五条が突然出ていった中騒がしい盛りの男の小学生に当たる子供二人いるとは思えない静かで重い雰囲気が漂っていた。
「…………なんとなくあぁいう感じとは分かってたから気にしなくていい。
本当に伏黒君の貴重な休みの時間をこんな事に使わせてしまって………兄弟とかともゆっくりしたいだろうに。」
あの五条が、突然連れてきてどうして放置するんだ。空気が大変なことになってしまったじゃないか。
そこをどうにか処理して返すのが当主としての仕事の一つであるが相変わらず毎日思っている、コレ僕の年ですることじゃない。
そう思いながらなんとか、空気や重たい雰囲気を減らすように言葉を紡ぐ。恐らく伏黒恵は多かれ少なかれワケアリと言うところだろうか、もしまともに両親がいたら五条が連れて出せるはずもないし。
たとえその両親が、里親だとしてもだ。
そしてワケアリでもなんでもなく普通に呪術師を志望として偶然にも五条と関係があって来た可能性があるとしてもこの年じゃ僕と同じで若すぎる。
もし伏黒恵に親族がいるのであれば、兄弟がいる可能性が一番高いだろうという勝手な妄想だ。
「そちらこそ、突然みたいだし。俺は貴方を攻める気はないです。えっと念の為聞きますけど、貴方が継木家当主 継木 櫻ですか?」
伏黒恵は、ペコリと頭を下げた。別に下げなくてもいいのに大体アイツのせいなんだから。
あぁ確かにこっちから直接当主としての名前は言ってなかったな、そりゃ僕が当主だろうってのは先程の会話からだいたいわかるだろうけど色々確定しないだろうし。
不安定なまま話すのは相互誤解を引き起こすからね、どんな事でも前提を確認するのはいい事だ。たとえしつこいと思われてもね。
「そうですけど、基本当主としては実際に動く事は殆ど無いのでお飾りみたいなものですよ。
継木家自体に用があるなら、僕よりも家の者達に声をかけたほうが手っ取り早いです。もしかしたら五条さんもそれで席を立ったのかも…………」
僕は伏黒恵と言う僕と同い年ぐらいの少年の返答に、自分の肉体に架せられた名を肯定する。
紀野 楓こそが僕にとっての忘れてはならない本来だが、当主として今は継木 櫻であるのだから。それを否定するつもりはない…………
当主としての崇められて入るが権力は相変わらず無いのではっきり言うのがこっ恥ずかしいというかなんと言うかな気持ちではある。
家の者に悪意がないのは、僕としては分かっているつもりではあるが。そのうち年取ったら出来ることが多くなるだろうか。
「…………もしそうだったらきっとろくでもない話してるな五条さん。」
その言葉を聞いた時、伏黒恵は少し顔を下げて困ったように紡ぐ言葉を少し濁すようにしてお茶を啜った。
最初から同年代の方が来るとわかっていたなら。
お茶じゃなくてそれらしい飲み物にしたのにサイダーとかコーラとか果物のジュースとか、でも喉を潤すのならやっぱりお茶が一番いいのだろう。
そう思い込むことにした、過ぎたことは変えようが無いのは事実だし。
「同感です、まぁちょっとした嵐や大雨が来たと思う事にします。」
例え五条が家の者とどんな事を話して画策していたとしても、僕には権限がない。もし五条でなく他の者がそういうものを話していたとしても結局は同じでただ従うだけ。
家が当主としての振る舞いやあり方を決定づけるそこに自らの意思は入ることは無い………
そう思うと、特に不快さは他と大したことがないかもしれない苛つくには苛つくが。
「少し、移動中に継木家の話は聞いたが………呪力を吸い上げるってそうなのか?」
目の前の伏黒恵は、中身が半分程度減ったお茶を置いて少し疑問に思っているだろうことを口に出した。その声に宿る感情は、事実の確認ではなく本当なのかと言う疑い。
来るまでの間に、色々この家の概要みたいな物を話されたのだろうか………大体の継木家に関する情報は公開しているが聞いたりしても信じられない人は一定数いるし嘘は書いてないと思うんだけどね。
時間が経つうちに変化して、古い物は残っちゃってるだろうけど………
「質問ですかね?まぁ呪術師の常識なら可笑しい現象ですからね。
本当です、実際に体感しないと伝わらないと思いますが………僕に周囲や血の繋がっている人物の呪力を集め溜め込む性質を持っています。」
普通の呪術師をちょっと見て、大体は呪力は放出つまり内から出す物だと知った。
刻まれた術式または後天的に作った術式を介しても呪力は外に出すものに違いない。
それの逆に外から内に取り込むものがこっち継木の当主ではデフォルトなのだ、やってることが正反対。
もし継木家自体に、それなりにでも力がなかったらきっと生きたまま脳みそとか色々調べるために開かれてただろう………まぁ死体だとその力はどっか行くみたいだけど。
負の感情由来の不思議パワーが呪力だ、術式と言う仕組みがあることも相まってどんな事があってもおかしくは無い。僕もその中の呪力による事象一つだろう。
「そういう体質持ちが当主として、据える事は聞いている。実際にという事は、もうナニカしているのか………
確かにこの家は呪力の残穢すら見えない………呪術師の家なら多かれ少なかれ多少は………呪力を集めるが故にか。」
あぁそこらへんは知ってるのか、移動中どこまで僕のいや継木家のことを話したか分からないけどいちいち説明するよりは早いしお互い気楽だからまぁいいか別に。
伏黒君他の呪術家にも行ってるのか、まぁこんな辺鄙な継木家にこさせられるぐらいだからもっと大層な五条家とか加茂家とか禪院家とかとっくにもう行ってるよね。
そういえばなんとなく顔が禪院家の人達に似てなくもないような…………?
五条家と禪院家って仲悪かったよねもしかしてその関係でかな?でも五条家は色々あるだろうけど五条悟がそこらへん気にするとは思えないんだよなぁ。
継木家を見て呪力の感じが少し違うって分かるとは、かなり僕と違って頭が良くて聡明な子なんだろう………呪術師になんかならなきゃいいのに、きっと無理なんだろうけど。
「残穢すら集めて溜め込むんですよ。本当に気分が悪くてしかたが…………オット失礼。
ナニカあぁ戦闘ができる呪術師の方についてもらって、呪いの吹き溜まりを渡り歩いてますね。
本当なら呪霊等が発生しないようにずっと居るのが、一番いいんでしょうけどそういう訳にもいきませんから。」
そういう体質とはいえ、呪力を体の中に溜め込むのは気分が悪………コレはあまり言わないほうがいいか。口に思わず出してしまったが。
僕はもう発生してしまった呪霊は対処しようがないだから他に呪術師がつく、方向性がまだ決まってなく形がないものは内側に貯めることはできる。
祓われて形を失った呪霊………も呪力の一つであるから集まってるらしいがそういう場所に居る時点でかなり気分が悪くなるので変わった感覚自体はあまりしない。
「呪霊は一つの場所だけで出てくる訳ではなく、人の負の感情が集まる場所全てから出てくるからな………渡り歩くか。
それだと日本各地を巡る事になるな、呪力の吹き溜まり………そんな場所なんてはいて捨てるほどある。」
それを聞いてちょっと頭を回したかったのかそれとも、逸したかったのか伏黒恵はカステラを突付いた。
関係のない話になるがこういうお茶菓子で塩味の物ってあるのだろうか、煎餅ぐらいしか思い浮かばないが会話となると咀嚼音が煩いし向いてないか。
確かに人の感情が吹き溜まる所なんて山ほどある。僕は便利な清掃業者か?
「まだ、年が年ですし。当主になったばかりなのであまりにも遠い場所の案件は家の者が調整してくれてますね。
10そこらになれば、そういう物も今まで貯めてたのもあり今の状態から更に増えると思うと………」
「………引っ張りだこみたいだな。」
「嬉しくないです。殆どそういう物で埋まってるのでこれ以上とか深夜や朝からしないと間に合わないので。」
本当に嬉しくない、今でもこういう休日(五条悟がアポ無し突撃かましてきたから消えたが)以外にはホラースポット巡り廃墟巡り等など一日一箇所ではなくいくつもいくつも何十箇所巡っているのだ。
確かに今は遠出となる所には行かないようになってはいる、だけどもいつかはかなり遠い場所にも呪霊が発生する前に呪力を無くしに行くだろう。
そう考えると今から気が滅入ってしまいそうになる、これ以上ってどんな予定になるんだか………体壊すいや元々壊れてるようなもんか。
「随分詰まったスケジュールみたいだな………学校行く暇あるのか?」
今では懐かしい響きの言葉を、聞いた。
そうだよ、普通は学校行って先生に叱られてたまに宿題忘れて友達とくだらない事を言い合う年だ。
目の前の少年は、ちゃんと通っているのだろう。異常に飲まれずにいやコレから異常に触れていくのかもしれないがだからそういう言葉を言えるんだ。
そういう可笑しさに気がつけるんだ。
もうすでに、鮮明では無くなった肉が腐れ落ちて骨だけとなった死骸のような色の付かない懐かしいで済ませてしまえるようになった記憶を追憶しながら。
「当主に祭り上げられてから、行ってないですね………懐かしい感じはありますが忙しくて忘れてしまって。勉学とかは今でもついていけますよ。
僕最近物覚えがとても良くなりましたし。」
こう言葉を発する。
ドコカ僕自身の事なのに他人事のように、どうしょうもない事なのだ。別に困ったことでは無い、いつもの間にか最初は気がついていた異常が日常当たり前の事とすり替わっていた。
本当にそれだけの事なのだ。
「途中で行かなくなった……だと?継」
それだけの事だと思いたかった。
きっとこの後には、心配する言葉が出るのだろう。それがきっと伏黒恵にとっての当たり前の一つなのだろうから。
「そこまで驚く事ですかね?不登校みたいなものですよ、時間的に中学行けるかどうかですかね………呪術高専には通えるみたいですけど。
東京の方か、京都の方かはまだ僕にはわかりませんがね。伏黒君は呪術高専に通うことになるなら多分東京かな、五条さんと関係が深いようだし。
もし僕が東京の方に行くことになったら、よろしくお願いしますねー」
でもその言葉を続きを聞きたくなかった。
正しく 優しく ある意味身勝手な
ちゃんと理解してしまえば、守っていたくだらないモノが壊れてしまうような気がしてならなかっただから。
僕はわざと遮るように、早く早く頭から出た嘘だらけの単語を繋いで文章化し喉から音として変換する。
そういうわがままだ、身勝手で自己中心的で醜く見るに耐えないモノ
吐きそうだ、自分が自身が気持ち悪い。
あぁ本当に気持ち悪い。
まだ呪いに身を浸す事になったのに、どこかいつかは戻れるそういう気でいたのか?逃げ道なんてないのに?進む目的すら結局は人任せなのに?
傲慢だ。
「…………………………」
……………あぁ表情に出てしまったのかもしれない、言う言葉は間違ってなかったはずだ。それは心には思ってない事だけど。
当主としては、まだ駄目らしい。
ちゃんとしてたつもりだったんだけどなぁ………慣れっていうのかな、心と体を切り離すそれがうまく行かないや。
「どうしました?」
なんとか仕切り直そうと、こちらをお茶を口にした。吐きそうにはならないが、美味しいとは感じられない。
ちゃんと葉を濾して淹れているのだろうが、細かく残った葉のザラザラとした感触が不快に感じる。まぁ食に関しては飲むことも食べることもいつもそうだから変わったものではない。
その不快感でなんとか思考を戻す。
次に出たのはどうしました?と言う心配、伏黒恵の心配の言葉を遮ったのによくもまぁこんなことを言える立場になったものだ。
「いや何でもな」
その時に襖が、勢いよくパンッと音をたてて開いた。きっと家の者では無いはずだ。
「恵ー、呪霊退治行くよー。後家の者と話しつけたから継木君もね。」
そこには、五条悟がいた。空気を変えられたから救いにも見えるが休日に仕事を入れられた。
というかお前がアポ無しで突撃してきたり、僕と同じ様な子供を連れてきたりしてたからこんな事になったのだから感謝の念は一ミリも沸かないのは非情なことでは無いと思う。
「…………嘘はつく利益は今は無いですね、ちゃんとした物に変えますので少し待っててください。この衣服などは仕事用ではないので。
本当にごめんなさい、伏黒くん後で菓子など適当に用意しますので親族と御召になってください。」
家の者に言ったことは、ホントだろうもし嘘だったら僕が玄関から出ようとしたらその時点で止めるはずだからそれでわかる。
念の為着替えと称して時間を稼ぐことにはするが…………本当に疲れる。
伏黒君宛には、茶菓子やら持たせよう。ここに来る時点で相当時間を使わせてるのは確実なのだからちょっとした詫びだ。
五条悟と伏黒恵と病人(継木櫻)で呪霊退治にゴー
なおその日は、小学生二人にとって貴重な休日である。
どの組み合わせがみたいですか?(展開影響アリ)
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継木&虎杖
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継木&釘崎
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継木&伏黒
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一年ズ+継木
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継木単体