学長は一息ついて空気を吸った。
「都市開発や、少子化などなどの影響でとっくの昔に廃村になった土地だ。そこにある呪物は橋その物………よくある生贄だ。
6人程生贄として使われたらしい。」
いつ廃れたかもわからない村、そこに呪いが溜まっているようだ。にしても生贄か確かに橋は境界線となるもの、それ故に…………
「はぁこういう生贄って、覚悟とかそういう物じゃなくて権力者のパフォーマンスですからね。
その案件なら確か、大昔ですし人の意識………あぁ呪物化してたんですよね。そりゃ人の呪いの吹き溜まりは関係なく呪いを発生させ続けられるか。」
こちらの本業的には、逆効果でしかないのがなんとも言えないところだ。人の思いある所呪いアリ、それが今の世界の理だ。
廃れているなら、呪いほぼないはずだが………呪物が呪力供給源になっているのなら話は別だ。呪物は呪いが籠もっている死体、呪力が人が生み出すエネルギーならさしずめ呪物は石油のようなものだろう。
大量の死骸が積みさなり年月をかけるがごとく、大量の呪力が消化されないまま残った結果の呪物なのだろうから。
「あぁ長い間疎まれ続け、呪物となった………。廃村化したのもそれが原因の一つとしてあるだろう。」
学長は重々しい口調で次々と語りだす、正直に言えば村単体としては自業自得として因果の巡りの一つとして自然に許しがくるまで放っておいてもいい気はするが………それで周囲が迷惑被ってはいけないとは思う。
呪術師の仕事ってこんなんばっか何だけどね、割合として僕の場合やくわりも入ってるから普通の一般呪術師よりは自業自得案件は少ないと思うけど。
疎まれの呪物へと変質する核となったであろう、捧げられた無意味な生贄は不憫で仕方がないが。寧ろ中には、村が廃れ滅んである程度は秘める呪いが安らいだ者達が、いれば良い。
「で封印は?その呪物無害化されてたんですよね。」
「その作った橋を使わない事と範囲内の領域に近づかない、柊を埋めて回る等など色々な縛りになるような行為を行った。」
そう思う事と放置しておくのはまた違う、もう原因は滅んでいる。後はダラダラとした延長に過ぎない、本来は終わっていた事が…………
それは僕が思う事じゃなかったな、生み出されている呪いそのものが思うことだ。勝手に方向性をつけてはならない。身勝手で傲慢にも程がある。
にしても…………
「それが偶然にも、無力化に繋がったと………確かに下手に手を出すとまた活性化しかねない案件で安定してるなら触らないでおくか………とそういう思考にもなりますねこれは。
こういう色々やった末に、安定化しているってのは具体的に何をしたから無害化されたってのが分かりにくい。」
こういう何な色々やった末に、なんか分からんけど出来たっていう案件程今回みたいに不具合が起きた際の修繕に掛かる労力が凄まじいと思うのは僕だけだろうか?
こんがらがった糸のように、一本引っ張れば別の事象も同時に動き出す。
だからこその学長直々の使命と、学長も直接赴く案件なのであろうが。見落しが致命傷になりかねない、ただ強いだけではだめなのだろう。
「今回はそこを含めての調査と再封印又は無力化任務だ。」
「これは骨が折れそうですね。
高専の方から札の支給などあります?本格的な封印には後で来てもらうとして応急処置程度は行わないと危ないですし。」
えーと言われた事を僕なりにまとめると、生贄として6人殺された上で建てられた橋が呪物にそして呪霊被害などが増加した結果対策として村が色々やった。
最終的には安定したが、どれが決定打か分からず定期的なメンテナンスがこちらで行えなかった為に放置結果封印の劣化によるほぼ崩壊状態。
今回の任務は、崩壊状態の封印の修繕か呪物自体の無効化無力化破壊そして今まで安定していた理由の調査か。基本的には封印が優先になるかな………現状維持がいいだろうし。なら出来るなら調べた方法で出来れば一番いいが。
札でも使うか、使えたら気休めでしかないけど。その後に本格的に封印術使える人に着て貰う必要はあるけど。
「札は好きなだけと言いたいが、20枚程度にしてくれ。経費も、最近厳しく見られていてな。」
金はあるだろうけど、呪具関連は少ないのだろうな………呪力持つ物体大量生産できたら呪具化させたり呪力込めたショットガンか何か呪術師全員に持たせておけばいいという話しになると思う。
正直、呪詛師相手なら人が人を殺すための武器として最新の物なのだから呪力込めなくても有効だと思う、持ち運び糞面倒だけど。治安がいいね日本。呪霊、呪詛師、呪術師わんさかの呪い大国だけど。
純粋に封印が間に合ってないのが多いから応急処置として使う機会が多くなり、その分消費量が多いと言う単純な話も理由の一つとしてあるとは思う。僕が考える事は他の誰かも考える、思考自体はにかよることが多いもの。
汗で気持ち悪くなったら、風呂はいるみたいな物だ。なるべくならズルしたいし楽な方を選びたくなる、よく天才やらどうやら言うが普通の人間の考え方を理解したほうが世の中よっぽど回りやすいと思う。
「学長先生はある種の管轄責任者でもありますからね、では20枚全てお預かりしますねー
移動方法は、電車でそれとも車で?」
でもない中で20枚程度でも、確保できれば上々といったところか………そもそも念の為だしな使わないかも知れないがなくて困るよりはよっぽどいい。
そろそろ事前に話す事が無くなってきたし、学長から何か無ければコレで終わりにしようか。
そう思いながら、目の前にある水の残りを体の中にすべて入れ込んだ。
「いや飛行機だここからはバスや電車等では距離があってだな………降りてからは使うが、チケットは取ってある。空港まではタクシーでも使うか………補助監督も大体が出張っているから行き程度はこちらで済まそう。
それでいいか?」
「どうぞ、ご自由に。ポストには寄らせてくださいね、ちょっと出すものがあるので。」
飛行機かぁ、確かにアソコは結構遠いから言うまでもなくそうだったね………高専って自家用ジェット機とかあるのかなぁありそうではあるけど見たことないや。緊急時とかの移動手段呪術師の郵送手段の一つとして。
あっそうだ、今日真依ちゃんにあってないから手紙ポストに入れないと………基本的に直接渡したいから持ち歩いてるけど中々合わないからなぁ。
僕が東京校になんでかなって、彼女は京都校に行ってるってのも理由として大きいけど。
「いつものか?まめだな。一体どこに送ってるんだ、家に報告か?」
「隠すことでは無いですけど、積極的に言うものでもないので………知りたいなら知ろうとすればすぐに分かると思いますよ。
秘匿は暴きたくなる、それが人の利点であり欠点でありサガと思ってますし。」
「言う事の内容、先代に似てきたな………」
学長?今の会話のどこに呆れるような要素あったんですか!?僕今の心の底から正直に純粋さ100%の気持ちで話したんですけど………悲しいなぁ。
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「僕の、家ほどでは無いですけどアクセス悪いですね………まぁ悪い方が良かったと見るべきですかね。良かったらと思うと………
さてここの呪いは、ぁーやっぱり駄目ですねコレは完全に解けちゃってる雰囲気がします。」
いつもより、気分が悪い。呪力が多い所になると途端にコレだ、こんな時でも身体を十分に動かせるように慣らしてはいるにはいるがキツイものはキツイ。
問題なくやれる、と問題がないは全く別物。僕の場合は問題なくやれるってだけ。
「確かに、封印がちゃんとなされているならこういう呪力満ちるようにはならない
………………呪霊も湧いてるな。
継木お前の事はカバーするつもりで入るが、ある程度戦いは覚悟してくれ。」
そういえば、学長はちゃんと戦闘用にこしらえたであろう呪骸をいくつか解き放った。傀儡とは違いある程度は自立している………から逆に。
「呪術界に入ってから10年程度、完全なひよっこでは無いですしソレぐらいの準備は出来てますよ。
ほらこの通り………また、つまらぬモノを切ってしまった。」
こういう漏れも当然出てくる、ある程度はマニュアル操作はできるだろうが基本はフルオートそうなればシステムから漏れ出るのは当然。
学長が動く前に、巻物を広げ呪霊から放たれた呪力の籠もった土の塊をパンッと音をたてて弾く。如何せん頑丈ではあるが、あくまで持ち歩きできる普通の巻物のため面積自体は小さい。
それにあくまで薄い布のため、弾くようにしなければ完全に防御には使えない。
コレまともに実践で使えるようになるまで、何年掛かったか…………この呪具もだけど。
そう思いながら、呪力を練り呪具に注ぎ込み刀身を伸ばし呪霊の核となるような部分に突き刺し振り上げる。等級は四級~三級かなこれぐらいで祓えるとするなら。この呪具刃の部分自由なのは分かるけど刀の形のまま色々長さとかだけ変えるのが応用効くんだよね。
まぁそう思うのも記憶の引き継ぎが無いからなんだろうけど、1からコツコツやって今の段階なら才能なしのボンボンと罵られないと思う。
巻物を使用し終わったので一旦、開いた状態から戻す時に僕が今呪霊を祓ったと、勝手に墨で書いたようにもとからあったように何も書かれていなかった箇所に新たに追記されていた。
いつの間にか、毎回書かれているんだよな。
「ふざけてないでさっさと行くぞ。」
「はーい取りこぼしても、ある程度なら対応できるので安心して学長はどーんと構えてくださいよ。
貴方は強いんですから。」
怒られてしまった、確かにここは呪霊の発生地帯だ学長という実力者がついてくれるから気を抜いてしまった。ずっとビクビクしてるよりはのびのびとやった方が良いかもしれないが………片寄りすぎは良くない。
上をみて蹴躓くのも、下をみて物に当たるのも起きる不具合はほぼ同じだ。
「褒めても、何も出さんが。」
……誉めているつもりは無かったが。
「何か出るなら学長が作ったぬいぐるみ欲しいです、呪骸の要素抜いてもいいので。あぁ言うデザイン探そうとしても中々無くて……」
何か出るとするなら、学長作のぬいぐるみが欲しい。あれっぽいデザイン中々見つからないし作ろうとしてもそれっぽくならないんだよねどうしても。触って手触りとか近い生地とかは分かってるけど………
「それはそれとして、進むほど呪力濃くなってますねコレ封印か無力化できなかった場合には、呪力で侵食されてる部分を区切ってこの土地ごと禁足地として封印札で囲いますか………
対処ができるまで、死んだ土地 対処できたとしても暫くは………軽く50年いや100年ぐらいは、食えるような作物も家畜も育たなくなりそうですけどね。」
にしても、これは中々にひどい………どんだけ呪い溜め込んでるのか産み出してるのか分からないが今いる浅い区域で四級三級わらわら沸いてると言うことは奥に進めば沸いている呪霊の階級も当然高くなるだろう。
呪霊はあまり土地から動かないが、人を介して移動することはままあるが………もしこの発生した呪霊が都市部などの人が多くいる地域に移動するとしたら………
いっそのこと呪霊出られないように、呪力を範囲を指定して塞き止めるのがいいと考える。この土地は死んだ土地になるだろうが………広がるよりはよっぽどましだろう。
最も封印自体を成功させたり、無力化破壊等々出来るのが一番良い方法なのだから最悪の場合の一手としてだけ頭の四隅に置いておく。
「ここの呪力がじわじわと人が多い都市部まで広がって非呪術師の被害が増えるよりはマシかも知れないな………、呪術界上層部にはもしもの案の一つとして提案してみよう。
あくまでもしもの案として、封印や無力化が大前提であり調査が主目的であることを忘れるなよ。」
「あくまでも非常時の、最後の手段ですしね………僕も最初っからこの方法してとんずらして帰ろーって考えはしてないですよーイヤー
ここが村の跡地ですかね、かなり荒廃してますけど。家自体はいくつか残ってますね、コレ中探りました?」
そんな感じで、時々でた呪霊を学長が祓ったり僕が祓ったりしながら次の行動などの合わせ等色々話してとても整備させているとはいい難い山道を歩いている内にいくつものボロボロな古い形式であろう木造の家がいくつもある村らしい空間につく。
昔はそれなりに人間がいたのであろうか、今となっては見る影もないし呪霊が見るからに至るところに闊歩している。
にしても調査はあまり手だし出来ない頃にはどの程度行ったのだろうか?高専的には現状保管優先で周囲探るぐらいで中に入ることはあまりなさそうとは思うが。
「探ってはいない、封印の維持として定期的に高専が人を出して現状保管に努めていたからな………
今回は探りを入れる事については許可は出ている、もう封印は劣化し意味を成さなくなっているからな、何が封印を封印たらしめていたのかをしっかり調べろとのお達しだ。」
継木 櫻は割と呪霊に関して寛容な部分があったり。(人襲うのはアカンからごめんなーって感覚が多い。元々は人の負の感情から産まれてる事がおおいからね。こいつにとっては呪力のうちから無くしておけば産まれなかった存在なので。)
どの組み合わせがみたいですか?(展開影響アリ)
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継木&虎杖
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継木&釘崎
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継木&伏黒
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一年ズ+継木
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継木単体