形代の呪術師   作:夢食いバグ

23 / 36
継木がちょっと考えるだけ(本人的にはほぼ陰謀論)


ゴミ袋か、雑巾か 2

僕は、恵と繋いだ通話を切った。とりあえず普通より広めに作ってもらった机の上に、ノートやら色々必要な道具を取り出し広げ自身の中で内容を整理する。

 

纏めるのは、関連させて可能性を広げるのは後。事柄だけ、ある程度の内容が書き込めるような大きめの付箋に頭に浮かんだ事をひたすら書き連ねていく。記憶力がそれなりにあるだけで、頭の良さ自体は恵よりも下だという自覚はある。僕が出来るのは、ただそうかもしれないという頭の中の道筋を増やすことだけ。

 

良い選択肢を選ぶのではなく、闇雲に増やしているだけ。………口に出すのは何となくそうかなと思ったことだけだからいくつも想像は壊れて頭の底に沈んでる。

 

だからといってしない理由にはならない、そう思いながらひたすらに剥がしては書いていく。頭の中だけで考えるより、文字として出してそれを見ながら組み合わせる方が僕にとっては良い。性に合ってる。

 

項目としてぱっと思い浮かぶ事が少なくなった。そう思った時、カツンと付箋という紙に書いたような音ではなく固い物にぶつかった音がした。

 

手元を見るといつの間にか付箋が無くなっていて、机にはびっしりと剥がされた付箋が隙間なくくっついていた。あぁこんなに使ったのか。………地味にこういう細々とした消耗品の出費が痛い、高専の方から学生なので貰えませんか?とか言って最初はオーケー貰えたが度合いが酷かったらしく制限つけられたなそういえば………

 

共同購入の方が、普通に文房具屋とかでいちいち買うよりまだ安く済むから、それだけでも有り難いけど。

 

記憶引き継いでたら、こんな事しなくてもすぐに分かっていい選択の仕方とかも分かっていたりしてたのかな………。今は出来るとしても嫌だと言えるけど、僕が僕で無くなりそうだし。

 

「虎杖悠仁 宿儺の器かぁ………五条的には、すぐにこの高専に入学させるだろうし。」

 

とりあえずびっしりと貼ってある付箋を机を使えるようある程度どかして、一枚の紙を取り出す。そしてそこにさっき書いた付箋を、僕なりに纏めるようにペタペタと貼り付けていく。

 

そこに矢印や囲う様に、円をつけて追記もする。 虎杖 悠仁 は必ず呪術高専に入学するだろう、比較的似た前例である 乙骨 憂太 も同様に呪術高専に入学させられている。

 

違うのは…………

 

「(僕が雑巾だとしたら、彼の立場というか求められている役割はゴミ袋のような物だろう。)」

 

乙骨 憂太がコントロールが効かないが故に、本人同意の上秘匿死刑として処理が決定し呪いのコントロールを得た故に死刑の撤廃が成された。

 

虎杖 悠仁は宿儺の指の器として、適性があったが故に喰らうことによって死なず。更に意識を保ちコントロールがある程度の可能だと分かっていても呪術規程上で死刑自体は強固な決定事項だ。

 

………純粋な危険度からみても、僕も虎杖 悠仁いや宿儺の指の思念のほうが危ないってのもあるか、乙骨 憂太の折本里香場合は最初から 手を出さない 口を出さない 何もしない と言うある意味での安全牌自体は存在してたし。

 

主となる寄生者に突っかかって出てくるのと、突っかかってなくても出てくるののどっちが恐ろしいかという話だ。

 

待遇は違うと思うが、虎杖 悠仁と僕の求められている傾向としては似たようなものだろう………宿儺の指と言う廃棄物をすべて入れる為のゴミ袋か、呪いと言う様々な雑多な汚れを移し替え何度も何度も洗い使い潰してから捨てる雑巾か。

 

そう思いながら、ある程度紙の中の情報が多くなったら部屋においたプリンターで印刷し付箋を剥がしまっさらな白紙の紙に印刷した物を見ながら完全に同じにならないように貼り付けていく。

 

「虎杖 悠仁に全員の前で頭下げて土下座してもいいな、完全なるお飾り故に一定の抑止効果はあるだろう。」

 

虎杖 悠仁の宿儺の指の摂取は、確実にこちら呪術界側の失態となる。本音で言えば、呪いをあちらに混ぜさせないそれがこちらの存在意義の一つなのに今回の案件はあらあらまぁまぁというところなのだが。

 

継木家としての決定権は、少ないが錦の旗には近いだろう。それが地に頭をつけるという事は結構な意味を表すことができる。

 

「けどそれの後の対応がクソ面倒くさいな、やっぱり呪術界糞ですわ。この業界やめよ、僕の場合はするなら二階級特進のみだろうけど。」

 

………まぁでも色々考えると、不都合やデメリットがでかすぎるからな………継木家のみなら家の者達にも思考的に納得してもらえるだろうし何とかなるが、婚約者の禪院 真衣の方禪院家にも僕の行動は、確実に飛び火する。

 

ただでさえ御三家は、基本的に修羅に近い様相なのに刺激する物を与えてはいけない。色々と思考の形質が異なるからなぁ………こっちの方が、呪術師の家としては異端な事は知ってはいる。

 

そう考えて、土下座と書いてあった付箋を剥して破って捨てた。考えると虎杖 悠仁の為に僕が最低限出来るのは今の所、調整 根回し 牽制ぐらいか………いつも通りだな僕らしいけど。

 

本当になにも出来やしない。見事なまでの御飾りだ、まぁそれが周囲にとって一番いいのだろうけど。

 

「本当に、仕組まれてないよな。宿儺の指が杜撰に魔除けとして置いてあった学校に偶然宿儺の器って………任務も最初っから違和感凄いし。

 

そもそも魔除けとして、不適合だしね。

 

呪いを、喰うことで強化される事がある程度分かってるとか純粋に知識なかっただけかもだけど………」

 

夜も遅い、がまだ今やっていることは中途半端で残ることになる。寝るにはスッキリしない、思考を死なずには死にきれない。

 

一番の不安点は、コレがある程度または最初から予期していた事象または仕組まれた事象である可能性だ。正直に言えば、宿儺の指が雑に放置されていた学校で丁度いた生徒が宿儺の器となる適性持ちだったとか………偶然にしても出来すぎていると思ってしまう。

 

後、何故か喰った………

 

器としての確認は喰ったからできたのだが、最初の前提あの呪物を喰うという思考を持たなければならない。力を得るとしてもそれを食べることで、得ようとか………僕なら宿儺の指で呪霊を殴るだろう。

 

でもここらへんの思考は虎杖悠仁という個体の性質を知らないがゆえだ、そこに至るまでの経緯としてわかっているのは恵含む民間市民の呪霊の除去による救命のため。

 

そこに至るまでの会話二人共覚えてるかなぁ………覚えてないよね普通そこまで気にしないもん、流れ的には物凄く気になるけど………

 

「うーんでも仕組まれたとなると、むしろ任務の方が目的には邪魔になるし。ァー本当に気のせいでいいのかーこれー」

 

もしも、宿儺の指を器として目をつけた人間に喰わせる事だけが目的ならばむしろ高専の任務は邪魔としか言いようがない………こっそり呑ませればいいだけだ。それに見つかったら死刑となることは確定している、実際に五条悟を伏黒恵が動かし五条悟の上層部への宿儺の指20本摂取後の処刑で通っている。

 

………こっそり呑ませるなら、高専が元々持っていた指のネックはあるが全部揃うとは中々いかなくなる。

 

合点がある程度ついて最も最悪なのが、上層部の一部もグルになっての仕込み。それならば、高専所属にしたほうが指の投与スピードも行動のコントロールも自在にできる。

 

表向き怪しいのも五条の意見だった、そうカバーできてしまう。恵の提言はあったにせよ、乙骨憂太の秘匿死刑を蹴り飛ばした男だ宿儺の器という呪術適性の高い個体を見逃すはず無いだろう。

 

まぁこう色々考えても、そこに事実としてある根拠はない皆ただの空想だ。

 

思考がバラバラだな、分けよう。

 

そう思い貼っては印刷していた紙の方向性が似通ったものに同じ番号をつけていく………どうやら僕が今思っているのはグループとして分ければ3通りぐらいらしい。

 

1,雑に宿儺の指が、魔除けとして置かれていたことも適合者がいた事も何もかも偶然か。

 

2,呪術師外部の………呪祖師と置いておこうか、呪祖師が今回の案件のコントロールをしていた。

 

3,そして最後、仕組まれた上でこちら側もグルかそもそも最初からこちらが仕込んだことか。グルだとするなら任務を指定できるのは上層部でも………

 

「………悩んでもしゃあないか。」

 

呪術の世界にあり得ない事はあり得ない、どんな不条理であろうとも持っている術式又は呪物や呪具等でなんとでもなりかねない。ことを成す為の手段なんて、どうとでもなる。

 

故に思考を止めたら、ソレは未然への対応の諦めと僕にとっては同じになる。呪術師は手遅れだって、何度もおじさんが言っていたけどね。

 

僕は、散らかった使ってない付箋やそれなりにコピーした紙を一つのファイルに纏め本日の日付のタグをつけて仕舞い込んだ。ある程度の終わったことに安堵かそれともしたことによる疲れか眠気か欠伸を一つついた。

 

「学長に相談するしかないけど、僕個人の中でどこまで口外してもいいか。京都校の学長は、割としっかりしてる人だからゴミ袋はパンパンに溢れ出るまで使っておくタイプじゃなくてきっちり捨てようとするからな…………」

 

方向性が決まったところで、次に考えるべきは手段であろう。呪術の世界では手段なんてどうとでもなるといったが、ソレは力あるものにだけ適応できる話だ。

 

生憎僕には、そういうものではない。だからそういうものからしてみれば鼻で笑って一蹴されるかも知れないが地味に積み上げていくしか方法はない。後はせいぜいすぐ首を縄に繋がれないように輪郭を避けながら外堀を埋めていく、それぐらいだ。

 

そうなると3の想定がもし、真実と近かった場合は上層部に近いこの場所高専もある意味警戒対象に入る………二人の親しい学長も範囲内だ、まぁだからといってどうした?とも言えることにもなるが。

 

2.3の場合から見て、虎杖悠仁に宿儺の指を喰わせるという目的は確実。

 

個を無視するのであれば、すぐに虎杖悠仁は予感からしても殺したほうがいい。溢れるまで入れるか入れないかそういう程度の問題ではない、仕組まれている以上歯車の核となる彼を殺せば新たに作られない限りは時間稼ぎができるからだ。

 

………時間稼ぎに過ぎないけど。

 

あくまで歯車の一つなら、入れ替え又はソレ抜きの計画の再編等いくらでもやりようがある………僕ぐらいの平凡な思考でも思い浮かぶのだから当然だろう。

 

「呪いに適合しただけの、一般人だ。いつか殺されるとしてもソレは宿儺の器としてではなく一人の人間として死ぬ必要がある。殺されるにしても死ぬにしても。」

 

ここからは、予感ではなく僕個人としての勝手で身勝手な考えだ。

 

会ったこともないが、まぁ明日には会いにいくし会うことになるだろうけど。呪いとは関係のない生活を送ってきた人だ、例え器となり忌み者として見られるようになろうが、器としての役割ではなく彼個人として保ってほしい。

 

「アレはもう死んだ物だ、どれだけ強大でも似た何かにしかなり得ない。」

 

宿儺の指を、取り込んで彼の中に宿儺がいるとしても結局は力のコピー複製物でしかない。本当の両面宿儺彼自身はもうそこにはいない。

 

見ているのは思考の影に似たようなものにしかならないと僕は思ってる。

 

「死は救済とは僕はとても言えないが、死はあらゆる物の最後の禊にはなる。ソレははっきりと思ってる、だから宿儺の器としてだけで殺さないでくれ。

 

とか言っても、どうなるかなぁ………僕に出来るだけのことはやっておこう。」

 

だからこそ、死ぬ時は器ではなく彼自身と認識してほしい。死は、救済ではないなるべくなら避けたほうがいいそれを遠ざけるために人は労力を裂き呪いという幻想に頼らなくても長くあり続けることが出来るようになった。

 

死の形自体も、在り方も少しづつ世界歪めず理解して変質させてきた。

 

………でも救済ではないが、最後の禊の儀であるとは思っている。罪があるのなら赦しも合わせて必要になる、罰は赦しを得るための通過儀礼のようなものだろう。

 

子供が、コケて血が出て後々傷が塞がっていくのをコケたという原因が罪 その結果血が出るのが罰 傷が塞がるのが赦しのようなものだ。

 

だからその最後の赦しを、両面宿儺という自身に巣食った影のため消費してほしくない。

 

死ぬなら、そして殺すなら、彼として殺してくれそう切に願うのだ。僕が僕としてあるように、彼も彼としてあってほしいそんな身勝手な思いだ。

 

「………………………」

 

片付けられて、綺麗になった机から離れてそんな思考を切り離すように指でとっくに覚えてしまった携帯番号を押していく。

 

「夜遅くに申し訳ない、ちょっとこっちの方荒れそうだから………ゆっくり比重を海外の方にうつしてくれないかな?

日本を捨てるわけじゃない、一旦展開を抑える。大丈夫かな?百鬼夜行の時と同じように。」

 

継木家は、ある程度大きい家だそれも呪いとは関係のない部分が………だから他よりも呪いに関わらない人を背負う。

 

あぁ本当に慣れた、精神的に辛いのも慣れた嫌になる。けどしなければどうなるのだろう、考えたこともあった純粋に呪いで死ぬ人の数が増えるだけと思った。

 

「継木 櫻様が言うのであれば。」

 

「………今代継木はこの僕だよ。」

 

あぁ気分が悪い、そう思って当主としての役割は果たしたと思い返答も待たず、すぐに通話を切った。




死の形自体も、在り方も少しづつ世界歪めず理解して変質させてきた。

割と継木は現代技術万歳派

科学技術→元々敷かれた世界の法則を理解し、それに沿って運用するもの。
呪い関連→世界の法則自体を歪め、仕組み自体を組み替えて運用するもの。

の認識呪力の籠もったものじゃないと祓えないという仕組みには呪い関連は仕組み自体歪めるんだから元々法則を理解してきちんと沿って運用してるの理解したルールの根本から壊すからそりゃ無理だよねと考えてる。

どの組み合わせがみたいですか?(展開影響アリ)

  • 継木&虎杖
  • 継木&釘崎
  • 継木&伏黒
  • 一年ズ+継木
  • 継木単体
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。