形代の呪術師   作:夢食いバグ

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性格はいい性格(善人)でもあり、いい性格なイメージで書いていたりしてます。


対の呪い 4

「そうか………もし今回の案件と関係ないとしても覚えておこう、報告してくれてありがとう。

 

そして回ったところ大分呪霊が結構湧いてるみたいだが継木はどう見る?やはり封印の影響か?」

 

ここに湧いている呪霊の、等級は大体目測で3〜2の後半辺り麓の所よりもかなり強さは確実に上がっている。橋本体近くになれば………本当に特級案件になりそうだなコレ本来なら。

 

特級を使わないにせよ、二人と言う少人数チームでやるもんじゃないだろう呪術界は人手不足だから基本単独任務だし二人組出てきている時点で破格なのは一旦置いておいて。

 

呪霊の多さから見れば封印となる抑えが機能していないのは、学長から見ても僕から見ても確実だろう………

 

流石にずっとこの状態で今まで平気でしたと、思っていたら今も放置してわざわざこの場所に任務としていかせないで、別の案件にお互いを向かわせているだろうし。

 

そう考えながら学長をみれば、調査中に破損したであろう呪骸の簡単な修理を呪力のこもった針と糸でチクチクと縫い合わせておこなっていた。

 

使い捨てにするとはいかないものだし当たり前といえば当たり前なのだろうが。

 

「個人的にそれ以外の嫌な感じがするんですよね、感以上のものでは無いですけど見落としが………勘違いならそれでいいですし。

 

やっぱり実物見るまでは、僕でも分かりませんね六眼みたいに便利な力はないですから。」

 

そんな様子を見て、いつの間にか夕暮れになった空を見上げながら言った。この調子だと夜に本格的な呪物がある所の調査になるだろう、暗くても暗くなくても危険度はほぼ変わりはしない。

 

僕が感じ続けている呪いとは違う様な嫌な感覚も、自意識過剰又は被害妄想と言えばそれまで確信も何もないものだ。

 

やはり呪物の実物をみない限りは、始まらないだろう百聞は一見にしかずとはまさにこの事だろうと僕は感じた。聞もかき集め集計し纏められるだけの量と確実性があれば一見にも勝るとも劣らないとは思うが、少な過ぎるのと情報の裏付けがここでは取れない。

 

「嫌な感じだな、警戒していこう。お前の予感は結構良いところまで当たる。先代も同じ様に言って当たっていること多かったからな外れることもあったが。

 

感覚が近いんだろう。」

 

言ったことを頷きながら学長は、聞き口を開く。手は相変わらずこなれたように修復作業をこなしながらではあるが。

 

先代 継木 櫻 おじさんと僕の感が似ているのか………

 

学長いやちゃんと呪に最初っから関わっていた人達は、僕よりもこういう時のおじさんをよく知っているんだろう。

 

おじさんがいた頃は、僕は呪い全てを夢物語話され遠ざけるようにしてくれて本当の意味で触れても来なかったのだから。

 

「未確認の事を言うなんて妄想に近いですからね、大体の輪郭が合っていれば良いんですよ。大外れだったらそのときは笑ってください。」

 

何てことおじさんが死んでしまった後では確認しようがないけど、未確認をこうだという思いで仮定するのは…………身勝手な盲言だ。

 

その盲言を積み上げそれっぽく整えられたら上出来なのだろう、100考えるうちの1当たっていればいい。何も察知できないのが、最もまずい。

 

考えるだけならいくらでもできる、こうであると固まってると視野が狭くなる。もし選択肢が多すぎて迷うなら決めたときにすぐに行為が行えるような導線だけ敷いて後で決めればいいし、騒ぎを起こしてしまったら基本はごめんなさいそれだけでいい。

 

ノストラダムスの大予言なんて世界が滅亡するオカルト話が流行った時期もあったが、ノストラダムス本人自体はこんなこと起こらないほうがいいと思って書き記したのだろう。

 

本当に滅びろなんて思ってたら、そのまま想像通り滅びるようにわざわざ書き記したりなんかしない。

 

「そういうことがない方がいいからな、安心して笑ってやる。」

 

悪い事が外れるのはいい事だ、是非とも笑ってください、こんなこと悪い夢を幼稚に描いたような只の絵空事だったと。

 

学長はいつの間にかテクテクとトコトコと歩いていてて、僕が少しボーとして多分離れていた。確かに必要なことは話し終わったが………そう思いながら、少し早足で駆け寄って距離を詰めた。

 

もしかして僕に話してたの、呪骸を修繕する間の暇潰じゃないよね?学長。

 

「所で橋に向かうには、結局どこ通ればいいんですかね始めていくので?学長は知ってます?」

 

後は実物や実物の周囲の検証をして、詰めていくこととなる。そうなると何日か掛ける場合はここの往復が多くなるだろうな………めんどく、道覚えておかないと。

 

にしても何度か現状保管で足を踏み入れているなら、詳しい地図あれば貰えばよかったな………基本高専ってそこら辺準備が悪いと言うか不親切だから。このそれなりに用意してそうな簡易的な封印札も僕が言わなきゃ貸与されなかっただろうし。

 

備品等申請マニュアルでも、僕高専所属の呪術師用に作っておく?なんか労働組合みたいになりそうだけど。そもそも申請して使えそうな呪具に当たる物知ってる人少なそうなんだよね………僕みたいにひ弱で臆病じゃなくてしっかりしてて自身の肉体や呪術だけで解決できるってこのなんだろうけど。

 

強くなって階級が上にいくほど、そう言うもの使うことは少なくなるし。鍛えたものでやった方がはやく道具を使うまでも無くなっていく。

 

「それはお前の言うとおり俺が知っているから、後をついて行け。置いていかないようには、気をつけるがな。」

 

学長は、そう言って山道に入っていく。蟲が多そうだから念のため持ってきていた虫除けシールを服に貼ってたら、いくつか寄越せと言われた。

 

虫除け持ってきて無かったんかい山だと分かってたのに、お互い準備不足やっぱりあるんじゃないの?………すぐ着てすぐ調査だから細かいところはしょうがないと思うけど。

 

旅の栞がある訳じゃあるまいし、こんなところホラースポット金貰っても個人で旅するのは嫌だが。

 

「結構険しいな大丈夫か?」

 

お互い無言で山道を登っていく、橋として使われる予定だったことの名残なのか道自体は存在するが整備はとてもされているとは言いがたく石を埋められ出来た足場も割れたりすり減ったりとガタガタだ。

 

あるだけましとでも思うしかないのだろうが、踏み進める度に呪いが濃くなる……そう思いながらふと横をみるとスナック菓子のような袋が視界にはいる。

 

デザイン的には、かなり場違いなほどに色とりどりで新しい物だった。空なようで故人のために置いたその様なものではないことがありありと認識できる。

 

「大丈夫ですよ、でもそれにしては新しい足跡がありそうな。ちょっとここも確認しながら歩いたほうがいいかもですね。」

 

僕はその空のスナック菓子の袋を拾って、学長に見せてからしまった。もっと古い年代の物なら良かったが新しいものだ、コレを捨てた人間が捨てることの出来た人間がいると言う証明だ。

 

呪霊に、殺されなかったのが運がいいのかそれとも。運が悪く踏み行ったのか。

 

「人が入った、それが封印劣化の原因の一つか?周囲への注意喚起情報操作は行ってはいた………が。」

 

情報操作を行っていても、入る人間いる。注意喚起を聞くのはあらかじめそう言うことに気を付けている人間が殆どだろう。聞かせたい人間の耳には目には通り抜ける。

 

むしろそう言うやつの一部ほど。

 

「刺激を求める人も、自己を見せたい人も、こういう所には行きますよ。肝試しとか度胸試しとかで何も知らずにいえあえて知っていて入っていく、案外頭が悪………色々な意味で純粋な心を持つ人達は多いですよ今の環境だと余計に。」

 

蟲が火に飛び込むかのように入り込んでくる、この世界では自我を発散させるのはある意味容易になった。 そして多くの人に知らしめることも可能になった。皆裸の王様のような行為を行うことが出きるようになった。

 

昔はその様な行為は、王等の権力者ぐらいしか意味をなさない娯楽だった。それが時代と共に降りてきて、そういう娯楽をしても意味を持つようになる。

 

しない行動をするのが偉い、禁止されている行動をするのが偉いとはいつ誰が最初に思ったのだろうか。

 

「橋を渡らないという縛りが、破られてる可能性があるな、そういう輩が入り込んだのであれば………禁忌は知っていたら、寧ろ積極的に破るだろう。」

 

その発言に、うんうんと強く頷いて僕も学長の意見に全面的に肯定の意思を示す。大分夕日も落ちて暗くなってきた………そう思って光源が必要になるだろうと手元のライトを再度倉庫の時のようにつけようとしたが……

 

学長が立ち止まり後ろを向いて神妙な顔でこちらを見てきた、あぁ

 

「思ったより、事態は悪化しているかもですね………。呪術師は毎回手遅れですね。先代から耳がつぶれるほど、聞かされましたけど。」

 

呪霊に探知されるっ、て事か。

 

僕は手に持っていた小型のライトをしまって、ぼやくそして呪具の柄の位置を再度確認した。学長から見ればもはや村とは比較にらならないぐらいの呪霊溜まりに見えてるのだろう。僕にも呪いが濃く気分が悪い場所だから、理解できる。

 

封印時は何となく、橋の所だけで留まっていたのだろうソレが、だんだん下の方までダムが決壊するように呪いが伝播してきた感じかな。

 

学長は僕がライトをしまったことをちゃんと確認すると、また前を向いて歩き出した。暗いし足場は更に劣悪になってるからこけないように自然とするようになり進むんで行くペースは確実にお互い落ちている。

 

お互い黙々と目的の場所へ向かう為無言で進むと石が擦れて転がる音、虫がさざめく音、何かの水音、鳥が飛ぶ羽が擦れるような音………そんな様々な自然の環境音がいつしか僕達がこの道を進むことを拒むようにパッタリと止んだ。

 

そんな時に、僕のなんとなく呟いたボヤキについて学長はなぜだか知らないが口にした。

 

「呪術師は手遅れか、言えて妙だな。持論だが呪術師に、後悔の無い死はないと思ってる。それと同じかもしれないな、手遅れは生に向きこっちは死に向いている。」

 

手遅れと後悔、その2つはとても在り方が似ているが位置が違う物。後悔は己自身に貸す心の楔で、手遅れは結果を固定する言葉なのだろう。

 

もし僕の、最期が来たとして手遅れを笑うのだろうか。それとも後悔を楔として撃ち込むのだろうか。

 

「こっちは死は突然ではないってのはあるかもですね、突然じゃないその前にあるとするなら意識の喪失ですからね。

 

寝てからずっと目覚めないとか。喉を焼かれ手足を斬られ腹から栄養材流されるだけとか。呪術師は遺書義務化したほうがいいんじゃないですかね、とりあえず。」

 

それともそれを思う暇すらなく、僕の意識がそして意思が喪失するか。

 

死ななくても、死に似たような事は多くある。植物状態とか寝たきりとか、多くの人間は例え精神の死だろうともそれを本当の意味での死とは呼ばないだろう。

 

例え点滴に繋がれて体が動かせず口も何も意思もない管理された只の蠢く肉塊に等しくても。

 

継木は肉体を生かされる。性質の喪失を死と定義される。

 

どんな状態であろうと、終わる時まで死と認識はされない。体質に名付けられる名が継木 櫻であり僕個人につけられるものではないのだから。

 

まぁでも、僕には僕の名はもうあるから忘れてはいけない大切な名前。紀野 楓があるだからきっと何があろうと平気、僕は僕としてちゃんと生きられるしそして死ねる。

 

その時にどんなに手遅れだろうが、後悔をしようが………それが僕の証だと思えると思う。

 

「そろそろ橋に着くぞ、前に見えるのが分かるか?継木呪具はもう構えておけ、いつどうなるか俺にも分からん。」

 

話をそらしたのかそれとも、着いたことを示したかったのか学長は指を指していた。その指で指された先を僕は促された通りに頭を上げて見れば、とても人が安全には渡れそうにないほど劣化した橋が風に吹かれているのかゆらゆらと揺れている。

 

もう少しで、呪いの核となる場所につくのだろう。割と時間が掛かってしまったな降りる時にもここを下る事になるのかと少し辟易としながら。

 

「呪いなんてあり得ないことはあり得ない、それがこちらの普通。夢を幻を嘘を現実に持ち出す事象ですし、濃くなれば濃くなるほど、どちらが表か裏か分からなくなる。 

 

学長も呪いに呑まれないように………何て僕に言わなくても大丈夫ですよね?」

 

この場の呪いの源泉、そこに後もう少しで近づく。ここまでいくと進む度にあちらにむしろ手招きされているような感覚に陥る。

 

空に落ちるように、地に浮かぶように。

 

異物を直すために足を、踏み入れるのかそれともこうなってしまったからには僕達こそが異物なのか………まぁどっちでもいいけど。

 

何にしてもやることは、変わらない。

 

「とりあえずだな、後ろに着いていけ。お前はそれなりに出きるそして呪術師としても精神は安定している事は分かってるがまだ守られるべき子供の一人でもある事は、忘れないように。」

 

「甘いと言えば、優しいと言えばいいのか分かりませんね。遠慮せず後ろにつかせてもらいますが、貰えるものは貰っておくそういう心持ちです。」

 

「そういうなら厳しくしてやろうか継木、大人しいのか生意気なのか分からないな、コレは。」

 

「ハハハやめてくださいよー嫌だなぁ。

どうも褒め言葉として受け取っておきますよ、学長。」

 

子供と言われ、こんな他愛もない会話をしながら、進めているが………そういえば僕は単独での任務をよくよく考えれば学生じゃない時も含めて一度も行ったことが無い。

 

いつも誰かと居るのは、監視が主だろう事は分かりきって入るが………僕が知っている限り大体いつもの一人で任務に行っている伏黒 恵はいったいどんな景色を見ているのだろう。

 

今思い返しても仕方がないが、恵どうしてるかなぁ心配だなぁ………僕が行ってどうなるって話をしてもタラレバにすぎない。

 

この時を、頑張っていこう。




次でオリジナル展開に目処つく予定なので……、伏黒君の任務に着いていけない理由ずけと継木の精神的面や戦い方(戦闘能力)さらっとやるはずだったのにどうしてこうなった。

なお伏黒君に着いていけなかったメタ的な理由は、こいつがわりと調査系任務特効過ぎるためだったり。(宿儺フィンガーの呪力覚えている&残穢すいとりで、虎杖君が持っている箱で惑わされない。

ゲーム的に言うなら、探知スキルガン積みした戦闘火力はMPor貫通ダメージ任せのキャラ(今のところ)敵対するとうざそう。

どの組み合わせがみたいですか?(展開影響アリ)

  • 継木&虎杖
  • 継木&釘崎
  • 継木&伏黒
  • 一年ズ+継木
  • 継木単体
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