下がり剣と異能を構えた。
それに対して、勇者は一歩前に出た。守るべきものを守る為に、庇うように、庇われるように。
「みんな、力を貸して欲しい」
「勝ち目は見えませんが、さすがに事情が事情ですからね。彼も殺すとなるとこちらもやる気が違ってきます。ちょっと醜いので、やりたくないんですが特別ですよ?」
地面から湧き出すように現れた神官は、神に唾でも吐きかけるように、明らかに折れた首を、弾けた腹を、捻れた手足を瞬きの間に戻して見せて死を嘲笑った。
「そうだね。居場所を奪われるってのは些か、気分が悪い。弟子の為だ。私も頑張るとしよう」
魔術師は翼を広げる。無機質な鋼鉄の翼ではなく、空を駆ける彗星のように眩しく、暖かな。遥か昔の誰かから受け継いだ光の翼を。
「ギロン。俺、多分魔王とか倒せる女の子、好きだと思うからさ」
「今それ言う必要あります? いや、妾だってさすがにあのリスカが素直に言ってくるなら普通に力くらい貸してやりますわよ!? …………まぁ、男に二言は無いですわよね? 誰が一番美しいか、見せてあげますから!」
獣は獲物を見つけたように鋭い眼光を見せ、同時に柔らかに笑った。誕生日プレゼントを期待する子供のように、何処にでもいる恋する乙女のように。
世界の命運を懸けた戦いが始まろうしていた。
けれど、果たしてここにいる者で何人が世界の為に戦っていたのだろうか。
・リスカ
泣くの我慢した。えらい。
・ホシ
しっかたないですねぇ。
・スーイ
まなでしがんばえ。
・ギロン
ある意味特別扱いなのでよいでしょう。
・『
めちゃくちゃ強い異能。魔王様もお気に入り。
・『
リスカ・カットバーンの『切断』が変化した祝福。対象の祝福、異能への切断能力は既に失われ、自己認識による絶対防御も本人が自身の勇者性を否定したことにより消滅した。
残ったのは泡のように儚い祈り。少女の願いが辿り着いた、神をも断ち切る純化された力。
好き
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リスカ
-
ホシ
-
スーイ
-
ギロン